「骨盤底筋群(こつばんていきんぐん)」あなたはご存知ですか?
骨盤底筋群は良い姿勢をキープするために働く、インナーユニットと呼ばれる筋肉のひとつで、排泄や骨盤の安定など、様々な役割を担う重要な筋肉です。しかし、現在骨盤底筋群を柔軟に動かすことができない人が増加しています。骨盤底筋を柔軟に動かすことは姿勢や動きを改善し、カラダを綺麗に美しくします。ここでは、骨盤底筋群について働きとトレーニング方法についてお伝えします。
この記事は石塚利光が監修しました。 日本コアコンディショニング協会コアコンディショニングリサーチディレクター/東京大学女子バレーボール部トレーナー/米国公認アスレティックトレーナー (BOC-ATC) /日本トレーニング指導者協会・認定上級トレーニング指導者(JATI-AATI)/ペンシルベニア州立カルフォルニア大学卒業/前・福岡大学助教/訳書「アスレティックボディ・イン・バランス」(Gray Cook著) |
目次
1.骨盤底筋群とは?うまく使えないことで起こるトラブル
トレーニングを行う前に、意識して効果的に動かせるように今回ご紹介する骨盤底筋群(こつばんていきんぐん)についてお伝えします。
骨盤の最下部で、三層構造でハンモックのように内臓を支える働きをするのが骨盤底筋群です(以下骨盤底筋)。
骨盤底筋には以下のような機能があります。
・内臓を支える
・姿勢の安定性を高める
・呼吸と連動
・排尿・排便に関係
・生殖・出産に関係
多くの機能があるため、骨盤底筋が機能しないと以下の様なカラダへの影響が起きます。
1−1.骨盤のゆがみ
骨盤のゆがみは一般的にわずかな数値と言われています。しかし、ちょっとした癖や生活習慣でゆがんだ状態のまま固まっている方がほとんどです。骨盤まわりの筋肉と、骨盤底筋は密接に関係しているため、骨盤底筋の働きを正すことで骨盤の歪みを改善することができます。
1−2.姿勢の崩れ
骨盤底筋がうまく働かないと、土台である骨盤、そこに付いている背骨が不安定になったり、歪んでしまいます。また、立つ、座る、歩くなどの動作時に姿勢をキープできなくなってしまいます。
1−3.お腹のたるみ
お腹を引き締めるインナーユニット(腹横筋 ふくおうきん)と骨盤底筋は密接な関わりがあります。骨盤底筋の働きが悪くなると、腹横筋の働きも弱まり、正しい姿勢をキープすることが難しくなります。さらに骨盤底筋の働きの低下によって、本来あるべき位置で保てなくなることで、内臓が下垂します。この結果お腹のたるみが引き起こるのです。骨盤底筋を鍛えることで内臓の下垂を防ぎましょう。
1−4.尿漏れ
加齢などにより骨盤底筋の働きが弱くなることで、くしゃみなどの瞬間的なお腹への圧力に対して、骨盤底筋が働かず尿漏れをすることがあります。最近では10代や20代などでも尿漏れの悩みを抱えている人も多く、この大半は骨盤底筋をトレーニングすることで症状が改善されます。
その他にも、以下の症状が出る可能性があります。
・血行不良
・内臓の働きの低下
・便秘
・生殖器活動の低下
しかしながら、骨盤底筋をトレーニングすると、これらの大半の症状が改善する可能性が高くなります。
上記の症状が改善されることで、肌や体型にも変化が出てきます。つまり、骨盤底筋をトレーニングすることでキレイなカラダへと近づいていくのです。あなたも骨盤底筋トレーニングを始めてみませんか?
2.骨盤底筋を鍛える2つの基本エクササイズ
骨盤底筋を鍛える方法として、ケーゲル体操があります。これは古くからある伝統的な骨盤底筋体操です。何もツールを使わずにできるエクササイズなのでどこでもできる特徴がありますが、骨盤底筋を意識しにくいかもしれません。まずは骨盤底筋の位置と動きをイメージして行ってみてください。
2-1.仰向けトレーニング
まずは仰向けで骨盤底筋を意識するトレーニングから行います。
エクササイズ方法:
写真のように仰向けで横になり、足の裏を床につけ、肩幅に開いて膝を曲げます。
カラダ全体の力を抜き、肛門と膣(睾丸)を締めるように意識しましょう。
息を吸いながら頭の方へ引き上げるイメージで締めていきます。この状態をキープしたまま5秒くらいかけて息をゆっくり吐き、息を吐ききったら力を抜いてリラックスします。
これを10回行います。
ポイントは引き上げる時にティッシュを取るイメージで引き上げることです。
2-2.ヒップリフト
ヒップリフトは、仰向けの状態からおしりを上げて行います。おしりを床から離しているため、仰向けトレーニングより少し強度が高くなります。
エクササイズ方法:
肩幅に足を開いて写真のように仰向けで横になります。床からおしりを浮かせて膝の頭から鎖骨まで一直線になるようにします。
この時、肩甲骨の下あたりまでが床から離れる状態にしましょう。この姿勢をキープしながら息を吸っていきます。
吸いながら肛門と膣(睾丸)を引き上げるような感覚で引き上げ、その状態をキープしたまま5秒くらいかけて息をゆっくり吐き、息を吐ききったら力を抜いておしりを床に戻しリラックスします。これを10回行います。
ポイントは腰を反りすぎないようにお腹を締めて姿勢を維持することです。
3.骨盤底筋をイメージできて効果的なツールエクササイズ5選
いかがでしたか?骨盤底筋の位置がイマイチわかりにくかったかもしれません。トレーニングで重要なことは「鍛える部分を意識する」ということです。その難しさを解決するために、作られたものがストレッチポール®ひめトレ(以下ひめトレ)です。椅子の下に置いて運動を行うと、その独特の反発力で骨盤底筋の引き上げやゆるみのイメージがしやすくなっています。
ひめトレエクササイズの効果は研究発表されています。
第17回日本女性骨盤底医学会では
・座位による骨盤底筋収縮時には,ひめトレ前,ひめトレ中,ひめトレ後全ての条件において骨盤底は有意に挙上すること(明らかに筋肉の活動があったこと)が示された。
などの研究発表が行われました。参考リンク:ひめトレ公式サイト
以下にひめトレの基本エクササイズを5つご紹介します。
ひめトレ基本姿勢(座り方)
ここからはひめトレを活用したエクササイズをご紹介します。まずは基本姿勢をとりましょう。この姿勢で骨盤底筋を感じ、エクササイズを行うことで効果を高めます。
基本姿勢の方法:
椅子の上にポールを置き、上にまたがるように座ります。足の位置は腰幅ぐらいです。背すじを伸ばしましょう。痛みのない心地の良い位置を探します。これが基本の姿勢です。
※座っていられないほどの痛みを感じる方はタオルをひめトレの左右に敷き、当たりを軽減させると改善されます。また5分以上の連続使用はしないようにお願いします。
3−1.呼吸エクササイズ
実際にエクササイズを行っていきましょう。まずは呼吸でカラダを整えましょう。
エクササイズ方法:
ひめトレに基本姿勢の状態で座ります。その状態のまま呼吸をしていきましょう。呼吸と連動してお腹や胸の動きが出ているのを感じながら骨盤底筋を引き上げましょう。自然な呼吸で30秒間行いましょう。
3−2.ツリーエクササイズ
骨盤底筋を引き上げながら手の動きを出していきましょう。
エクササイズ方法:
ひめトレに基本姿勢で座ります。両手を胸の前で合わせ、頭の上に挙げます。まっすぐ頭の上に来たら手のひらを外側に開きカラダの横を通って降ろします。息を吐いている時に骨盤底筋を引き上げましょう。
この動きを3〜5回繰り返しましょう。
ポイントは背中が丸まらないように姿勢を保持することです。
3−3.シェイプブレス
呼吸をしながら肋骨の動きを感じてみてください。
エクササイズ方法:
ひめトレに基本姿勢で座り、両手を胸の下の骨に置きます。息を吸いながら胸の開きを感じ、息を吐きながら内側へ締めるように肋骨を引き締めます。息を吐いている時に骨盤底筋を引き上げましょう。
自然な呼吸に合わせて3〜5回動きを繰り返しましょう。
3−4.ツイストブレス
カラダをねじりながら呼吸をすることで、呼吸をしやすくするトレーニングです。
エクササイズ方法:
基本姿勢の状態から上半身をひねるようにして左を向きます。良い姿勢をキープしたまま上半身のねじれを感じながら腹式呼吸です。反対も同様に行います。
息を吐いている時に骨盤底筋を引き上げ、左右3回ずつ繰り返しましょう。
3−5.フロントロール
ひめトレを横向きに置きます。手を頭の後ろで組み、息を吐きながらおへそを見るようにカラダを丸めます。息を吸いながら胸を張ります。この動作を繰り返し5〜10回行いましょう。息を吐いている時に骨盤底筋を引き上げましょう。
各エクササイズの中で骨盤底筋を意識して行うことで、骨盤底筋を鍛えることができます。
4.骨盤底筋を鍛えるのにひめトレが優れている理由
骨盤底筋は日々の生活の中で意識的に動かすことが少なく、トレーニングをするにも意識ができない人が多い筋肉です。
ひめトレを活用することで、骨盤底筋に刺激が入り、意識的に動かす感覚をつかむことができます。
骨盤底筋のトレーニング効果を高めるツールとして、ひめトレでなければならない理由はその形状にあります。
ひめトレは骨盤底筋への刺激が正しく入るように、程よい弾力を再現し、骨盤底筋の形状にフィットするように、適切な形状で作られています。これにより、常に骨盤底筋を意識した状態でエクササイズを行うことができるのです。
骨盤底筋トレーニングの起源は、「ケーゲル体操」といわれており、現在巷にあふれている多くの骨盤底筋体操は、ケーゲル体操を元にしていると言えるでしょう。欧米など世界で研究が進み、ケーゲル体操は骨盤底筋を鍛えるものとして効果的という結論になっています。
しかし、その方法、回数、頻度、時間などの標準的なガイドラインが存在していませんでした。
ひめトレは、刺激を与えることで意識的に骨盤底筋を動かすことができ、このケーゲル体操をよりシンプルにできるものです。そしてどなたにも同じような効果が現れやすいメソッドなのです。これが骨盤底筋トレーニングにひめトレをオススメする理由です。
5.まとめ
骨盤底筋の機能低下は、若い人の間でも問題視されています。この機能低下は、姿勢が崩れてしまうだけでなく、特に女性ではデリケートな悩みにもつながります。悩みを解決する、綺麗なカラダになるために引き締めるためにも、骨盤底筋をトレーニングをすることはとても大切なのです。
骨盤底筋をトレーニングして不安を取り除き、理想的なカラダを維持していきましょう。
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