足の効果的なストレッチについてお探しの方がおおぜいいます。
その目的は柔軟性を向上させたい方や筋肉のコリやむくみを解消したい方、足の疲労を解消したい方など様々です。
そこでこの記事では、これだけ見て行えばOKという足ストレッチの方法をお伝えします。
部位ごとに最も効果的と思われるものを編集部で出し合いました。
また、オフィスやお風呂でできる方法、二人で行う方法についても列挙しています。
全部で30個とやや多い数になりましたが、ぜひ覚えておいていただければ、いろいろな時に効果的にストレッチすることができると思います。
他にいろいろサイトを調べたくないという方はぜひ参考になさってください。
1.足のストレッチとは
ここでご紹介するのは、大きな動きを伴わずに静止状態からゆっくり負荷をかけて伸ばす「静的ストレッチ」です。まず、この足の静的ストレッチをやるべき理由と部位をお伝えします。
1−1.足ストレッチのメリット
ストレッチの効果は次のようなものです。
・筋肉を伸ばして、柔軟性を引き出す。
・関節の状態を整える。
・血行やリンパの流れを良くして、カラダを温め老廃物の排出を促す。
・疲労物質を除去する。
・呼吸を整え、リラックス感をもたらす。
1−2.足ストレッチを行いたい10個の部位
一口に「足」といっても広範です。足ストレッチに当てはまる部位は下記の通りですので、可能な範囲でできるだけ多くの部位のストレッチを行ってみましょう。
・股関節
・臀部(お尻)
・ハムストリングス=もも裏
・大腿四頭筋=もも前
・腸腰筋=股関節前面
・大腿筋膜張筋=もも横
・縫工筋(ほうこうきん)、内転筋=股関節前面〜もも内)
・腓腹筋(ひふくきん)、ヒラメ筋=ふくらはぎ)
・足首
・足指
次章よりその方法をお伝えします。
2.気になる部位ごとに紹介!足のストレッチ集
さっそく部位ごとに厳選したストレッチをご紹介していきます。
静的ストレッチを行う上でのポイントは以下の通りです。
・反動を利用しない
・痛みを感じるところまで伸ばさない
・脱力・リラックスして行う
・呼吸は止めずに、自然な呼吸のままで行う
・できれば身体が温まった状態で行う(足踏み運動などのあとにやる) ことです。
2−1.股関節
股関節の動きを良くすると、効率の良い動きに近づきます。歩幅が大きくなったり、疲れにくかったり、正しいトレーニングが可能になります。ぜひ時間を見つけて行うようにしてください。
壁を使って脚を扇形に開く運動です。壁と床が接する場所で、お尻も接するようにしてください。
お尻を壁に接するには、写真のように、一度丸まってお尻を付けてから足を開くと理想的な姿勢がとれます。
脚を真っすぐにしたまま、もも裏、ふくらはぎ、カカトが壁に接するようにしてゆっくり開いてきます。決して無理に広げずに心地よいところで止め20〜30秒キープしてください。
そのまま足の裏を合わせるようにして、股関節を開くテンションをかけることでもストレッチができます。セットで行ってください。
2−2.臀部(お尻)の筋肉
前ももパンパンでお尻がたるんでいる人は、お尻の深層筋肉を有効活用できていない場合があります。ストレッチで血流を良くしましょう。スクワットなどのトレーニングも効果的です。
写真のように仰向け寝になり片ヒザを立てその上に片方の足を置きます。
立てたヒザを両手で抱えて引き寄せます。円の部分にストレッチを感じてください。
足の外側からロックして引くとさらにストレッチ感を高めることができます。
2−3.ハムストリングス(もも裏)
ドアの枠を使うことで、骨盤が正しい位置のまま脚裏がストレッチされます。このことで腰を守りながら効果の高いストレッチができます。Gray Cookという著名な理学療法士が紹介した方法です。脚裏が伸びることを感じながら、片脚ずつ30秒間行ってください。
適当なドアがない場合
この方法は、脚の内外の筋肉もストレッチすることができます。まずはまっすぐ上に30秒あげます。そのまま、内外に15秒ずつ倒してください。
2−4.大腿四頭筋(もも前)
ももの前をストレッチしていきます。ストレッチを行うことで、筋肉が温まり柔軟性を向上させる効果があります。オスグッドの選手にとって最も大事なストレッチで、毎日必ず行ってください。練習前、練習後、さらに家でも時間をとって行います。
横向け寝で行うパターンです。下に来る方のヒザを90度を目安に曲げ、ヒザの裏を同じ側の手で固定します。上に来る足のつま先をもう片方の手で持ち、ヒザを曲げましょう。
2−5.腸腰筋(股関節前面)
ベーシックなストレッチ方法です。ポイントは重心を前にかけること、背中を丸めないことです。
写真のように両ヒザが90度に曲がるようなイメージで片立ちになります。この時、両足に均等に体重が乗るように体重をかけてください(後足の甲が床に向いているようにするといいです)。 背中が丸まらないように注意をして体重を前に移し、ヒザを曲げていきましょう。後ろ側に来ているももの付け根あたりが伸びているのを感じて左右30秒を目安にストレッチを行いましょう。
2−6.大腿筋膜張筋(もも横)
ももの横、外側にあるのが大腿筋膜張筋です。股関節のトラブルがある方はここが張っていることが多いので、ストレッチでほぐしましょう。
椅子や机、壁等を利用して写真の態勢をとります。左膝に手を起き、後ろ側にまわした右脚の外側を体重をかけてストレッチしていきます。ももの外側がよくストレッチされるように足の位置や力のかけ方をいろいろ試してベストポジションを探してください。
2−7.内転筋(股関節内側〜もも内側)
イチロー選手が行っている有名なストレッチです。ももの内側を伸ばします。がに股の状態で中腰になり、ヒザに両手を置きます。
相撲の四股をイメージすると姿勢がとりやすくなります。その状態から、左右の方を内側に入れながら上半身を捻っていきます。左右20~40秒を目安に行いましょう。
2−8.腓腹筋、ヒラメ筋(ふくらはぎ)
ヒラメ筋ストレッチを効果的に行うにはヒザから下をトータルに伸ばすことが必要です。このポイントを踏まえた方法を以下にご紹介します。これは足首を引きつける動作とセットになったもので、ヒラメ筋の動きに直結するストレッチです。
壁に両手を付き、片足を後ろに出します。
そのまま腰を降ろしていってください。前に出した足のふくらはぎがストレッチされます。
カカト上からヒザ下全体の筋肉がストレッチされることを感じてください。
後ろ足を伸ばして行うと、アキレス腱のストレッチ体勢をとることで後ろ足ふくらはぎのストレッチにもなります。交互に行ってください。
2−9.足の甲
浮き指や外反母指ぎみの人は足の裏を曲げて使うことができなくなっている可能性が大きいです。足の甲を伸ばし、足裏を屈曲させる運動を行いましょう。
椅子に座った状態で行います。片方の足を写真のように椅子の外側で、指の付け根にテンションをかけて甲から伸ばすようにストレッチします。10秒を2〜3セット。
オフィスで思い立った時にいつでもできるので、日頃からよく行うようにしてください。
2−10.足指
足の指は本来それぞれ独立して動いています。しかしながら歩き方などでこの分離性が失われていることが多いです。足の指の癒着をはがすストレッチです。
写真のように椅子や床に座り、足を組みます。ヒザの上にくるぶしの上が来るようにしましょう。手指で足の指をがっちりつかみ、手のひらを足裏に付けます。そのまま足首を回します。
続いて手のひらを足裏から浮かせ、手の力を抜きます。そのまま小さく指先から足首を回します。この時に手指をランダムに動かすと、足指のいろいろな動きが引き出せます。
足指でしっかり手指をつかむように動かすことで、外反母指対策になります。
3.シーン別・足のストレッチ集
ここではさまざまな状況で行う足ストレッチのコツや方法についてお伝えします。
3−1.運動後に
運動後はお伝えしたストレッチをできるだけ行ってください。順番は特にはありません。しかし今行おうとする筋肉のストレッチが別部位の筋肉の硬さに影響されることがあります。
例えばハムストリングスのストレッチを行おうとして、ふくらはぎが硬いために十分に行えないことがあります。この場合は先にふくらはぎを行うと良いでしょう。このようにご自身の状況を考えながら行うと効果が高いです。
3−2.椅子に座りながら
オフィスや学校などで椅子に座りながらできる方法をお伝えします。
■ハムストリング&ふくらはぎ&足底の背屈ストレッチ
三ヶ所を行いますが、シンプルです。椅子に浅く腰掛け、片足を前に伸ばします。ヒザが曲がらないようにします。その足指を同側の指先でつかみます。
■臀筋のストレッチ
写真のように片足を抱えて手前に引き寄せます。これだけでもOKですが、よりストレッチをかけたい方は、そのまま前に倒れます。
この時に腰や背中が丸まらずに真っすぐのまま腰から前に傾けていきます。お尻にストレッチ感を感じられれば大丈夫です。
■大腿四頭筋のストレッチ
もも前のストレッチです。椅子を使うことでヒザを床につけずに行うことが可能です。
写真のように座面前部にカラダの半分だけ浅く腰掛けます。椅子から出ているほうの足を同側の手でつかみます。
■内転筋のストレッチ
座面に浅く腰掛け、足を大きく広げます。両手をヒザにやり、カラダを左右交互にひねります。
■ふくらはぎのストレッチ
座面に手を置き、アキレス腱の運動を行います。
■足の甲のストレッチ
外反母指や浮き指、ハイヒールをよく履く方は前章でご紹介した足の甲のストレッチもよく行うようになさってください。
3−3.お風呂中に
お風呂タイムは筋肉が温まっているので、効果的にストレッチが可能です。バスタブの中でできるストレッチをご紹介します。
■ハムストリング&ふくらはぎ&足底の背屈ストレッチ
手で同側の足の先をつかみ、そのまま足を伸ばします。反対の手でヒザの少し上をおさえてサポートします。
■臀筋のストレッチ
写真のように足を組みます。上半身を真っすぐのまま足に近づけます。
3−4.おやすみ前に
ご紹介した方法はおやすみ前にも活用できます。その際は就寝一時間前までに行うようになさってください。交感神経が活発化しカラダが目覚める可能性があります。一時間前までに行い、そのあとはゆっくり過ごしたりストレッチポール®に仰向けで縦乗りするなどリラックスなさることで寝付きが良くなりますのでお試しください。
4.効果を上げる方法
ストレッチは二人で行ったりツールを使うことでより適切にストレッチをかけることができます。以下にご紹介します。
4−1.二人で行う方法(ペアストレッチ・パートナーストレッチ)
可能であればパートナーに手伝ってもらって行うことをお勧めします。
ペアで行うことのメリットは次のようなものです。
・全身を脱力して行える
・動きや可動域の左右差の評価をしてもらえる
・セルフでは難しいところもストレッチできる
しかし注意すべきポイントもあります。
・反動を付けてグッグッグッなどと繰り返して行わない
・限界を超えてストレッチしない
・パートナーは実施者が正しい姿勢で行えているか随時チェックする
以下にその方法を5つお伝えしていきます。
■ハムストリングスのストレッチ
片足を肩の上に乗せます。もう片足は手で膝が浮かないように軽くホールドします。あげた足の方の角度を変えていくことで徐々にストレッチされます。
■腸腰筋のストレッチ
股関節前面のストレッチです。机等にヒジをつき片足をパートナーに徐々にあげてもらいます。パートナーは腰を軽くホールドし腰が丸まったり沿ったりしないようにします。
■内転筋のストレッチ
もも内側もストレッチです。足首付近を軽くサポートして、片足のみ開いていきます。
■臀筋のストレッチ
お尻のストレッチです。両足同時に行う方法もありますが、このように片足ずつ行う方がストレッチ感を感じることができます。交互に4〜5回行ってください。
■大腿四頭筋のストレッチ
もも前のストレッチです。一人で仰向けになって行うよりも、リラックスしながらストレッチすることができます。パートナーがゆっくり足首をもも裏に押していきます。
4−2.ツールを使う方法
■いろんなところを同時にストレッチできる「ストレッチポール®」
ストレッチポール®を使用したストレッチやセルフマッサージの方法は数多くありますが、ここでは1つ紹介します。初級者はもちろん、股関節がかなり柔らかい方でも効果を実感していただける方法です。
エクササイズ方法
・写真の体勢で、ストレッチポールを転がすことで、股関節まわりをセルフマッサージすることができます。伸ばしたほうの足を立てるとふくらはぎもストレッチされます。
ストレッチポールを使った縦乗りエクササイズが骨盤や股関節に好影響をもたらし、骨盤調整ができる理由については、別記事「ストレッチポールで簡単骨盤調整!2つのポイントとその方法」に詳しくまとめました。股関節の柔軟性をさらに高めたい方は併せてご覧ください。
ストレッチポール®は㈱LPNの登録商標(第4666450号)です。正規品は公式LPNショップにて、またAmazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでも正規品をお買い求め頂けます。
■オフィスでこっそりできる「ストレッチポール® ハーフカット」
柔軟性を向上するには、毎日継続することですがなかなか時間をとることは難しいですよね。
ちなみに、ストレッチポール® ハーフカットを足の下に置けばオフィスでもストレッチできます。
エクササイズ方法
・写真のように足を上げ下げします。股間のV字ラインから動かすようにします。ふくらはぎの運動になるので足のむくみの解消にもつながります。
・また、椅子に置いて座骨(お尻の骨の出っ張り)で座ると、骨盤を立てる感覚がつかめます。
一セットあるとさまざまな活用法ができるストレッチポール®ハーフカットもLPN公式ショップにてお取り扱いしています。
活用法は、Youtube動画「ストレッチポール®ハーフカットだけでできること 」をご覧ください。
5.まとめ
足ストレッチの方法を30個お伝えしました。ご自身の苦手なところがある方は毎日継続して行うようになさってください。
例えば、前屈が苦手な方は股関節やハムストリングスのストレッチを、外反母趾のある方は足指と足首のストレッチを行います。
ご自身の現状を鑑みて、どこに伸びしろがあるかを考えて実行することは主体的な健康づくりにつながります。お伝えしたストレッチをぜひご活用ください。
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