骨盤矯正をすればダイエット効果も得られる?
「ダイエット=やせ体質を得る」ことだとすれば、あながち間違いではないでしょう。
実は、骨盤を正しい状態にすることとは、姿勢を良くし使われていない筋肉を活用することなのです。
その上で適切な運動を行うことで、正しい動きができるようになり、ヒトは本来の体型を取り戻してきます。
「でも、いろいろな方法が紹介されているけど、どれがいいの?」とお考えの方も少なくないと思います。
そこでこの記事では、フィットネス指導&骨盤の専門家の先生におうかがいし、骨盤を正しい状態にし綺麗な体型をつくる方法をご紹介します。
骨盤の機能に着目し、骨盤からスリム体型をつくる先生独自のオリジナルメソッドです。ゆるめやストレッチ、簡単なトレーニングを織り交ぜていますので、最初の一回でもお腹や足に効いてくる感じが得られると思います。
骨盤矯正サロンや整体院をお探しの方にも、この方法を家で行うことでそれらの効果が高まります。ぜひ時間を見つけて行ってください。
この記事は、岡橋優子先生のエクササイズ監修を頂きました。
NPO法人スマイルボディネットワーク代表理事。日本コアコンディショニング協会スーパーバイザー。早稲田大学スポーツ科学科非常勤講師。東京都立広尾看護専門学校他「母性看護学」講師。骨盤や骨盤底筋などに関する著書や監修書多数のエキスパート。
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目次
1.「骨盤矯正でやせること」とは
骨盤には多くの機能があります。スリム体型に関わるものも少なくありません。骨盤矯正の効果には以下のようなものがあげられます。
・美姿勢を作る
・動きを良くする
・筋肉を有効活用させる。よりエネルギーが消費される
・内臓機能を活性化させ、消化や代謝、便通を良くする
この機能をフルに働かせるには、正しい状態にしておくことが重要です。ダイエットを考えられる方は、骨盤の状態を整えることも併せて考えていただきたいのです。
次章からさっそく「お腹ぽっこり」と「たるんだ太もも」を引締めるための簡単な運動をお伝えしていきますので、ぜひ行ってみましょう。
2.骨盤矯正ダイエット「お腹ぽっこり」編
カラダはそれほど太って見えないのに、お腹だけ出ているという場合は腹筋が衰えていることと、お腹周りの脂肪の蓄積が原因と考えられます。
悪い姿勢のために、お腹を突き出しがちになっていてお腹が出ているように見えるケースもあります。
その遠因の多くは「骨盤の前傾」です。お伝えする骨盤矯正ダイエットでは、この「骨盤前傾の解消」と「使われていない筋肉へのアプローチ」を目的に行います。
このプログラムでは、股関節ほぐしからはじまり、強化エクササイズと普段使っていない筋肉へのストレッチを織り交ぜて行っていきます。
■ゆるめ・骨盤シーソー
股関節ほぐしと内臓の活性化エクササイズです。下腹に少し力を入れて行うとスムーズに左右に揺れることができます。
床に座り、両足の裏を合わせます。手でその足をしっかりつかんでください。お尻の骨(坐骨)が床に当たるように骨盤を立てます。
シーソーのように中心を軸にして左右にパタパタと揺れます。片方の膝が床に着いたら、ポンと反動を起こすようにして反対側に傾けます。腰部を左右にしならせる感じで繰り返します。
坐骨が床に当たる感覚を感じてください。
■トレーニング・お腹引き込み
お腹が前に出ている方は、腰が反っていることが多いです。骨盤が前に傾いているのです。その腰を本来の位置に戻すトレーニングです。
四つんばいになってヒジから先を床に付けます。足幅は腰幅かそれ以上。安定できる位置を探してください。
お腹を持ち上げ、胴体全体が一直線になるようにします。お腹の力を抜くと、お腹が落ちてきて腰が反りがちになるので注意してください。
30秒〜1分程度継続します。物足りない方は回数を増やしてください。
■ストレッチ・三日月
骨盤を中心にカラダの横側を伸ばすストレッチです。
仰向けになり、両手を上に伸ばして脱力してください。片方の足を開きます。開ききったら、上半身を腕ごとその足に近づけていきます。倒す側とは反対の側面がストレッチされることを感じてください。
もう一つの足も開いた足に近づけましょう。よりストレッチ感が強まります。両足をくっつけなくても大丈夫です。
両手をつなげると肩甲骨周辺もストレッチされます。
■トレーニング・ツイスト腹筋
くびれをつくる筋肉が腹斜筋です。日常生活ではあまり使われることのない筋肉なので、トレーニングで活性化しましょう。
仰向けになり、両手を軽く広げます。手のひらは床に向けます。ヒザを立てて安定する位置を探してください。
片方の腕から先に力を入れて上体を斜めに起こしながら、もう片方の手で、反対側のヒザをタッチします。10〜20回。ラクにできるようでしたらセット数を増やしてください。
■ストレッチ・下半身ひねり
ひねることは、体内の液体の流動性を高める効果があると考えられます。簡単なストレッチで刺激を入れましょう。
先ほどと同様の体勢です。両ヒザを立て、腕を左右に広げます。そのままヒザを左右どちらかに倒します。両手と背中は床についたままです。大きくゆっくり左右倒しを繰り返してください。10〜20回。2〜3セット
左右どちらかでやりやすい方があったら、次セットはそちらから行ってください。そちら側が力が抜けていますので、そのストレッチ感が両方でできるようにしましょう。
できる方は足を組んで行ってみましょう。その場合は足を中心に戻した時に足を組み替えます。
■ゆるめ・お尻持ち上げ
骨盤後ろ側の骨をゆるめるエクササイズです。
仰向けになり、ヒザを曲げながら足を持ち上げます。ヒザは骨盤の真上にあることを意識してください。
片足ずつ、腰の骨を床から離します。脚に力を入れずに腰骨で上にリフトアップする感覚で行ってください。上げ下ろしを片足ずつ繰り返してください。腰の左右どちらか側だけを浮かせて、落とす。浮かせて、落とすの繰り返しです。10〜20回。2〜3セット
上半身に力が入って足をリフトアップすると腹筋のトレーニングになってしまいます。腹筋も大事ですが、ここでは腰骨のゆるめをリズミカルに行うことが目的です。なるべく力をいれずに行いましょう。
3.骨盤矯正ダイエット「太ももスッキリ」編
お尻の筋肉をうまく使えていなかったり、前ももで足を引き上げるようにして歩くクセが身に付いていると、ももの前側がパンとはって、後ろやお尻側はダラリ……ということが少なくありません。
ペタペタ歩きで歩幅が小さいことも太もものたるみの原因となりますので、お尻、太もも、膝を使ってダイナミックに歩きましょう。
前章では「骨盤の前傾」が前ももがパンパンなってお尻が垂れることについても図で紹介しました。実は「骨盤が後傾」していても、太ももがパンパンになる可能性が大きいのです。
このプログラムでも太ももの前と裏の筋肉を使えるようにする強化とストレッチを交互に行います。
■ゆるめ・骨盤シーソー
股関節ほぐしと内臓の活性化エクササイズです。下腹に少し力を入れて行うとスムーズに左右に揺れることができます。
床に座り、両足の裏を合わせます。手でその足をしっかりつかんでください。お尻の骨(坐骨)が床に当たるように骨盤を立てます。
シーソーのように中心を軸にして左右にパタパタと揺れます。片方の膝が床に着いたら、ポンと反動を起こすようにして反対側に傾けます。腰部を左右にしならせる感じで繰り返します。
坐骨が床に当たる感覚を感じてください。
■トレーニング・もも上げステップ
股関節の深層にある筋肉の一つ「腸腰筋(ちょうようきん)」を鍛えて、足をしっかり引き上げられるようにする目的です。
椅子に浅めに座ります。背もたれは使いません。お腹に軽く力を入れて、椅子の座面を横からつかんで安定させます。骨盤が左右に傾かないように注意しながら片足ずつ20〜30cmあげます。左右交互に10回。2〜3セット。
■ストレッチ・タオルプッシング
腸腰筋のストレッチと腹筋の活性化エクササイズです。
うつ伏せになり、お腹の下にたたんだバスタオルを当てます。骨盤がやや後傾する位置を作り出します。両手はヒタイのところで合わせておいてください。
片脚を後ろに曲げて足首をつかみます。足の付け根の前側が伸びることを感じてください。ゆっくり交互に5回程度行ってください。
■トレーニング・うつ伏せもも引き上げ
外旋筋(がいせんきん)は股関節の動きと太もも引き上げに関わる大事な筋肉です。意識的なトレーニングで活性化し、太ももの引きしめをはかりましょう。
さきほどのタオルプッシングの状態からタオルを抜いてお腹や腰骨を床に密着させます。両足はくっつけつま先を外に開いてください。
カカトをくっつけ、親指だけを床に接します。片足を床から10〜15cmほど引き上げ、一呼吸キープしてからおろします。
■外旋筋ストレッチ
外旋筋のストレッチを行います。
仰向けになり、片脚の膝を立てて、その上にもう片方の足のくるぶしを乗せます。下になっている足の太ももを両手でひき寄せます。
この時に乗せている足のお尻の外側の筋肉がストレッチされることを感じてください。
ゆっくり引き寄せを交互に繰り返し10回程度行います。
■ゆるめ・お尻持ち上げ
骨盤後ろ側の骨をゆるめるエクササイズです。
仰向けになり、ヒザを曲げながら足を持ち上げます。ヒザは骨盤の真上にあることを意識してください。
片足ずつ、腰の骨を床から離します。脚に力を入れずに腰骨で上にリフトアップする感覚で行ってください。上げ下ろしを片足ずつ繰り返してください。腰の左右どちらか側だけを浮かせて、落とす。浮かせて、落とすの繰り返しです。10〜20回。2〜3セット
上半身に力が入って足をリフトアップすると腹筋のトレーニングになってしまいます。腹筋も大事ですが、ここでは腰骨のゆるめをリズミカルに行うことが目的です。なるべく力をいれずに行いましょう。
4.骨盤矯正を行う上で知っておきたいポイント
ここからは骨盤矯正エクササイズを行う目的をお伝えします。目的を知ることでストレッチやトレーニングの効果があがります。興味のある方はぜひ読み進めてください。
4−1.骨盤の歪みは、姿勢や筋肉の使い方が原因
骨盤矯正とは、けっして骨盤を力や器具で矯正することではありません。
どんな方でも骨盤の歪みはごくわずか(0.数ミリ=数ミリ)と言われています。上図のような骨盤のゆがみが発生するのは、次の2点が影響していることがほとんどだと考えられます。
・悪い姿勢が習慣化している
・筋肉を有効活用できていないか、使い方に左右差がある
多くの場合この点が解決すれば良い骨盤状態ができキープすることが可能になるのです。
この記事の冒頭では、骨盤が前や後ろに傾いていることの影響をお伝えしました。このような骨盤の状態を作り出している姿勢や筋肉の問題を解消するのがご紹介したエクササイズ群です。
4−2.「骨盤が締まる」=「やせる」ことではない
「骨盤が開いているから、下半身デブになっちゃった。この骨盤さえ引締めることができたら…」とお考えの方は少なくありません。
しかし、お伝えしたように骨盤の開きや歪みはごくわずかです。実は細い人も太めの人も骨盤の広がりはほとんど変わらりありません。
姿勢が悪かったり、お腹やお尻、太もも、ふくらはぎなどの筋肉をうまく使えていないことで、そのような体型になってしまうのです。
※出産のために骨盤が開いてしまった方は、とこちゃんベルトなどで引締めることは一定の効果があります。その際も内側から引締めるエクササイズを行うことをおすすめします。詳しくは、別記事「産後8週間で大変身!産前よりもキレイなママになる骨盤矯正」をご一読ください。
4−3.体重を落とすには?
よく言われるように「有酸素運動」を行うことです。ジョギングやスイミング、サイクリングなどを15分以上行うことで、脂肪が燃焼されやせ体型が得られるようになります。
しかしこれらの運動もやみくもに行ってもいけません。有酸素運動の効果を上げるのは以下のようなポイントです。
・正しい姿勢で行う
・深い呼吸で行う
・お腹に軽く力を入れたり抜いたりする
・肩まわりの動きを良くして行う
・お尻やももの後ろ側などの筋肉を活用して行う
これらのポイントで行わないと、例えば腰の反りやパンパンになった前ももがさらに増長する可能性が大きくなります。家事や仕事でエネルギーを消費しているはずなのに、ちっともやせずにカラダのトラブルが増えている方は、この点を注意してください。
5.効果的に骨盤矯正の運動が行える3つのツール
お伝えした通り、骨盤矯正を一人で行うにはご紹介したエクササイズをできる限り毎日行っていただきたいと思います。
しかしながらけっこう大変ですよね。そのために皆さんサロンや整体院を探されているのかと思います。
それはもちろん良い方法です。しかしながらその効果を上げるツールがあるのです。ここからご紹介するようなツールを使うことでセルフでの運動効果が高まり、サロン等による施術もより有効的になります。
ゆるめから強化を無理なく簡単にしかも意識せずに短時間で行えるツールばかりです。今回の監修者である岡橋優子先生もオススメするものばかりですので、興味のある方はぜひ参考になさってください。
5−1.ストレッチポール®
当ブログを運営する㈱LPNが製造販売する運動サポート用ツールです。ストレッチポールの上で仰向けで縦乗りし、脱力してじっとしていたり、ユラユラ動いたり、ベーシックセブンという運動を行うことで全身の骨格がゆるめ整えられます。
開発以来15年近くたち、延べ160万本を出荷しています。最初はアスリートや芸能人が使い始め、一般の方にまで人気が広がっています。
上図のように姿勢が悪い方でも、継続されることで骨盤の傾きが修正され、背骨のS字カーブが回復してきます。
これはなぜかというと、ストレッチポールに乗るとアウターマッスル(外側の筋肉)がゆるみます。そこで細かな動きをすることで、カラダのインナーマッスル(深層部の筋肉)が刺激され、関節が正しい位置へと戻っていくのです。また、背骨の並びが整い、姿勢よく、カラダが本来あるべき状態にリセットされます。
ストレッチポール®を用いた運動で骨盤の状態が整うことは研究発表にもなっています。
ストレッチポールを用いた骨盤対称化エクササイズ(PelCon)は健常者の骨盤アライメントを対称化する
広島国際大学 増田恵太ら http://ci.nii.ac.jp/naid/130004583050
特にどこかに力を入れてがんばるようなことをしなくても、脱力して乗ることで運動効果が得られますのでぜひ参考になさってください。ストレッチポール®商品販売ページ:LPNショップ
5−2.ストレッチポール®ひめトレ
ストレッチポール®をだいぶ小さくしたような形状が、ストレッチポール®ひめトレ(以下ひめトレ)です。椅子の上に置いてその上に座り、脱力したり簡単な呼吸エクササイズを行います。
そのことで骨盤のもっとも底部にある骨盤底筋(こつばんていきん)に刺激が入り、この部分の効果的なトレーニングが可能になります。
骨盤底筋は、姿勢や呼吸、内臓、生殖器や排泄器の活動に大きく関わる筋肉群です。ふだんの生活ではあまり活用せず、かつなかなか意識しにくい部分を活用できるようにするものです。
骨盤底筋を活性化することで、ぽっこりお腹を内側から引き締めたり、内臓の活動が良くなったりします。テレビの取材でも、レポーターの方のウエストがサイズダウンしたり姿勢が良くなったことがあり、大きな反響を呼びました。
ひめトレを使用した運動もぜひ検討なさってください。商品販売ページ:LPNショップ
5−3.スイングストレッチ®
写真の通り、逆三角形の角が丸い形をしているのがスイングストレッチ®です。うつぶせ寝になり、この上にご自身の骨盤を預け、体重を軽くかけます。この時に骨盤は適正な位置になります。ここから脱力し、呼吸を行ったり、左右にユラユラ動いたり、逆に動かさないまま手足だけを動かすエクササイズを行います。このことで、骨盤の正しい状態がカラダにインプットされ、骨盤矯正や動きが良くなる等のさまざまな効果があります。
スイングストレッチ®では、骨盤矯正のための3つのエクササイズが可能です。
・骨盤をゆるめ、正しい状態にする
・その状態をキープする
・日常動作などの「動き」に繋げる
2015年に発売されたばかりの製品ですが、トップアスリートを中心にその評価が急速に高まっています。参考:スイングストレッチ®公式ページ/商品販売ページ:LPNショップ
3つのツールを単独で使うことでも大きな効果がありますが、ご紹介する順番で活用されるとさらに有効的と考えられます。速い方では1回の使用で効果を実感できると思います。有酸素運動の前後や、一日の始まり、おやすみ前などにぜひご活用ください。
6.まとめ
骨盤矯正を行い、ダイエットにつなげるためのエクササイズをご紹介いたしました。またツールを使うことでより効果的にラクに行えるようになります。
骨盤が正しい状態にあることは、ダイエットのみならずたくさんのメリットがあります。姿勢や呼吸が良くなり、手足の動きも改善することで、毎日がよりアクティブに過ごせるようになります。ぜひお伝えした方法を日常生活に取り入れられることをおすすめします。
参考 見るみるわかる骨盤ナビ(総監修・竹内京子/エクササイズ監修・岡橋優子)Amazon紹介ページ 骨盤の大切さがわかる一冊! わかりやすくかつ専門的な骨盤の解剖学&いろいろなお悩みに効果的な簡単骨盤体操が豊富に紹介されています。骨盤からの健康づくりをお考えの方に最適となっています。
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