スポーツをする上で、どうしても改善したい動作というのが出てくることがあるかと思います。今回は、サッカーにおけるニーイン、膝が内側に入ってしまう動作です。切り返しやキックの軸足でニーインが起こると、膝の怪我リスクが非常に高まります。またタックル受けた際にも、ウィークポイントとなってしまいます。今回は、Jリーグ、横浜F・マリノスにてチーフトレーナーを務める日暮清さんに監修をいただき、サッカー選手のニーイン改善メニューを伺いました。
この記事は日暮清さんに監修いただきました。 |
目次
1.表面上の動きだけでなく、試合中にとっさに起こる動きまで改善することがゴール
膝の怪我に繋がるリスクの高い、膝が内側に入る動き。表向きの動きが改善した場合でも、試合での切り返しなど、とっさの動きが再学習できていないと、プレー中の怪我につながってしまいます。
膝が内に入る原因は足関節なのか、股関節なのか、体幹部なのか、可動域不足なのか、筋力不足なのか。もしくは、ひとつひとつの機能は問題なくとも、運動学習が適切に行われていないために起こっているのか。これらの要因をチェックしながら、エクササイズを処方していきます。
今回は、その一部をご紹介します。
2.チェック方法
正面を向いたまま、片脚でスクワットを行います。膝の向きがつま先よりも内側に入ってしまうと、NGです。
また、かかとの下に少し高さのあるものを入れて、動作が改善する場合は足関節に問題がある可能性が高いです。エクササイズ3−1を行いましょう。
3.改善エクササイズ8種目
改善エクササイズをご紹介します。かかとの下にものを入れて動きが改善した方は3−1を、それでも改善しない方は、3−2から取り組みましょう。
3−1.足関節のセルフモビライゼーション
足関節に問題がある方のエクササイズ。通常、トレーナーやセラピストが手技で行いますが、セルフで行える方法です。写真のようにチューブを引っ掛け、少し引っ張られた状態で膝の曲げ伸ばしを行います。足関節の動きを正常にすることを目的としています。膝はつま先と同じ方向に曲げるように意識しましょう。
3−2.ストレッチポール上で股関節内外旋
足関節に問題のない方は、ほとんどの場合股関節に原因があります。柔軟性・可動域なのか、動きの問題なのか、を見極めるのは個人では困難です。順番にアプローチしていきます。
ストレッチポール上で両足を伸ばし、つま先を内側、外側と動かします。
3−3.ストレッチポール上で脚回し
ストレッチポール上で両手を前ならえのように伸ばします。バランスを保ちながら、片足を持ち上げ、大きく回します。
体幹部を安定させたまま、股関節を動かします。
3−4.腸腰筋ストレッチ
ストレッチポール上に骨盤を乗せ、片膝を抱えます。地面に寝てもストレッチできます。写真の場合、左側の腸腰筋がストレッチされています。イメージとしては、股関節の前面にあるとお考えください。
3−5.筋膜リリース
大腿部の筋膜リリースを行います。
3−6.四つ這いエクササイズ
四つ這いの状態で、片足を回します。この時、身体がブレないようにバランスを保ちましょう。写真のように、膝を不安定にするとより難易度が上がります。
3−7.股関節外旋筋トレーニング
膝を外に保つための筋肉をトレーニングします。不安定な環境で、膝の向きを維持したままバランスをキープします。スクワットをすると強度UPです。
3−8.サイドステップ
チューブを巻いた状態でサイドステップを行います。この時も、膝の向きが正面を向いている状態をキープしましょう。
3−9.ピボットターン
膝の向きを維持したままピボットターンを行います。
まとめ
サッカー選手によくある、膝が内に入るクセを解消するエクササイズをご紹介しました。ただ動きができるようになるだけでなく、プレー中に無意識の動きができることが大切です。膝のケガは選手生命にも関わってきます。
ぜひ、取り入れてみてください。
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