衣替えの季節。着替えの時に去年まで入っていた洋服が少しきつく感じる。
「あれ?もしかして太った?」
「そういえば最近血圧も高かったような。」
体重の増加や、血圧の数値が高いのは生活習慣病が原因かもしれません。
生活習慣病は、日常生活での悪習慣が継続することで発症する病気を総称して言います。健康診断で数値が高かった人、何年も数値が改善しない人は日常生活を正し、改善することが近道です。
ここでは生活習慣病の原因と改善するための方法についてお伝えします。予防にも効果的な内容なので、まだ症状は出ていないけれども心配な方も今日から実践してください。
目次
1.生活習慣病を改善するために今日からできる運動
生活習慣病を改善するための方法として、運動があります。重要なのはわかっているけれども、「運動」と聞くと長時間にわたり長い距離を走ったり、重いものを持ち上げたりとキツいイメージを持たれる方が多いのではないでしょうか。
生活習慣病を改善するための運動はきついものだけではありません。継続的に行うためには「楽しく」運動と向き合うことがポイントです。ここでは、生活習慣病を改善するために今日からできる運動方法についてお伝えします。
1−1.簡単にできる全身ストレッチ9選
運動をする習慣がない方はまずストレッチから行ってみましょう。
ストレッチは運動なの?と疑問に持たれるかもしれませんが、血行を促進したり、腕や足といったカラダを動かす範囲が広くなる運動です。
ここでは簡単に全身をストレッチする方法をお伝えします。全てのエクササイズを行うことで、全身を伸ばすことができます。
(1)胸のストレッチ
両手をカラダの後ろで組みます。肩に力が入らないように、そして背中が丸まらないように注意して手を後ろに引きましょう。手を遠くへ伸ばすことで胸が外側へ引っ張られてストレッチされます。30秒を目安に行いましょう。
(2)体側ストレッチ
両手を頭の上で組みます。斜め上に向けて両手を遠くへ伸ばしていきます。この時カラダで三日月を作るようなイメージで行うと良いでしょう。左右30秒ずつ行います。
(3)背中のストレッチ
四つ這いの状態から、お尻をかかとに向けて下ろしながら、重心を後方へ移動させて顔を床面に近づけていきます。背中の伸びを感じながら30秒を目安に行いましょう。
(4)お腹のストレッチ
うつ伏せの状態から手を床に置き、天井を見るように上半身を起こします。腰に負担がかからないように注意して30秒伸ばしましょう。
(5)脇腹ストレッチ
うつ伏せで両手を胸の横で開き、片足を反対側の足より外側へ出しましょう。この時に両肩が床から離れないようにすることがポイントです。左右30秒行いましょう。
(6)ハムストリングストレッチ
両足を伸ばして仰向けの状態から、膝を曲げながら片脚を引き寄せましょう。もも裏を両手で押さえながら上にあげます。30秒自然な呼吸で行ってください。
(7)ももの外側ストレッチ
仰向けの状態から右足を左太ももの上に乗せ、手で右ヒザ上を押さえながら左に倒していきます。
カラダが捻じれないように両肩が床についた状態で行うのがポイントです。30秒で足を入れ替えます。
(8)もも表のストレッチ
片足を膝頭が外側に向くようにして曲げ、かかとがおしりの横に来るように引き寄せます。曲げている足と反対側のヒジを床につき、対角でストレッチをします。完全に横になってしまうと腰を痛める可能性があるので注意しましょう。勢いや反動は使わないようにしましょう。
自然な呼吸で左右30秒行います。
(9)股関節のストレッチ
ヒザの重みを利用して股関節を伸ばすストレッチです。仰向けの状態から足の裏同士を合わせ、あぐらをかくように股関節を開きます。腰が反らないように注意して行うのがポイントです。自然な呼吸をしながら30秒間伸ばしましょう。
1−2.自宅で簡単トレーニング9選
トレーニングを行い、筋力をつけることで、脂肪燃焼効果が高まるなど生活習慣病改善に役立つため、徐々に種目数を増やすことをおすすめします。
ここでは今日から自宅で簡単にできるトレーニングメニューをご紹介します。
効果的なトレーニングの基本は限界まで追い込むことです。
つまり、次の一回がどうしても挙げられなくなるまで連続して行い、それを2、3セット繰り返すことが最も効果的なのです。
しかし、最初から追い込みすぎると激しい筋肉痛など、継続的に行えなくなるので、まずは各エクササイズで紹介される目安回数を行うようにしましょう。
(1)プランク
うつ伏せの状態で、肩の下にヒジが来るように床につきます。頭からおしりまでが一直線になるようにして姿勢をとります。この時に肩や腕に力が入らないようにお腹を引き締めた状態で姿勢保持をします。
お腹とお尻の筋肉を意識することでまっすぐな姿勢を維持することができます。お尻が浮いてしまったり、背中が反らないように注意しましょう。初めは30秒3セットを目安に行いましょう。
(2)プッシュアップ
腕を肩幅以上に開き、腕立て伏せの姿勢になります。頭からお尻までが一直線になるようにして姿勢を整えます。両手の間に胸が落ちるように肘を外側に曲げながらカラダを床に近付けましょう。胸の筋肉を使っているのを感じながら15回を目安に行います。
(3)ツイストクランチ
腹斜筋を鍛えるエクササイズです。
仰向けで横になり、膝を90度に曲げて足を持ち上げます(テーブルトップ)。対角の膝と肘がタッチ出来るように上半身を捻りながら持ち上げましょう。姿勢を維持しながらこの動作を繰り返し行います。
・反動をつけて行わない
・首や腕に力が入らない
上記の注意して動きの速度をコントロールし15回を目安に行いましょう。
(4)バックエクステンション
背筋を鍛えるエクササイズです。うつ伏せで行うエクササイズなので、横になれる場所があればどこでも行うことができます。
うつ伏せで横になり、頭の横に手を添えます。足のつま先でしっかりと床面を捉えて、背骨の1本1本が起き上がるようなイメージで上体を起こしていきます。
この時、反動をつけて持ち上げると鍛えることができないので、動きはコントロールしましょう。みぞおちのあたりまで床から離れるように引き上げ、背中の筋肉が縮まるようなイメージで動きをコントロールしましょう。15回を目安に行います。
(5)ヒップリフト・ワンレッグリフト
膝を軽く曲げた状態で仰向けになります。膝の頭から鎖骨まで一直線になるように姿勢を意識してお尻を持ち上げましょう。お尻に負荷がかかっているのを感じながら、息を止めないように注意して姿勢を保ちましょう。
姿勢が安定してきたら、一直線をキープして片足を持ち上げ、膝を軽く曲げた状態でキープするとお尻への負荷が高まります。姿勢が崩れずに行える範囲で姿勢を維持しましょう。15回を目安に行います。
(6)スクワット
足を腰幅から肩幅まで開きます。つま先と膝を前に向けてももが床と平行になるまで曲げていきます。
ももが床と平行になるまで曲げたらその場で動きを一度止め、ゆっくりと元の姿勢に戻りましょう。
背中が丸まらないように注意をして姿勢が崩れずに行える回数を目標にまずは、20回行いましょう。
(7)サイドレッグリフト
内ももを鍛えるエクササイズです。
肩からくるぶしまでが一直線になるようにして横向きで寝ます。上になる足をカラダの前に曲げながら下の足が動かせるように隙間を作ります。かかとを遠くに押し出すようにしながら下の足を真上に持ち上げます。つま先は正面に向いていると効果的です。自然な呼吸を意識したまま左右15回ずつ行いましょう。
(8)タオルスクイーズ
内ももを鍛えるエクササイズです。このエクササイズではバスタオルやソフトギムなどを挟みトレーニングを行います。
今回はソフトポール1/3を使用しています。
膝を曲げた状態で仰向けになります。両膝でタオルを挟みます(角があるものは挟むと痛いので丸みのあるものに変えましょう)。
反動など他の部分に力が入らないように注意して両膝でタオルを潰しましょう。10秒間キープして5秒休憩を10サイクル行いましょう。
(9)スタンディングカーフレイズ
ふくらはぎにある腓腹筋を鍛えるエクササイズです。
足を腰幅に開き、綺麗な姿勢で立ちます。姿勢を安定させながら、つま先立ちになります。この時かかとが正面を向くように意識しましょう(かかとが外側にむけると負荷のかかり方が変化します。意図的に両方外側や内側にするのは構いません)。
バランスを崩さないように注意をしながら15回行いましょう。また段差などかかとが常につかない状態で行うことで強度が高まります。こちらもぜひトライしてみてください!
1−3.初心者でもできる基本ヨガのポーズ5選
ジワジワ汗をかきたい方にはヨガをお勧めします。ゆっくり自分のカラダと対話しながら運動できるのがヨガの特徴です。
ここではヨガを全くやったことがない方でも簡単にできるエクササイズを5種目ご紹介します。
座位のガルーダアサナ(座位の鷲(わし)のポーズ)
楽な姿勢で座り、良い姿勢をとります。写真のように胸とアゴの間くらいのところで腕を組み、後ろに反ります。最初の位置のまま左右に目線を変えてもいいでしょう。できるだけ深く手を組むことがポイントです。逆の組み方も行ってみましょう。
アド・ムカ・シュヴァーナアサナ(下向き犬のポーズ・ダウンドッグ)
背中の柔軟性を整え、腰痛緩和効果があります。神経系を整えリラクゼーションをもたらすメリットも。
写真のように両手と両足で三角を作ります。そこから顔を足先の方に近づけてください。さらに綺麗な三角形ができるように。手のひらと足の裏でしっかりマットを押すことで、お尻がツンと天井の方へ上がります。
アンジャネアサナ(猿のポーズ)
股関節の柔軟性を引き出しながら、背中や腰のぜい肉をとってスッキリさせてくれるポーズです。
写真のように片足を前に、片足を後ろに伸ばして足の甲を床につけます。そこから両腕を上に伸ばしながら後ろに反ります。
後ろ足の股関節を床に近づけることと、お尻を締めてアゴをできるだけ引くことがポイントです。腕は骨盤付近(大転子のあたり)を固定するように持ってもOK!
ウッティタ・トリコナアサナ(三角のポーズ)
姿勢の改善効果があります。背骨の柔軟性と内臓器官の活動能力を高めます。
手は肩の高さにし、手のひらは下向き。両足は肩幅の倍くらいに広げます。肩に力を入れずに(力まずに)水平に広げます。
息を吐きながら状態を真横に倒します。目線は指先を捉えてください。両足に均等に体重をかけるのがポイント。硬い人はヒザに手を置くのでもかまいません。呼吸に合わせて徐々に足首にいけるようにしましょう。
体の横を伸ばしながら上にあげた手を水平に伸ばします。視線は常に指先です。
ヴィラヴァドラアサナⅠ(英雄のポーズⅠ)
下半身の強化、股関節の柔軟性向上、腹筋の強化、腰痛や坐骨神経痛の緩和効果があります。
写真のように片足を前に出し、片足を後ろに伸ばします。両手を上にあげ、手のひらを合わせます。次のポイントで行ってください。
・カカトは同じライン上にし、左右均等に体重をかける
・視線はまっすぐ前
・肩をつまらせないこと
・おへそも前を向くようにする
・前のヒザは直角
・後ろのヒザは伸ばす
ここではヨガの基本のポーズを5つご紹介しました。ヨガについてもっと詳しく知りたい方は、ヨガで美姿勢&健康ヤセ!ビギナー向けの基本ポーズ30選を併せてご覧ください。
2.良質な睡眠をとり生活リズムを整える方法
生活習慣病を改善するためには運動の他に、生活リズムを整える睡眠も重要です。
生活習慣病と睡眠に関する研究によると、生活習慣病をもつ人は、もたない人に比べて不眠の割合が高いそうです。参考:生活習慣病と睡眠障害(シンポジウム : 心身機能と睡眠障害,2006年,第47回日本心身医学会総会(東京))
不眠を解消し、良質な睡眠をとることは生活習慣病を予防・改善するためにとても大切なのです。
睡眠や生活のリズムを司っているのが自律神経です。
自律神経には、「交感神経」と「副交感神経」という2つの神経があります。1日の生活の中で、「交感神経」と「副交感神経」のどちらかが交互に優位になることで私たちの活動を支えています。
もう少し具体的に掘り下げると私たちが活動している時には「交感神経」が優位になります。反対にリラックスモードの時には「副交感神経」が優位になっています。
理想的な睡眠のとり方は、寝付きの段階が非常に重要で、入眠までに副交感神経が優位になっている状況をつくらねばなりません。
2−1.規則的な早起き早寝を心がける
夜おそくまで起きていて、朝は寝不足でまぶたが重い。このような生活は自律神経の働きを悪くします。これが続くと昼夜のバランスが崩れ、自律神経のリズムが崩れます。つまりベストはメリハリのある生活なのです。
私たちのカラダには、生まれつき備わっているカラダのリズムがあります。起床とともに交感神経が活発になります。朝の訪れとともに起きることで、交感神経にスイッチが入り、シャキッと目覚めることができるのです。
良質な睡眠をとるためにはまず、早く起きることからがんばってみてください。早起きし、そして日中は出来るだけアクティブに過ごし、遅くとも23時までにはベッドに入るように心がけてみてください。そうすることで、副交感神経も活発に優位になる状況が作られるのです。
また、休日も平日と同様の起床と入眠の時間をとることです。週末の遅起きが体内リズムを乱し、月曜朝の寝覚めを悪くします。可能な限り、規則的な生活を過ごしましょう。
2−2.部屋の光に配慮する
光は脳の刺激に大きな影響を及ぼします。ベッドルームの照明はなるべく明るすぎるものは避け、ソフトなものにしてください。
LEDの光は、省電力でも強い刺激があり、寝室での活用はおすすめできません。交感神経を刺激する必要がある勉強部屋や仕事部屋などにお使いください。オヤスミ時は寝室の照明を完全に落とし、真っ暗な環境で眠ることをおすすめします。
就寝1時間前くらいから間接照明などを活用し、徐々に部屋を暗くしていくのも良質な睡眠をとるひとつの方法として有効です。
ライトにも明るさの種類があるので、寝室用は明るすぎないものを選びましょう。
2−3.リラックス環境を作る
入眠前に副交感神経を優位にするのが、リラックス環境です。そのため意図的にリラックスできる環境を作りましょう。
また、入眠に関係するもう一つの要因が脳波です。中でも入眠に関係するリラックス状態の時に出ているのがアルファ波。アルファ波を出しやすくする環境を作ることで、質の良い眠りに誘われるのです。
具体的には、
・リラックスできる音楽を聴く
・お香やアロマを焚く
・部屋の空気の湿度や温度にも配慮する。(乾燥や高温すぎないようにする)
・抱き枕を使う などです。
3.知ることで改善に繋がる!生活習慣病の種類
厚生労働省の発表によると、以下の4つの習慣が乱れることで、生活習慣病を引き起こしていると考えられています。
・食習慣
・運動習慣
・喫煙
・飲酒
それぞれの習慣がにはどのような病気の原因があるのでしょうか。ここでは細かくお伝えします。
3−1.食習慣からくる生活習慣病
毎日必ずとる食事。私たちのカラダは、口にした食べ物に含まれる栄養素から出来ています。この食習慣が乱れると、生活習慣病を引き起こす原因になります。
食習慣の乱れが引き起こす生活習慣病には、インスリン非依存糖尿病、肥満、高脂血症、高尿酸血症、循環器病、大腸がん、歯周病などがあります。
これらは栄養バランスの偏った食事を摂ることで発症することが多いです。
食べ過ぎたと自覚がある場合は、翌日の生活で意識的に摂取量を減らすなど、対処するといいでしょう。
3−2.運動習慣からくる生活習慣病
私たちのカラダは動かさなければ、その機能はどんどん退化していきます。運動習慣のない方が発症しやすい生活習慣病は、インスリン非依存糖尿病、肥満、高脂血症、高血圧症があります。
運動することで心拍数が高くなり、カラダの血液循環が良くなるため、疲労物質や老廃物がカラダの外に出されます。
エネルギー代謝が高くなることで、カラダについている脂肪を燃焼させる効果も期待できます。
ベストは週2回以上1〜3時間程度の運動をすることが望ましいです。忙しくて高頻度で行えない方は、最低でも週に1回、1時間以上の運動を行うことで全く行わないよりも生活習慣病のリスクが軽減することができます。
3−3.喫煙からくる生活習慣病
嗜好品として位置づけられていますが、喫煙は生活習慣病のリスクが高まります。喫煙習慣を継続していると以下のような生活習慣病が発症する可能性があります。
肺扁平上皮がん、循環器病、慢性気管支炎、肺気腫、歯周病など、毎日何本もタバコを吸う習慣があると、呼吸器系への疾患へのリスクが高くなります。
生活習慣病を予防するためには、禁煙することが一番です。しかし、長年に渡り喫煙してきたものをすぐにやめるのが難しいと感じる方も多いでしょう。
その場合は、1日ずつ吸う本数を限定して徐々に減らす 、禁煙治療を行うなど対応し禁煙習慣を獲得すると良いでしょう。
3−4.飲酒からくる生活習慣病
お酒好きな方にとって仕事終わりの一杯は幸せなひと時です。飲酒は少量であればカラダにいいとも言われており、良い印象を受ける方も多いのではないでしょうか。
しかし一方で、毎日のようにアルコールを大量に飲む方は生活習慣病に気をつけなければなりません。
継続的にアルコール分を過剰に摂取すると、アルコール性肝疾患を発症するリスクがあります。
アルコールによる生活習慣病を引き起させないためには、休肝日を作る、1日に適切なアルコール摂取量を目安に飲むなどお酒との付き合い方を改善することが重要です。
純アルコール分は1日20gの摂取が適当と言われています。その20gを具体的に示したものが、以下の表になります。適量を目安に飲酒するとリラックス効果や代謝を高め疲労回復効果を期待することができます。
ビール・・・・500ml 日本酒・・・・1合(180ml) 焼酎・・・・・110ml ウイスキー(W)・60ml ワイン・・・・200ml |
4.まとめ
生活習慣病のリスクと改善方法についてお伝えしました。どの方法も今日から始められる簡単なものばかりです。まずはご自身に合ったものから挑戦していき、生活習慣病を予防・改善していきましょう。
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