いつも以上にハードに動いた翌日、たいていの方は疲労感を感じると思います。
ダイエットのために運動をしながら食事を減らしている方も、「なんかこのごろ疲れているな」と思うことは少なくありません。
疲労の原因は、肉体的な筋肉疲労や、ストレス、睡眠不足などです。その多くは「休養」と「栄養=食事」によってすみやかに回復させることができます。休養のもっとも効果的ものは「睡眠」、そして「日中の活動量減」です。特にカラダが資本の方は疲労を溜めたままにしておくと故障や病気、老化等につながります。
しかし悩むのは「栄養」です。やみくもにサプリメントや栄養剤を飲んでも効果は限定的と言えます。
そこでここでは、疲労回復のための食事とその方法についてお伝えします。オススメレシピも掲載しましたので、最後までお読み頂ければ何をどのくらい食べたらいいかお分かり頂けると思います。ぜひ参考になさってください。
※疲労回復時のために食事に加えて医薬品やサプリメントを効果的に活用したい方に、別記事「疲労回復のための市販薬&サプリメント24選と選び方全知識」をご用意しています。お知りになりたい方はそちらもご一読ください。
目次
1.疲労を回復させるには、エネルギーとそれを代謝する栄養分を食事で補う
疲労している際にもっとも必要なことはエネルギー源と、それをエネルギー変換(エネルギー代謝)する栄養素を速やかに補給するということです。
疲労している時は、エネルギー代謝がうまくいっていない時です。また、エネルギー代謝がうまくいっていない時は疲れやすいということにもなります。
それを果たすのは栄養ドリンクではありません。カロリーとしても必要とする栄養素としても栄養ドリンクだけでは足りないからです。
食事によってカロリーや必要栄養素を補給しましょう。口で噛み、胃腸で消化分解することで内臓の機能が正常に保たれます。栄養剤やサプリメントばかりに頼っていると、内臓は食事から栄養素を分解したり合成するということが負担になり機能が衰えます。基本の食事を大切にしてください。必要となる栄養素は次章以降で詳しく解説します。
2.栄養素別・疲労回復効果の高い食品
この章では、疲労から回復するためにぜひ摂りたい栄養素をご紹介します。それは主にタンパク質とビタミンB群、さらにミネラルです。普段よりも疲れを感じたり、溜まった疲労が抜けない場合は、これらの食材を多めにとりましょう。以下に詳しくご紹介します。
2−1.カラダづくりに重要なタンパク質
タンパク質は特に大切な栄養素です。筋肉はもちろん体中のさまざまな細胞や神経系などを作っています。破損した細胞を速やかに修復させるために、また栄養素を全身に巡らせるためにタンパク質が必要です。魚介類、肉類、卵類、大豆製品、乳製品に多く含まれます。
■タンパク質の多い食材例(100gあたり) 成人一日摂取推奨量 男子60g 女子50g
しらす干し(半乾燥) | 30.5g |
いわし(丸干し) | 32.8g |
牛肉(腱) | 28.3g |
ほんまぐろ(赤身) | 26.4g |
まぐろ(びんなが) | 26.0g |
かつお(春) | 25.8g |
鶏ささみ肉 | 23.0g |
豚ヒレ肉 | 22.8g |
納豆 | 16.5g |
たまご(ゆで) | 12.9g |
質の良いタンパク質を、食事とともにプロテインで補給する方法もあります。プロテインについては特にこだわりがない場合はどのような製品を選んでも間違いありません。少し詳しくお知りになりたい方は、別記事「筋トレの効果を最大限に高めるプロテインの選び方と全知識」をご覧ください。
2−2.疲労回復栄養素「ビタミンB群」の一番手ビタミンB1
ビタミンB群は、多くの医薬品や栄養ドリンク、サプリメントにも配合されている「ザ・疲労回復栄養素」です。これはなぜかというと、B群は、糖質・タンパク質・脂質をエネルギーに変換する「エネルギー代謝」の役割を担っているからです。疲労時は代謝機能が落ちていることが多いですので、B群を補給することで代謝を行いやすくします。
B群は水溶性ビタミンといって、水分に溶け込みながら体内に吸収されます。排出されたやすく、摂りすぎても尿として出されます。手軽に摂れるのですが、蓄積しておけないので毎日の食事でとることが大事です。B1から順にご紹介します。
ビタミンB1は、糖類をエネルギーに変換する働きをします。脳はエネルギー源を糖質のみに頼っていますので、糖質とB1を摂ることで脳が働くようになります。脳には神経系も多く集まります。神経や筋肉が正常に機能するサポートをします。豚肉、うなぎに多く含まれます。米などの胚にも含まれますので、玄米や、ぬか漬け、ぬかをまぶした干物(ぬかにしん、ぬかほっけ等)からも得られます。
■ビタミンB1の多い食材例(100gあたり) 成人一日摂取推奨量 男子1.4mg 女子1.1mg
豚ヒレ肉 | 0.98mg |
豚モモ肉 | 0,90mg |
ボンレスハム | 0.90mg |
うなぎ(蒲焼き) | 0.75mg |
たらこ | 0.71mg |
豚ロース肉 | 0.69mg |
豚ひき肉 | 0.62mg |
グリーンピース | 0.33mg |
だいこんぬか漬け | 0.33mg |
ごはん(玄米) | 0.16mg |
たまねぎはビタミンB1の吸収や働きを高め、体の新陳代謝を活発にして、疲労回復を早める効能があります。 含まれる硫化アリルとビタミンB1はとても相性のいい食べ合わせです。
2−3.ビタミンB2は脂質をエネルギーに変える
ビタミンB2は「ダイエットのビタミン」といわれます。これは、脂質代謝に関わる機能を持っているからです。食事で摂った脂質はB2と組み合わせることでエネルギーになりやすくなります。また目の充血や疲れ目、涙目を改善してくれる機能もあります。レバー、うなぎ、納豆、玉子等に多く含まれます。
■ビタミンB2の多い食材例(100gあたり) 成人一日摂取推奨量 男子1.2mg 女子1.6mg
豚レバー(肝臓) | 3.60mg |
牛レバー(肝臓) | 3.00mg |
鶏レバー(肝臓) | 1.80mg |
豚肉(はつ/心臓) | 0.95mg |
いかなご | 0.81mg |
うなぎ(蒲焼き) | 0.74mg |
さば(開き干し) | 0.59mg |
納豆 | 0.56mg |
まいたけ | 0.49mg |
たまご(全卵・生) | 0.43mg |
B2をとらないでダイエットをしていると、肌荒れや口内炎が起きる場合が多々あります。この時に上記の食材をとるとすぐに改善することがあります。「B2が足りなかったんだな」と自覚できるでしょう。脂肪を減らしたい方は、脂質をエネルギーに変えるB2食品を摂ってください。
2−4.ビタミンB6はタンパク質をエネルギーに変える
タンパク質の代謝を向上させるのがB6です。タンパク質食品とともに摂ることで吸収とエネルギー変換が効果的に進みます。「肌のビタミン」の名の通り,B2同様に肌のトラブルを改善させます。
実はタンパク質摂取量が増えるとB6必要量も増えるのですが、ビフィズス菌などからも作られるので、さほど神経質になる必要はありません。にんにく、レバー、まぐろ、かつお等に多く含まれます。
■ビタミンB6の多い食材例(100gあたり) 成人一日摂取推奨量 男子1.4mg 女子1.2mg
にんにく | 1.50mg |
まぐろ(びんなが) | 0.94mg |
牛レバー(肝臓) | 0.89mg |
かつお | 0.76mg |
鶏ひき肉 | 0.68mg |
さんま(開き干し) | 0.54mg |
鶏ささみ肉 | 0.60mg |
塩さけ | 0.58mg |
ピスタチオ | 1.22mg |
ごま | 0.64mg |
2−5.ビタミンB12は「目のビタミン」
葉酸とともに赤血球を作り、栄養や酸素を全身におくる働きがあります。またタンパク質の合成をサポートします。自律神経などの働きにも関わってるといわれ、睡眠や体のリズムの正常化に寄与しています。
他のビタミンに比べ必要量はごくわずかです。また肉や魚、大豆製品を普通に食べている分には必要量が得られます。不足すると頭痛・めまい・吐き気・動悸を起こしやすくなり、悪性貧血にもつながります。貝類、レバー、青魚等に多く含まれます。
■ビタミンB12の多い食材例(100gあたり) 成人一日摂取推奨量 男子2.4μg 女子2.4μg ※1μgは1mg の1/1000
しじみ | 62.4μg |
すじこ | 59.2μg |
牛レバー(肝臓) | 52.8μg |
あさり | 52.4μg |
鶏レバー(肝臓) | 44.4μg |
いわし(丸干し) | 29.3μg |
かき(生) | 28.1μg |
豚レバー(肝臓) | 25.2μg |
さんま(焼き) | 19.3μg |
焼きのり | 57.3μg |
2−6.骨を作るカルシウムは、イライラをしずめる効果も
骨や歯を作るカルシウムは、日本人が最も不足している栄養素の一つです。神経や筋肉の働きにも使われるのですが、普段は骨や歯に貯蔵されています。それが体内で足りなくなると骨や歯から溶かして使用しているのです。ですのでカルシウムが足りなくなると骨や歯がもろくなるのです。
疲労回復面としては、疲れている時のイライラを抑える効果があります。イライラはさらに脳や肉体の疲労を誘引します。ストレスを感じた時はカルシウム多めの食材をとるといいでしょう。乳製品、骨ごと食べられる魚、殻まで食べられるエビ、葉物野菜に多く含まれます。
■カルシウムの多い食材例(100gあたり) 成人一日摂取推奨量 男子600mg 女子600mg)
プロセスチーズ | 690mg |
しらす干し(半乾燥) | 520mg |
いかなご | 500mg |
カマンベールチーズ | 460mg |
わかさぎ | 450mg |
いわし(丸干し) | 440mg |
ししゃも | 350mg |
油揚げ | 300mg |
だいこんの葉 | 220mg |
牛乳 | 130mg |
カルシウムを効率よく吸収するには次項で紹介するマグネシウムが必要で「カルシウム:マグネシウム=2:1」の割合で摂るのが理想的です。
2−7.体内酵素の働きを良くするマグネシウム
マグネシウムも骨に60%が貯蔵されています。残りは筋肉や血液です。体内酵素の働きを良くすることでエネルギー生産やタンパク質合成に関わっています。カルシウム同様神経の興奮をしずめる機能もあります。
大豆製品、魚介類、海藻、ナッツ類に多く含まれます。また、精製されていない穀物にも豊富ですので日頃の食事で取り入れるようにしましょう。例えば、玄米やソバ、全粒粉、ライ麦などです。
■マグネシウムの多い食材例(100gあたり) 成人一日摂取推奨量 男子370mg 女子280mg)
なまこ | 160mg |
しらす干し(半乾燥) | 130mg |
豆みそ | 130mg |
油揚げ | 130mg |
ゆで大豆 | 110mg |
いわし(丸干し) | 100mg |
あさり | 100mg |
納豆 | 100mg |
ごま | 360mg |
青のり | 1300mg |
2−8.慢性疲労を解消する鉄分・欠かすと貧血!
鉄分のメリットはずばり「疲労回復」です。血液中の赤血球組織「ヘモグロビン」の生産に大きく関わっています。体内に酸素や栄養を届けるには大事な栄養素というわけです。鉄分不足はめまいや貧血に直結。鉄欠乏性貧血になると他の人と同様のアクティブな生活ができなくなります。特に女性は失いがちなので意識してとるようにしてください。レバー、貝類、納豆等に多く含まれます。ちなみにビタミンCは鉄分と併せてとると格段に吸収が良くなります。
■鉄分の多い食材例(100gあたり) 成人一日摂取推奨量 男子7.5mg 女子10.5mg)
豚レバー(肝臓) | 13.0mg |
鶏レバー(肝臓) | 9.0mg |
はまぐりの佃煮 | 7.2mg |
しじみ | 5.3mg |
豆みそ | 6.8mg |
いわし(丸干し) | 4,4mg |
ほっき貝 | 4.4mg |
米みそ(赤) | 4.3mg |
油揚げ | 4.2mg |
がんもどき | 3.6mg |
2−9.新陳代謝を助ける亜鉛
亜鉛の機能は非常に豊富です。・新陳代謝を活性化させる ・免疫力を向上させる ・味覚を保つ ・精神を安定させる などです。「何か調子が悪いな…」「加齢による衰えかな…」と思った時に亜鉛をとると回復するケースが少なくありません。
牡蠣、豚レバー、牛肉、その他の貝類に多く含まれます。亜鉛は肉・魚介類などの動物性タンパク質と一緒に摂ると吸収されやすくなります。
■亜鉛の多い食材例(100gあたり) 成人一日摂取推奨量 男子9mg 女子7mg)
牡蠣(生) | 13.2mg |
豚レバー(肝臓) | 6.9mg |
牛肩肉 | 4.9mg |
牛肩ロース肉 | 4.6mg |
牛ひき肉 | 4.3mg |
たいら貝 | 4.3mg |
牛ヒレ肉 | 4.2mg |
たまご(卵黄) | 4.2mg |
ビーフジャーキー | 8.8mg |
パルメザンチーズ | 7.3mg |
2−10.他の栄養素の疲労回復効果は?
ビタミンB群、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛の疲労回復効果をお伝えしました。もちろんこの他の栄養素もカラダには必要ですが、バランスの良い食事を行っていれば大丈夫なものが多いですし、逆に過剰な摂取が害になるものもあります。以下にその特徴と機能をお伝えします。
栄養素名 | 特徴 | 注意点 |
ビタミンA | 免疫力アップや視力の維持、疲れ目に効果的。レバーやニンジン等の緑黄色野菜に豊富に含まれる。脂質に溶けて吸収される「脂溶性ビタミン」。 | 過剰摂取は害。 |
ナイアシン | 別名「ビタミンB3」。糖質、脂質、タンパク質の代謝に不可欠。体内でも合成されるので欠乏症に陥ることはほぼない。 | 煮汁などに溶け出しやすい。 |
パントテン酸 | 旧称「ビタミンB5」。糖質、脂質代謝に大きく関わる。多くの食品に含まれるため、通常の食事をしていれば十分量が補給できる。 | |
ビタミンC | コラーゲンの合成に深く関与。鉄分やカルシウムの吸収効率を高める。フルーツ(特にかんきつ系)に多く含まれる。ビタミンEの再生機能もある。 | 加熱に弱い。 |
ビタミンD | 血中カルシウム濃度を高める。免疫機能向上に大きな役割を果たし、欠乏すると自己免疫疾患が引き起こされやすくなる。魚類に多く含まれる。脂溶性ビタミン。 | 過剰摂取は害。 |
ビタミンE | 抗酸化作用があるといわれる。植物油に豊富に含まれるために通常の食生活では欠乏する可能性が低い。脂溶性ビタミン。 | 過剰摂取は害。 |
ビタミンK | 血液の凝固や組織の石灰化に関わるために、欠乏すると血が止まりにくくなる。骨粗しょう症や動脈硬化の原因となる。納豆などに多く含まれる。脂溶性ビタミン。 | 抗血液凝固薬ワルファリンの摂取者には禁忌。 |
葉酸 | 別名「ビタミンM」。アミノ酸や核酸の合成に必要となる補l酵素。 欠乏すると貧血や免疫機能減退などを引き起こす。 | 過剰摂取は害。 |
リン | カルシウムと結合してリン酸カルシウムを生成。骨や歯の原料となる。カルシウム1:リン1〜2の割合で補給したい。細胞の構成成分になったり、エネルギーの産出に関わる。通常の食生活でほぼ満たすことができる。 | 過剰摂取は害。 |
銅 | 鉄の補助的な働きをして貧血予防になる。その他、体の成長に欠かせない役割を果たす。通常の食生活でほぼ満たすことができる。 |
3.迷ったらコレ!疲労回復効果の高いオススメ食品
疲労回復に効果の高い栄養素をご紹介しました。摂らなきゃイケナイ栄養素は結構多かったと思います。あれもこれもを一度に食べるわけにはいきません。「じゃあどれから先に…」とお悩みの方に、おすすめの食品をお伝えします。まずはこの食品から積極的に食べてみることをおすすめします。
■豚肉・豚レバー
ともに疲労回復栄養素ビタミンB群をとるのにうってつけの食材です。またタンパク質、脂質を補給できます。少量のクエン酸と食べると効果的に働きます。また、豚レバーには鉄分、亜鉛が豊富に含まれています。
■たまねぎ、ニラ、ネギ
ビタミンB1の吸収や働きを高め疲労回復効果のある「硫化アリル」が含まれています。豚肉や豚レバーとの相性は良く、味覚的にも大変おいしいですが吸収効率的にも優れている組み合わせなのです。硫化アリルの量が特に多いたまねぎには血液をサラサラにする効果や安眠効果もあります。夕食時に必ず食べたい食材ですね。
■にんにく
にんにくの疲労回復は有名で、にんにく黒酢やにんにく卵黄などというサプリメントも販売されています。このにんにくにも硫化アリルが豊富に含まれています。体温を上げ血液循環を良くする機能もあります。料理に追加するだけで食欲が増進される効果も。ポリフェノールによる抗酸化作用も期待できます。
スライスしたものを酢につけ込んでおき2週間程度寝かせてから料理等に利用している方もいます。成分が強いので胃腸に負担がかかりやすいという欠点があります。
■羊肉
ラムやマトンという名前で売られているのが羊肉です。上のリストにはありませんでしたが、ビタミンB群が豊富で良質なタンパク質を持っています。他の肉と異なる点がカルニチンの含有。これは脂肪をエネルギーに変える栄養素です。羊肉の脂はサッパリしているのでいくらでも食べられるという人も多いでしょう。
■トマト
「トマトが赤くなると医者が青くなる」。これはトマトが健康食品で栄養価が高く、免疫力を向上するのでお医者様がヒマになるという昔のことわざです。クエン酸、リンゴ酸、ビタミンA、C、E、リコピンが豊富に含まれています。また、アルファリポ酸が多いこともメリット。これは炭水化物のエネルギー代謝に関わる成分です。生のままでも料理にでも積極的に活用しましょう。
■納豆・山芋・オクラ・メカブ(ネバネバ系食品)
ネバネバ系の元は「ムチン」という栄養素です。血液をサラサラにしたり血糖値の急な上昇をおさえる効果があります。納豆にはビタミンB2が豊富。山芋も滋養強壮効果が強く、昔から愛用されてきました。オクラはカルシウムや鉄、カロチン、ビタミンCが、またメカブにはアルギン酸が豊富で、腸内にある余分な糖分やコレステロールを吸収・排出し、血糖の上昇を抑えてくれます。メカブのネバネバに含まれているフコイダンには、免疫力を高める効果があります。ムチンは熱に弱いのでなるべく生食するようにしましょう。
■キャベツ・だいこん・セロリ
食物繊維の宝庫です。また消化を促進する効果がありますので、胃が疲れているときなどにおすすめします。肉類と一緒に食べることでエネルギー代謝も進みます。
■納豆・豆腐・油揚げ・がんもどき(大豆食品)
大豆は「畑の肉」とも言われるほど良質なタンパク源です。豆腐や納豆を活用しましょう。意外な高機能食品が油揚げやがんもどきです。カルシウム、マグネシウム、鉄分を豊富に含んでいます。大豆に含まれる不飽和脂肪酸「レシチン」は細胞膜を作る重要な成分。あらゆる細胞膜を膜を正常に保つ機能があるので、若返りの栄養素とも言われています。ダイエットのためにも積極的に活用したい食品です。
■梅干し(酸味成分、抗酸化作用)
クエン酸やリンゴ酸は質の代謝を促し活性化させる働きがあります。またミネラル分が豊富で特にカルシウム、鉄は特筆すべき量。マグネシウム、亜鉛も多量に含まれています。梅干しはアルカリ性食品で、クエン酸には抗酸化作用があると言われています。酸性食品ばかり摂り過ぎの人は、梅干しを少量でも毎日とることをおすすめします。
■とうがらし(カプサイシン)
体を温め、脂肪を燃焼する効果があります。食欲増進効果も。多量に使うことはあまりありませんが、含まれる栄養素としてもビタミンB群、葉酸、C、E、カルシウム、リン、マグネシウムを含んでいます。
■オリーブオイル・ココナッツオイル
良質なオイルを摂りましょう。植物性のオイルは天然のリノール酸やオレイン酸を含んでいます。エキストラバージンオリーブオイルは中性脂肪やコレステロールの値を改善します。
近年健康食品として注目されているのがココナッツオイルです。ココナッツオイルに豊富に含まれる中鎖脂肪酸は肝臓で分解されてケトン体になります。このケトン体がカラダにいいと脚光を浴びているのです。
ケトン体を構成する主成分、β-ヒドロキシ酪酸は、活性酸素を無害化する酵素をふたたび活性化するという研究論文が発表されています。また脳に栄養を供給する役割も担っているようです。
※飲みにくいオイルはサプリメントで摂取する方法も!
食生活で積極的に活用したい良質なオイル。朝食時にティースプーンいっぱい程度を摂ることをおすすめしますが、忙しい朝は、スプーンを出したりこぼさないように口に入れたりとなかなか難しいかもしれません。不規則な生活スタイルの方もいらっしゃると思います。
そこでサプリメントで摂取する方法も紹介します。「VCOサプリメント」はココナッツオイルの中でも特に良質なヴァージンココナッツオイルをカプセルに閉じ込めたもの。1日わずか3カプセルで、メーカーおすすめの成分量を摂ることができます。カプセルだから携帯が便利。思いついた時にいつでも飲むことができます。
今なら初回限定1,980円でモニターコースに参加できます。使用した後も返品できる15日間返金保証キャンペーンもありますので、気になった方はぜひ下記のバナーをクリックして申し込んでみてください。
■ゴマ
ビタミンやミネラル、タンパク質、良質な脂質が豊富に含まれていて「栄養の宝庫」と言われています。抗酸化作用による疲労回復効果も。和洋中に大活躍するので積極的に摂りたいですね。
■黒酢
糖質がエネルギー変換されたものがグリコーゲン。黒酢には、グリコーゲンをスムーズに身体に補充させる『酢酸』が豊富に含まれています。また必須アミノ酸「BCAA」も。筋肉の分解を抑え、再合成を果たす貴重な栄養素です。
■フルーツ
果糖、ビタミンCの補給減になります。オレンジ、リンゴ、バナナ、パパイヤ、キウイ等。
4.疲労回復に即効果! 厳選レシピ集
■豚バラの野菜いっぱい生姜焼き
豚肉とタマネギの相性は栄養的にも素晴らしいものがあります。生姜焼きは簡単ですのでチャチャっと作ってしまいましょう。レシピでは豚バラですがロースでもコマ肉でも何でもOK。野菜もありもので。キャベツやトマトを付け合わせにしているのもGoodですね。砂糖が加わったタレですので少々甘いです。気になる方は砂糖を減らしてください。
材料(2人前) 豚バラ150g/人参1/4本/ピーマン2個/玉ねぎ1/4玉/しめじ1/4パック/
タレ 生姜1片/醤油、みりん各大さじ2/砂糖大さじ1
付け合せ キャベツの千切り、プチトマト、マヨネーズ
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■焼肉のたれ+赤味噌+砂糖で回鍋肉(ホイコーロー)
ホイコーローを本格的に行うには甜麺醤(てんめんじゃん)という調味料が必要なのですが、普通のご家庭ではあまり準備してないかと思います。他に使い道もなかなかないので買うのも躊躇してしまう…。そういうわけで甜麺醤ナシで美味しいホイコーローを作ります。
赤みその活用でマグネシウムや鉄分の補給になり、キャベツをたくさん食べられてご飯も進む一品です。ごま油を使うのもGOOD。疲労気味の方はニンニクを少し加えてもいいでしょう。オイスターソースは牡蠣から作った調味料で活用範囲が広いですからぜひ用意しておいてください。
材料 (4人前) 豚バラ肉200~300㌘/キャベツ1/3玉/ピーマン3個/赤パプリカあれば1/4/長ネギ1/2本/ごま油大さじ1と1
タレ 赤味噌大さじ1.5~大さじ2/砂糖大さじ1/焼肉のたれ大さじ4/醤油小さじ1 /オイスターソース小さじ1 あれば/コショウ適量/
水溶き片栗粉適量
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■メチャ旨い!!!簡単に本格レバニラ炒め♬
■かつおのたたきと香味野菜ののっけ盛り
中華の王道が三品続きました。「アブラっこいのはダメ〜」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。和食の代表「お刺身」でタンパク質とビタミンB群等を補給しましょう。
このレシピはスーパーマーケットチェーン「ライフ」が提供するもの。いろんな香味野菜を載せて疲労回復効果を高めましょう。オニオンスライスももちろんOK。タレはごま油とゆず醤油を使うものですが、他にもクックパッドにはマリネ風やゴマだれを使うものがあるので検索してみてください。
材料 (4人分) かつおのたたき1節(400g)
付け合わせ レタス2枚/長ねぎ・きゅうり各1本/みょうが2個/しょうが・にんにく各1片/小ねぎ2本/大葉12枚/わかめ(塩蔵)40g/レモン1/2個
タレ ミツカン かおりの蔵丸搾りゆず2/3カップ/ごま油大さじ1
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■いわしの梅煮
タンパク質、ビタミンB群、カルシウム、鉄分などを豊富に含む栄養価の高い「いわし」を丸ごとたくさん食べられるレシピです。煮魚の王道のタレの配合に梅干しを加えてサッパリと。疲労回復効果もパワーアップしています。和歌山の梅干しを紹介するサイト「梅色生活」が紹介するレシピです。
材料 いわし(中)6~8尾/梅干し(白干梅)3〜4粒
調味料 酒大さじ2~2.5杯/みりん 大さじ2/砂糖大さじ1~1.5杯/醤油大さじ2/しょうが 1かけ
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■トマト缶で簡単!ビーフストロガノフ♪
中華、和食とくれば次は洋食です。牛肉をトマトやタマネギ、にんにくで煮込んだ料理が「ビーフストロガノフ」。サワークリームを使うのが主流ですがここでは生クリーム、または牛乳で代用します。トマト缶を使うので、そこからの酸味でそれらしい味になるというわけです。ソースもしっかりいただいて溶け出した栄養分をとってください。
材料 (4~5人分) 牛肉300g/にんにく 2片/玉ねぎ小1個/マッシュルーム1パック/バター30g/生クリーム(なければ牛乳) 100cc/赤ワイン 100cc/小麦粉大1/ローリエ1枚/パセリ(みじん切り) お好みで
ソース トマト缶1缶/ウスターソース 大2/醤油大1/ケチャップ大1/コンソメ(顆粒) 小1
レシピはこちら cookpad.com
■グリーンピースとベーコンの温卵チーズのせ
グリーンピースは野菜の中で最多のビタミンB1含有量を誇っています。その他にもタンパク質、糖質、ビタミン、ミネラルをバランスよく含みます。このお料理は玉子、ベーコン、タマネギ、チーズを使用。タンパク質、ビタミンB群、カルシウムなどが豊富に含まれた疲労回復レシピです。
ちなみに温泉玉子ですが、ガラスコップか湯のみ茶碗に割り入れて水を少々加え、ラップをして電子レンジで30秒でつくる方法がありますので試してみてください。温泉玉子の作り方(楽天レシピ)
材料 (2人分) グリーンピース(冷凍)150g/新玉ねぎ又は玉ねぎ2分の1個/ブロックベーコン100g/温泉卵2個
調味料 塩適量/ブラックペッパー適量/ガーリックパウダー 適量/粉チーズ好きなだけ/オリーブオイル 大さじ1
レシピはこちら cookpad.com
■大根菜と揚げのお味噌汁
見た目は地味ですが、栄養の宝庫となる一品です。特に貧血で慢性疲労を感じている方にはおすすめです。
大根菜にはほうれん草に次ぐ鉄分、小松菜に匹敵するカルシウムがあります。さらにβカロテン(ビタミンA)、ビタミンC、ビタミンK、葉酸などの栄養素も。油揚げには鉄分、カルシウム、マグネシウムが。味噌も高機能食品です。
その他、体に良いと思われるものをいれて具沢山にしていただくのももちろんOK。根菜、ワカメ、豆腐などアイデアとストックしだいですね。
材料 (2人分) 大根菜 60g/油揚げ(薄揚げ) 2/3枚(20g)/だし汁(かつお・昆布) 300ml/味噌 大さじ1/2強(10g)
レシピはこちら cookpad.com
5.インスタントラーメンに大きな疲労回復効果があった!
インスタントラーメン、特に袋めんにはビタミンB1やB2等が配合されているケースがほとんどです。これはなぜかというと、各メーカーは「即席めんは栄養バランスが悪い」という悪いイメージを覆すため、不足しがちなビタミンB1、B2、カルシウムなどを製造段階で配合しているのです。ビタミンB1は糖質代謝、B2は脂質代謝に大きく寄与しているのでエネルギーを得るには効果的です。また脚気の予防改善にも優れています。さらにカルシウムで丈夫な骨を作ります。
以下は代表的な製品の栄養成分表です。(例:サッポロ一番 みそラーメン)
標準栄養成分表 1食(100 g)当たり | ||||
エネルギー | 445 kcal | |||
たん白質 | 10.2 g | |||
脂質 | 17.1 g | |||
炭水化物 | 62.6 g | |||
ナトリウム | 2.2 g
| |||
ビタミンB1 | 0.33 mg | |||
ビタミンB2 | 0.58 mg | |||
カルシウム | 200 mg | |||
食塩相当量:5.6 g |
ビタミンB1はグリーンピース100g、B2は納豆1パック、カルシウムは葉物野菜100gに匹敵する量です。疲労回復の効果をあげるには、肉や卵、野菜、海藻等を加えて、さらにフルーツなどをとると良いでしょう。
問題点は食塩相当量が多いということ。スープまで全部飲み干すと、世界基準の塩分摂取量(1日5g)を一食で満たしてしまいます。疲れた時はカラダが塩分を欲しますが、スープを飲むのは控えめにしたほうが良さそうです。
6.疲労を回復させ、疲れにくいカラダをつくる食事のコツ
6−1.朝食は必ずとる
朝食はおろそかにされがちですが、疲労回復を進めるためには軽視しないでください。必要な栄養素を得ることができる貴重な機会です。
研究では、朝食は脳や体の機能を覚まします。日中の過食を防止することにより体重を減らすのに役立ちますし、肥満、糖尿病、心臓病を防ぐことができます。
砂糖などの甘いものは控えてください。米国の研究では、甘い食事をとった児童の方が飢えを感じやすく、昼食時に多量に食べる傾向があったとのことです。
糖質は大事なエネルギー源ですが炭水化物(穀物)からとるようにしましょう。和食では玄米や五穀米、胚芽米などを主食に、魚に納豆や豆腐、味噌汁等の大豆食品。それに野菜や海藻等の一品を摂ればOKです。洋食では、全粒粉のトーストやベーグル、玉子にチーズ、サラダ、フルーツを食べればベストです。
6−2.疲労回復にはタンパク質が欠かせない
タンパク質は、筋肉の元となるなどカラダにとって大事な栄養素ですが、さらに色々な働きをしています。疲労時はエネルギーとしても使われます。炭水化物と脂肪もエネルギーとなりますが、タンパク質はその力の放出を調節する機能もあります。
タンパク質は、細胞を維持しその成長をサポートしています。体内では、ホルモンやビタミンを巡らせる働きもしています。実際、筋肉の多くのホルモンはタンパク質から構成されています。また免疫系を構成する働きもしています。
いくつかのアミノ酸は必須アミノ酸といい、食事やサプリメントから補給しなければなりません。体内で他の栄養素から合成して作るわけにはいかないのです。
このように重要なタンパク質は、疲労時に速やかに補給してあげることが疲労回復の第一歩です。
6−3.炭水化物はカットせずに、組み合わせる
炭水化物から得られる糖質は、脳の大事なエネルギー源です。脳は糖からしかエネルギーを得ることができません。頭の疲れや気疲れを感じた時は質の良い炭水化物を摂りましょう。
また筋肉においてももっとも速やかに瞬発力系エネルギーとして活用されます。プロテインブランドのウィダーのウェブサイトによると、体重が60kgの成人の場合、1日の糖質の必要量は300〜420gということです。
この糖質ですが、純度が高いほど、つまり砂糖や果糖、蜂蜜の類はすぐ燃焼され枯渇してしまいます。そのためには精白米や精白小麦粉よりも、繊維などの他の栄養素が混ざった炭水化物の方が吸収が緩やかで健康的な生活を送ることができます。
米で言えば、玄米や五穀米、胚芽米を、パンだったら全粒粉やライ麦などを使ったものを選びましょう。押麦からできているオートミールも栄養価の高い炭水化物です。
またジャガイモやサトイモなどの芋類、カボチャやブロッコリー、ニンジンなどイネ科以外からの炭水化物を食事に組みこむことでさらに健康的になります。
6−4.質の良い脂肪をとる
脂肪は健康の大敵と思われがちですがそのようなことはありません。たしかに質の悪い脂肪を摂りすぎることは健康の大敵です。しかし質の良い脂質をよく使うことは健康にとってプラスになります。
質の良いオイルとは、本文中でご紹介したオリーブオイルやココナッツオイルなど植物の種子やナッツからできるものです。コレステロールを減らすことがわかっています。さらに魚油もヘルシーです。DHAやEPAなどの脳機能を向上させる栄養素を含んでいます。
6−5.水をたくさん飲む
水は可能な限り飲んでください。1日に3〜4リットル飲んでもまったく問題ありません。むしろ現代人は水を飲まなさすぎると言えるでしょう。水は体温を調節し、食物を消化器内で運び、関節の潤滑油のもとになります。そしてエネルギー分子の生成に不可欠です。
<h3″>6−6.食事の量を減らして、回数を増やす
お伝えしたようなヘルシーな食事をしても疲れを感じる場合は、一回あたりの食事の量を減らして、そのぶん食事の回数を増やしてみてください。そのような方は消化とエネルギー代謝できる量に限りがあるのかもしれません(決して病気ではありません)。食事をするたびに血糖値があがり脳や体に栄養が行き渡ります。その回数を増やすことで、正しいエネルギー量が供給されるのです。
6−7.塩分は人類の敵ではない。天然塩を上手に摂取する
古代ローマ時代、兵士の労働の対価=給料が塩(Salt)で支払われていたことがあります。それがサラリーやソルジャーの語源です。塩は人間に絶対に欠かせないもので、古代からそれをどのように安定して得るかが人類の営みでした。
馬が疲れれば塩を舐めますし、人間も汗をかいたあとは塩っからいものが食べたくなります。減塩生活をしている人は疲れを感じやすいという研究結果もあります。
人間本来の機能としては、摂りすぎたものは摂りたくなくなります。過度に塩分をとると下痢をしたり吐いたりします。ですのでよくコンディションを整え適切な塩分量を心がけましょう。
天然塩は自然のミネラルが塩分とともに配合されていますのでおすすめです。現代の食生活では、とかく塩分(精製塩)を摂りがちなので注意します。出汁や酢を活用することで、塩分を適切な量とる工夫ができます。
6−8.運動やストレッチを行う
筋肉が活用されないコチコチの状態だと、せっかくの栄養素が体中に行き渡りません。行き渡らない栄養は脂肪となって蓄積されるか尿となって排出されます。つまり素通りの状態です。
なんでもいいので、少しの時間でも運動を生活習慣に取り入れてください。よくカラダを動かすことは疲れにくい体質を得ることにつながります。疲れたな、と思った時こそ、違う種類の運動を行い栄養を摂り十分に休んでください。また、ストレッチはカラダを柔らかくし血行を良くする効果があります。運動が苦手な方は、まずはストレッチからでも行ってみてください。
7.まとめ
疲労回復に効果的な食物や食事の方法をご紹介しました。何か変わった新しいことではなく、基本的な栄養素を摂ることで、人間本来の機能を活性化して進めるシンプルな方法です。
疲労回復を進めるためには、ご自身の現状にぜひ敏感になってください。そして普段と何が違うのか、それはなぜか、何が足りていないかを考えていただければと思います。
ご紹介した知識が、皆様の健康的な生活にお役立ていただければ幸いです。
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