顔がピリピリ………。もしくは、頭がズキンズキン…。
毎年、花粉症の季節になると出てくる“頭痛”。
鼻水や目のかゆみと同時に頭痛になることもありますし、頭痛だけ出る方もいます。
「確かに花粉症の時期だけれども、この頭痛は関係があるの?」とお考えの方もいるでしょう。
このような頭痛は、仕事や家事に悪影響をもたらし、大変お困りかと思います。
そこでこの記事では、花粉症と頭痛の関係について、また花粉症の頭痛の時に使えるお薬や予防改善の方法をお伝えします。花粉症による頭痛でお悩みの方や、すぐ解消したい方はぜひ参考になさってください。
この記事は本文中で紹介したサイトと、各製薬会社が一般公開している情報のほか、以下の文献を参考にしました。
米国アレルギー・喘息・免疫学アカデミー「HEADACHES CONNECTED TO ALLERGIES AND SINUS PROBLEMS」
米国アレルギー・喘息・免疫学カレッジ「Allergy Headaches」
1.花粉症が原因の頭痛は2種類
実は頭痛のうち、花粉症(アレルギー)が原因と考えられるものはわずかしかありません。自己判断で花粉症からの頭痛と決めつけないでください。花粉症時期に頭痛を発症し痛みにお困りの方は、安易に「花粉症」としてアレルギー治療を受けるのではなく、「頭痛」を主訴として診療を受けることをお勧めします。医師はさまざまな可能性を考え、検査をしてその原因を確定し適切な処置を行います。
以下の解説はそのことを踏まえてご一読ください。
1−1.副鼻腔頭痛
特徴としては、
・顔の表面にピリピリとした痛みを感じる
・目のまわりや鼻の奥に「ウッ」とするような圧迫感がある
・鼻水よりも鼻づまりを強く感じる などです。
これがなぜ起こるかと言いますと、頭部には4つの副鼻腔があります。これらは狭い通り道によって鼻に繋がる空間であり、粘液や他の液体が流れるようになっています。一つの袋のような構造をしているとお考えください。
体が花粉に反応すると、これらの腔の膜が炎症を起こし、生成される流体の体積および粘性(厚さ)が増加します。この粘液を排出することができずに、内部の圧力が上昇するわけです。
これにより、副鼻腔頭痛および他のタイプの顔面痛が引き起こされるのです。
花粉症に限らず、通り道が長くふさがったままだと、粘液が膿となります。こうなると継続的な痛みや鼻づまり、不快な鼻水、いびきを引き起こします。それが副鼻腔炎で、いわゆる蓄膿症です。
- まれに副鼻腔内に細菌が感染することで、副鼻腔炎が起きることがあります。花粉症による鼻づまりからの痛みだと思ったら、原因は別の所にあった、という例です。このように原因は様々です。また花粉症が原因ではない場合、対処の仕方は様々ですので、ぜひ医師の診察を受けてください。
1−2.偏頭痛(片頭痛)
花粉症で起こりうるもう一つの頭痛が偏頭痛です。偏頭痛は、頭の片側や一部に発生することが多くそう言われていますが、両方や全体に起こることもあります。
ズキズキと脈を打つような痛みが特徴で、日やライトの光、パソコンの画面、音や振動で増幅することが多いようです。
花粉症が偏頭痛を引き起こす理由はまだよく分かっていません。花粉症の際に放出されるヒスタミンが引き起こす可能性もあると考えられています。
2.花粉症の頭痛に効果的な薬
今すぐ花粉症の頭痛を何とかしたい方に、ここではもっとも即効的な改善策“薬”の使用について解説します。
2−1.花粉症薬と頭痛薬を同時に飲んでも大丈夫?
頭痛薬(痛み止め)と花粉症の併用は、内外の医療情報を参考にするとよく処方される組み合わせで、短期的かつ基準範囲内の飲み合わせは問題ないと考えられます。
しかしながら、痛み止めの多くは胃腸に痛みを発生させる副作用があります。米国の医療相談サイトでは、下記のように説明しています。
慢性的または高用量でイブプロフェンを服用している場合は、まず主治医に相談してください。イブプロフェンには多くの副作用があり、重大なものになる可能性があるからです。これには、胃潰瘍や腸管出血を引き起こす可能性のある胃の刺激が含まれます。特に、アスピリンのような胃に刺激性を与える他の薬を先に服用した場合、また、心臓や腎臓の問題など、特定の慢性的な医療問題を抱えている人は、イブプロフェンを服用しないでください。
www.zocdoc.com
また、有名な薬「ロキソニン」の副作用として重篤なものは腸閉塞です。ロキソニンもイブプロフェンもアスピリンも痛み止めですので、十分に注意なさってください。
他の薬との飲み合わせで副作用も起こる可能性があります。他に服用している薬がある場合は、説明書をよく読み、できるだけ医師・薬剤師に相談するようにしてください。
2−2.頭痛に効果的な薬(市販薬)
痛み止めを使用することは、炎症を抑えることにもなります。もし今すぐ頭痛を何とかしたいのであれば、効果を生む可能性があります。
一般的な花粉症の薬を指示書どおり飲んでいれば併用は可能です。代表的な頭痛薬は次のとおりです。効果の高い(=リスクの度合いも高まる)と言われる順に列記します。
・ロキソニンS(ロキソプルフェン)
・セデス・ハイG(イソプロピルアンチピリン)
・ナロンエースR(イブプロフェン、エテンザミド)
・イブクイック頭痛薬(イブプロフェン)
・ノーシンピュア(イブプロフェン)
・バファリンA(アスピリン)
・バイエルアスピリン(アスピリン)
・タイレノール(アセトアミノフェン)
2−3.花粉症に効果的な薬(市販薬&処方薬)
花粉症をはじめとするアレルギー薬の代表が抗ヒスタミン薬です。 アレルゲン物質に反応して身体によって生産される化学物質であるヒスタミンの影響を抑えるものです。
ヒスタミンは、くしゃみ、かゆみ、かゆみ、かゆみなどのアレルギー性鼻炎の症状の原因となります。マスト細胞から発生したヒスタミンは神経の固有受容体に結びついてアレルギー反応を起こします。抗ヒスタミン薬は、この固有受容体とヒスタミンの結合をブロックするものです。
抗ヒスタミン薬は、歴史が長い薬で効果が高いのですが、古いもの(第一世代抗ヒスタミン薬といいます)は即効性があるといわれる反面、眠気を引き起こす可能性があり、定期的に服用すれば、学習や記憶、行動の質に影響を与え、一定の鈍さを感じたり生じること(インペアード・パフォーマンス)があります。
比較的新しい第二世代抗ヒスタミン薬は、この眠気を抑えたものと言われていますが、長期の使用はインペアード・パフォーマンスを引き起こす可能性があることをわかったうえでご使用ください。
2−3−1.代表的な抗ヒスタミン剤(市販薬)
・アレグラFX(フェキソフェナジン塩酸塩・第二世代)
・アレジオン20(エピナスチン塩酸塩・第二世代)
・スカイナーAL(アゼラスチン塩酸塩・第二世代)
・レスタミンコーワ(ジフェンヒドラミン塩酸塩・第一世代)
・プレコール持続性鼻炎カプセルL(塩酸塩酸プソイドエフェドリン・第一世代)
2−3−2.代表的な抗ヒスタミン薬(処方薬)
病院での処方薬のほうが効き目が高く、その分取り扱いに注意が必要とお考えください。第二世代でもアレロックやジルテックは比較的眠気を催しやすいようです。いずれにしても服用後の車の運転等はお控えください。
・ポララミン(d-クロルフェニラミンマレイン酸塩・第一世代)
・アレロック(オロパタジン塩酸塩・第二世代)
・ジルテック(セチリジン塩酸塩・第二世代)
・ザイザル(レボセチリジン塩酸塩・第二世代)
・アレグラ(フェキソフェナジン塩酸塩・第二世代)※市販薬との違いは主に適用範囲の違い
2−3−3.炎症性メディエーター遊離阻害薬(市販薬)
アレルギー発生時、マスト細胞からはヒスタミンやロイコトリエンなどという炎症性メディエーターという化学物質が放出されます。このマスト細胞を安定させて放出を防ぐ薬です。眠くなりにくい特徴があります。発症前から服用することで予防効果が高い薬です。
・アレギサール鼻炎(ペミロラストカリウム・市販薬)
・インタール(クリモグリク酸ナトリウム・処方薬)
・リザベン(トラニラスト・処方薬)
前述した第二世代抗ヒスタミン薬にも同様の効果が含まれています。
2−3−4.鼻腔内コルチコステロイド(処方薬)
いわゆるステロイド薬です。アレルギー性鼻炎の場合は点鼻薬が処方されることが多いようです。効果が高い薬剤として知られており、病院では症状がひどい時に第二世代抗ヒスタミン薬と併せて処方されるケースが一般的です。
・ナゾネックス
・アラミスト
・ナザールAR
2−3−5.漢方薬
東洋医学の考え方で、天然素材を使用して処方されるのが漢方薬です。漢方薬はその薬が患者さんに合うかどうかを判断して処方されます。
小青竜湯は、アレルギー性鼻炎の時によく処方される代表的なお薬ですが、合う合わないを知るために一度は漢方医に診てもらったほうが良さそうです。
・小青竜湯
3.花粉症の頭痛を少しでも避ける方法
医師の診察の結果、花粉症が頭痛を引き起こしているとなったら、花粉やハウスダストなどのアレルギー物質を遠ざけることが必要で、セルフでできる唯一ともいえる方法です。その具体的なやり方をお伝えします。
3−1.屋外の花粉を避けるには
- 花粉飛散のピーク時(お昼前後と夕方)や風があって花粉を飛散させているような天候時は、できるだけ屋内にいる。
- 屋外にいるときは花粉メガネやマスクを着用して、花粉が目に入る量を最小限に抑える。
- 花粉フィルターのない外気ファンの使用を控える。
3−2.屋内での対策
- 窓を閉じたままにしてエアコンを使用する。車の空調は「内気循環」にする。エアコンのフィルター等は定期的に綺麗にしておく。
- 屋内に入る前に衣服をブラッシングする。
- 特に寝室では、ほこりやダニへの対策を行う。 枕、布団、マットレスには「ダニ防止」カバーを使用する。
- 居室や寝室では空気清浄機を使用する。
- カビを避ける。湿度を30〜50%程度に保ち、バスルーム、キッチン、地下室を定期的に清掃する。
- カビが発生している場合は、洗剤と漂白剤などで対策を行う。
- 湿気の多い場所では除湿器を使用する。貯水カートリッジは頻繁に空にして清掃する。
- 花粉やハウスダストを吸着させるために湿ったモップや雑巾でフロアを掃除する。
3−3.ペットにも注意する
犬・猫・鳥などのペットはそれ自体がアレルギーの原因となることもありますし、被毛についた花粉やハウスダストがアレルギーを引き起こすこともあります。
- 動物に触れた直後に手を洗う。
- 可能な限り室内飼いをする。 寝室には入れないようにする。
- カーペットは毛やダニ、ハウスダストを吸着しやすいので、フローリングやタイルなどが望ましい。
4.花粉症からの頭痛を予防改善する方法
頭や顔に付着した花粉がアレルギー症状を引き起こします。こまめに除去する取り組みが必要です。
- 1日に数回、お湯で顔を洗う。
- 水分を多くとる。このことで副鼻腔内の粘液が薄まり排出されやすくなる。
- 1日に2〜4回、顔に蒸気を当てる。(シャワー時など)(ミクロの霧で花粉をブロックする「イハダアレルスクリーン」なども)
- 1日に数回、鼻うがいを行う(痛くない鼻うがい薬「ハナノア」などが利用しやすい)。難しい方は生理食塩水で鼻スプレーをする
- ペパーミントオイルなどのハーブ系アロマセラピーで効果を感じる人もいる。
5.呼吸を深くするツールエクササイズ
鼻づまりがあると呼吸が浅くなります。呼吸が浅いことは心身の緊張を高めます。また頭痛で前かがみ状態が続くこともストレスを増大させ、姿勢に負荷をかけ続けます。その結果、肩こりなどのトラブルを増大させます。
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ストレッチポール®を使用したエクササイズの方法や効果は、別記事「ストレッチポール®の効果と誰にでも効果が得られる使い方」にて詳しくご紹介しています。
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6.まとめ
花粉症の頭痛を解消する方法をお伝えしました。即効性が高いのは薬の服用ですが、その頭痛が花粉症によるものかは医師の診察をあおいでください。
また予防については、アレルギー症状は花粉だけではなく、ハウスダストやダニ、カビからも起こりうることを理解していただければと思います。発生のメカニズムが似ているので、それらからも同様の症状が起こりえるものです。できるだけ対策をされることをおすすめします。
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