脚を細くしたい、全体としてはそうでもないのに、脚だけ太くて悩んでいる。そのような方も多くいらっしゃるでしょう。
そのような方のために、ここでは効果的な脚やせストレッチの方法をお伝えします。下半身太りを引き起こしている筋肉にターゲットを絞ってストレッチする方法ですのでとても効果的な方法です。脚やせを実現したい方は、ぜひ一ヶ月継続してみてください。
部分痩せについては様々な情報があります。そもそも部分痩せはしない、部分太りもしない、など。もちろん、単純にストレッチで脂肪が減る訳ではありません。ただ、平均と比較してとある部位だけが発達していることは、十分にあります。この記事では、ご自身のタイプに合わせて効果的なストレッチをご紹介します。
この記事は石塚利光が監修しました。 日本コアコンディショニング協会コアコンディショニングリサーチディレクター/東京大学女子バレーボール部トレーナー/米国公認アスレティックトレーナー (BOC-ATC) /日本トレーニング指導者協会・認定上級トレーニング指導者(JATI-AATI)/ペンシルベニア州立カルフォルニア大学卒業/前・福岡大学助教/訳書「アスレティックボディ・イン・バランス」(Gray Cook著) |
目次
1.根本的な改善が必要?脚やせストレッチ効果が出やすい人出にくい人
まずは下半身太りのタイプをチェックしてみましょう。なぜなら、脚やせストレッチの効果がすぐに上がる人と、他の方法も併せておすすめしたい方がいるからです。
実は、脂肪が多い方は有酸素運動も併せて行うことをおすすめします。脂肪は部分的に解消できるものではなく、有酸素運動などでカラダ全体から少しずつ落ちていくものだからです。そのため「脚だけやせたい」という部分やせは期待できないと考えたほうが良いでしょう。
それとは別に、筋肉が発達してパンパンになって太くなっている方には、今回お伝えするストレッチで脚やせの効果が期待できます。
このタイプの方は、常に太ももやふくらはぎなどで体重を支えているために、一部の筋肉に極端に負荷がかかってしまっています。これはいわば「使い過ぎ」の状態。そのために筋肉が発達して太くなっています。
以下の写真の筋肉太り脚の場合は、この筋肉をストレッチで伸ばしてあげることで、部分的に引き締めることが可能になるのです。
このふたつのタイプの違いは、おおよそ触ったり動いてみたときに脂肪が多いのか、筋肉がパンパンなのか、ご自身の感覚で判断できると思います。
しかし判断が難しい方も中にはいらっしゃると思います。そのためにここでは体脂肪率の数値を参考数値とします。体脂肪率が30%以上の方は30%未満の方に比べて、当記事でご紹介するストレッチやエクササイズだけでは効果が出にくいとお考えください。
※体脂肪率は体脂肪計もしくは体脂肪率を算出する体重計で測定することができます。
ご紹介するエクササイズに加え、有酸素運動などによる脂肪燃焼をすることである程度同等の効果が期待できるようになります。
脚やせの効果を最大限に得るには、自分がどちらのタイプなのかを見極め、運動やストレッチをするようにしましょう。
2.今日からできる簡単脚やせストレッチ4選
ご自身のタイプがわかったところでここからは脚やせのストレッチです。ストレチを重点的に行う部位は、
・ふくらはぎ
・ももの付け根(腸腰筋・ちょうようきん)
・ももの外(大腿筋膜張筋・だいたいきんまくちょうきん)
・ももの前(大腿四頭筋・だいたしとうきん)
です。
筋肉脚タイプの人が脚の太い原因は一部の筋肉に常に負荷がかかっているからです。これを解消するために簡単で効果的なストレッチを4つ選定しました。自宅でもできる簡単なやり方でお伝えします。
2−1.大腿筋膜張筋のストレッチ
姿勢を安定させるときに大腿筋膜張筋を使っていると、ももがパンパンになります。この筋肉の緊張の状態を放置しておくと、ももが太くなってしまいます。下記のストレッチでほぐしましょう。
エクササイズ方法:
椅子の横に立ちます。
座面に手をかけながら、伸ばす方の足を斜め後ろにだします。
体重は伸ばしている方の足に乗せ、重心は少し前方を意識しましょう。
腕に力が入らないように注意しながら、左右30秒ずつ、自然な呼吸で伸ばしていきましょう。
2−2.大腿四頭筋のストレッチ
太ももは毎日の生活で張りやすく気になりますよね。ももの表に力が入りやすいクセがある人は歩くときにも力が入りがち。ストレッチでほぐしていきます。
立て膝になり上半身をキレイに立てます。
この時、後ろ側にくる足のつま先を立てるとカラダが安定します。 上半身の姿勢を維持した状態から、後ろの足首を片手で持ち、おしりにかかとをつけるように引き寄せましょう。
自然な呼吸で左右30秒ずつ伸ばしていきます。
このストレッチで後ろ側にくる膝が痛い方は、膝の下にクッションやタオルを敷くなどして膝を保護して行ってください
2−3.腸腰筋のストレッチ
もものつけねをほぐしていきます。腸腰筋をストレッチすることで骨盤の傾きを本来あるべき状態へと戻していきます。その結果、股関節の動きがスムーズになり脚を上手に動かすことができるようになります。
エクササイズ方法:
立ち膝から一歩前に出し、上半身をキレイに立てます。
この時、後ろ側にくる足のつま先は立てずに足の甲を床につけます。
上半身の姿勢を維持した状態から、前の方へ体重を移動していきましょう。
体重を前に出している脚の方へと移していき、もものつけねが伸びているのを感じながら左右30秒を目安に行いましょう。
2−4.ふくらはぎのストレッチ
足首ばかりを使った歩行は、ふくらはぎに疲労を溜めこみます。ご紹介するストレッチは、疲労による筋肉の緊張をほぐすことができるほか、むくみや冷えの予防にもなります。ぜひ行ってください。
エクササイズ方法:
5〜10cmくらいの段差につま先を当てます。この時かかとは床につけておきましょう。体重を前へ移動させながらふくらはぎが伸びるのを感じてください。左右30秒を目安に行います。伸ばしすぎると痛くなるので注意しましょう。
また、ちょうどいい高さの場所が見当たらないときは、床面でも体重移動をすることでふくらはぎを伸ばすことができます。
片足を1歩前にだします。後ろ側にある足から、前へ出した足へと体重を移し、後ろにある足のふくらはぎをストレッチしましょう。左右30秒行います。
ふくらはぎ、ふとももが気になる方も上記のストレッチでほぐすことができます。張りがとれるには個人差がありますが、1分以上連続して伸ばさないようにすることに注意して行いましょう。
3.二度と太くならないために鍛えておきたい脚やせトレーニング6選
筋肉をストレッチでほぐしても、根本的な原因を改善しなければまたすぐにカラダは元に戻ってしまいます。二度と太くならないためには、上手に使えていない筋肉を使えるようにトレーニングする必要があります。
ここでは脚やせを実現したい方のために、6つのエクササイズを選定しました。すべてのエクササイズを行うことで、脚が太くなりやすい方が正しく使えていない筋肉を正しく使えるようにします。後半の3つはふくらはぎが気になる方に特にオススメのエクササイズですのでぜひ実践してみてください。
3−1.大殿筋トレーニング
脚を細く見せるためには、おしりの筋肉を鍛えて体幹部を安定させる必要があります。まずはおしりに意識的に力を入れるトレーニングを行いましょう。
エクササイズ方法:
膝を90度に曲げて仰向けで横になります。足幅は腰幅くらいを目安に開き、カラダ全体をリラックスさせます。膝から鎖骨の下にかけて一直線になるように姿勢を意識しておしりを床から持ち上げます。自然な呼吸で姿勢を保ち30秒キープしましょう。ゆっくり下ろして3セット行います。
またこの時にももの内側にクッションなどを挟み、つぶしながら持ち上げることで内ももの筋肉を強化することもできます。
こちらも30秒キープを3回行うと効果的です。
3−2.中殿筋トレーニング
中殿筋はおしりの少し横の部分。下の写真の青丸の部分を意識してトレーニングします。
実はももが太い方は、この中殿筋が上手に使えていません。中殿筋が使えないと、すべての横の運動を大腿筋膜張筋で受け止めることになります。そのために筋肉が発達して脚が太くなるのです。
ですから中臀筋を意識したトレーニングが必要になります。
エクササイズ方法:
膝を曲げて横向きで寝ます。このとき膝と足首は揃えておきましょう。
中殿筋を意識しながら上側にある膝を引き上げます。このとき膝先行で持ち上げるのではなく、中殿筋を使って引き上げる意識で行いましょう。動かす速度はゆっくりで構いません。
自然な呼吸で10回を3セット行いましょう。
また、上記のトレーニングでは少し物足りないという方は脚を持ち上げて脚の重みを利用して中殿筋を鍛えましょう。
エクササイズ方法:
両脚を伸ばした状態で横になり、上側に来る脚を少し後方へと引き、持ち上げます。
ももに力が入らないように注意しながら脚を引き上げましょう。自然な呼吸で10回を3セット行いましょう。
3−3.内転筋トレーニング
内転筋を鍛えることで、ももの外側にある大腿筋膜張筋だけに負担をかけずに体幹部を安定させることができます。さらに股関節の動きも良くするのでふくらはぎにかける負担を軽減することができ、脚を細くします。
エクササイズ方法:
膝を90度曲げて横になり、下にきた肘を床につき上半身を起こします。
さらに下の脚を前にだし、上の脚を床につけます。下脚の内ももを使って床から持ち上げカラダを浮かせましょう。
30秒を目安に3セット行いましょう。
また、上にくる脚の膝を伸ばすことで強度を高めることができます。
こちらも30秒を目安に3セット行いましょう。
3−4. 股関節トレーニング
股関節の動きをよくすることで、歩く動きがスムーズになり、ふくらはぎが太くなるのを防ぐ効果があります。脚の動きをスムーズにして足取りを軽くしましょう。
エクササイズ方法:
腕立て伏せの状態から、肩の真下に来るようにして肘を床につけましょう。頭からおしりまでが床に一直線になるようにして姿勢をとります。安定してきたら脚を上げて膝を外側に曲げながら引き上げていきましょう。
脚を再度伸ばして安定させてから床にもどします。この動きを繰り返し、左右10回を目安に行いましょう。
スイングストレッチ・ペルビックローテーション
股関節まわりを効果的にトレーニングできるツールとして、私どものスイングストレッチをご紹介させていただきます。
このツールを使ってエクササイズを行うと、腰を左右に揺らしながら腰や背筋まわりをリラクゼーションさせて骨盤の動きをなめらかにします。ツールなしのときと違って、圧倒的にラクにできるのもメリットです。
ふくらはぎが太くなりやすい方は、股関節の可動範囲を広げる運動のために、ぜひ、スイングストレッチをご活用ください。
エクササイズ方法:
スイングストレッチにのり、肩の下に肘がくるように置き、肘を90度に曲げ、足幅は腰幅にして足の甲を床につくようにセットします。(基本姿勢)
基本姿勢の状態から、姿勢を崩さないように注意しながら、滑り落ちない程度に左右に体重移動していきましょう。
自然な呼吸で左右交互に10回繰り返しましょう。
スイングストレッチ・ワニエクササイズ
股関節の可動範囲を広くし、ふくらはぎ太りの原因を解消するエクササイズです。スイングストレッチが傾いたり、ズレたりしないように行うのがポイントです。
エクササイズ方法:
基本姿勢の状態からスイングストレッチが傾いたりずれないようにして、膝を床を滑らせるようにして引き上げていきます。
肩や脚に力が入らないように注意しましょう。自然な呼吸で左右交互に10回行いましょう。
4.まとめ
脚やせをするためには、ストレッチでほぐすだけではなく、当記事でご紹介したようにカラダのバランスを整え正しく使うことが重要です。日常生活のなかで正しく筋肉を使えるようにストレッチとトレーニングでカラダを整えましょう。
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