トレーニングの7原則|ケガを予防し最大効果を得るための最善法とは

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あなたはトレーニングをするとき、何を意識して行っていますか?

「チームメイトと同じメニューを、いつもどおり…」
「練習の大半はとにかく泳ぎ込み。それが一番力がつくから…」
「特に何も…」

このように思った方は、もしかしたらトレーニング効果を十分に得られていない可能性があります。貴重な時間と体力をムダにしているかもしれません。それだけではなく、ケガを引き起こす可能性も高くなります。

あなたは「トレーニングの原則」を知っていますか? この原則は避けられるケガを減らし、トレーニングの効率を最大限にあげるために考案されたものです。この原則に基づいて行うことがベストなのです。

そこでこの記事では、あなたのトレーニング効果を高めるための基礎知識として、トレーニングの原則をお伝えします。この原則を実践するだけで、同じ練習時間でも、トレーニングが充実し効果が高まるはずです。ぜひ実践して効果を体感してください。


1.トレーニングの7大原則

トレーニングの効果を最大限に高めるためには、原則を理解した上でトレーニングを行うことが重要です。財団法人日本体育協会が発行する公認アスレティックトレーナー専門科目テキストによると、以下の7つの原則に従ってトレーニングプログラムを組み立てることで、効果的にトレーニングを実施できるとしています。

・特異性の原則(SAIDの原則):とくいせいのげんそく

・過負荷(オーバーロード)の原則:かふかのげんそく

・漸進性の原則:ぜんしんせいのげんそく

・意識性(自覚性)の原則:いしきせいのげんそく

・全面性の原則:ぜんめんせいのげんそく

・個別性の原則:こべつせいのげんそく

・継続性(反復性・可逆性)の原則:けいぞくせいのげんそく

当記事はトレーニングの原則を上記の7原則と定義した上で、各原則について詳細をご紹介します。トレーニングの効果について知識を持った上でトレーニングを行い、効果を高めましょう。

1−1.特異性の原則(SAIDの原則)

特異性

特異性の原則は、トレーニングによって強化したい部位、あるいは向上させたい能力に見合ったトレーニング負荷をカラダにかける必要性があるという原則です。

SAIDとは、Specific Adaptation to Imposwd Demandの略で、意味は『人体は与えられた負荷に見合った適応現象を起こす』ということです。

一口でトレーニングといってもスピードや重量、負荷のかける方向やアプローチする箇所が呼吸器系なのか筋肉なのかなど様々です。

つまり、自分の伸ばすべき能力を明確にした上で、トレーニングをすることが重要なのです。

1−2.過負荷(オーバーロード)の原則

過負荷

私たちのカラダには、継続的に刺激が入るとそれに適応していく性質があります。トレーニング効果を獲得し、カラダの能力を高める場合は、日常生活以上の負荷をカラダにかけ、その負荷に耐えられるようになることが重要です。これが過負荷の原則です。

普段、胸の筋肉を鍛えていない人が腕立て伏せをする。
ジムに通ってベンチプレスを行う。など

日常以上の負荷をかけることでトレーニング効果を高めることができるのです。

1−3.漸進性の原則

ダンベルラック

張り切りすぎて毎日強度の高いトレーニングを行ったり、自分に合わない強度のトレーニングはケガを引き起こします。トレーニングの量や強度、種目の難易度は、段階的に増やしていくことが重要です。これが漸進性の原則です。

まずは自分ができるトレーニングの負荷、回数、強度などを見つめるところから始め、ある程度の期間(1週間〜1ヶ月)をかけて段階的に負荷を高めていくことで、トレーニングの効果を高めることができるのです。

1−4.意識性(自覚性)の原則

意識性の法則

本や雑誌、インターネットなどで紹介されているトレーニングメニューを見よう見まねで行うと、トレーニング効果を得るのに多くの時間を費やすことになります。

トレーニング効果を獲得するためには、トレーニングメニューの目的や方法を十分に理解し、実際に鍛えている部位を意識することが重要です。これが意識性の原則です。

鍛える部位を意識することで、トレーニング効果を高めるだけでなく、ケガの予防にもつながるので、より効率的にカラダを鍛えたい方に効果的です。

1−5.全面性の原則

全面性のトレーニング

どこか一部に集中したトレーニングをしていると、ケガや慢性的な痛み、うずきなどカラダは悲鳴をあげます。部位や種目に偏ったものではなく、バランス良く強化するトレーニングを行うことが重要です。これが全面性の法則です。

私たちのカラダは前後左右から重力を受け、それに耐えながらカラダのバランスを保っています。トレーニングする部位を日程ごとに分けたりするなど、メニュー作成時に工夫することが重要です。

1−6.個別性の原則

個別性

トレーニングは、以下の項目を考慮した上でそれに合うメニューを組むことが重要です。
・年齢

・性差

・体格

・体力

・技術レベル

・経験

・健康状態

・個人の精神状態 など
これを個別性の原則と言います。

例えば、男女ではホルモンの働きや最大酸素摂取量の値が異なるため、同じ負荷のトレーニングを実施することができない場合があります。これが原因でハードワークによるオーバートレーニングになってしまったり、ケガを引き起こします。

そのため、身体的・機能的に違うということを考えた上でトレーニングメニューを作成することが大切です。

1−7.継続性(反復性・可逆性)の原則

継続性

トレーニングの効果は一時的なものでは得られません。トレーニングで得られた効果はトレーニング終了直後にトレーニング前の状況へ向かって変化すると言われています。計画的に何度も同じトレーニングを繰り返し行うことが重要なのです。

このようにトレーニング計画を組み、継続的にトレーニングをすることを継続性の原則と言います。

1−8.補足・トレーニング効果を引き上げるためのチェックシート

以上の7原則に従って、以下の項目をハッキリさせてからトレーニングメニューを組むようにしましょう。そして、日々のトレーニング前に意識をしてから行ってみてください。

☑自分の伸ばしたい能力は何か。そのためにどの部位をどのようにトレーニングすることが必要か。
☑普段の試合や練習よりも、若干キツい負荷になるトレーニングを行うことができているか。
☑この一週間、自分に取って適切な負荷、回数、強度はどれくらいか。体調などを理解して判断することはできるか。
☑トレーニングの目的や方法を十分に理解し、実際に鍛えている部位を意識することができているか。
☑一部に偏ったトレーニングを行っていないか。一週間単位で全身のバランスがとれるメニューになっているか。体幹トレーニングも行っているか。
☑自分に合った強度や技能のトレーニングを選択できているか。自分のレベルを超えてオーバートレーニングになっていないか。
☑全体を通して継続できる内容になっているか。反復回数の変化や強度のステージ設定など、飽きがこないための工夫をしているか。
☑正しい姿勢でトレーニングやプレーができているか。
☑トレーニング内容によっては休息が必要なものがあることを理解し、正しく休むことができているか。
☑栄養や水分補給、カラダのケアについても十分に配慮して時間を確保しているか。

2.まとめ

効果的にトレーニングを行うための原則についてお伝えしました。当ブログでご紹介するエクササイズ種目もこの原則を意識した上でメニュー作りをしています。

ぜひトレーニングをする際にこれらの原則を意識して行い最大効果を引き出してください。

 

参考文献:

公認アスレティックトレーナー専門科目テキスト6 予防とコンディショニング

DeLome CT :Restration of muscle power by heavyresistance exercises. J Bone Joint Surg 27:645-667

Harre D :Trainingselhere,Berlin,Sportverlag,1982

Lauback L :Comparative muscle strength of men and women : Areview of the literature.Avait.SpaceEnviron Med47:534-542,1976

Castro MJ,McCann DJ,Ahaffrath JD et al:Peak torquw per unit cross-sectional area differs between strength-trained and untrained young adults.Med SciSports Exerc28:934-935,1996

 

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トレーニングの7原則|ケガを予防し最大効果を得るための最善法とは

あなたはトレーニングをするとき、何を意識して行っていますか?

「チームメイトと同じメニューを、いつもどおり…」
「練習の大半はとにかく泳ぎ込み。それが一番力がつくから…」
「特に何も…」

このように思った方は、もしかしたらトレーニング効果を十分に得られていない可能性があります。貴重な時間と体力をムダにしているかもしれません。それだけではなく、ケガを引き起こす可能性も高くなります。

あなたは「トレーニングの原則」を知っていますか? この原則は避けられるケガを減らし、トレーニングの効率を最大限にあげるために考案されたものです。この原則に基づいて行うことがベストなのです。

そこでこの記事では、あなたのトレーニング効果を高めるための基礎知識として、トレーニングの原則をお伝えします。この原則を実践するだけで、同じ練習時間でも、トレーニングが充実し効果が高まるはずです。ぜひ実践して効果を体感してください。


1.トレーニングの7大原則

トレーニングの効果を最大限に高めるためには、原則を理解した上でトレーニングを行うことが重要です。財団法人日本体育協会が発行する公認アスレティックトレーナー専門科目テキストによると、以下の7つの原則に従ってトレーニングプログラムを組み立てることで、効果的にトレーニングを実施できるとしています。

・特異性の原則(SAIDの原則):とくいせいのげんそく

・過負荷(オーバーロード)の原則:かふかのげんそく

・漸進性の原則:ぜんしんせいのげんそく

・意識性(自覚性)の原則:いしきせいのげんそく

・全面性の原則:ぜんめんせいのげんそく

・個別性の原則:こべつせいのげんそく

・継続性(反復性・可逆性)の原則:けいぞくせいのげんそく

当記事はトレーニングの原則を上記の7原則と定義した上で、各原則について詳細をご紹介します。トレーニングの効果について知識を持った上でトレーニングを行い、効果を高めましょう。

1−1.特異性の原則(SAIDの原則)

特異性

特異性の原則は、トレーニングによって強化したい部位、あるいは向上させたい能力に見合ったトレーニング負荷をカラダにかける必要性があるという原則です。

SAIDとは、Specific Adaptation to Imposwd Demandの略で、意味は『人体は与えられた負荷に見合った適応現象を起こす』ということです。

一口でトレーニングといってもスピードや重量、負荷のかける方向やアプローチする箇所が呼吸器系なのか筋肉なのかなど様々です。

つまり、自分の伸ばすべき能力を明確にした上で、トレーニングをすることが重要なのです。

1−2.過負荷(オーバーロード)の原則

過負荷

私たちのカラダには、継続的に刺激が入るとそれに適応していく性質があります。トレーニング効果を獲得し、カラダの能力を高める場合は、日常生活以上の負荷をカラダにかけ、その負荷に耐えられるようになることが重要です。これが過負荷の原則です。

普段、胸の筋肉を鍛えていない人が腕立て伏せをする。
ジムに通ってベンチプレスを行う。など

日常以上の負荷をかけることでトレーニング効果を高めることができるのです。

1−3.漸進性の原則

ダンベルラック

張り切りすぎて毎日強度の高いトレーニングを行ったり、自分に合わない強度のトレーニングはケガを引き起こします。トレーニングの量や強度、種目の難易度は、段階的に増やしていくことが重要です。これが漸進性の原則です。

まずは自分ができるトレーニングの負荷、回数、強度などを見つめるところから始め、ある程度の期間(1週間〜1ヶ月)をかけて段階的に負荷を高めていくことで、トレーニングの効果を高めることができるのです。

1−4.意識性(自覚性)の原則

意識性の法則

本や雑誌、インターネットなどで紹介されているトレーニングメニューを見よう見まねで行うと、トレーニング効果を得るのに多くの時間を費やすことになります。

トレーニング効果を獲得するためには、トレーニングメニューの目的や方法を十分に理解し、実際に鍛えている部位を意識することが重要です。これが意識性の原則です。

鍛える部位を意識することで、トレーニング効果を高めるだけでなく、ケガの予防にもつながるので、より効率的にカラダを鍛えたい方に効果的です。

1−5.全面性の原則

全面性のトレーニング

どこか一部に集中したトレーニングをしていると、ケガや慢性的な痛み、うずきなどカラダは悲鳴をあげます。部位や種目に偏ったものではなく、バランス良く強化するトレーニングを行うことが重要です。これが全面性の法則です。

私たちのカラダは前後左右から重力を受け、それに耐えながらカラダのバランスを保っています。トレーニングする部位を日程ごとに分けたりするなど、メニュー作成時に工夫することが重要です。

1−6.個別性の原則

個別性

トレーニングは、以下の項目を考慮した上でそれに合うメニューを組むことが重要です。
・年齢

・性差

・体格

・体力

・技術レベル

・経験

・健康状態

・個人の精神状態 など
これを個別性の原則と言います。

例えば、男女ではホルモンの働きや最大酸素摂取量の値が異なるため、同じ負荷のトレーニングを実施することができない場合があります。これが原因でハードワークによるオーバートレーニングになってしまったり、ケガを引き起こします。

そのため、身体的・機能的に違うということを考えた上でトレーニングメニューを作成することが大切です。

1−7.継続性(反復性・可逆性)の原則

継続性

トレーニングの効果は一時的なものでは得られません。トレーニングで得られた効果はトレーニング終了直後にトレーニング前の状況へ向かって変化すると言われています。計画的に何度も同じトレーニングを繰り返し行うことが重要なのです。

このようにトレーニング計画を組み、継続的にトレーニングをすることを継続性の原則と言います。

1−8.補足・トレーニング効果を引き上げるためのチェックシート

以上の7原則に従って、以下の項目をハッキリさせてからトレーニングメニューを組むようにしましょう。そして、日々のトレーニング前に意識をしてから行ってみてください。

☑自分の伸ばしたい能力は何か。そのためにどの部位をどのようにトレーニングすることが必要か。
☑普段の試合や練習よりも、若干キツい負荷になるトレーニングを行うことができているか。
☑この一週間、自分に取って適切な負荷、回数、強度はどれくらいか。体調などを理解して判断することはできるか。
☑トレーニングの目的や方法を十分に理解し、実際に鍛えている部位を意識することができているか。
☑一部に偏ったトレーニングを行っていないか。一週間単位で全身のバランスがとれるメニューになっているか。体幹トレーニングも行っているか。
☑自分に合った強度や技能のトレーニングを選択できているか。自分のレベルを超えてオーバートレーニングになっていないか。
☑全体を通して継続できる内容になっているか。反復回数の変化や強度のステージ設定など、飽きがこないための工夫をしているか。
☑正しい姿勢でトレーニングやプレーができているか。
☑トレーニング内容によっては休息が必要なものがあることを理解し、正しく休むことができているか。
☑栄養や水分補給、カラダのケアについても十分に配慮して時間を確保しているか。

2.まとめ

効果的にトレーニングを行うための原則についてお伝えしました。当ブログでご紹介するエクササイズ種目もこの原則を意識した上でメニュー作りをしています。

ぜひトレーニングをする際にこれらの原則を意識して行い最大効果を引き出してください。

 

参考文献:

公認アスレティックトレーナー専門科目テキスト6 予防とコンディショニング

DeLome CT :Restration of muscle power by heavyresistance exercises. J Bone Joint Surg 27:645-667

Harre D :Trainingselhere,Berlin,Sportverlag,1982

Lauback L :Comparative muscle strength of men and women : Areview of the literature.Avait.SpaceEnviron Med47:534-542,1976

Castro MJ,McCann DJ,Ahaffrath JD et al:Peak torquw per unit cross-sectional area differs between strength-trained and untrained young adults.Med SciSports Exerc28:934-935,1996

 


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