口角が上がった表情はいつまでも若々しく見えます。
反対に、への字口だったりしわ、タルミがあると、優しそうな表情が失われ、また実年齢より老けて見られることも多いでしょう。
口角を上げる一般的な方法が、口の周囲の表情筋マッサージです。口元を指で押し上げたり回したりしているでしょう。
しかしイマイチ効果が感じられないかもしれません。詳しくは本文で紹介しますが、効果的なマッサージには、技術と知識が必要なのです。
でもできることならセルフでできる効果的な方法を知りたいですよね。
そこでこの記事では、TV出演や著書も多い有名歯科医の森昭先生が開発した方法をお伝えします。先生自ら解説していただきました。これまでの表情筋リフトアップとは異なる、発想の転換で得られた画期的な方法です。
素敵な笑顔をゲットしたい方はぜひ参考になさってください。
この記事は歯科医師・森昭先生に執筆いただきました。 竹屋町森歯科クリニック院長(京都府舞鶴市)。人口8万人の同市にて総世帯数の25%がクライアントという人気歯科医。予防歯科、予防医学を重点的にとらえ、唾液やオーラルケアの重要性を全国に発信している。「歯医者を行きたい場所に変える」がモットー。第1回「歯科甲子園」準優勝。著書に『体の不調は「唾液」を増やして解消する』(PHP研究所)『行列のできる歯科医院3』共著(デンタルダイヤモンド社)など。 |
目次
1.表情筋の独特な構造とは
年齢を重ねるにつれ気になるお顔のたるみ。その原因は顔の表情を作る筋肉(表情筋)が凝り固まり重力に負けてしまうことにあります。この表情筋をトレーニングすることができれば、口角があがり、たるみも解消されるのです。
しかし、そう簡単にはいかない理由があります。
実は、表情筋は約60種類もあり、一層ではなく、何層にも重なっていて、まるでミルフィーユのようになっています。そのミルフィーユは筋膜に包まれ、その上にリンパ管があり脂肪があり、さらにその上に皮膚があるのです。
皮膚側から見れば、
皮膚→脂肪→リンパ管→筋膜→ミルフィーユの順番となっています。
そのミルフィーユの中で、上唇挙筋や上唇鼻翼挙筋といった、口角のリフトアップに関係している筋肉は、下層にあります。つまり、皮膚表面から遠いところにあるのです。これがマッサージでもなかなかアプローチできない理由なのです。
2.エステティシャンのテクニックを真似できない理由
プロのエステティシャンのマッサージは、さすがに違います。
神の手を持つこの人たちは、皮膚から脂肪、筋膜、ミルフィーユの下層に手指感覚で到達し、その筋肉を活性化させることで、リフトアップの施術をします。ものすごい技術です。
ただ、問題が2つあります。
2−1.プロ中のプロでなければ効果が出ない
一つめ。神の手を持つまでは相当なトレーニングを積み、さらにセンスが求められるため、限られたスーパーエステティシャンでなければ施術をしても効果は望めません。つまり、スキルが優れているエステティシャンほど予約がとれず、その施術料も高額になるのです。
2−2.想像以上に強い力で施術する
二つめは“痛い”ということです。
リフトアップのためには、凝り固まったミルフィーユの下層を手指でほぐすのです。かなりの圧が必要です。特に、凝り固まった筋膜や構造上瞬時に伸びるようになっていない皮膚を含めて圧をかけるから痛いのです。表情筋が凝っている部分は、その部分の皮膚も血行不良で硬くかたまっています。そこをグィグィと圧をかけるので超痛いのです。
3.発想の転換・内側からアプローチをすれば?
表情筋の構造と、それをマッサージでほぐすことの難しさを説明しました。これと同じことを普通のエステティシャンが行なっても効果がなかなか出ない理由がお分かりいただけたと思います。
これまでのマッサージはこの、皮膚からのアプローチをいかに効果的できるのかに主眼が置かれていたのです。
ここで一つ発想の転換に関するエピソードをご紹介します。
NASAは、宇宙飛行士を最初に宇宙に送り込んだとき、無重力状態ではボールペンが書けないことを発見した。
これではボールペンを持って行っても役に立たない。
NASAの科学者たちはこの問題に立ち向かうべく、10年の歳月と120億ドルの開発費をかけて研究を重ねた。
その結果ついに、無重力でも上下逆にしても水の中でも氷点下でも摂氏300度でも、どんな状況下でもどんな表面にでも書けるボールペンを開発した!!
一方ロシアは鉛筆を使った。
これは、ネット上で広がった面白風刺ですが、リフトアップについても、これによく似た発想が生まれました。それは“皮膚側からマッサージするから難しい。逆に、ミルフィーユの下層からアプローチすればいいのではないか”という考え方です。
リフトアップに関係する筋肉は、ミルフィーユの下層にあります。皮膚側からは遠いけれど、口の中からは近いのです。しかも、圧をかけて痛い“皮膚”もありません。いやむしろ皮膚がないので、強い圧をかける必要がありません。
だから、神の手がなくても、痛みもなくリフトアップにつながるのです。これがこれまでなかった“口内ストレッチ”の原理となったのです。
4.口の中へのアプローチは国家資格取得者しかできない
MDE(メディカル&デンタルエステ)協会では、2007年から口の中から美顔を作る“デンタルエステティシャン”を養成してきました。非常に効果的な口内ストレッチを行える認定術者が全国に600名ほどいます。
このデンタルエステティシャンの養成には、実は大きなハードルがあります。
口の中に手指を入れることは、日本の法律上、歯科医師、歯科衛生士にしかできません。通常のエステティシャンはどんなに知識やスキルがあったとしても、口の中に手を入れて施術することができないのです。
ですので、MDE協会認定のデンタルエステティシャンになるためには歯科医師か歯科衛生士が最低条件です。そのうえリンパの走行とか、筋肉の特性、エステの技術を長い時間かけて学んだ方がようやくその施術ができる術者となるのです。
みなさんが口内ストレッチの効果を体験するにはこのデンタルエステティシャンがお近くにいることが条件となっていたのです。
MDE協会認定デンタルエステティシャンをお探しの方は、以下の協会ホームページをご参照ください。
5.自分でやれば、法律の壁はなくなる
しかし、自分で効果を実感したい、というお気持ちもわかります。
他人の手でやるからライセンスが必要です。しかし“自分で自分の口を中からストレッチする“ことで、そのハードルはなくなります。
しかし指を使って行うことは、強くやり過ぎてしまうなど危険を伴います。
口内ボリュームを広げて空間を作る簡単なトレーニング方法があります。それは“舌まわし”です。
“舌まわし”をすることで、口内ボリュームが広がります。そうすると、口の周りの筋肉、そして表情筋全体が緩んでくれます。
余談ですが、エベレスト登頂で話題になった三浦雄一郎さんは、この“舌回し”を実践してから、一年後には“シミ”や“シワ”がほとんどなくなったそうです。
具体的には、以下の部分を舌でなぞります。
イラストは歯の内側をなぞりますが、これをやったら歯と唇の間も、四隅に届くように回してみてください。
私も“舌まわし”をいろんな方におすすめしています。継続されている方は効果が出ているという報告も受けています。一方、“舌まわし”でも口内ボリュームを広げるまでの筋力がない方、もしくは舌が奥の歯ぐきにまで届かない方がいることもわかりました。
6.専用ツールを使えばもっと手軽に効果的に口内ストレッチが可能!
舌回し、は自分で口内ストレッチの効果を体験できる方法です。普段使っていない筋肉をフル活用したので疲れたのではないでしょうか。
唾液の分泌が改善したりすると口内ストレッチの効果が実感できると思います。
しかし「けっこう大変だった」「なかなか四隅まで届かなかった」と思われたあなたも、ご安心ください。
MDE協会では、習得に一番難しい“圧”のかけ方を、誰にでも再現できる形状、硬さにした口内ストレッチツール“ストレッチオーラル®”を開発しました。熟練したデンタルエステティシャンの拇指の感覚を再現したのです。使い方も簡単な3つのポイントを押さえることで、効率よく主要筋肉にアプローチできるようになっているのです。
次章でその方法をご紹介します。
7.ストレッチオーラル®で口内ストレッチを効果的に行う3つのポイント
ストレッチオーラル®は、誰でも簡単に口内ストレッチが行えるツールですが、ぜひ覚えておいていただきたいポイントがあります。
7−1.内から外に動かす
リンパの滞りがむくみやたるみにつながります。リンパ管は、一定方向にしか流れないという特徴があります。管の中に逆流防止弁がついているからです。どうせストレッチするならリンパの流れにそって圧をかけた方が効率的です。難しく考える必要はありません。ストレッチオーラル🄬は形状が大きめに作ってあります。ざっくりと内から外に動かすということだけ覚えておいていただければ、リンパは流れてくれます。
7−2.圧がかかる皮膚側を手で押さえておく
表情筋の大きな特徴は、皮膚についているという点です。押さえておかないと筋肉が逃げてしまうのです。口の中から圧を加えるだけでも意味はありますが、筋肉をおさえて“押して伸ばす”というということです。そうすることで筋膜もいっしょに伸びてくれて、いわゆる“筋膜リリース”という手技になり、効果が持続します。
7−3.気持ち良いくらいの圧で
人の体は“交感神経”と“副交感神経”がバランスをとりながら、オンオフをつけてうまく働くようになってなっています。
“リフトアップ”を期待すると、強い圧をかけた方が効果があると思われがちですが、実は、ごく弱い力の方が効果があります。これは、強い圧をかけすぎると、体が抵抗して、“交感神経優位”という状態になりかえって筋肉が固くなります。
リラックスして“副交感神経優位”の状態を作ることで筋肉はゆるみ、血行がよくなり、重力に抵抗する柔軟な筋力となるのです。
使い方を動画でご紹介しています。お持ちの方はぜひ参考になさってください。
8.口内ボリュームアップを確認してみよう
ストレッチオーラル®を使うときにぜひ確認していただきたいことがあります。それは、例えば、右なら右だけ使ってみて、ホッペを舌で触ってみていただきたいのです。
多くの方はリスのようにホッペが膨らんだ感覚になられます。これは、ミルフィーユの下層に血液が流れ込み、重力に抵抗する筋力を取り戻したということです。
口内ボリューム(口の中の広さのこと)が広がることは、筋肉がリラックスしているということです。ミルフィーユの下層がゆるむことで、その上の上層、筋膜がすべて緩んでくれます。結果的に、口の周りの筋肉がゆるみ、癒され口角があがりやすく、若々しさを取り戻すことにつながります。
9.まとめ
口内ストレッチが手軽にできるストレッチオーラル®をご紹介しました。これまで難しかったデンタルエステティシャンの技がこれにより誰でも簡単にできるようになったのです。
口内ストレッチは、口角をあげるだけではなく、以下のような効果があります。
- 唾液分泌量増加による歯周病の改善
- 噛みしめ癖のある方へ咬筋の緊張緩和による症状改善
- 義歯の安定、疼痛緩和
- 頬噛み改善
- 口臭予防
- 矯正器具トラブル回避
全身の健康に関わる画期的な方法ですので興味を持たれた方はぜひ試してみてください。
ストレッチオーラル®︎は硬くなった表情筋を、口の中から緩めるツールです。表情筋を活性化することで、リンパの流れや唾液の分泌を促進します。表情筋が使えるようになることで、ほうれい線解消やリフトアップといった美容効果が期待できます。さらに、唾液が増えることで口臭予防などのオーラルケアが可能になります。ストレッチオーラル®は公式ホームページからお買い求めいただけます。