口元のシワ、くっきりしたほうれい線、ほほのたるみ、ハリのない皮膚、下がった口角………。
年齢より老けて見える顔と乏しい表情は、表情筋の衰えによるものが大きいです。口を大きく動かしていなかったり、あまり噛まずに食べていたりすることで年々理想的な状態から遠くなっていきます。筋肉が失われると脂肪もつきやすくなるのです。
顔の内部にある表情筋は、全身の他の部位と同様、鍛える必要があります。
「それは分かっているけど、めんどくさいし…」「効果的な方法もわからないし…」とおろそかにしていませんか? 効果がすぐ出て、鏡越しにそれがハッキリわかれば継続できるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、オーラルケアの専門家で表情筋についても詳しい歯科医の先生にお伺いし、誰でも手軽にできて効果が高い表情筋トレーニングの方法をご紹介いたします。
まずは紹介する方法をそれぞれ5分間行い、前後を比較なさることをおすすめします。その結果、目に見えて効果が現れ、気に入ったらぜひ継続していただき、豊かな表情を取り戻してください。
この記事は歯科医師・森昭先生の監修をいただきました。 竹屋町森歯科クリニック院長(京都府舞鶴市)。人口8万人の同市にて総世帯数の25%がクライアントという人気歯科医。予防歯科、予防医学を重点的にとらえ、唾液やオーラルケアの重要性を全国に発信している。「歯医者を行きたい場所に変える」がモットー。第1回「歯科甲子園」準優勝。著書に『体の不調は「唾液」を増やして解消する』(PHP研究所)『行列のできる歯科医院3』共著(デンタルダイヤモンド社)など。 |
目次
1.表情筋を鍛える、とは
表情筋とは、主に口、目、鼻、アゴ、首の周りにあり、本来の機能に加えて、表情づくりに大きく関わってもいる筋肉です。
表情筋を活性化したり、鍛えるには、外側から手で揉んだりこするよりも、内側から動かすことが重要です。
これは他の筋肉をイメージしていただきたいのですが、胸や腕、お腹や足の筋肉を鍛えるのに、揉んだりこすったりしてもなかなか鍛えられないのです(普段動きが悪くて縮こまっているところの動きをよくする、という効果はあります)。トレーニングは、自分の体重や負荷によって、筋肉を縮めたり伸ばすことで強化されるのです。
表情筋も顔の筋肉ですから、通常よりも自分の内在する力を加えることによって、鍛えられるというわけです。お伝えする方法には手指を使うものがありますが、基本的には鍛える部位を意識してご自身の顔の力で通常よりも動かしていきます。
2.表情筋のトレーニング方法3選
表情筋のトレーニングには、例えばモデルのローラさんが行う、口をすぼめて頬をぽっこり膨らませる方法などが有名です。これも小じわやほうれい線対策に効果的です。
ここでは森先生がお勧めする「知る人ぞ知る」3つの方法をお伝えします。
2−1.誰でも簡単で効果が高い!「あいうべ体操」
口やアゴなどの動きをよくする効果の高い方法が「あいうべ体操」です。これは医師の今井一彰先生(みらいクリニック)が発案したもので、誰にでもおすすめできる体操です。また、口周りの筋肉や表情筋が鍛えられ、口角が上がり、ほうれい線が消え、顔のシワやたるみが解消。咀嚼機能も高まるなど良いことづくめです。今井先生の指導を受けた小中学校で日課にしたところ、インフルエンザの感染が減ったという報告もあります。
■あいうべ体操のやり方
次の4つの動作を順にくり返します。声は出しても出さなくてもかまいません。
1.「あー」と口を大きく開く
2.「いー」と口を大きく横に広げる
3.「うー」と口を強く前に突き出す
4.「ベー」と舌を突き出して下に伸ばす
1~4を1セットとし、1日トータルで30セットを目安に毎日続けましょう。
この体操は、真剣に行うとかなり疲れます。慣れるまでは、2~3度に分けたほうが続けやすいでしょう。入浴時にやるのがおすすめです。
また、「あいうべ体操」は、しゃべるときより口をしっかり、大きく動かす必要がありますが、無理は禁物です。とくに顎関節症の人やあごを開けると痛む場合は、回数をへらすか、「いー」「うー」のみをくり返してください。この「いー」「うー」体操は、関節に負担がかからないため、何回行ってもけっこうです。
「ベー」がうまくできない人は、大きめのあめ玉をなめて、舌を運動させましょう。舌運動と甘味の刺激で、脳も活性化します。(引用元:みらいクリニックHP)
2−2.食後はコレ!「舌回し体操」
口周辺の筋肉を内側から鍛える方法です。皆さんはふだん舌回しを行っていますか? これを行っていないと舌や口腔周辺の筋肉が衰えてしまいます。
舌回しは、唾液の分泌を活発にし、口内環境を健全化する作用もありますのでぜひ毎食後に行っていただきたい体操です。
■舌回し体操の方法
・口を閉じて行います。まず舌先をできるだけ右上の一番奥の歯茎と頬の間に置きます。
・そのまま歯の外をなぞるようにして、左上の奥まで動かします。そこで左下の奥にシフトして、右下奥まで戻ってきます。10回まわしてください。
・反対回しも10回行います。
・一周を3秒ほどかけて行います。慣れてきたら回数を20回に増やします。毎食前後におこなってください。
2−3.森先生監修のツールエクササイズとは
舌回し体操は普段あまり口を動かしていない方は、結構大変な感じがしたのではないでしょうか。お口の中から表情筋を刺激するツールが、森先生監修によるストレッチオーラル®です。
ストレッチオーラル®は歯ブラシのヘッドやグリップを大きくして、独特な感触と形状のヘッドに付け替えたようなものです。このツールを使用して、口内を優しく小刻みに刺激することで、表情筋の動きを良くすることができます。唾液の分泌も活発化しますので、歯周病やそれに伴う疾患を予防することができます。これを機会にオーラルケアの新習慣を取り入れてみませんか?
ストレッチオーラル®︎は硬くなった表情筋を、口の中から緩めるツールです。表情筋を活性化することで、リンパの流れや唾液の分泌を促進します。表情筋が使えるようになることで、ほうれい線解消やリフトアップといった美容効果が期待できます。さらに、唾液が増えることで口臭予防などのオーラルケアが可能になります。ストレッチオーラル®は公式ホームページにて詳しく紹介しています。
ストレッチオーラル®のご紹介動画は下記にてご覧いただけます。
登場するインストラクターの竹村さんも実際に左頬だけ口角が上がっていることがおわかりいただけるでしょう。
3.日常習慣で表情筋を活用する方法
表情筋は日頃のお口の使い方や生活習慣でも改善することができます。お伝えしたトレーニング方法とあわせてぜひ取り入れてください。
・歯の使い方1・前歯で噛みちぎる(前歯の裏の筋肉が活性化します)
・歯の使い方2・奥歯でよくすり潰す(アゴ周辺の筋肉が活性化します)
・果物や野菜を十分にとる
・水分補給を多めにする(水か麦茶など)
・日光を浴びすぎないようにする(1日30分程度まで)
4.まとめ
表情筋トレーニングの方法をお伝えしました。普段使わないでいると、動きが悪くなっています。まずは緩めたり軽い刺激を加えることで動きやすくしてください。そのうえでお伝えした「あいうべ体操」や「舌回し体操」を行うとさらに効果的です。
表情が豊かな人は同じ年齢でも若々しくエネルギッシュに見えるものです。この記事でお伝えした方法をぜひ実践なさって、素敵な笑顔を取り戻してください。
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