お腹に張りと痛みがあって、2、3日お通じがない。便秘薬などを飲んでも一向に良くならない。そんな頑固な便秘に悩みを抱える方も多くいらっしゃいます。
食生活の改善が、もっとも便秘の原因を解決することにつながります。なぜなら、食生活が悪いと腸内環境が悪くなり、便が排出しにくい状態になるからです。
食事に気を使うことで、食べ物が消化されやすく、お通じに適度な水分があり、すっきり出やすくなります。そのため食生活から改善する必要があるのです。
この記事では、食事の点から便秘を解消するための方法についてお伝えします。
目次
1.便秘を引き起こしやすい食生活
腸内環境を整えるために気をつけたいのが、日々の食生活習慣です。食べるものが偏ったり、栄養素が不足することで便秘になりやすくなるのです。
ここでは、便秘になりやすい食生活についてお伝えします。あなたの食生活が問題ないか、確かめてみてください。
1−1.肉を多く含む料理
便秘で悩むあなたは、ステーキやハンバーグなど肉が大好きではありませんか?もしかしたら肉を多く食べていることが便秘の原因になっているかもしれません。肉料理を食べることで、私たちはたんぱく質を摂取します。
このたんぱく質が腸内で悪玉菌になり、悪玉菌が発生させる悪玉ガスがお腹を膨らませます。悪玉菌は、腸内の健全な活動を妨げ、便秘を引き起こすのです。
では、肉を食べなければいいのかというとそれも違います。私たちが食事をした後、食べ物が運ばれる腸内には、善玉菌(ぜんだまきん)と悪玉菌(あくだまきん)、さらに日和見菌(ひよりみきん)の3種類の腸内細菌があります。これには理想的なバランスがあって、善玉菌2:悪玉菌1:日和見菌7が最も良いとされています。
つまり肉を食べ過ぎてもいけないし、食べないのも腸内細菌のバランスが崩れてしまい、便秘になるのです。
肉を好む方は、ヨーグルトや野菜などを一緒に摂るように食生活を見直すと良いでしょう。
1−2.カラダの冷える料理や飲み物
アイスクリームや冷やし中華、冷たい清涼飲料水など、好きな人は年中食べたり飲んだりすると思います。しかし、カラダを冷やす料理や飲み物を継続的に摂ると便秘になる可能性があります。
特に夏場の便秘が多い方は、この場合がほとんどです。水分補給をすることは重要です。しかし、過度に冷たいものを摂る事でカラダの中は冷えてしまいます。
カラダの中が冷える事で、血流が悪くなり、内臓器の働きが低下するため、便秘になるのです。
水分補給は常温で摂るようにし、冷たいものを高頻度で口にしないように見直すと改善に向かいます。
1−3.カフェイン含有量が多い料理や飲み物
コーヒーやエナジードリンクを高頻度で飲んでいませんか?コーヒーやエナジードリンクに含まれるカフェインがあなたの便秘を引き起こす原因になっているかもしれません。
カフェインには胃の動きを活発にさせたり、大腸の収縮を良くする効果があると言われています。そのため、1日にカップ1〜3杯程度であれば(個人差があります)便秘解消に役立ちます(エナジードリンクであれば1本程度にしましょう)。
しかし、カフェインには腸の活動を抑制する働きもあります。コーヒーやエナジードリンクが好きだからと毎日のようにたくさん飲んでしまうとカフェイン過多になり、腸の活動を抑制することで便秘になります。
また、カフェインには利尿作用があり、これによる体内水分量の低下が便秘を引き起こすこともあります。カフェインの摂りすぎには注意をしましょう。
2.便秘の改善につながる食生活
便秘を改善するためにはバランスよく食事を摂り、腸内環境を改善することが不可欠です。バランス良い食事とは食物繊維、乳酸菌と糖分、良質な脂質を摂ることです。ここではそれぞれについて詳細にお伝えします。
2−1.食物繊維は2種類をバランス良く
食物繊維は、便秘解消には欠かせない栄養素です。食物繊維には水溶性と不溶性があります。この水溶性食物繊維と不溶性食物繊維をバランスよく摂る事が大切です。
水溶性食物繊維:アボカド、ゆりね、オクラ、山芋、あしたば、海藻類、ごぼう、納豆など 不溶性食物繊維:いんげん豆、ひよこ豆、あずき、おから、エリンギ、えのき、切り干し大根、小麦ふすま、干し柿、アーモンドなど |
2−2.乳酸菌と糖を摂る
腸内環境を整えるためには、乳酸菌を摂ることが重要です。乳酸菌の多くは、酸や熱に弱いものです。ですので単に口から摂るだけでは、腸に届くまでにその多くが死滅してしまうといわれています。これが生きたまま腸に届くように設計されたものを摂ったり、酸や熱に強い種類を摂ることプロバイオティクスといいます。
その生菌の活動を活発にするために、エサとなる栄養素を摂ることをプレバイオティクスといいます。具体的にはオリゴ糖や水溶性食物繊維を食事で摂るということです。
プロバイオティクスとプレバイオティクスを同時に行うことをシンバイオティクスといい、これを行うことがもっとも腸内環境改善に効果が高いとの考え方が現在の主流です。
食事でこれを行うには、
・プロバイオティクスと明記されたヨーグルトや乳酸菌飲料
・オリゴ糖
を同時に食べるということになります。手間を感じられる方にはサプリメントの活用もおすすめです。
2−3.良い脂質を摂る
ダイエット中に便秘になる方のほとんどは、脂質が不足していることが原因です。ダイエットをしていなくても、油分は過度に摂りすぎるのはカラダによくないという認識があるため、敬遠する方も多いのではないでしょうか。
しかし、食事バランスが崩れることで便秘になるため、たとえ量は少なくても摂取した方がいいです。脂質の中にもオリーブオイルやナッツは不飽和脂肪酸という良質な脂質です。
これを摂ることで便秘解消につながるのです。オリーブオイルやナッツを活用した料理を食べるようにしましょう。
3.便秘解消効果を最大限に高めるために意識的に取り組みたいこと
便秘をより効果的に解消したい方は、食事の取り方に加えて以下の3項目に取り組むことが重要です。ここでは食事にプラスして、日常生活に取り入れたい便秘解消効果を最大限に高める方法についてお伝えします。
3−1.適切な水分補給で十分な体内水分量を確保する
便秘に悩む方の多くは水分が不足しています。「喉が乾いていないから大丈夫」と水分を摂取しない方は多いです。特に体重やむくみなどを気にする女性は水分補給を積極的に行わない兆候があり、これが便秘の原因になるのです。
汗が出ていないと思ったり、喉が渇いた感覚がない場合でも、カラダは水分不足になっていることがあります。1日2Lを目安に水分補給を心がけましょう。
3−2.最低限の運動で排出する筋力をつける
運動不足の方に便秘持ちは多いです。腹筋力が衰えることで、排便に関わる腸の動きが弱くなるからです。
有酸素運動や筋力トレーニングを行うことで、腸の動きを高めることができます。さらに、運動をすることで、ストレス発散効果や自律神経を整える効果があるので、この効果も便秘解消につながります。継続的に運動することは重要なのです。
有酸素運動を行う場合、まずは1日10分のウォーキングから始めましょう。例えば職場からの帰りに最寄駅のひとつ手前で降りて歩いたり、車移動・自転車移動を歩くまたは公共機関を利用するなどで運動習慣の獲得を目指しましょう。
3−3.良質な睡眠で規則正しい生活を送る
寝不足は便秘を促進させます。一般的に副交感神経が働く時間に腸が活発に働いていると言われています。つまり、就寝してカラダが最もリラックスしている時間に腸は活発に動き、カラダの排泄物を集めて便に変えています。
寝不足になることで、この腸の活動がうまくいかず、便秘になってしまうのです。そうならないためには、就寝時間・起床時間を一定にして生活リズムを整えることが重要です。
ベストは7時間半の睡眠時間を確保することです。同じ時間に就寝し、7時間半後に起床する。
この生活リズム獲得を目指しましょう。
3−4.崩れた姿勢を長時間とり続けない
腸の形は、イラストなどでなんとなくイメージできるでのではないでしょうか。ところが、実際の体内ではあのように綺麗に並んでいるわけではありません。人によっては、押しつぶされるように配置されています。
腸は下腹部に位置しています。適切な姿勢が維持できて、体幹部の筋肉で内臓をしっかり支えられている時は良いのですが、力が抜けてお腹がポッコリ出ている時や、背中を丸めて座っているような時は、腸が押しつぶされたり、前に押し出される形になります。すると、腸は適切に働かず、きちんと便が押し出されません。
座るときなど、まっすぐな姿勢を維持する事、下腹がポッコリ出ないように、フラットなお腹を保つ事が大切です。
詳しくは、こちらの記事を参考になさってください。
腹横筋を鍛える効果と最善法3選・筋トレ&ウエストシェイプ&腰痛に
4.まとめ
食べ物に気をつけることの重要性がお分かりいただけたでしょうか?
今までの食生活をすぐに変更するのは容易ではないかもしれません。しかし、継続的に取り組むことでカラダは変化していきます。
まずは継続的に行い、今までの悪い習慣を改善するところから始めていきましょう。
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