仕事中、ふと気がついたら肩や首に手を置いていることはありませんか?長時間同じ姿勢を続ける事による肩や首のこりに悩む方が増えてきています。厚生労働省が行った国民生活の基礎調査によると、年齢が上がるほど肩こりを訴える人口比率は高くなります。
この肩や首のこりを解消する効果的な方法の一つとして、肩まわりの筋肉「僧帽筋」のストレッチをご紹介します。僧帽筋をストレッチすることで、肩まわりを広範囲にほぐすことができ、肩や首のこりを再発させない効果があります。さっそく画像をみながら実際に行い、効果を実感してみてください。
この記事は石塚利光が監修しました。 日本コアコンディショニング協会コアコンディショニングリサーチディレクター/東京大学女子バレーボール部トレーナー/米国公認アスレティックトレーナー (BOC-ATC) /日本トレーニング指導者協会・認定上級トレーニング指導者(JATI-AATI)/ペンシルベニア州立カルフォルニア大学卒業/前・福岡大学助教/訳書「アスレティックボディ・イン・バランス」(Gray Cook著) |
目次
1.僧帽筋ストレッチで得られる効果と凝り解消のメカニズム
アメリカでは僧帽筋の張りが肩こりの主要な原因とも言われ、英語では肩こりを「僧帽筋の筋肉痛」と表現しています。それだけ僧帽筋と肩こりの関係は深いのです。
この僧帽筋。頭と首の結合部分から腰の少し上にまで広範囲にわたってついているとても大きな筋肉です。
僧帽筋の主な働きは以下のようになります。
・肩甲骨を安定させる。
・ものを持ち上げるときに使う三角筋の動作を助ける。
重たい荷物などを持ち上げるときや、肩をすくめるような形で上に挙げていると、僧帽筋が緊張していきます。
さらに僧帽筋は上部・中部・下部と三つの線維に分類されます。
それぞれの線維の主な役割は、肩甲骨を内側に引き寄せることですが、上部線維は肩甲骨を引き上げる役割が。下部線維には肩甲骨を下ろす役割がそれぞれあります。肩や首のこりは上部線維が緊張してしまうことが主な原因だと言われています。この後2章では主に上部線維を伸ばす方法についてお知らせします。
僧帽筋の線維 | 役割 |
---|---|
上部線維 | 肩甲骨を内側に引き寄せる・引き上げる・腕を前回しさせる |
中部線維 | 肩甲骨を内側に引き寄せる |
下部線維 | 肩甲骨を内側に引き寄せる・下ろす・腕を後ろ回しさせる |
僧帽筋をストレッチすることで生活の中で凝り固まってしまった肩や首をほぐす効果を得ることができるのです。
2.簡単で効果的な僧帽筋のストレッチ
僧帽筋のストレッチを行い首と肩のこりをほぐしていきましょう。ここでは特に効果的な僧帽筋の上部と中部線維にアプローチをかけていきます。ストレッチをかけているところを意識して伸ばしていきましょう。
2−1.僧帽筋上部のストレッチ
エクササイズ方法:
上半身を綺麗な姿勢で意識します。片方の手を背中に回し、もう片方の手を頭に置きます。背中側の手に力が入らないように脱力した状態で、頭を押さえている手の方に傾けていきます。このとき首から肩にかけてストレッチを感じましょう。自然な呼吸を意識して左右30秒ずつ行いましょう。
2−2.僧帽筋上部・中部のストレッチ
エクササイズ方法:
上半身を綺麗な姿勢で意識します。両手頭の後ろで組み、姿勢が猫背にならないように注意して首を前に傾けていきましょう。
息を止めないよう自然な呼吸を意識して30秒を目安に行いましょう。
3.肩こり・首こりを再発させないための僧帽筋の働きとトレーニング
僧帽筋をストレッチすることで一時的に筋肉の凝りをほぐすことはできます。しかし、ストレッチを行っただけでは根本的な解決には至らないので、長時間のデスクワークなど、同じ姿勢を取っていると元に戻ってしまいます。ストレッチの効果を最大限に引き出すためには、トレーニングで正しい姿勢を獲得することが必要になります。
肩こり・首こりを再発させないようにするためには、僧帽筋の下部を意識してトレーニングすることが最も効果的です。ここでは僧帽筋下部をトレーニングして筋肉のはりを未然に予防する方法についてお伝えします。
3−1.肩甲骨を下ろすシュラッグトレーニング
エクササイズ方法:
綺麗な姿勢を意識して立ちます。このとき、足は腰幅から肩幅くらいを目安に立ちます。肩をすくめるようなイメージで真上に引き上げ、動きをコントロールしながら肩甲骨を下げるようにして肩を元に戻します。このとき肩甲骨を下げるイメージで動かすと肩の位置が少しだけ下がります。
力を入れず滑らかに動かすイメージで15回を目安に行いましょう。
3−2.うつ伏せでストレッチポールを転がす肩甲骨トレーニング
エクササイズ方法:
うつ伏せで両手を前にのばし、手をストレッチポールの上にのせます。肩に力が入らないようにリラックスした状態を維持したまま、ストレッチポールを手前と奥へ引き・押ししましょう。このとき肩甲骨が動いているのを感じながら行うとより効果的です。
力を入れず滑らかに20回ストレッチポールを動かしましょう。
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4.まとめ
僧帽筋を効果的に動かすことで肩や首のこりは改善されます。今回ご紹介したエクササイズは1回でも効果を感じていただけると思いますが、継続的に行うことでより効果を感じて頂けます。特にデスクワークなどで肩や首のこりを感じやすい方は毎日行うことにより徐々に効果が現れるようになります。まずは1週間継続的に行い、効果をぜひ実感してみてください。
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