スキニージーンズを履いてもヒザの間に隙間が空く。ヒザやつま先が正面を向いているのに、できてしまうこの隙間。モデルやタレントの方のようにスラリと履きこなしたいのに、コンプレックスになってしまい、あまりスリムなパンツは履きたくありません。
誰しも気になるO脚ですが、「生まれつきだからしょうがない」とお考えではありませんか?
実はこのようなO脚のほとんどは、日常の姿勢や立ち方、歩き方のクセでできています。ここではO脚とは何か、そしてその矯正のやり方、治療院やサロンの選び方についてまでお知らせします。
最後までお読み頂ければ、最も効果的に結果を出すには、そして自分が何をするべきか決断できるはずです。これからO脚矯正をしようとお考えの方や、何年も取り組んでいるのに回り道をしている方はぜひご一読ください。
この記事は石塚利光が監修しました。 日本コアコンディショニング協会コアコンディショニングリサーチディレクター/東京大学女子バレーボール部トレーナー/米国公認アスレティックトレーナー (BOC-ATC) /日本トレーニング指導者協会・認定上級トレーニング指導者(JATI-AATI)/ペンシルベニア州立カルフォルニア大学卒業/前・福岡大学助教/訳書「アスレティックボディ・イン・バランス」(Gray Cook著) |
目次
1.女性にありがちなO脚とは
O脚矯正の効果を上げるには、まずO脚の状態と原因を知ることです。それにより日頃からの取り組みを行うことができるからです。この項では、女性にありがちなO脚について解説します。
1-1.O脚とはどのような状態?
O脚には大きく分けて先天性O脚、ガニ股O脚、内股O脚の3種類があります。先天的O脚は骨の変形や関節の障害などが原因であり、一般的な矯正では治らないことがほとんどです。整形外科医などで治療をする必要がありますが、必ず完治するわけでもありません。
ガニ股O脚は、ヒザとつま先も外を向いている状態で主に男性にありがちなO脚です。
内股O脚は、ヒザの向きは前や内側なのに両膝はつかずに離れ、つま先が外を向いている状態です。女性のO脚のほとんどがこれで、目安としては、まっすぐ立った時に膝間が指2本分以上開いている状態です。
歩く時にガニ股に見えたり、ヒールの底が外側ばかり減っています。ヒールを履いたときや、階段の昇り降りの際に顕著に現れます。
1-2.女性に多いO脚の原因
日常生活の中で生まれた、姿勢や立ち方、歩き方のクセによって引き起こされていることがほとんどです。例えば、
・下腹を突き出すような、腰を反る立ち方
・足のつま先が外側に流れるガニ股歩き
・ペタペタ歩き(足を後ろに蹴らないで、小股で前だけに出すようなペンギン歩き)
・足の指を使わないで、浮いた状態での歩き方
・女の子座り(正座の時に、ヒザから下が両モモより外に出る座り方)
です。このような原因に心当たりがある人は、ぜひ気をつけてください。
1−3.O脚によって引き起こされているもの
これにより何が起きているかというと、
・骨盤が前傾している
・お尻の筋肉が使えなくなっている
・筋力が弱く靭帯で姿勢を維持している
・モモが内側に少しねじれている
・足首を柔軟に使えなくなっている
・土踏まずのアーチが崩れている(扁平足の人に多い)
・外反母趾を生じている人もいる
です。ぽっこりお腹や、たるんだヒップ、パツンパツンに張ったモモ前などの原因にもなっています。
2.こんなにあったO脚矯正のメリット!
O脚が矯正されると以下のようなメリットがあります。
・歩き方がキレイになる
・美脚が実現する
・姿勢が良くなる
・肩こりや腰痛の予防になる
・便秘解消につながる
・むくみや冷えの改善につながる
このような嬉しいことがいっぱいありますが、これはO脚を生んでいる原因とこれらの原因が連繫しているからです。O脚改善とともに手に入れられたら素晴らしいですよね。次項からその方法をお伝えします。
3.O脚矯正・その方法のすべて
よく目にする「O脚矯正」の看板や広告。美脚サロンや整体院、それにエステサロンetc., それぞれの違いはどのようなものでしょうか。また、どのようなところに通えばいいか、その選び方をお伝えします。
3−1.美脚専門ジムで行う方法の一例
美脚専門ジムとは、トレーナーなどの先生が個人指導を行ってO脚矯正を行うサロンのことです。
ここで行うことは、長年身にしみついたクセの治し方です。もちろん引っ張ったり矯正器具を使って無理やり行うものではありません。
「スネの骨が外側にカーブしているかも……」と思われる方が多いかと思いますが、実はスネの骨は曲がっていません。冒頭の写真でもビフォー&アフターで曲がり方は変わっていないのがおわかりいただけるかと思います。
変わったのは、太モモと足首の状態です。写真ではわかりにくいですが、股関節の状態も改善しています。実際の美脚教室でもその部分にアプローチしてO脚を改善します。美脚教室で行うO脚矯正の一例を以下にご紹介します。
1.現状のチェック →立ち姿勢や歩き方のチェックして、その方に起きていることを判断します。ヒザだけではなく、頭から足首、つま先まで全身を見ます。
2.体幹部や股関節、足部のリラクゼーション →ツールを使ってセルフで行ってもらいます。まず仰向けに寝た状態での良い姿勢を作ります。
3.腹横筋のトレーニング →お腹の深層部にある姿勢維持に関係する筋肉です。呼吸のトレーニングで、立った状態で良い姿勢がキープできるようにします。
4.大腿筋膜張筋のストレッチやマッサージ →前や外側のモモがパンパンに張っている方がいます。ここを緩めないと、股関節や膝関節の状態が改善されません。
5.お尻の筋肉(中臀筋)のトレーニング →お尻のエクボの部分にある筋肉をトレーニングします。実はO脚の方は、立つ時も歩く時もお尻の筋肉をうまく使えていません。この中臀筋の位置を確かめながら、うまく使えるようなトレーニングを行います。
6.内ももの筋肉トレーニング →内もももうまく使えていない方が多いです。自分で触ってみてタプタプな人です。正しい歩き方を行うには不可欠ですので、指導で使えるようにします。
7.歩き方の指導 →ここまでの内容で、綺麗な状態で歩くために必要な準備ができました。実際にO脚改善して美脚づくりを実現するための歩き方をお伝えします。具体的には、足の付き方や、ヒザやつま先が正面を向いて歩く方法、脚全体を使っての歩き方などです。
以上、簡単にご説明しました。各教室で内容に違いや重点ポイントに違いがあり、例えば歩き方の指導がほとんどの教室もあります。また、ピラティスやヨガなどの方法を取り入れたサロンも少なくありません。
事前に内容や口コミを調べて検討してから相談してみるのが望ましいです。
3−2.整体院で行う方法
整体院で行うO脚矯正も、内容はまちまちです。美脚専門ジム同様の方法を行う所もあります。主にはマッサージやマンツーマンでのストレッチ、器具を使ったストレッチで、筋肉の緊張をゆるめます。そこから、カラダのバランスを整え、正しく使えるように動かし方を指導したりするようです。
大変まじめに患者さんのことを考え勉強されている先生もいらっしゃる一方で、あまり効果を上げられない方もいます。こちらも事前に内容や口コミを調べたり問い合わせてからうかがうことをおすすめします。
3−3.エステサロンで行う方法
エステサロンで行う方法も千差万別です。ハンドマッサージなどで海外の方法を取り入れたところも少なくありません。マッサージだけではなかなかO脚は矯正できませんので、内容をよく吟味しましょう。香りやフットバスなどで、他では得難い癒しをもたらしてくれるお店もありますが、やや高額になるところがデメリットです。
3−4.セルフ(自分)で行う方法
O脚矯正は、自分一人で行うことも可能です。美脚サロンで行うことやO脚改善のための取り組みを自分で行えば明らかに改善します。また、どのようなところに通ったとしても、日頃から自分で意識して取り組むことで、矯正の効果が大きくなります。
そのためにご自身でぜひ行ってください。行うべきは、
・大腿筋膜張筋のマッサージとストレッチ
・大腿四頭筋のストレッチ
・腸腰筋のストレッチ
・体幹部を安定させる呼吸エクササイズ
・内ももやお尻の筋肉を鍛えるエクササイズ
・足とヒザの向きをまっすぐするエクササイズ
・足指エクササイズ です。
具体的には、別記事「O脚ストレッチ・セルフで最も効果的な4つの方法 」にて、詳しいやり方をお伝えしています。
しかし、筋肉の使い方や正しい歩き方は、なかなかセルフでは分かりにくいものです。自分でやってみてもよく分からなかったり、時間を費やしても効果が上がらなければ、一度は専門の先生の指導を受けられることをおすすめいたします。
3−5.良いサロンや整体院の見分け方
店内の雰囲気、そして先生との相性が自分に合っていることが大事です。
ホームページやチラシの情報だけではどこも素晴らしく見えます。参考になる一つの大きな指標は口コミです。
先生との相性は非常に大事なポイントです。なぜならお客様のヤル気がもっとも矯正の効果を上げるからです。「この先生とならガンバれる!」と思うことができる相手を探すべきです。
・よく話しを聞いてくれる
・自分の状況を細かくチェックしてくれる
・何を行うかわかりやすい説明をしてくれる
・ゴールまでの行程を示してくれる
というような点があると、安心できてお任せできると思います。
あまりに安価なキャンペーンを設けているようなところは注意が必要です。また、一度行ってみてフィーリングが合わないのであれば変えることもおすすめします。
「あまりにも多くてどこを選んだらいいかわからない!」という方には、私たちがおすすめする先生方を別サイトにてご紹介しておりますので、ぜひご参考になさってください。
この先生方はストレッチポールの活用法を開発研究する日本コアコンディショニング協会の認定最上級資格マスタートレーナーの方々です。長い年月をかけて姿勢や体幹などの勉強をし、実際に経験を積み成果を出している方ばかりです。お近くで良さそうな先生がいたらぜひ問い合わせてみてください。その上で上記のチェックもぜひ行ってください。
別サイト:コアコンファン トレーナーサーチ
4.O脚矯正グッズには吟味が必要
ヒザを締めるバンドや、内側に傾いているサンダルなどを見受けます。しかし、お伝えしたとおりO脚は長年のクセで起きていることがほとんどですので、問題が起きている部分にだけ対処しようとすると、結果的にクセを増長させたり、最悪の場合はヒザや股関節、腰や足首に痛みを生じさせる可能性があります。
腰や股関節、足首を含めた全体的なアプローチができるもの、もしくは立ち方や歩き方の改善をサポートするようなツールや、足の衝撃を緩和するようなソールを使うことをおすすめします。
いずれにしてもツールのみに頼るのではなく、ご自身の改善への意識が何より効果的であるとお伝えさせていただきます。
当ブログを運営する(株)LPNが製造販売するストレッチポールを使ったエクササイズを行うと、姿勢の改善が手軽に行え、また美脚づくりのためのストレッチやトレーニングも効果的に行うことができます。別記事「ストレッチポールがO脚改善に効果的な理由とオススメ運動5選」にて詳しく解説させていただいておりますので、興味をお持ちになられたらぜひご検討ください。
5.O脚矯正(美脚)サプリメントの効果は疑問符
O脚矯正をサプリメント(栄養補助食品)で実現することは不可能です。「O脚時にありがちな足のむくみを抑える」効果がある栄養素を加えた商品もあるようですが、気休め程度と考えた方が良いようです。
何かの効果がある場合は、副作用の可能性もあります。ですので、医薬品の場合は膨大な時間や治験等を経て承認され、使用にも厳密な注意があります。
食品の場合は安全性が最優先されているはずですので、処方薬ほどの効果はありません。逆に安全性がまだ不明確な食品は、使用するべきではありません。
6.まとめ
O脚を矯正するベストな方法は、
・立ち方や歩き方を含めた、カラダのクセを把握する
・膝だけではなく、骨盤や足首の状態もチェックする
・緊張している部分を緩める
・使えなくなっている筋肉を活用する
・自分や他の人の歩き方を意識する
などをトータルに行うことです。そのためには毎日の取り組みは不可欠ですし、専門家にレクチャーしてもらうこともおすすめです。
O脚を矯正することで多くのメリットがありますので、ぜひ実行して新たな自分を手に入れてください。
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