肉離れ時のストレッチはNG!最短回復法と予防運動6選

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休日にスポーツをしていると、急に太ももやふくらはぎにピリッとした異変が…。
「痛い!」
患部を手で押さえないと耐えられない痛み。チームメイトからは「肉離れかもしれませんね」の一言。

肉離れになってしまうと、大好きなスポーツができなくなるだけでなく、日常生活にまで影響を与えてしまいます。発症させないことが一番ですが、万一肉離れになってしまった時はまず安静にするなどの処置が必要です。そのためにここでは最短で治すためにとっていただきたい対策と再発防止のためのストレッチの方法についてお伝えします。肉離れ直後はストレッチは危険ですので行ってはいけません

この記事は石塚利光が監修しました。

日本コアコンディショニング協会コアコンディショニングリサーチディレクター/東京大学女子バレーボール部トレーナー/米国公認アスレティックトレーナー (BOC-ATC) /日本トレーニング指導者協会・認定上級トレーニング指導者(JATI-AATI)/ペンシルベニア州立カルフォルニア大学卒業/前・福岡大学助教/訳書「アスレティックボディ・イン・バランス」(Gray Cook著)


1.なぜ肉離れは起こるのか?症状と原因を解説

ふくらはぎ 肉離れ

肉離れとは、急激な負荷が筋肉に掛かり、損傷することを言います。症状がひどい場合は日常生活に影響することもあります。

肉離れには以下のような症状があります。
・患部が内出血をする
・患部を手で押さえていないと痛みで動けない
・足が痛くて床につくこともできない
・何もしていなくても痛みが続く

肉離れが発症する主な原因は、カラダが動ける準備ができていない状態で運動を行うことにあります。つまりウォーミングアップが不足しているのです。準備ができていない時の筋肉は、少し緊張していたり、疲労などから柔軟性が低下しています。その状態で運動による急激な負荷が一部の筋肉にかかることで負荷に耐えきれずに損傷します。

ケガなく競技を続けるには、十分なウォーミングアップを行い、肉離れを予防することが大切です。特に運動前には、“動的ストレッチ”を行うことをおすすめします。詳細は第3章にてご紹介します。


2.肉離れにストレッチはNG!発症直後はRICE処置を

アイシング

もし肉離れになってしまったら、発症直後はストレッチを行ってはいけません。なぜなら大きく損傷している筋肉をストレッチすることで、さらに症状を悪化させる可能性があるからです。肉離れ発症時に行うベストな方法がRICE処置です。RICE処置とは、炎症などで筋肉が熱を持っている場合に行う応急処置方法です。ひどい痛み等、肉離れの可能性を感じた方は下記の対処を行ってください。発症直後に適切に行うことで、回復を早めます。その上で、整形外科の診察を受けてください。

Rest(安静)

痛みが出た直後からカラダは、痛めた部位の修復作業が始まります。この時に運動や肉体労働を継続すると回復までの期間が長引きます。早期回復するためには、安静にすることが大切です。

Ice(アイシング)

痛めたと思ったらここに一番時間を取るようにしましょう。患部を冷やすことで痛みを減少させることができ、アイシングによって血管を収縮されることによって腫れや炎症をコントロールすることができます。保冷剤や氷をビニール袋にいれて患部に当てるなどして冷やしましょう。バケツに氷水を入れてその中に患部を入れて冷やしても対応することができます。

Compression(圧迫)

患部を圧迫することで、腫れや炎症をおさえます。圧迫の強さはある程度の動きが出せるくらいに、しびれなどが出ないように注意しましょう。患部をタオルなどで覆い、きつく結び圧迫しましょう。

Elevation(挙上)

心臓より高い位置に患部を上げることで重力を利用し老廃物や腫れなどをおさえます。脱力して持ち上げられるように補助になるようなものを活用すると効果的です。例えばふくらはぎが肉離れした時に、仰向けで足を高い位置に置いて寝るようにしましょう。

3.再発防止のために運動前に必ず行いたい動的ストレッチ2選

運動前にウォーミングアップを行うことの重要性はわかったけれども実際に何をしたらいいの?と疑問に思う方も多いでしょう。運動を行う前の準備体操として、動的ストレッチをオススメします。動的ストレッチは手足を動かし、動きの中で筋肉を伸ばしていくストレッチ方法です。しかし、動的ストレッチはストレッチ強度が高いので、いきなり行うと肉離れなどの怪我につながる場合もあります。

以下の項目に当てはまる時は、動的ストレッチを行う前に第4章で紹介する静的ストレッチを行い、軽く筋肉に刺激を与えてから行いましょう。
・運動習慣が今までなかった方
・激しい筋肉痛や筋肉に張りを感じる方
・普段と比較してカラダが重いまたはだるく感じるとき
・冬場など気温が低くカラダが冷えているとき

ここでは、肉離れを予防する下半身の動的ストレッチを2種目ご紹介します。ウォーミングアップに取り入れて行いましょう。

3−1.ハムストリングスの動的ストレッチ

ももの裏にあるハムストリングスは、激しい運動の中でダメージを受けやすく、ケガにつながることがあります。ジャンプをしたり、素早い切り返しが必要なスポーツをされる方は積極的に行うようにしましょう。

エクササイズ方法:P1280331

歩きながら、タイミングをとり勢いよく片足を振り上げます。振り上げた足のつま先を足と反対側の手で掴みましょう。左右リズムよく行うことがポイントです。ハムストリングスのストレッチを感じながら左右10回を目安に行いましょう。

P1280357

つま先を手で掴むことを意識しすぎると上の写真のように上半身が丸まってしまいます。これでは十分にストレッチすることができないので、エクササイズを行うときには注意をしましょう。

3−2.大腿四頭筋の動的ストレッチ

ジャンプを繰り返し行ったり、瞬間的に蹴り出すなど、大きな力が加わる時にももの表にある大腿四頭筋(だいたいしとうきん)は肉離れを起こしやすくなります。ストレッチをすることで肉離れの予防をするだけでなく、パフォーマンス向上もすることができます。

エクササイズ方法:P1280373

このエクササイズはランニングなどをしながら行います。お尻に手を置いて軽く走りながら、トントンとかかとで手を蹴るように足をあげましょう。膝を曲げているときに大腿四頭筋が伸びていき、ストレッチをかけていきます。ゆっくりなペースで走りながら行い10〜15m間を目安に走りながら行いましょう。

4.練習後に行うことで再発防止効果を高める静的ストレッチ4選

一日の終わりや、激しい運動を行った後はカラダのクールダウンが必要です。そのことで、ケガの予防や疲労回復、筋肉の緊張による慢性的な痛みの予防が期待できます。そのために最適なのが「静的ストレッチ」です。

ここでは、肉離れの再発防止を目的としたストレッチを4種目ご紹介します。運動後や一日の終わりに行い、筋肉のケアをしましょう。
※普段運動習慣がなく、久々に運動をするという方は、動的ストレッチを行う前の準備として、この4種目を行うと効果的です。

4−1.ハムストリングスストレッチ

太ももに起こる肉離れの70%以上がハムストリングスの肉離れだと言われています。特にデスクワーカーなど、座り姿勢の多い方は、ハムストリングスの柔軟性が不足しがちです。この状態で運動をすると肉離れのリスクがあるので、定期的にストレッチをしてほぐしておきましょう。
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エクササイズ方法:
片脚の膝を軽く曲げて乗せられるくらいのステップや台を用意します(30cm未満を目安に)。片脚を伸ばしたまま前屈を行います。写真のように、腰から折れ曲がるようにして伸ばしていきます。ポイントはまっすぐ伸ばした脚のももの後ろが伸びていることを意識することです。左右30秒間行いましょう。

4−2.内ももストレッチ

ハムストリングスや前ももへの負担を軽減するには、内ももの筋肉を正しく使うことが重要です。ストレッチを行い柔軟性を高めることで、内ももの筋肉の動きが良くなり、正しく使えるようになります。ここでは内もものストレッチをお伝えします。
P1280418

エクササイズ方法:
膝立ちの状態から片足を真横に出します。肘を床につけ、曲げている足のかかとにおしりがつくようなイメージで後方に引きます。内ももが伸びているのを感じたところで動きを止め、自然な呼吸で左右30秒を目安に行いましょう。

片脚で行った時にストレッチ感が物足りない方はP1280435

上の写真のように両足を開き、同時にストレッチをかけていきましょう。両足の内ももが伸びているのを感じたところで動きを止め、自然な呼吸で左右30秒を目安に行いましょう。

4−3.大腿四頭筋ストレッチ

大腿四頭筋は運動で大きな負荷が掛かりやすい部分のため、ストレッチで緊張をほぐしましょう。

エクササイズ方法:P1280444

足を伸ばして座ります。片足が外側に来るように膝を曲げ、かかとがおしりの横に来るようにします。曲げている方と反対側の手を後方につき、対角でストレッチしているイメージで伸ばしましょう。自然な呼吸で左右30秒行いましょう。

4−4.ふくらはぎストレッチ

長時間走るスポーツをしていて、ふくらはぎが攣ってしまったという経験をした方も多いのではないでしょうか?運動の強度にもよりますが、ふくらはぎの疲労蓄積は痙攣や肉離れを誘発します。ストレッチを定期的に行い、慢性的な疲労を残さないようにしましょう。
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エクササイズ方法:
5〜10cmくらいの段差につま先を当てます。かかとは床に向けて押すようなイメージで体重をかけましょう。体重を前へ移動させながらふくらはぎが伸びるのを感じてください。左右30秒を目安に行います。伸ばしすぎると痛みが出ることもあるので注意しましょう

また、ちょうどいい高さの場所が見当たらないときは、床面でも体重移動をすることでふくらはぎを伸ばすことができます。P1280458
片足を1歩前にだします。後ろ側にある足から、前へ出した足へと体重を移し、後ろ足のふくらはぎをストレッチしましょう。左右30秒行います。

5.まとめ

肉離れの症状と、発症時の初期対応と予防法、再発防止のストレッチについてお伝えしました。ケガなく運動を継続的に行うためには、日々カラダのケアを行い、良い状態で保つことが重要です。

ここでお伝えした方法を実践してケガなく楽しい時間を送りましょう。

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