ツールを目指して・フランスで自転車参戦中の渡邉歩選手インタビュー

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日本からフランスに渡りプロの自転車ロードレース選手を目指している若武者がいます。そのうちの一人が、渡邉歩さんです。

彼はエキップアサダという実業団チームに所属(現在活動休止中)し、このチームの選手育成プログラムであるEQADSの制度のもとで渡仏し、彼の地を主戦場にしています。

現在はアマチュアチームとリーグに籍を置きながらプロ契約を目指す毎日。

そんな渡邉さん。ブログ記事にてストレッチポール®を愛用されていることを伝えられていました(4/13 1日を大切に)。そこで当ブログでは、プロを目指す生活とはどのようなものか、またストレッチポール®をどのように活用しているかを取材しました。ぜひご一読ください。

ayumu-watanabe-1渡邉 歩(わたなべ あゆむ) ’98年 福島県郡山市出身。学法石川高校3年時にインターハイロードレース優勝。’16年個人タイムトライアル全日本選手権2位、アジア選手権ジュニアTT3位など。2017年から渡仏しプロ選手を目指して奮闘中。自身のブログは「アユムの歩む道

1.まずは現在の状況について

−フランスに渡った経緯をお教えください。

高校卒業後から渡仏しています。ヨーロッパでプロになりたいと強く思うようになり、ツールドフランスにあこがれて本格的に拠点にしています。

−ズバリ、現在の目標は?

まずはプロに上がること。その為にはアマチュアカテゴリーでの勝利とワールドカップでの結果が最重要です。その目的のためにもフランスに拠点を置いています。

−現在どのようなチームに所属しているのですか? 

GSCブラニャックというアマチュアチームに所属しレース活動を行っています。チームメイトはフランス人がほとんどで、南アフリカからきている選手もいます。

−フランス語はだいぶマスターされましたか

まだまだこれからです。思ったことをスラスラと言えないことが多く、苦戦中です。フランスアマチュアカテゴリーからプロに上がろうとする人は少なくなく、フランス人以外も見かけます。

※編集注 現在、自転車の世界トップ、UCIプロチームに所属する選手の数は約630名で、毎年新た加わることができる選手は世界中の精鋭のうち50名ほどと言われます。競技人口は、登録している選手だけで71,000人。そのなかで勝ち得たプロのなかでツールドフランスに出れる選手も一部です。かなりの狭き門と言えるでしょう。渡邉選手がサポートを受けているEQADSでは、日本人によるプロチーム設立を目標に、積極的に有望な若者を彼の地に送り込んでいます。

彼が所属するGSCブラニャックというチームは、ツールドフランスで敢闘賞を得た新城幸也選手や、木下智裕選手(2012年U23アジアロードチャンピオン)が所属したこともある、日本に馴染み深いチームです。そのような環境のなか、渡邉さんはトレーニングとレースの日々を送っています。

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ナショナルチームの一員として出場することも


2.プロになるためのステップとは

−一週間のだいたいのスケジュールを教えてください。

基本的に土日にレースがあり、月金は回復に、中身の濃いトレーニングは火水木に入れる流れとなっています。

−レースがない日の場合、一日のだいたいのスケジュールを教えてください。

朝食、トレーニング、昼食、リカバリー、の流れが基本で、トレーニングは長いときには6時間ほど行います。その分睡眠も8時間はとるようにしています。

−練習がない日はありますか? 休日は何を?

完全休養日はあまり多くはないですが、そんな日にはいつも溜めてしまう洗濯や掃除をしています。

−プロになるためのステップを簡単に教えてください。

勝ち上がることです。アマチュアカテゴリーもサッカーのリーグのように下から3、2、1とチームの格付けがあり、レースにも3、2、1エリートナショナルと分かれています。チームをリーグ1に位置させておきつつ、エリートナショナルカテゴリーでの勝利数を増やしプロチームとの交渉材料を作る。それが出来てようやく交渉できるという流れになっています。

※編集注 直近のレース成績を参照すると、渡邉さんはカテゴリー2では優勝経験もあり、今は1で優勝を目指して奮闘しているところのようです。

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3月18日、アマチュアレース「トロフェ・デ・バスティド」で惜しくも2位だった渡邉選手

−プロになるためには、どの部分を強化する必要があると思いますか?

漠然としていますが全てです。
アマチュアとプロの差は、例えば「上りが苦手」といわれるプロ選手でさえもアマチュアの中ではかなり上れている方になります。まずは次元が違うということを意識しなくてはならないです。さらに語学力。特に英会話も絡んできます。人間力を上げるのもその一つかな、などとも思います。

−プロになるまでに、ご自身は現在、どのくらいの位置にあると思いますか?

ようやく「俺はプロになりたいんだ」と声を大にして言えるレベルになったと思います。

漠然とした目標からどのようなステップを踏めばプロに上がれるのかを理解し、ようやくその軌道に乗ってきたかな…くらいです。1カテゴリーやそれ以上のレベルでの勝負はできていますが、いまだ勝利がない為、まだまだいくつもの壁を破る必要があります。

3.重視する「練習」と「レース」と「回復」

−トレーニングはどのようなことを。

自転車に乗って行うことがほとんどですが、最近は自重筋トレも入れています。

−毎週、タフなレースが続くと思います。日頃どのようなことに気をつけていますか。

回復ですね。これが重要で、きついことをする為にも身体を休めて更に力を出せるようにすることが目的です。一度風邪をひくと身体が戻ってこなくなるので体調管理はシビアになります。

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本人が愛用中のストレッチポール®

−ストレッチポール®を日本から取り寄せられて愛用されているようですね。

リカバリーでの使用がほとんどになります。全身運動で背中がガチガチになることも多いので脱力しながら使っています。しばらく使い続けると身体のスッキリ感があり、よくゴロゴロ愛用するようになりました。ダラダラとツールの上で動画見るのも結構リラックスできて好きです。

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一緒に送ってもらったという骨盤底筋ツール、ひめトレ®も。活用はこれからとのこと

−この記事で初めて渡邉さんのことを知った日本のユーザーへメッセージをお願いします。

自転車のロードレースは、日本ではマイナースポーツであり、現在プロのトップチームに所属している日本人は2人しかいない世界です。自分も彼らにあこがれそこを目指しています。

そこがどんな世界なのか、そもそもツールドフランスとは?と思う方が多いと思います。この記事を見て頂いたことでそれを目指している日本人がいる。そしてこの競技を知ってもらえることだけでもとても嬉しく思います。
ブログ等もあるのでちょくちょく生存確認して頂けると幸いです。 このような機会を頂きとても感謝しています。

−ありがとうございました。ぜひセルフコンディショニングに留意され、プロの座を獲得し、そこからツールドフランス出場が叶うことを願っています。

当ブログでは、今後も彼の活躍を追いかけていきます。また新しいレポートが入りましたらご紹介します。

参考情報

フランスの大手自転車レース情報サイト「DirectVelo(ディレクト・ヴェロ)」に掲載された渡邉歩選手インタビュー(EQADSサイト) http://www.eqads.jp/news/node/116

渡邉選手提供写真

 

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ナショナルチームで走る渡邉選手(中央)

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練習風景。どこまでも平坦な道だったり…

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石畳だったり…

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山道だったり、様々なようです

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遠征先。クロスホールを背景に

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