「ストレートネックって言われたんだけど、どうやって治したらいい?」
ストレートネックは、頭部が通常よりも前に出た状態で、頭部前方偏位(とうぶぜんぽうへんい)ともいいます。
姿勢が悪く見えるばかりではなく、首こりや肩こり、頭痛の原因になるのはもちろん、その他のカラダのトラブルを引き起こしやすくなります。
指摘を受けた方や自覚のある方であればなんとか改善したいと思いますが、現代の生活では無意識にこの姿勢を取りがちになっています。
事実、冒頭の写真の女性も綺麗なモデルさんですが、姿勢の専門家が見れば、ストレートネック傾向が即座に分かります。日常的にこの姿勢を続けていると、いろいろなトラブルに見舞われるでしょう。
そこでこの記事では、日頃からできるストレートネックのためのストレッチ方法をお伝えします。ストレートネック傾向にある方や、この記事を読んで改善したいと思われた方はぜひ日常に取り入れ、習慣となさってください。
目次
1.ストレートネックとは
まずストレートネックとは何か、またデメリット、その原因について解説します。
左の写真のように「首が真上に真っすぐ」伸びている本来の状態は、実は首の骨が自然にカーブした状態です。
ストレートネックは、頭部が前に出ることにより首の骨の配列がまっすぐに変化している状態です。
頭の重さは通常4〜6kgあります。ボウリングの球でいうと9〜13ポンド程度ですから、持ったことのある人はかなりの重量であることがわかるでしょう。頭が前に出たり、うつむくことでその負担は増大します。研究では、30度で18kg、60度では27kgもの負荷になるとしているものもあります。
この重さを支えるために、首の筋肉が緊張し、首こりや肩こりの原因になります。改善しないとどんどん頭が前にでて緊張が増長されます。
この姿勢の問題は、見た目が悪く見え、実年齢より老けて見られます。機能的には腕があげにくくなります。運動や作業をする方では、肩や首の故障を引き起こしやすくなります。一般の方でも肩を動かしていないと五十肩にもなります。こうなると肩の痛みが長期間治まりません。
このように百害あって一利がないのがストレートネックです。病院でも治療を行ってくれません。「日頃の姿勢に注意しましょう」とアドバイスされることが一般的です。(理学療法等で施術や運動指導をする場合もあります)
2.ストレートネックの原因
これがなぜ起きるかというと以下のような日常生活習慣や姿勢のクセによるものが大きいです。
・冒頭写真のようにモニター画面を上からのぞきこむ姿勢
・パソコン画面を見るために頭を前に突き出した姿勢
・スマホやポータブルゲームをのぞきこむ姿勢
・長距離運転時に頭部が前に出る姿勢
近年は子供でもストレートネック傾向を見受けることが珍しくありません。早めの改善が重要です。
3.あなたは大丈夫? 首の姿勢チェック
ストレートネック傾向があるかどうかは写真で横から撮ってもらうとわかりやすいですが、ご自分でもチェックする方法があります。
・壁に背中を当てて立ちます。
・足を壁の下部から約10cmほど離します。
・後頭部と背中、腰はなるべく壁に当てたままです
・ 両手を持ち上げて、壁と首の後ろの隙間の距離を測定します。 もし隙間が5cm以下なら姿勢は心配ありません。
・5cm以上の隙間がある場合や、後頭部が壁に触れることができない場合は、ストレートネックの傾向があります。日頃の姿勢に気をつけるとともに、改善のストレッチ等をおこなってください。
4.米国公認トレーナーおすすめ首のストレッチ方法3選
さっそく当ブログ監修者がおすすめする方法をご紹介します。
4−1.パームトゥフェイス
・先ほどのチェック方法のように壁に背を当てて立ちます。
・手のひらを顔の前に20cmほど出し、広げます。
・顔の方にゆっくり近寄せます。顔はその距離を保ったまま後ろに下げる動きをします。
・壁に当たっても、やや後頭部で押しつける感じで少し頑張ってみてください。
・10秒押し付けたらリラックス。3〜5回繰り返します。
【追加運動】
上記ができるようになったら、以下のストレッチも併せて行ってください。
・軽く一歩前に出ます。
・後頭部を後ろに引きながら、アゴをめいっぱい上げつつ、後頭部を後ろに倒します。
4−2.首斜め上あげ体操
・左肩に顔を近づけます。
・右斜め上の天井に視線を送るように顔を回しあげます。
・次は右手で、側頭部のやや後頭部側を押さえて、先ほどと同じ動作をします。
・続いて、同じ動作ですが、右手に力を入れて、簡単に上を見られないようにします。力をじんわりかけ続け、反対に首では上を見ようとがんばります。
・痛みがない程度に小さい力で大丈夫です。
・ゆっくり5カウントがんばったらリラックスします。
この最後の動作を、5〜10回繰り返し、反対側も行ってください。
4−3.胸椎の伸びを出す、全身の姿勢改善ストレッチ
ストレートネックの方は、猫背など全身の姿勢にも改善点がある方が多いです。股関節、インナーユニット、胸椎(肋骨)まわり、肩甲骨などでトータルに効果的な方法をご紹介します。
・台の上に脚を置きます。そして、硬めのクッションを膝の間に挟みます。床の上に寝ます。頭の下に折り畳んだバスタオルを敷いてもOKです。
・両手を胸の前で組んで、親指は顔の方に向けます。
・そのまま両手をしっかり天井方向に伸ばします。
・伸びをしながら、親指が床に着くまで大きく回していきます。両手はしっかり力を入れて組んでいてください。
・2回深く息をします。
・腕をゆっくり上へ戻します。10回繰り返しを3セット行ってください。
5.ツールを活用するとより効果的な理由
ご紹介した方法は、何も使わずにできるので簡単で費用的な負担がない方法ですが、難しいポイントがあります。
ストレートネック改善には以下の3ポイントも重要です。
・本来のまっすぐな軸を身体にイメージさせる →頭部が前に出た状態ですから、本来の現状よりやや後ろに位置した状態を自然に戻させ、その状態が無意識でできることを行います。
・首まわりの筋肉をゆるめる →ストレートネックに直接関係している首まわりの筋肉をゆるめたいです。首周辺や背中側の肩甲骨周辺はテンションがかかり、パンパンの状態です。巻き肩ぎみになっていることも多いです。
・上半身から腰までの筋肉をゆるめ伸ばす →上半身の筋肉が縮こまると猫背姿勢になりがちです。骨盤の傾きが前になっているケースも少なくありません。緊張した筋肉を緩めることより身体がまっすぐになりやすくなります。
例えば、当ブログを運営する株式会社LPNが製造販売する「ストレッチポール®」を運動に活用するとこの3ポイントが、簡単に行えます。
まずはストレッチポールの上に仰向けで縦に乗っただけで、首まわりや肩はもちろん、胸、背中、腰の筋肉が自分の体重で優しくストレッチされます。
その上で呼吸したり、小刻みな振動を加えることで、ストレッチだけではむずかしい、深層部の筋肉までをも緩ませ、骨の配列を本来の状態に戻す効果が生まれます。
ストレッチポール®を使用したエクササイズが姿勢改善の可能性があることは、複数の研究論文で明らかになっています。 参考:ストレッチポールエクササイズが立位アライメント、動的姿勢制御に及ぼす影響 /松島ら 24回日本保健科学学会学術集会 その他の「ストレッチポール 姿勢」に関する論文もCiNiiに収録されています。
6.ストレッチポール®を使用したストレートネックのための運動
ここではその具体的な運動例をご紹介します。
首まわりの運動1 ”ツイスター”
カラダをねじる運動です。基本姿勢から、両手を天井方向に伸ばし片側の手でもうひとつの手首を握ります。
握った方の手を床に付けます。両足は、腕とは逆の方向に倒します。自然な呼吸のまま、ゆっくり10カウント数えてください。
体勢をもどし、反対側も同様に行います。1セットだけでも効果がありますが、2〜3セットおこなっていただいて構いません。
首まわりの運動2 ”クレッセント”
カラダをクレッセント(三日月)の体勢にする運動です。基本姿勢から右手を頭の方に伸ばします。右足も伸ばします。そのまま左に少し倒れます。
カラダの右側がストレッチされることを感じてください。通常はここまでですが、今回はストレートネック用にさらにダイナミックに行います。右ヒジで右手を折り曲げ、頭部にタッチするようにします。
ゆっくり10カウント数えて反対側も行ってください。2〜3回繰り返してもかまいません。(痛みを感じる場合は行わないでください)
ストレッチポールを使用した「肩甲骨の運動」は他にもあります。Youtube再生リストにまとめてありますのでそちらをご覧ください。
Youtube再生リスト【ストレッチポール】胸郭の運動 ソラコン
7.まとめ
ストレートネックの改善方法についてお伝えしました。予防改善の第一歩は日常の姿勢です。また、すでに傾向のある方や首の筋肉がはりがちな方は、お伝えしたようなストレッチを毎日行うようになさってください。
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