「あぐらがかけない…」「脚を90度以上あげることができない…」「足を開くとミシッという感じがする……」
股関節がを柔らかくしたいと思っている方は多いと思います。股関節が硬いデメリットは多く、例えば加齢に伴い痛みだしたり、ケガをしやすくなったり、お尻回りや脚に脂肪がつきやすくなったりと様々です。
股関節をストレッチで柔らかくしてみませんか? 股関節ストレッチは、気になる骨盤や美脚づくりにも好影響をもたらします。
この記事では、自宅やオフィスで簡単にできる股関節ストレッチのメニューをわかりやすくお伝えします。
股関節の硬さにお悩みの方から、そこまでヒドくはないがもう少しなんとかしたい方、さらには180度開脚を目指す方まで今スグできるトレーニング集です。
1日3分の改善習慣で効果的に股関節が柔らかくなりますのでぜひ取り組んでみてください。
この記事は石塚利光が監修しました。 日本コアコンディショニング協会コアコンディショニングリサーチディレクター/東京大学女子バレーボール部トレーナー/米国公認アスレティックトレーナー (BOC-ATC) /日本トレーニング指導者協会・認定上級トレーニング指導者(JATI-AATI)/ペンシルベニア州立カルフォルニア大学卒業/前・福岡大学助教/訳書「アスレティックボディ・イン・バランス」(Gray Cook著) |
目次
1.股関節が硬いことによる7つのデメリット
股関関節が硬い=股関節につながっている筋肉や腱が硬くなっていて、関節の動きが悪くなっていると考えます。これにより次のようなデメリットが引き起こされます。
・下半身太りを引き起こす
筋肉が硬い、ということは有効活用されていないということです。ということは、脂肪がつきやすくなります。お尻や太ももに脂肪を蓄えていませんか?
・むくみや冷え性になりやすい
筋肉の動きが悪くなっていますから、血の流れも足先に届かないようになっています。このことでむくみや冷え性の原因となります。
・疲れが溜まりやすい
筋肉の活動は、疲労物質を排出するのにも関わっています。筋肉が動かないと、リンパや水分の流れも悪くなり、疲れが溜まりやすく、また疲れがとれにくくなります。
・ケガをしやすくなる
筋肉にしなやかさと、関節に動きの良さがないと、肉離れなどのケガの元になります。
・骨盤のゆがみや姿勢の悪化に影響する
固まった筋肉により、偏った位置で骨盤や姿勢が固定されるようになり、悪影響をもたらします。骨盤の歪みや悪い姿勢は、腰痛や肩こりを引き起こします。
・筋肉が衰える
使わない筋肉は衰えていきます。持久力や瞬発力など体力の低下につながります。
・年をとるごとに起こりやすくなるトラブルの原因になる
加齢とともに、カラダは硬くなっていきます。イメージどおりの動きもできなくなり、例えば、階段を昇り降りする際にも転倒しやすくなります。血流も悪いので、新陳代謝も衰え、より不健康そうに見えてしまいます。
このような理由で、カラダは柔らかい状態にしておくことが大切です。健康的な生活を送るために、ぜひ股関節のストレッチを行いましょう。股関節の柔軟性は、骨盤や足腰にも影響をもたらすからです。
2.最も効果的な股関節ストレッチの方法
股関節ストレッチを紹介します。股関節の柔軟性に関係する筋肉は、腸腰筋(ちょうようきん)、大腰筋(だいようきん)、小腰筋(しょうようきん)、梨状筋(りじょうきん)、内転筋(ないてんきん)などです。ご紹介する方法は、これらの筋肉を複合的にストレッチする効果的なものです。段階別に分けていますので、ぜひチャレンジしてください。
2−1.まずはここから・初級編メニュー7
股関節が硬い人でもやりやすいトレーニングからご紹介します。
■内転筋ストレッチ
エクササイズ方法
・大きく足を横に開いて、写真のように片脚に体重をかけていきます。伸ばした脚の内側がストレッチされる感覚を意識してください。
・足のつま先は両方とも前です。30秒たったら逆の足も行います。
■壁を使っての内転筋ストレッチ
エクササイズ方法
・壁に手を当てて押します。その状態から片脚を上げて平行に内外に動かしストレッチします。股関節からももの内外に効くように10回ずつ行ってください。
・ヒザだけで回すのではなく脚全体を大きく内外に動かします。
■ハムストリングストレッチ
エクササイズ方法
・写真のように、片脚を伸ばして、もう片脚は上に伸ばして折り曲げます。もも裏を両手で押さえながら上にあげます。30秒がんばってみてください。
・足はそれぞれ直角を意識してください。
■ももの外側ストレッチ
エクササイズ方法
・仰向け寝になり、右足を左太ももの上に乗せ手で右ヒザ上を押さえながら左に倒していきます。
・カラダが一緒に倒れていかないように。腰が浮かない程度、ほんの少しで大丈夫です。股関節のVラインが伸びる感覚を得てください。30秒で足を替えます。
■股関節の柔軟性向上ストレッチ1
エクササイズ方法
・カベを使います。写真のように、仰向け寝で両足の裏を合わせ膝を開きます。お尻がカベに付いた状態でおこなってください。手を使ってヒザを壁に押し当てるとより負荷がかかります。無理のない範囲で試してください。
・腰が正しい位置をキープしたまま、効果的に柔軟性を向上できる方法です。
■股関節の柔軟性向上ストレッチ2
エクササイズ方法
・カベを背にして、手で押します。お尻はカベにくっつけます。股関節の開きにテンションを感じてください。
エクササイズ方法
・上の体勢から、両手を前に出しながら倒れていきます。手は脚と同じ方向に大きく開いてください。
・頭が腕より下になるようにすると、より負荷がかかります。
2−2.これができればかなりスゴい!・中級編メニュー5
初級編のエクササイズでも物足りなかった方や、さらに柔軟性を求めたい方におススメするエクササイズです。180度開脚を目指している方などにも最適なストレッチです。個人差によって、やりやすいエクササイズとキツいものがあると思います。適宜、選択して行ってみてください。
また、ここからのエクササイズのポイントは
・骨盤を立てた状態で
・腹筋ともも裏とふくらはぎとカカトに力を入れて床に密着するようにして
・お腹から折れ曲がるように倒れる
ことを意識してください。
■股関節ストレッチ・中級編1
エクササイズ方法
・片脚を折り曲げて、写真のように座ります。カラダは伸ばした脚の方に向けます。
・伸ばした方の脚に向かって、両手を広げながらカラダを折り曲げます。
■股関節ストレッチ・中級編2
エクササイズ方法
・前述の体勢ですが、カラダは正面を向きます。骨盤を立たせたまま前に倒れていきます。
・両腕を前に伸ばし、頭は腕よりもさらに下にいくようにしてください。
■股関節ストレッチ・中級編3
エクササイズ方法
・うつぶせ寝から写真のように横に伸ばした脚を手でつかみます。顔は前を見ます。
・腰が浮かないように。腰が床と平行に、恥骨からべったり床に着いた状態で行います。
■股関節ストレッチ・中級編4
エクササイズ方法
・ 四つ這いの姿勢から、片脚を横に伸ばします。そこから腰から頭までを一直線の状態で、お尻を後ろに引いていきます。
・横に開いた脚は、前のほうに直角に上がっていないと、効果がありません。できない人はこの体勢さえも苦しいと思います。少しずつ行っていきましょう。
■股関節ストレッチ・中級編5
・アレンジとして、ヒジをついた状態から床のほうに沈んでいくストレッチもあります。
・この状態ができれば、180度開脚も目前です。
3.カラダに無理なく効果バツグン!のツール活用編
より簡単に効果を求めている方には、ツールを使うことをおススメします。ここではバランスボールのエクササイズと、ストレッチポールのエクササイズを紹介します。
3−1.いろんなところを同時にストレッチできる「ストレッチポール」
ストレッチポールを使用したストレッチやセルフマッサージの方法は数多くありますが、ここでは1つ紹介します。初級者はもちろん、股関節がかなり柔らかい方でも効果を実感していただける方法です。
エクササイズ方法
・写真の体勢で、ストレッチポールを転がすことで、股関節まわりをセルフマッサージすることができます。伸ばしたほうの足を立てるとふくらはぎもストレッチされます。
ストレッチポールを使った縦乗りエクササイズが骨盤や股関節に好影響をもたらし、骨盤調整ができる理由については、別記事「ストレッチポールで簡単骨盤調整!2つのポイントとその方法」に詳しくまとめました。股関節の柔軟性をさらに高めたい方は併せてご覧ください。
ストレッチポール®は㈱LPNの登録商標(第4666450号)です。正規品は公式LPNショップにて、またAmazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでも正規品をお買い求め頂けます。
3−2.オフィスでこっそりできる「ストレッチポール ハーフカット」
柔軟性を向上するには、毎日継続することですが、なかなか時間をとることは難しいですよね。
ちなみに、ストレッチポール ハーフカットを足の下に置けばオフィスでもストレッチできます。
エクササイズ方法
・写真のように足を上げ下げします。股間のV字ラインから動かすようにします。
・また、椅子に置いて座骨(お尻の骨の出っ張り)で座ると、骨盤を立てる感覚がつかめます。バランスボール同様に、股関節の可動性をアップするには大事なポイントです。
一セットあるとさまざまな活用法ができるストレッチポール®ハーフカットもLPN公式ショップにてお取り扱いしています。
活用法は、Youtube動画「ストレッチポール®ハーフカットだけでできること 」をご覧ください。
3−3.有効活用できる!「バランスボール」
バランスボールに座ることで、自然に「骨盤が立った」状態をつくることができます。この感覚は、中級編で説明した通り、股関節の柔軟性を引き出すためには不可欠です。
バランスボールにはいろいろなサイズがありますが、女性は55cm、男性は65cmが一般的なサイズとしてオススメします。少し小さいと感じる方はもう一回り大きいボールを活用することをおすすめします。ボールの大きさでエクササイズ強度に大きな変化はありませんが、ご自身に適したサイズのボールを活用することで姿勢がとりやすくなります。ぜひお試しください。参考:バランスボールの代表格:ギムニクフィットボール65cm Amazon紹介ページ
エクササイズ方法
・バランスボールに浅く腰掛けます。どちらかの脚を伸ばして、前に体重移動をしていくと股関節がストレッチされます。
エクササイズ方法
・写真のような体勢をとり、足を伸ばしながらボールを転がします。脚の重みもストレッチをアシストします。
4.まとめ
今回ご紹介した股関節ストレッチは、骨盤を立てながら、股関節まわりをトータルにストレッチする優れた方法です。ぜひ積極的に取り組んで、より若々しい自分を作ってください。
おまけ:ここまで読んでいただいて、「ストレッチの方法をもっと知りたい!」という方に以下の記事をご紹介します。そちらも併せてご覧ください。
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