腰痛、ふくらはぎや太もも、足のむくみ…これらは、下半身の筋肉が硬くなっていたり、リンパや血流が滞っていることが原因の可能性が高いです。長時間のデスクワーク、もしくは立ちっぱなし、運動不足などが原因で、下半身の筋肉はかたくなってしまいます。そして久しぶりにストレッチをすると、いたたたた…痛くて伸ばせない。そんなことはありませんか?
この記事では、下半身ストレッチの方法をご紹介します。
今回は、ストレッチの専門家である私たちが特におすすめする効果的な方法ばかりです。ほとんどのストレッチが寝ながらできるものですが、股関節から足首までトータルに柔軟性を向上させることができます。運動初心者の方や、少々ぐうたらな人にでも簡単にできて、効果を感じていただけると思います。
この記事は石塚利光が監修しました。 日本コアコンディショニング協会コアコンディショニングリサーチディレクター/東京大学女子バレーボール部トレーナー/米国公認アスレティックトレーナー (BOC-ATC) /日本トレーニング指導者協会・認定上級トレーニング指導者(JATI-AATI)/ペンシルベニア州立カルフォルニア大学卒業/前・福岡大学助教/訳書「アスレティックボディ・イン・バランス」(Gray Cook著) |
1.下半身ストレッチの効果
腰から下全体がうまく使えていないと、いろいろなトラブルを引き起こします。ストレッチによって眠っている筋肉を目覚めさせることで以下のような効果があると考えられます。
・腰痛の予防
・股関節の柔軟性向上
・前モモやふくらはぎの張り、むくみ解消
・下半身の血行促進、リンパドレナージュ
・転倒予防
ぜひお伝えするストレッチを行ってみてください。
2.下半身ストレッチ8選
さっそく行ってみましょう。めんどくさがりの方にも大丈夫なように、主に寝ながらできる方法をご紹介します。
■ハムストリングストレッチ
・写真のように、片脚を伸ばして、もう片脚は上に伸ばして折り曲げます。もも裏を両手で押さえながら上にあげます。30秒がんばってみてください。
・足はそれぞれ直角を意識してください。
※さらに効果的な方法
ドアの枠を使うことができれば、さらに効果的にストレッチすることができます。これは代償動作(目的とは違う部分にテンションが逃げてしまうこと)を避けることができるからです。脚裏が伸びることを感じながら、片脚ずつ30秒間行ってください。
※タオルを使う方法
この方法は、脚裏の内外の筋肉もストレッチすることができます。まずはまっすぐ上に30秒あげます。そのまま、内外に15秒ずつ倒してください。
■ももの外側ストレッチ
・仰向け寝になり、右足を左太ももの上に乗せ手で右ヒザ上を押さえながら左に倒していきます。
・カラダが一緒に倒れていかないように。腰が浮かない程度、ほんの少しで大丈夫です。股関節のVラインが伸びる感覚を得てください。30秒で足を替えます。
■大腿四頭筋(前もも)ストレッチ
ももの後ろをストレッチしたら、次はもも前のストレッチです
・横向きに寝て下の方にくる足を前に出し膝を両手で抱え固定します。
・上にくる足を後ろに曲げ上にきている手で足首をつかみます。上の足をかかとがお尻につくようにして引っ張り、下側のヒザも同側の手で押さえストレッチしていきます(これにより骨盤が適正な位置でストレッチされます)。
・腰が反らないように注意します。30秒を目安に片足ずつ交互に行いましょう。
■股関節の柔軟性向上ストレッチ
股関節の動きを良くする方法です。
・写真の体勢でヒザを開き、ヒザのお皿を持って内外に回します。それぞ10回ずつ行ってください。
・ヒザを持ったまま床の方にテンションをかけると内転筋(内腿)のストレッチにもなります。
■お尻の深層筋ストレッチ
お尻がダルダルな人は、モモの筋肉ばかり使ってしまい、お尻が使えていない可能性があります。ストレッチで活性化しましょう。
・右足を組むようにして左足にかけ、左ヒザの裏で手を組みます。
・背中が浮いたり、カラダに力が入らないように注意しながら軽く手を引きましょう。気持ちよく自然な呼吸で20~40秒を目安に左右行います。
■お尻の表層筋ストレッチ
・左ヒザを外側90度に曲げて倒し、右足を後ろに下げ座ります。
・両ヒジをカラダの前で床につき上半身を前へ倒します。この時に右足に力が入らないように注意して左のおしりを伸ばしていきましょう。
・左右20~40秒を目安に行います。
※この時に右に捻って行うと、中臀筋のストレッチになりますから、あわせて行ってください。
■ふくらはぎストレッチ
寝たままより、少しカラダを起こした方が効果的にできますので、その方法をご紹介します。
・ヒザ立ちの状態から片脚を前に出します。(このとき後ろ側の脚はかかとを上げてつま先立ちの状態です。)
・前に出した脚のつま先を上げてかかとに重心を乗せます。床に手をつき後ろ足のかかとにお尻が当たるイメージで後方へと体重移動をします。
・ふくらはぎが伸びているのを感じたらその場で動きを止め、自然な呼吸でキープしていきます。片足30秒間のキープを目安に左右行いましょう。
■ヒラメ筋と足首のストレッチ
カラダを前方に移し、ヒザを抱えたまま上半身を倒すことで、ヒラメ筋(ふくらはぎの深層筋)と足首のストレッチも可能です。足首の柔軟性を高めておくと歩き姿勢もよくなり、転倒予防にもなります。
・胸をももに付けて、ヒザを抱え込むようにして前へゆっくりと体重をかけ、倒していきます。
・このとき、かかとが床から離れないように意識してください。30秒を目安に左右行いましょう。
・ポイントは体重をかけて上体をゆっくりと倒していくことです。
3.朝におすすめカラダが目覚めるストレッチ
ストレッチを行うことで縮こまっていた筋肉が伸び、またあまり使えていなかった筋肉も動ける準備ができました。ここまででのストレッチでもスッキリしたり血行が改善するなどの効果を感じていただけたと思います。
これをさらに習慣にするには、朝起きた時にしっかりとカラダを目覚めさせることです。すると、1日の活動時にしっかりと筋肉が働き、血流もよくなります。
■寝ながらできる朝ストレッチ動画4選
まずは簡単なものから。カラダ全体のストレッチです。
続いて、背中、お腹など、背骨周りをストレッチします。
おしり、前もも、裏ももなど、下半身の大きな筋肉をストレッチ。
最後に、股関節やふくらはぎ、細かいところも伸ばしていきます。
全部行っても6分ほど、是非お試しください!
4.まとめ
ほぼ寝ながらできる下半身ストレッチの方法をご紹介しました。ストレッチは息を止めずに、心地よい感触のあるところでテンションを止めることが大事です。決して無理をしないようにしてください。
最初はお風呂上がりなど、筋肉が温まっている時に行うとより効果的です。ぜひ試してみてください。
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