慢性的なお腹の張り。そういえば最近出てない気がする。
便秘だ …
厚生労働省の調査によると日本の便秘人口は約470万人もいるそうです。便秘はその原因や症状も様々。いろいろな解決方法を試してはいるものの、自分に合った方法が見つからない方がほとんどなのではないでしょうか。
便秘が長期間続くと、腹痛や肌荒れ、場合によっては大きな病気の原因になります。改善するためには、生活習慣を見直し、腹筋や骨盤底筋のトレーニングを継続的に実施していくことが重要です。
この記事では便秘で悩む方のために、タイプ別チェック法と今日からできる簡単な改善体操をお伝えします。ぜひ活用して便秘を解消してください。
1.あなたの便秘はどのタイプ?便秘の特徴と主な対策
体操を行う前にあなたの便秘はどのタイプなのかチェックしておきましょう。なぜなら体操を行っても改善できない便秘があるからです。便秘には大きく分けて以下の3つのタイプに分かれています。
・慢性的なもの
・一過性のもの
・病的要因なもの
以下に詳細に解説します。
1−1.慢性的な便秘タイプ!機能性便秘
毎日お腹が張ったり、継続的にお腹にキリキリとした痛みが出る場合は機能性便秘です。この便秘は水分や運動、睡眠の不足、さらにストレスなど生活習慣の影響により腸の機能が低下していることが原因と言われています。
このタイプの便秘は病院に行くと「弛緩性便秘」「直腸性便秘」「けいれん性便秘(過敏性腸症候群)」などと診断されます。生活習慣の乱れに心当たりのある場合はそれの改善が第一歩です。またこの記事でお伝えする体操で大きく改善する可能性があります。
1−2.突然の便秘!?環境の変化による一過性便秘
環境変化が原因で起こる突然の便秘を一過性便秘と言います。この症状は、生活環境や食生活の変化が起きた時に発症する特徴があります。生活に慣れるなど、数日経てば治ることが多いため心配する必要はありません。
お腹も軽く張るくらいで激しい痛みは感じません。偏った生活習慣にならないように注意する程度の改善で様子を見ましょう。
1−3.吐き気がしたら病院へ!急性便秘
たかが便秘と考え、吐き気があっても放置しておくと大変なことになります。なぜなら便秘は危険な病気の症状のひとつとして発症することがあるからです。具体的に腸捻転(ちょうねんてん)や腸閉塞(ちょうへいそく)、大腸ポリープなどを発症しているときに便秘が起こる場合があります。放置しておくと症状悪化につながります。
また、便秘の原因が不明なことにより、ストレスを感じるようになります。その結果、さらに便秘の症状を悪化させます。生活の変化がないにもかかわらず、突然便秘になり、激しい腹痛や吐き気を感じる場合は病院へ行き、医師に相談することをオススメします。
2.今日からできる簡単で効果的な便秘解消体操5選
便秘を解消するためには、腹筋と骨盤底筋をトレーニングすることが大切です。骨盤底筋とは、骨盤の最下部にあるハンモックのような筋肉群で、内臓を支える働きをしています。
骨盤底筋には排尿・排便を助ける働きがあります。骨盤底筋を意識的に動かせる状態で、腹筋をトレーニングすると便秘改善が期待できます。
骨盤底筋を鍛えると便秘解消に対して以下のような良いコトがあります。
・内臓を本来あるべき位置に整える
・内臓が正しく働き、排便が促進される
・骨盤底筋を刺激することで便意を感じさせる
ここでは、骨盤底筋を意識した上で、お腹の筋肉を全体的に鍛えるトレーニングを5種目選定しました。全てのエクササイズを行うことで、排便がスムーズになり、便秘解消につながります。ぜひこのあとお伝えするエクササイズを毎日行ってください。
骨盤底筋を感じる
まずは仰向けで骨盤底筋を意識するトレーニングから行います。
エクササイズ方法:
写真のように仰向け寝になり、足の裏を床につけ、肩幅に開いて膝を曲げます。カラダ全体の力を抜き、肛門と膣(睾丸)を息を吸いながら頭の方へ引き上げるイメージで締めていきます。この状態をキープしたまま5秒くらいかけて息をゆっくり吐き、吐ききったら力を抜いてリラックスします。10回繰り返し行います。ポイントは引き上げる時にティッシュを取るイメージで引き上げることです。この引き上げた状態をキープして、以下のトレーニングを行いましょう。
以後のエクササイズでは、この骨盤底筋を意識しながら行ってください。
2−1.ヒップリフトウエストスクイーズ
おしりと腹斜筋(ふくしゃきん)を鍛えるエクササイズです。お腹とお尻に刺激を入れることで筋肉を鍛えていきます。
エクササイズ方法:
膝を90度に曲げた状態で横になります。おしりを床から持ち上げ、膝から鎖骨までがまっすぐにします。両肩が床から離れないように注意して膝を左右に倒していきます。おしりがなるべく床につかないように行いましょう。左右15回3セットを行います。
2−2.リバースクランチ
腹直筋(ふくちょくきん)を鍛えます。呼吸を止めてしまうと血圧が高い方は危険なので自然な呼吸を意識しましょう。ポイントは、腰を反らないように注意しながら足を下ろすことです。
エクササイズ方法:
仰向けで横になり両足を天井に向かってまっすぐ引き上げます。次に足を床ギリギリのところまで下してきましょう。以下の点に注意して行うと効果的です。
・膝が曲がらないようにする
・腰が反らないように動きをコントロールする
・腕や肩に力を入れない
15回3セットを目標に行いましょう。
2−3.プランク
腹直筋とお腹の横にコルセットのようにつながっている腹横筋(ふくおうきん)を鍛えるトレーニングです。この部分を鍛えることで便を押し出す筋力を高めます。
エクササイズ方法:
うつ伏せの状態で、肩の下に肘が来るようにして床につき、頭からおしりまでが一直線になるようにして姿勢をとります。肩や腕に力が入らないようにしてお腹を引き締めた状態で姿勢保持をします。お尻が浮いてしまったり、背中が反らないように注意しましょう。30秒3セットを行います。
2−4.ロールダウン
主に腹直筋の下部に刺激を入れることができます。ゆっくり動きをコントロールすることでより効果的に下腹部への刺激が増していきます。
エクササイズ方法:
膝を90度にした状態で座ります。手は膝の上に乗せます。目線をおへそに向け、肩甲骨の下あたりが床につくギリギリのところまで上体を倒していきます。この時、お腹にシワがよるのを感じていきましょう。倒しきったら上体を起こして繰り返していきます。10秒かけて下ろし、元の姿勢に戻るのを10回繰り返し行います。
2−5.レッグツイスト
腹斜筋と腹直筋に効果的なエクササイズです。両足を上げて行うので腰に痛みがある人は無理をしないようにしてください。
エクササイズ方法:
仰向けで横になり軽く両手をひらきます。両足をまっすぐ持ち上げ左右におろしていきます。この時、倒す方と反対側の肩が上がったり、カラダが捻じれて背中が浮かないように注意することがポイントです。動きはゆっくりコントロールして反動を使わないようにしましょう。左右15回3セット行います。
3.体操効果をさらに高めるツールエクササイズ
便秘改善体操の効果を上げるには、骨盤底筋を意識して引き上げた状態でエクササイズを行うことです。しかしここまでのトレーニングでは、骨盤底筋への意識が難しかったかもしれません。トレーニングの基本7原則のひとつに意識性の原則があります。効果的にトレーニングを実施するためには「鍛える部分を意識する」ことが大切なのですが、骨盤底筋を意識するのは簡単ではありません。
この難しさを解消するために開発されたのが、ストレッチポール®ひめトレ(以下ひめトレ)です。椅子の下に置いて運動を行うと、その独特の反発力で骨盤底筋の引き上げやゆるみのイメージが誰でも簡単にわかります。
このひめトレエクササイズの効果は第17回日本女性骨盤底医学会にて研究発表されています。
座位による骨盤底筋収縮時には,ひめトレ前,ひめトレ中,ひめトレ後全ての条件において骨盤底は有意に挙上すること(明らかに筋肉の活動があったこと)が示された。参考リンク:ひめトレ公式サイト
ひめトレを活用したことで、長年悩まされていた便秘が解消されたという声も多く、便秘解消の体操として編集部が自信を持ってご紹介できるエクササイズツールです。以下にひめトレの基本エクササイズを5つご紹介します。
3−1.ひめトレ基本姿勢(座り方)
ここからはひめトレを活用したエクササイズをご紹介します。まずは基本姿勢をとりましょう。この姿勢で骨盤底筋を感じ、意識的に動かすことで効果を高めます。
基本姿勢の方法:
椅子の上にひめトレを置き、写真のように座ります。足の位置は腰幅ぐらいにひらき、背すじを伸ばしましょう。前後左右体重移動をして、痛みのない心地の良い位置を探します。これが基本の姿勢です。
※座っていられないほどの痛みを感じる方はタオルをひめトレの左右に敷き、当たりを軽減させると改善されます。また5分以上の連続使用はしないようにお願いします。
3−2.呼吸エクササイズ
呼吸を行いながら骨盤底筋を引き上げる感覚を習得しましょう。ひめトレのもっとも基本的な体操です。
エクササイズ方法:
ひめトレに基本姿勢の状態で座ります。その状態で呼吸をしていきましょう。呼吸と連動してお腹や胸の動きを感じながらひめトレが当たっている部分の筋肉をゆっくり引き上げたり、力を緩めて下ろしたりしましょう。自然な呼吸で30秒間行ってください。
3−3.ツリーエクササイズ
手の動きを出しながら骨盤底筋を引き上げていきます。
エクササイズ方法:
ひめトレに基本姿勢で座ります。両手を胸の前で合わせ、頭の上に持ち上げます。まっすぐ頭の上にきたら胸の高さまで戻します。この動作を繰り返し行います。息を吐いている時に骨盤底筋を引き上げ、5回繰り返しましょう。
ポイントは背中が丸まらないように姿勢を保持することです。
3−4.シェイプブレス
呼吸をしながら肋骨の動きを感じてみてください。
エクササイズ方法:
ひめトレに基本姿勢で座り、両手を胸の下の骨に置きます。この時にご自身の肋骨の動きを感じてみましょう。息を吸いながら胸の開きを感じ、息を吐きながら内側へ締めるように肋骨を引き締めます。息を吐いている時に骨盤底筋を引き上げましょう。
自然な呼吸に合わせて5回動きを繰り返しましょう。
3−5.ツイストブレス
カラダをねじりながら呼吸をすることで、お腹も一緒にトレーニングすることができます。
エクササイズ方法:
基本姿勢の状態から上半身をひねるようにして左を向きます。良い姿勢をキープしたまま上半身のねじれを感じながら腹式呼吸です。ゆっくり3回呼吸をしたら反対も同様に行います。
息を吐いている時に骨盤底筋を引き上げ、左右5回ずつ繰り返しましょう。
4.便秘の原因を解消して体操の効果を高める
便秘は女性に多く発症しています。特に20〜40代の女性は男性に比べて便秘に悩む方が多く、女性の場合、便秘を誘発するホルモンなどの働きが男性と比較して多いためと考えられています。それ以外の主な便秘の原因として以下の4点があります。
・排便に関わる筋力低下している
・トイレを我慢することが慢性的になっている
・睡眠不足
・水分不足
各原因についてここでは解説していきます。
4−1.筋力低下が排便力の低下につながる!腹筋を鍛え予防しよう
排便をするためには、最後に便を押し出す腹筋が必要です。女性や高齢者の場合、男性と比較すると筋力が少ないため、最後に便を押し出すことができず、便秘になってしまいがちです。筋肉は使わないと日々退化していきます。
お腹に便が溜まっていて、出そうなのに出すことができない方はもしかしたら腹筋の筋力低下が原因かもしれません。トレーニングを行うことで解決を目指しましょう。
4−2.トイレの我慢が便秘の原因!便意を感じたら迷わずトイレへ
便意を感じていても「ん?お腹張ってきたかな?でもまだトイレ行かなくても我慢できるしいいか。」とトイレに行かない人は多いです。便意を感じているのにトイレに行かないことで、カラダは排泄するのを我慢し溜め込むようになります。
これが便秘の原因になるのです。便意を感じた時はなるべくはやくトイレへ行くことをおすすめします。便意を感じたタイミングに排便することが便秘の最も簡単な予防法です。
4−3.睡眠・水分不足は便秘を誘発!規則正しい生活とこまめな水分補給が大切
寝不足や脱水状態は便秘を促進させます。一般的に副交感神経が働く時間に腸が活発に働いていると言われています。つまり、就寝してカラダが最もリラックスしている時間に腸は活発に動き、カラダの排泄物を集めて便に変えています。
寝不足になることで、この腸の活動がうまくいかず、便秘になってしまうのです。また水分が不足していると、腸が活動しても老廃物は下に降りていかずに便を溜め込んでしまいます。水分を十分に摂り、適切な睡眠をとるようにしましょう。
5.まとめ
ここまで便秘のチェックと解消の体操についてお伝えしました。この記事をご覧になる方の多くは、慢性的な便秘に悩まされていると思います。慢性的なものを解消するためには、一定期間継続的に体操を行うことが大事です。まずは1週間継続的に行い、効果を実感してみてください。
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