口元に走る縦じわ「ほうれい線」。
どんなに美しい方でもほうれい線があるだけで、実際よりもお年を召したように見られます。
「これがなければもっと若く見られるのに!」とお考えの方はたいへん多いでしょう。
実は、近年は若年層でも、ほうれい線の気配が生じることが珍しくなくなっています。早ければ20代でもほうれい線がうっすらと生じ始めます。
これは口を動かすことが少なくなっていることが原因と考えられます。そこでこの記事ではほうれい線を消すための日常習慣と効果的なトレーニングを、口の動きの専門家である著名な歯科医の先生におうかがいしました。
特に口のトレーニングはいつでもどこでも可能な方法です。改善したいとお考えの方はぜひ参考になさってください。
この記事は歯科医師・森昭先生の監修をいただきました。 竹屋町森歯科クリニック院長(京都府舞鶴市)。人口8万人の同市にて総世帯数の25%がクライアントという人気歯科医。予防医学を重点的にとらえ、唾液やオーラルケアの重要性を全国の歯科医に発信している。「歯医者を行きたい場所に変える」がモットー。第1回「歯科甲子園」準優勝。著書に『体の不調は「唾液」を増やして解消する』(PHP研究所)『行列のできる歯科医院3』共著(デンタルダイヤモンド社)など。 |
目次
1.ほうれい線の原因とは
ほうれい線は実はシワではなく、口と頬の境界線です。誰にでも生じる可能性のあるものですが、生じやすい人には原因があります。
これは顔の表情をつくる表情筋の衰えが最も大きな原因と考えられます。口の中(舌や歯)と外(唇、頬、アゴなど)を使わないことで、口まわりの筋が衰えてリフトアップできなくなり、頬が落ち、たるみが生じるのです。
上図でいうと、ほうれい線は咬筋の口側のところにできていませんか? 咬筋をはじめここに関係するそれぞれの筋肉が衰えているのです。
筋肉の衰え以外に考えられる原因は下記のようなものです。
・口呼吸
・加齢
・遺伝的要因(遺伝子のみならず、食べ物や食べ方など生活環境要素もこれに当てはまります)
・体重、体脂肪、水分減少
・環境要因(紫外線等)
・喫煙
・飲酒(筋肉がゆるみやすくなります)
ただ同じ条件でもほうれい線ができやすい方とそうでない方がいます。根本的には表情筋の問題が大きいと思います。
2.ほうれい線を消す5つの方法
口やその周囲をよく使っていないことが大きな原因ですので、なるべく使うようにし、またそのためのトレーニングをします。
2−1.よく噛んで食べる
噛むことで、上あごの骨が動き表情筋もそれに伴って動きます。現代人の咀嚼回数は弥生人の1/6、食事時間は1/5に減っているそうです(元神奈川歯科大学・齋藤滋教授の研究)。これにより口は小さくなり歯の数も少なくなり、アゴも小さくなっています。口回りの筋肉も小さく細くなっていると考えられます。
よく噛んで食べることをするだけで表情筋が活性化します。その具体的な方法をお伝えします。
2−1−1.噛みごたえのある食べ物をとる
次のような食物はよく噛まないと飲み込めないので、おすすめです。
・野菜(特に葉物野菜)
・海藻類
・キノコ類
・筋の多い硬い肉
・干した野菜、魚、果物製品
特にスルメは、噛むほどに唾液の分泌も促すのでおすすめです。
これらの調理法としては歯ごたえを残すために、加熱時間は短く、大きく切るようにしてください。
2−1−2.水と食べ物を同時に口にいれない
固形物を食べる時に水やお茶も口の中に入れると、それほど噛まずとも流し込むことができます。これが表情筋を衰えさせる一因になります。唾液が出るまで噛むようにするか、飲み込んでから水分を入れるようにしてください。
2−2.食べるときは前歯で噛みちぎり奥歯ですりつぶす
実は目も目尻も鼻も上あごの上に乗っています。上あごを使って食べないと表情筋が重力に負けて下に落ちるのです。これがほうれい線や顔の肉のたるみになるのです。
上あごを使って食べる、とは、咀嚼の際にまず前歯で硬い物を噛みちぎることです。皆さんは、下の前歯の先端がギザギザになっていませんか? これは発育葉といって前歯を使えていると生え変わり完了から数ヶ月で消失するものです。このギザギザが残っている方は、前歯をほとんど使っていないことになります。
前歯を使うには、この「前歯で噛みちぎり奥歯ですりつぶす」動作を意識することです。食事の際は姿勢を足に体重をちゃんと乗せ、前傾ぎみになると良いでしょう。
- 漢字では「法令線」と書くのが本来の表現です。これは中国の面相学における「法令紋」に由来するからです。その他の書き方では、「豊齢線」「豊麗線」と書くこともあります。英語では、nasolabial fold と書くことが多いようで、それ以外に smile lines や laugh lines と表現する場合があります。
2−3.舌回し体操
口を閉じて、口の中で舌をぐるぐる回す体操です。これは森先生ご自身が効果を体感しおすすめしています。先生は舌回し体操を始めてから6ヶ月後から、ほうれい線や口まわりのシミが薄くなったと言われることもあったそうです。
【体操の方法】
・口を閉じて行います。まず舌先をできるだけ右上の一番奥の歯茎と頬の間に置きます。
・そのまま歯の外をなぞるようにして、左上の奥まで動かします。そこで左下の奥にシフトして、右下奥まで戻ってきます。10回回してください。
・反対回しも10回行います。
・一周を3秒ほどかけて行います。慣れてきたら回数を20回に増やします。毎食前におこなってください。
ストレッチオーラル®︎は硬くなった表情筋を、口の中から緩める運動のためのサポートツールです。表情筋を活性化することができれば、リンパの流れや唾液の分泌を促進することができます。表情筋が使えるようになることで、ほうれい線解消やリフトアップといった美容効果も期待できます。さらに、唾液が増えることで口臭予防などのオーラルケアが可能になります。詳しくお知りになりたい方はストレッチオーラル®公式ホームページをごらんください。https://stretchoral.com/
2−4.口輪筋のローラトレーニング
モデルのローラさんが行うように、頬を膨らませる体操です。膨らませるだけでなく、すぼめることも行って、口輪筋を大きく動かしましょう。
【体操の方法】
・しっかり口を閉じて頬を限界まで膨らませます。
・その後両頬がくぼむまですぼめます。20回行ってください。
・片側ずつ行います。まずは右頬だけ膨らませます。その空気を左頬に移動します。再度左頬に。20回繰り返します。
2−5.あいうべ体操
もう一つ効果の高い方法が「あいうべ体操」です。これは医師の今井一彰先生(みらいクリニック)が発案したもので、誰にでもおすすめできる体操です。
■あいうべ体操のやり方
次の4つの動作を順にくり返します。声は出しても出さなくてもかまいません。
1.「あー」と口を大きく開く
2.「いー」と口を大きく横に広げる
3.「うー」と口を強く前に突き出す
4.「ベー」と舌を突き出して下に伸ばす
1~4を1セットとし、1日トータルで30セットを目安に毎日続けましょう。
この体操は、真剣に行うとかなり疲れます。慣れるまでは、2~3度に分けたほうが続けやすいでしょう。入浴時にやるのがおすすめです。
また、「あいうべ体操」は、しゃべるときより口をしっかり、大きく動かす必要がありますが、無理は禁物です。とくに顎関節症の人やあごを開けると痛む場合は、回数をへらすか、「いー」「うー」のみをくり返してください。この「いー」「うー」体操は、関節に負担がかからないため、何回行ってもけっこうです。
「ベー」がうまくできない人は、大きめのあめ玉をなめて、舌を運動させましょう。舌運動と甘味の刺激で、脳も活性化します。(引用元:みらいクリニックHP)
ストレッチオーラル®︎は硬くなった表情筋を、口の中から緩める運動のためのサポートツールです。表情筋を活性化することができれば、リンパの流れや唾液の分泌を促進することができます。表情筋が使えるようになることで、ほうれい線解消やリフトアップといった美容効果も期待できます。さらに、唾液が増えることで口臭予防などのオーラルケアが可能になります。詳しくお知りになりたい方はストレッチオーラル®公式ホームページをごらんください。https://stretchoral.com/
3.まとめ
ほうれい線を消す方法をお伝えしました。セルフで行うこの表情筋の筋トレは、時間はかかるかもしれませんが、口の機能を高めることができ、体中に良い影響があります。ほうれい線を消すだけではなく、唾液を増やしたり、虫歯や歯周病の予防にもなり、免疫力を強化するなど、一石三鳥にも四鳥にもなる方法です。
ぜひ毎日の習慣として、長く続けられてください。
今回の記事の元となった考え方が一冊の本にまとめられています。「体の不調は「唾液」を増やして解消する」です。より詳しくお知りになりたい方はぜひ参考になさってください。
また、森先生の新著が出版されました。5万部のベストセラー「歯はみがいてはいけない」の続編です。より実践しやすいように、歯磨きの方法やオーラルケアツールの選び方が豊富に紹介されています。ぜひご一読ください。
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