大臀筋、中臀筋の解剖学|起始停止、機能からストレッチ、トレーニングを紹介

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臀部(お尻)の筋肉は、人体の中でも特に大きな筋肉です。そのため、大きなパワーを発揮することができます。

また、立つ、歩くといったヒトの基本的な動作に大きく関わる筋肉です。

この記事では、その中でも大臀筋、中臀筋という2つの筋の機能解剖学と、ストレッチ、トレーニングの方法をシンプルに分かりやすくお伝えします。

この記事は石塚利光が監修しました。

日本コアコンディショニング協会コアコンディショニングリサーチディレクター/東京大学女子バレーボール部トレーナー/米国公認アスレティックトレーナー (BOC-ATC) /日本トレーニング指導者協会・認定上級トレーニング指導者(JATI-AATI)/ペンシルベニア州立カルフォルニア大学卒業/前・福岡大学助教/訳書「アスレティックボディ・イン・バランス」(Gray Cook著)


大臀筋、中臀筋の起始停止

大臀筋

【起始】腸骨(後殿筋線)、仙骨・尾骨(後面)、仙結節靭帯

【停止】大腿筋膜(腸脛靭帯)、大腿骨(臀筋粗面)

中臀筋

【起始】腸骨(前臀筋線と後臀筋線の間)

【停止】大腿骨(大転子外側面)


大臀筋、中臀筋の機能

臀筋群

大臀筋は股関節を後ろに引く動作(伸展)外にひねる動作(外旋)が主な役目です。起始停止の写真をみて分かるように、大腿骨のやや外側に付着しているので、下肢を後方、外に引く力が働きます。

中臀筋は股関節を横に開く動作(外転)に使われます。中臀筋の方がより股関節に近い場所に付着しているため、大きく動かすよりは関節を安定させる働きがあります。

大臀筋・中臀筋がうまく使えていると姿勢をきれいに保つことに繋がります。股関節屈曲筋群の負担を減らすことができます。うまく使えないと階段を登るときなどに大腿部前面の筋肉ばかり使ってしまいます。結果として膝の痛みにつながることがあります。

大臀筋をうまく使えないとおしりがたるんだり、腰に負担がかかり、痛みの原因になることもあります。

中臀筋がうまく使えていないと、片足立ちをした際に体が傾いてしまいます。トレンデレンブルグ徴候とも言います。そのため足をしっかり上げることができず、高齢者の転倒の原因にもなります。

大臀筋、中臀筋のストレッチ

梨状筋ストレッチ4

左ヒザを外側90度に曲げて倒し、右足を後ろに下げ座ります。

両ヒジをカラダの前で床につき上半身を前へ倒します。この時に右足に力が入らないように注意して左のおしりを伸ばしていきましょう。

※この時に右に捻って行うと、中臀筋のストレッチになりますから、併せて行います。

大臀筋、中臀筋トレーニング

仰向けに寝て膝関節を90度に曲げましょう。そのままお尻を上げていきます。ヒップリフトという運動です。お尻の上げ過ぎは腰に負担がかかるので、上げる高さの目安は肩~お尻~膝が1直線になるくらいで結構です。脚の置く位置は真下に力が入る位置で行うのがベストです。

まとめ

大臀筋、中臀筋の機能解剖学について解説しました。後方から見ると、似たような筋の走行に見える2つの筋肉ですが、実際は大きく異なります。立体的に筋肉を捉え、評価、トレーニングを行うことが大切です。

当ブログ監修者である石塚が運営委員を務める一般財団法人日本コアコンディショニング協会では、指導者のためのオンラインプラットフォームを運営しています。分かりやすい解剖学シリーズも、理学療法士の先生が解説する動画を1本300円で視聴することができます。

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