プロテインバーが人気です。
個包装されており、いつでもどこでも手軽にたんぱく質補給ができるイメージですが、実はたんぱく質だけが多いわけではありません。
そのためにこの食品の内容を理解して食べないと、皆さんの狙った効果が得られないことがあります。
そこでこの記事では、プロテインバーの中身をひも解き、有効な活用法をお伝えします。トレーニング愛好家の方やダイエット目的の方、部活をがんばる選手の皆さんでプロテインバーを使ってみたい方はぜひご一読ください。後半にはネットで人気の自作レシピも掲載しています。
目次
1.プロテインバーは“エネルギー補給バー”である
結論から言いますと、市販のプロテインバーは「タンパク質多めのエネルギー補給バー」ということです。商品イメージからは、「タンパク質がほとんどのダイエット向け健康スナック」、もしくは「トレーニング前後のプロテイン補給サプリメント」という感じがありますが、実際には炭水化物も脂質もある程度含まれています。そのために総カロリーがおにぎり一個分程度あります。
日本で最も売れているウイダー inバーを例にとってご説明します。
ウイダー inバー(ウエファーナッツ) 栄養成分表(1本標準36g当たり)
熱量 | 189kcal |
---|---|
たんぱく質 | 10.0g |
脂質 | 9.8g |
炭水化物 | 15.1g |
他の食品と比較してみましょう。
熱量 | たんぱく質 | 脂質 | 炭水化物 | |
ウイダー inバー(ウエファーナッツ) | 189kcal | 10.0g | 9.8g | 15.1g |
バナナ(1本) | 77kcal | 1g | 0.18g | 20.25g |
おにぎり(梅干) | 189kcal | 3.22g | 0.38g | 41.78g |
あんぱん | 280kcal | 8g | 5g | 50g |
ハンバーガー(ダブルパティ) | 294kcal | 17g | 14g | 24g |
ツナサンド(食パン2枚+ツナ缶) | 484kcal | 21.4g | 18.32g | 58.94g |
牛乳(200cc) | 138kcal | 6.8g | 7.83g | 9.89g |
プロテインシェイク200cc | 83kcal | 15.0g | 1.3g | 2.7g |
プロテインバーはたんぱく質&脂質&炭水化物のバランスがよい食品であるということがお分かり頂けるかと思います。
しかし、この点はデメリットにもなり得ます。次章で目的別に注意点を解説します。
2.トレーニング愛好家・ダイエッター・ジュニアアスリートにおける注意点
いずれの方でもこれだけに頼るというのは注意が必要です。
2−1.トレーニングのメインサプリメントとするにはたんぱく質がやや足りない
トレーニング後には速やかなたんぱく質と糖質の補給が重要です。これを併せて摂ることで疲労回復効果と筋減少の予防を行うことができます。
その点ではプロテインバー1本だけではややたんぱく質が少ないですし、2本だと脂質と炭水化物が多くなります。その結果、ハンバーガー(ダブルパティ)よりハイカロリーになってしまいます。
脂肪はカラダには必要な栄養素ですが、筋肉のキレを見せたい時などは脂肪を控えます。そのようなシーンではプロテインバーはあまり向かないと言えます。
反面、とにかく筋肉を付けて体重を増やしたい方のためには、効果的な食品です。おすすめはトレーニング後にプロテイン1杯とプロテインバー1本を併せて摂ることです。
実際にウイダーのサイトでも次のように解説しています。
増量など必要なエネルギー摂取量が多い選手は、補食として活用しています。素早く小腹を満たしたい時の『からだに必要な栄養素がとれるおやつ』として、仕事の合間やジムの前後など様々なシーンでも手軽に活用できます!
トレーニングされる方は参考になさってください。
2−2.ダイエッターには脂質が多い
お昼ご飯をおにぎり一個+サラダにしているような方には、そのおにぎりをプロテインバーに代える日があっても良さそうです。
お伝えした通り、この2つはほぼ同じカロリー。ダイエッターの方はたんぱく質を積極的に摂っていただきたいのですが、その理由は次のとおりです。
・たんぱく質は肉や骨、血液を作る元になる
・欠乏すると疲労を感じやすくなる
・欠乏すると筋肉が減り、そのぶん脂肪がつきやすくなる。体重は減っても、ダラリとした締まりのない体型になる
・欠乏すると肌や髪の毛、爪に悪影響が出て見た目も不健康になる
・炭水化物よりもゆっくり消化されるので、お腹持ちが良い
1日に必要なたんぱく質は体重(kg)×1g。50kgの方は50gが必要になります。1日にこれだけのたんぱく質をダイエットをしながら補給するのは難しいのです。玉子ですと1日8個程度食べなくてはなりません。
さらに一食をおにぎりだけにしていると、たんぱく質が圧倒的に少なくなります。そこでプロテインバーにすると、たんぱく質をある程度とることができます。
しかし、脂質も加えられてもいますので、脂質を抑えたい方にはこの点がデメリット。その他には、
・スナック感覚で食べられるので食事として食べた気がしない
・微量栄養素に欠けるのでサラダやお惣菜などを追加したほうが良い
・炭水化物がおにぎりに比べて少ないので、食後2〜3時間で甘いものが欲しくなる可能性がある
です。カロリーを気にされる方は栄養成分表も見て、どのような栄養が入っているかを検討なさってください。
2−3.ジュニアアスリートには炭水化物が少なくコストが高い?
部活動やクラブスポーツで練習をがんばっているジュニアアスリートには、いくらでも食べられるという時期があります。
部活後にお弁当をペロリ平らげたあとに、家でも晩ご飯を一杯食べるということは珍しくありません。激しい練習をしてエネルギーが消化され、カラダが必要としている時期ですから、減量がない限りは食べたいだけ食べて構わないでしょう。
そのような時にプロテインバーは、あんぱんやおにぎりよりもたんぱく質が多くお勧めしたいのですが、炭水化物が少ないのがネックになります。
炭水化物から得られる糖質はすみやかに脳とカラダのエネルギーになります。部活後の選手が菓子パンやコーラを欲するのは、カラダが糖質を必要としているからです。また脳の疲労も解消します。
プロテインバーだけでこれらを満たすためには2本は必要ということになります。プロテインバーは1本150円程度しますから、他の食品と組み合わせるなどしたほうが家計に優しいかと思います。
3.プロテインバーの活用シーンはコレ!
プロテインバーは持ち運びがしやすく、素早く食べられるというメリットがあります。これを活かして次のようなシーンでとることをお勧めします。
・忙しい朝食時に牛乳や低脂肪乳、豆乳とともに。フルーツや野菜スティックもあればベスト。無理な場合はサプリメントを活用
・昼食時に置き換えダイエットのレパートリーとして。上記同様に組み合わせる
・デスクワーク時のおやつとしては、脳疲労を感じて集中力が切れた時、または午後8〜9時まで夕食が食べられないような時に。
・部活や試合の休憩時などすばやくエネルギー補給したい時に
・体重&パワーアップ増を目指すトレーニング愛好家のおやつやトレーニング前後の補食として
4.プロテインバーのオススメ商品レビュー
■ウイダー inバー プロテイン(ウイダー)
冒頭からご紹介しているプロテインバーの代表格。味の良さはもちろんウエハースの食感、しっかりしたサイズ感が人気のポイントです。
同じようなバータイプの栄養補助食品よりも、プロテインを多めに配合しヒットした最初の製品といえます。
写真はウエファーナッツ。他にベイクドチョコレートやバニラ味もあります。口コミでもおいしさの評価が高かったのですが、口の中でパサつくので水と一緒にとるのがいいという意見が多かったです。
飽きが来ないように、3つともレパートリーを変えながら楽しまれるのがおすすめです。Amazon紹介ページ
■DNS BAR-X(DNS)
アンダーアーマーなどを展開するドームのニュートリションブランドがDNSです。
カロリー214Kcal、たんぱく質15.6g、脂質9.3g、炭水化物17.1gという栄養成分で、ウイダーinバーよりもカロリーとたんぱく質が多めになっています。特にたんぱく質は通常のプロテインシェイク一杯分に匹敵する量です。さらにビタミン&ミネラルが15種類配合されていて、置き換えダイエットにも最適な一品といえるでしょう。
ダイエット中に無性に食べたくなるチョコレートが、このバーであれば満足に楽しむことができます。外側は十分なチョコレート感。中はプロテインパフとクッキーでさくっと召し上がることができます。(硬めの食感で食べ応えがあるという口コミがありました)
デメリットは価格の高さ。Amazonでは、12本入りで4,665円しましたので一本400円以上する計算です。Amazon紹介ページ
■QUEST BAR バラエティ パック(クエストニュートリション)
Amazonでは海外直送品ですが、意外なことにベストセラー1位。18本のセットで多くのフレーバーを楽しむことができます。
QUEST BARは160kcalながら、たんぱく質含有量が20g! 脂質糖質ともに少なくたんぱく質だけを多めに補給したい方には特におすすめの商品です。砂糖、人工甘味料が不使用で、小麦たんぱく(グルテン)を使わないこともウリの一つ。グルテンはアレルギーの原因や食欲を増進させるといって海外ではこれを控えるライフスタイルを送っている人もいます。
海外からの直送品で、パッケージの中で溶けているものがあったという口コミがありました。お買い求めの際はご注意ください。Amazon紹介ページ
■プロフィット ささみプロテインバー ペッパー(丸善 )
甘くなくしょっぱい魚肉ソーセージのようなプロテインバーです。メーカーの丸善は魚肉ソーセージの有名メーカー。そのノウハウを活かして鶏のササミで高タンパクのプロテインバーを開発しました。1袋にソーセージが2本。これでたんぱく質21gをとることができます。低脂質(1.6g)でエネルギーはわずか134kcal。
コショウの風味が効いていて鶏臭さがなく、塩気もけっこうあるとの評価です。写真のようにサラダに加えるのもおすすめの使い方です。その他にプレーン味、レモン風味味もあります。Amazon紹介ページ
■ソイジョイ クリスピー プレーン(大塚製薬)
大豆粉を主原料にした低GI食品。他のプロテインバーと比較するとたんぱく質量は少なめですが、大豆プロテインがとれる数少ない健康志向製食品としてご紹介します。
このソイジョイクリスピーは、シリーズの最新作として登場したクリスピータイプです。大豆パフによるサクサクとした食感と香ばしい甘みがウリ。置き換えダイエットやヘルシーなおやつとして人気です。123kcalでたんぱく質6.4g。これは玉子一個分のそれに匹敵します。脂質は7.3。炭水化物は9.3ですが、そのうち食物繊維が2gですので、ローカロリー派には嬉しいですね。このクリスピーシリーズは3種類。従来版も11種類に増えていました。Amazon紹介ページ
5.プロテインバーを自作!人気レシピ集
市販のプロテインバーは、一部を除いて糖質や脂質が多め。ダイエットしている方や、ちょっと口寂しい時に軽くつまめる低カロリースナックが欲しい方、またドリンク用のプロテインを、水に溶かさないでも取れるようにしたいと考える方もいます。
そのような方が実際に行っているのが、プロテインバーの自作です。味や糖質、脂質量を自分のお好みで作ることができます。原料もホエイ、ソイ、カゼインプロテインなどなんでも利用することができます。ここではネットの人気レシピをご紹介します。
■1本30円!超低脂質ホエイプロテインバー
プロテイン製造メーカーの「アルプロン」がお伝えするプロテインバーのレシピ。オートミールで低GI。チアシードでローカロリー。ココナッツオイルで良質な脂質を取り入れることができます。一本当たり69kcal、タンパク質7.5g、脂質1.7g、糖質6gという栄養表示は大変優れたものですね。卵白でたんぱく質を増強しています。
【材料】アルプロン ホエイプロテイン60g/オートミール80g/卵白4個分/アルプロン チアシード10g/ココナッツオイル5g/ベーキングパウダー2g/塩1g/お好きなアルプロン サプリメントフレーバーパウダー3g/水120ml
詳細なレシピはこちら→http://cookpad.com/recipe/3141337
■ダイエットにも!簡単プロテインバー
ミューズリーを使用します。これはシリアルやフルーツグラノーラのようなものです。それにドライフルーツやはちみつを加えます。たんぱく質含有量よりも、低GI食品や天然の食材を入れたヘルシー食品の意味合いが強いプロテインバーです。
水に戻したミューズリーとドライフルーツ以外は、材料をまとめてこね、成形して焼くだけなのでぜひ試してみてください。
【材料】ソイプロテイン60g/ミューズリー60g/ドライフルーツ40g/無調整豆乳150g/おからパウダー(なければ他の粉類でも可)30g/はちみつ30g/卵1個
■最強プロテインバー
Cookpadで検索1位を取った人気レシピだそうです。いろいろなこだわりがあってカラダのことをよく考えられています。
一本70kcalでたんぱく質7.3g。脂質3.7g、炭水化物は1.0gと非常に高タンパクなものとなっています。こんがり焼けた見た目もおいしそうですね。アレンジはドライフルーツやナッツなどを加えてくださいとのことです。
詳細なレシピはこちら→http://cookpad.com/recipe/3878952
6.まとめ
プロテインバーについて、その栄養素や活用法についてご紹介しました。プロテインバーは手軽に持ちはこびでき、どこでも素早く食べられる栄養食です。その内容を知って使えば、いろいろなシーンを充実させることができます。この記事がお役に立てば幸いです。
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