「計るだけダイエット」「レコーディングダイエット」というダイエットの方法があります。
これは体重を記録するだけ(前者)や食べたものとカロリーを記録するだけ(後者)というダイエットの方法で、エビデンス(研究による証明)はなかなかないのですが、効果を感じられている方もかなりたくさんいます。
それはなぜかというと、気にしたり記録することで、減量への気分が高まり、それまで無意識に取っていた間食や高カロリー食を少しずつ抑えるようになるからと考えられています。
実際に筆者の知人でも「計るだけダイエット」だけで体重86kgから63kgまで半年で落とした人がいます。
この方法に限らず、ダイエットをしようと思う人は食事管理や運動に積極的に取り組むようになり、毎日の体重変化が自分へのご褒美のようにうれしくなります。
でも実際にチェックしていく上でいつどのように計るのがベストなのでしょうか? 朝昼夜のいつでもOKなのでしょうか? どうせ計るなら正確な数字を知ってダイエットの効果を実感したいものです。
そこでこの記事では、体重を測る良いタイミングについて海外の医療報道や研究をもとにお伝えします。ダイエットを成功させたい方はぜひ参考になさってください。
目次
1.朝起きた時に測るのがベスト!その理由とは
結論から述べますと、起床時すぐに計ることをおすすめします。それは余分なものがカラダに入っていないからです。消化器官には食べ物がほとんどない状態で水分も失われています。この“ドライ”な状態が、もっともご自身の正確な体重に近いといえるでしょう。
活動を始めると、食事や運動の量に違いがあったりして、体重を増減させる要素が増え本来の体重がわかりにくくなります。
衣服はなるべく毎日同じものを着て測ることがベストですが、日々の差を加味しても構いません。
2.起床時に測ることができない場合は?
起床後にシャワーに入った後や、夜のお風呂後など比較的汗をかいたあとの方がいいでしょう。
しかしもっとも大事なことは「毎日決まった時間に測る」ことです。なぜならば、人の体重は一日を通して1kg前後変化します。「夜に測り、翌朝も測って、夜の間に1kg変わっていた」ことは少しも珍しいことではなく、短期的なダイエット成功の証となるものではありません。サウナ前と後で体重が変わっていたとしても、それは水分が汗となって排出されただけであり、水分補給をすればふたたび戻ります。
3.知っておきたい体重計の知識
より正確に体重を計測するためにぜひおぼえておきたい知識をお伝えします。
3−1.体重計はそれぞれ違う
家にある体重計とフィットネスクラブや日帰り温泉など他所にある体重計で数値が違うことがあります。デジタルとアナログの計量方法の違いもありますし、床面の状態や乗り方で変わる場合もあります。
一般的には最小単位が少ないほうが正確に測ることができると言えます。毎日の体重は、ご自宅で決まった時間に測るものを基準とし、他所で測る場合はあくまでも参考程度にしたほうが良さそうです。
3−2.一般的な体重計では体組成までは計測できない
「体重」=「脂肪の量」ではないとうことです。体重計で体重が減ったことを確認できても、それが何によるものなのかはなかなか理解しづらいのです。取り組みの結果、何が減って体重が落ちたのかを検討することが重要です。
筋肉が落ち骨が細くなっても体重は落ちます。また脂肪が5kg落ち、筋肉が5kgついても体重は変わりません。その場合、外見はだいぶ異なって見えるでしょう。
体重だけに囚われず、体組成測定、体脂肪率測定など他のデータも併せてチェックしたり、写真や鏡での印象など見た目の変化を検討することもおすすめします。
4.毎日計測はあくまでも記録。一週間の平均値と長期的推移を見る
健康的なダイエットを成功させるためには、一週間平均値の推移を見るようにしましょう。単に前日比だけで比べるのではなく、毎日の結果をぜひ記録して長期的なグラフになさってください。
これはなぜかというと、お伝えした通り体重は毎日1kg程度の差はありますし、食事や運動の量などちょっとしたことで上下するからです。その日々の誤差をならす簡単な方法が一週間の平均値です。
健康的なダイエットの場合、実際に変化が感じられるようになるまでに三か月程度かかります。当初は停滞期から始まり、非常にゆっくりに減少し、ときには体重が戻ってしまう日もあり、その平均値が下で固定化すると、減量モードが加速しストンストンと減っていくという感じでゆるやかに下がっていきます。
上図のように日ごとでみれば上下があり、週によっては前半よりも後半の方が体重が重い場合もあります。しかし全体でみるとゆるやかに下がっています。
体重計測はあくまでも週内の平均値をとるための測定だけだと思って忠実に記録していくことをおすすめします。
- 「3ヶ月で5kg落としたい!」と考えた場合、前の日より55.5g体重が落ちないと達成できないことになります。理想どおり落ちない場合、1日だけ極端に減らしてみたり、まったく食べなかったりする人も少なくありません。しかしお伝えした通り、すぐには結果が出ず、出たとしても戻ってしまいます。自分にプレッシャーをかけ続ける心理状態は、精神面でのストレスとなり、失敗に直結するばかりか、うつや拒食症、過食症をまねく恐れがあります。無理のない継続できるダイエットプランで、1日単位での体重を気にしすぎないようにしましょう。
5.維持期も一週間に一度は測り続けよう
見事ダイエット計画が成功し、目標体重に達成した場合、そこから行うことは、吸収と消費カロリーのバランスを維持することと、体重計測を行い続けることです。
米国の国家体重管理登録局(NWCR)の研究では、体重維持段階に体重を測定し続けていくことは、その体重をキープするのに役立つことを示唆しています。
NWCRでは体重を減らした人々のその後を調査しています。NWCRに登録している人々の75%は、少なくとも週に1回体重を計っていました。
2007年の調査では、体重を減らした後に体重を定期的に測定していなかった登録者は、体重が増えている可能性が高いことも分かりました。
体重維持段階でも定期的(週に一度程度)に体重を測定していると、自身の食生活や運動習慣に気をつけるようになり、引き続き節制ぎみの生活を送るようになり、リバウンドを防ぐことができるのでしょう。
6.まとめ
正確な体重測定のためには、毎日同じ時間に体重を測定することが重要です。特に起床時に測ると、体重を正確に把握できます。
いくつかの研究では、少なくとも毎週体重を計ることが、リバウンドを防ぎダイエット成功を維持することを示唆しています。
しかし体重計だけがカラダの状態を把握する手段ではありません。あくまでも一つの数値として目標到達のチェックとして使うことをおすすめします。健康の維持には、体重減少だけではなく様々な指数や心理面を含めたバランスが大切です。