猫背を治したいと思っている方が多くいらっしゃいます。
「綺麗な姿勢になって自分に自信を持ちたい。」
「猫背を治してお気に入りの洋服を着たい。」
「肩こりや腰痛などの不定愁訴を改善する良い姿勢になりたい。」
理由は様々ですが、猫背の改善でよい結果を得たい方が多いということです。そこでこの記事では猫背の改善策を4つのステップにまとめお伝えします。
このステップは原因からアプローチし、良い姿勢をつくり、それをキープするための方法で、私たちが自信をもっておすすめするものです。
悪い姿勢を改善したい方はぜひおこなってください。
目次
1.今すぐ猫背を治したい方がやるべき改善への4つのステップ
一般的なマッサージ店などでおこなう姿勢矯正やカラダのコンディショニングは、一時的に問題を改善することができます。
しかし、数時間後には元の猫背姿勢に戻ってしまうことが多いでしょう。これはなぜかというと、不良姿勢で緊張した箇所にアプローチをしているだけで根本的な解決に至っていないからです。正しい姿勢をキープすることができないので、すぐに戻ってしまうのです。
猫背を完全に治すためには、次の4ステップで取り組むことが大切です。
1)猫背の原因になるメカニズムを知る
2)猫背を作り出している筋肉の緊張をストレッチで改善する
3)正しい姿勢を取り続けることができない弱い筋肉をトレーニングする
4)不良姿勢をする習慣を改善する
次の章からそれぞれについて詳しくお伝えします。
2.ポイントは胸と首!猫背を治すためのメカニズム
猫背を改善するためには、まず猫背の姿勢がどのようにして起こるのかを確認しましょう。
猫背は背中を丸め首を前に倒し、顔を少し持ち上げることで不良姿勢へ変わります。試しに猫背の姿勢を真似してみてください。その時にカラダのどの部分に負荷や張りが現れるのか感じてみましょう。
猫背は胸と首(前面)の筋肉が緊張することでその姿勢がつくられることがほとんどです。デスクワークや家事、長時間のテレビゲームなど、カラダの前に両手を持っていくと猫背になりやすく、その不良姿勢を長時間継続することで、猫背姿勢が定着するのです。
つまり、猫背にならないようにするためにはこの不良姿勢を継続しないこと、そして緊張してしまった筋肉をほぐして元の状態に戻すことが大事なのです。
3.猫背改善ストレッチ5選+α|歪みを正して良い姿勢を獲得する方法
猫背を改善するためには、不良姿勢で凝り固まってしまった筋肉をほぐすストレッチをおこなうことが有効です。特に胸や首の筋肉は、猫背と直結する部位なので、重点的にアプローチすると効果的です。
ここでは猫背を改善するストレッチをご紹介します。
3-1.胸のストレッチ
胸の筋肉の緊張をストレッチして肩が前に出るのを未然に防ぎます。
このストレッチにより、胸を開くことで呼吸もしやすくなり、猫背改善に繋がります。
背中で両手を組みます。組んだ両手を遠くへ伸ばし、胸を軽く張りましょう。肩の緊張感を抜いて肩甲骨を意識的に動かしましょう。
手を組んで引っ張るとどうしても肩に力が入ってしまう場合、手を内側に捻り、手のひらを外側に向けて伸ばすと胸が伸びます。
ゆっくりとした自然な呼吸で20〜30秒かけてストレッチを2セットしていきましょう。
3-2.首ストレッチ
前に出てしまった頭の重みが原因で、長時間負荷のかかった首の筋肉をほぐしていくことで痛みを未然に防ぎましょう。
※首は様々な筋や神経が通っているデリケートな部分です。伸ばす時は慎重に行うようにしてください。
首を右(左)に倒します。右手(左手)を左頭(右頭)のこめかみあたりにおき、軽く頭を倒すのを補助するように引っ張りましょう。
首筋が気持ちよい程度の強さで20~30秒かけてのストレッチを左右1セットずつ行いましょう。各エクササイズ20~30秒ほど伸ばしましょう。
3-3.肩甲骨ストレッチ
同じ姿勢を長時間とることで固まってしまった筋肉に対して、肩甲骨を動かして張りをほぐしましょう。
※肩甲骨は日常生活の中であまり意識して動かしてる部位ではないので、初めての方はストレッチをおこないながら肩甲骨の動きを感じるところから始めましょう。
両手を上へ持ちあげます。
手のひらを外側に向け、肘を曲げながら手を下していきます。この時軽く胸を張りながら肘は軽くカラダの後ろの方へ引いてストレッチをします。呼吸を整えながら15回~20回行いましょう。
※肩甲骨が内側によると左図のように服にしわが寄ります。
背中全体があつくなってくるのを感じ取りましょう。
3-4.お腹のストレッチ
長時間スマホやPCを使用して縮こまったお腹の筋肉をほぐすストレッチです。お腹を伸ばすことで上半身を起こしやすくなり背中の筋肉が動きやすくなります。
うつ伏せで床に横になります。胸の横に手をつき上半身を起こします。この時、おへその下あたりまで床から離してみましょう。
おなか周りがストレッチされている感覚を感じながら20~30秒のストレッチを2セットしましょう。ポイントは肩の力を抜いて目線は天井を向くことです。
3-5.ももの裏・おしりのストレッチ
最後は長時間座り続けて固まってしまったももの後ろとおしりの筋肉をほぐすストレッチです。
筋肉の張りや疲れを感じにくい場所ですが、定期的にストレッチすることで猫背予防につながります。
仰向けで横になります。
右足(左足)の裏(難しければ膝)を抱えて左右の足を20~30秒引っ張ります。
ももの裏が伸ばされているのを感じましょう。また、かかとが内側にくるように膝を外側に曲げて膝・かかとを持ちましょう。
かかとを持つ手を胸の方に引き上げるようにしてもも裏の付け根からおしりにかけてストレッチして行きます。こちらも左右20~30秒かけてストレッチしましょう。
■ツールを活用して効果的にストレッチをする方法
上記で紹介したストレッチでも十分に効果を感じることができると思います。しかし、カラダの柔軟性がなかったり、ストレッチに苦手意識がある方は、ストレッチをすること自体が筋肉を緊張させてしまい、ストレッチの効果を十分に得ることができない場合があります。
そこでストレッチの効果を最大限に高める方法が「ツールを活用する」ことです。ツールを活用することで筋肉を緊張させずにストレッチをおこなうことが可能になるからです。
背骨を整える最も効果的なツールとして、私どもがオススメするのがストレッチポール®です。ストレッチポール®の上でエクササイズをおこなうことで、体重をあずけリラックスした状態でストレッチ効果を最大限に高めることができるのです。
ここでは猫背を改善する効果的なエクササイズ方法をご紹介します。
3−6.ブレスワーク
はじめにストレッチポール®の上で呼吸をおこないます。呼吸はカラダの緊張をほぐし、リラックスさせることが期待できます。
仰向けで横になり、膝を軽く曲げて床につけます。息をゆっくり吸いながらお腹を膨らまし、遠くに長くゆっくりと息を吐き出しましょう。お腹が自然とへこんでいくのを感じ、リラックスしながら5~10回を目安に行います。今度は、呼吸時のお腹の動かし方を逆におこなってみましょう。
仰向けで横になり、膝を軽く曲げて床につけます。息をゆっくり吸いながらお腹をへこませ、遠くに長くゆっくりと息を吐きながらお腹を元に戻していきます。ゆっくりリラックスしながら5~10回を目安に行いましょう。
3−7.小さな揺らぎ運動
体重をストレッチポール®に預けて極限までリラックスしましょう。
仰向けの状態から、背中でポールを転がすように全身で左右に小さく揺れてみましょう。
気持ちいいリズムや揺れ方・速度で行いましょう。
ポイントは、腕や足に力が入らないような小さな左右の揺れで行うことです。
自然な呼吸で自分のリズムで10~20回ほどを目安に行いましょう。
3−8.胸開き運動
ストレッチポール®に仰向けに乗ります。ヒザは軽く曲げ、足を肩幅よりやや大きく開きます。腕をハの字に開いたらヒジから先でカラダを安定させます。肩に力が入らないようにご自身の一番安定する位置を探してください。
ヒジと手の甲を床につけ、胸の高さまで床をすべらせながら開き上げます。無理に胸の高さまで上げず、気持ちよく感じる場所までにしましょう。
カラダの動かせる範囲は個人差があります。気持よく伸びていない、またはそこまで上げることができない場合は無理せず出来る範囲で腕を広げることがポイントです。
ヒジは床から浮かない位置ようにして、両手をひらいた状態で自然に呼吸をおこない、20~40秒を目安に呼吸します。
3−9.ツイスター
カラダをねじる運動です。基本姿勢から、両手を天井方向に伸ばし片側の手でもうひとつの手首を握ります。握った方の手を床に付けます。
両足は、腕とは逆の方向に倒します。自然な呼吸のまま、ゆっくり10カウント数えてください。体勢をもどし、反対側も同様に行います。1セットだけでも効果がありますが、気に入られたら2〜3セットおこなっていただいて構いません。
3−10.クレッセント
カラダをクレッセント(三日月)の体勢にする運動です。基本姿勢から右手を頭の方に伸ばします。そのまま左に少し倒れます。
カラダの右側がストレッチされることを感じてください。ゆっくり10カウント数えて反対側も行ってください。2〜3回繰り返してもかまいません。
4.良い姿勢をキープするための猫背改善筋トレ5選
正しい姿勢をキープするためには、良い姿勢を保持するための筋力をつけるトレーニングをおこなうことが効果的です。なぜなら、ストレッチで良い姿勢を作り猫背が一時的に改善されても、悪い姿勢を取る癖があったり、筋肉が偏ってついていたりすると、カラダはすぐに元の姿勢に戻るからです。
ここでは猫背を再発防止させないためにやっておきたい改善トレーニングを5種目お伝えします。
4−1.バックエクステンション
まずは、胸周りの柔軟性の向上と背中の筋肉をトレーニングしましょう。
肩に力を入れないようにエクササイズを行うことがポイントです。
写真のようにうつ伏せ寝の状態でバンザイをします。
タオルを持ち腕を遠くへ離すようなイメージで引き上げ、胸のあたりまで床から上半身を持ち上げます。持ち上げた状態で3秒キープし、ゆっくりと元に戻ります。
これを10~15回繰り返します。
※10回できない場合は無理のない程度で出来るところから始めて回数を伸ばしていきます。
また、タオルの代わりにストレッチポール®を活用すると、肩に無駄な力を入れること無く効果的にトレーニングを行うことができます。
4−2.ローイングエクササイズ
続いて猫背姿勢で開いてしまった肩甲骨をもとの位置へ戻すトレーニングです。
日常生活の中であまり意識的に肩甲骨を動かす意識をすることがない方は、肩甲骨がまずは動いていることから感じていきましょう。
両手を胸の高さまであげます。
肘を外側に曲げ背中の方へと引き寄せます。この時肘と手のひらが床と平衡になるように意識して引き寄せます。肩甲骨が内側により、胸の筋肉が伸びているのを感じましょう。
ゆっくり自分のペースで10~15回繰り返しましょう。
4−3.トランクローテーション
固まってしまった胴体部の筋肉を動きやすくします。
腰を動かさず胴体を意識して動かしていくことがポイントです。
肩と手のひら・膝とももの付け根が床に垂直になるようにして四つ這いになります。
右手の甲を背中に当てます。腰が動かないように注意しながら左右にカラダをひねって行きます。ひねるポイントはひねるほうの肩甲骨を内側に寄せるようにして動きをリードすることです。
痛みは我慢せずに自分の出来る範囲で左右10~15回行いましょう。
4−4.キャットバック
背骨の動きを引き出すことで、上半身を正しい姿勢へと導きます。
肩とももの付け根から、床に垂直になるように手と膝をつき四つばいになります。
四つばいの姿勢から背中を丸めるように天井へ引き上げます。この時に息を細く吐きながら、おへそをのぞき込むようにします。背中が丸められることで背骨にそった脊柱起立筋へのストレッチがかかります。
今度は息を吸いながら、背中を反らし、胸郭をストレッチしていきます。天井を見るように目線を上げ、首を前にのばしていきます。両手で床をじんわりと強く押していってください。
交互に繰り返し5~10セットを目安にまずは5セット行いましょう。
4−5.サイドルック
最後は脇腹に刺激をいれるトレーニングをおこないましょう。
肩とももの付け根から、床に垂直になるように手と膝をつき四つ這いになります。
姿勢が崩れないように注意し、息を吐きながら横から左右のつま先をのぞき込むようにして上半身を左右に曲げましょう。脇腹あたりにストレッチを感じながら左右5回ずつ行いましょう。
上記のトレーニングをまずは一週間続けてみてください。はやい方で効果を1週間で実感し始めます。ぜひトライしてみてください。
5.日常生活で気をつけたい!猫背を誘発する悪習慣
ストレッチとトレーニングで良い姿勢を作ることができたら、再発防止に気をつけましょう。日常生活の中には猫背を作り出す要因がたくさんあります。
それらを意識的に回避し、猫背を作り出すきっかけを取り除くようにしましょう。
ここでは、日常生活で気をつけたい猫背誘発の悪習慣についてお伝えします。この悪習慣をやめ、猫背の再発防止を予防しましょう。
5−1.画面を覗き込まない
姿勢が崩れやすくなるシーンは、PCやスマートフォンのモニターを見ているときです。
特に画面の細かい数字などを見たり、長時間集中して画面を見ていると自然と肩に力が入り、肩や首が痛くなる原因になります。
長時間画面を覗き込むように見ていたり、集中して作業をした後には、上記の首のストレッチをおこない首や肩の筋肉の張りを緩和させましょう。これにより猫背の再発を防止させることができます。
5−2.適度にカラダを動かす
多くの人はそれぞれに姿勢の癖があります。左右均等に体重を乗せることができなかったり、無意識に頬杖をついてしまったり、背もたれにドデンっと座ってみたりなど、不良姿勢の癖は姿勢を崩し猫背を再発させます。
また、それだけでなく崩れた姿勢を長時間とっていると、カラダの一部に負担がかかり、痛みの原因にもなります。一時間ごとに立ち上がるなど、適度に動くことでカラダを一度リセットすることが大切です。仕事の合間に軽く背伸びをしたり、トイレに立つなど適度にカラダを動かす習慣をつくりましょう。
5−3.良い姿勢を意識する時間をつくる
これはアラームなどを活用して良い姿勢を意識する方法です。たとえ良い姿勢の状態が理解できていたとしても、四六時中姿勢に意識を集中させておくわけにはいかないでしょう。そこで一日の活動時間のうち2〜4時間ごとにアラームを鳴らし、良い姿勢を意識する時間を取りましょう。
例えば、そのアラームを止めてから15分は良い姿勢を取れているか注意をしながら、仕事や家事に取り組むと効果的でしょう。
はじめのうちは、正しい姿勢を維持するのが難しくなる頃に意識する時間を知らせる音を出すのがベストです。同僚や家族に「姿勢が崩れていたときには声をかけてほしい」と頼んでおくのも良いでしょう。
この方法のメリットは、アラームがなる以外の時間は特に姿勢を意識することなく仕事や家事に集中することができる点です。仕事や家事の合間に継続しやすいのが特徴です。
6.まとめ
猫背を治す方法として、発症のメカニズムと改善方法、再発防止策についてお伝えしました。
正しい姿勢を獲得するためには、継続的な取り組みが大切です。当記事でご紹介した方法を実践して、ご自身の理想のカラダを目指しましょう。
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