お腹周りを引き締めて若く見られたい。かっこいいカラダになって自信をつけたい。
このような理由から腹筋を筋トレしている方も多いと思います。しかし多くの方は闇雲に腹筋をして、無駄な時間を費やしているように思えます。それは腹筋のメカニズムを知らずに、形だけのトレーニングをしてしまっているからなのです。場合によっては腰などを痛めることもあります。
最短に効果を発揮するためには、安全で効果的なトレーニングを継続的に行うことが必要です。それにはまず腹筋のメカニズムを知り、効果の上がるポイントを把握し、そこに適切にアプローチするトレーニングを行いましょう。
そこでここでは、腹筋のメカニズムとそれに即したトレーニング方法、さらに誰でも効率的に効果を体感できるように初心者~上級者まで3つのレベル別の1週間メニューを作りました。理想的な腹筋を手に入れたい方であれば、ご一読頂き実践頂ければ納得していただけるはずです。引き締まったお腹や、6つに割れた腹筋を目指してぜひトライしてください。
この記事は石塚利光が監修しました。 日本コアコンディショニング協会コアコンディショニングリサーチディレクター/東京大学女子バレーボール部トレーナー/米国公認アスレティックトレーナー (BOC-ATC) /日本トレーニング指導者協会・認定上級トレーニング指導者(JATI-AATI)/ペンシルベニア州立カルフォルニア大学卒業/前・福岡大学助教/訳書「アスレティックボディ・イン・バランス」(Gray Cook著) |
目次
1.最短で効果を出すために知っておきたい腹筋のメカニズム
最も効果的な方法で行うためには、腹筋について正しい知識をもった上でトレーニングをしていくことが大切です。それによってエクササイズしながら鍛えるべきポイントが理解できるからです。腹筋のメカニズムを知って最短日数で理想的な効果を引き出しましょう。
1−1.「腹筋」は4つの筋肉からできている
腹筋は以下の4つの筋肉から構成されています。
・腹横筋(ふくおうきん)
・腹直筋(ふくちょくきん)
・内腹斜筋(ないふくしゃきん)
・外腹斜筋(がいふくしゃきん)
腹筋は、動きの中でカラダを安定させる他にも、呼吸やお腹の中の圧力を高めて排泄をサポートするなど、私たちが生活していく中でとても大切な筋肉です。上記の筋肉を意識して筋肉別に、または複合して筋トレすることで効果的に鍛えられます。
1−2.「腹筋」は伸ばす時にも負荷をかけることが大事
腹筋を鍛える時に注意したいのがカラダの動かし方です。腹筋を行う時にどうしても上体を起こすことばかりに意識が行きがちですが、効果的に行うためには上体を倒す時の意識が大切です。ポイントは筋肉に負荷をかけながら伸ばしていくことです。これをエキセントリックな運動といいます。
筋肉痛が出やすい方とそうでない方の違いはこのエキセントリックな運動ができているかどうかの違いとも言われています。筋肉を縮めた時だけでなく、伸ばす時にも意識を向けてトレーニングを行いましょう。
1−3.「腹筋」は徐々に強度を上げていくことで発達する
トレーニングの5大原則の中に「漸進性の原則」というものがあります。これは筋肉(カラダ)を強くするためには、カラダの成長に合わせて少しずつ強度を高めていくことが必要という意味です。皆さんが行うトレーニングもこの原則に沿ったものが望ましいです。しかしなかなか具体的にイメージが掴めないかもしれません。
この後にご紹介するエクササイズメニューはこの漸進性の原則を元に徐々に運動強度が高まるようにして作成しています。
以前は常識だと思われていたことが、徐々に変化してきています。例えば、昔から行われている腹筋体操の一つ「上体起こし」。最近ではカナダの海軍兵士の体力テストから排除されたことがニュースでも話題になりました。腰痛やケガなどの原因になることが分かってきたからです。また、反動を利用して起こすことができるなど、ベストな腹筋トレーニング方法とは言えなくなってきました。安全かつ効果的な観点から、今後行われなくなると予測されます。
2.まずは1週間継続!お腹を引き締めるレベル別7daysメニュー
上記の3つのポイントを押さえた上でトレーニングを行うと、効果的に腹筋を鍛えることができます。しかし、ポイントはわかったけれども効果的にトレーニングを行う方法とメニューを考えるのが難しいと感じたり、毎日同じメニューをこなすことは、飽きを生じさせます。
そこで、カラダの負荷レベル別にトレーニング効果が出るように1週間トレーニングメニューを作成しました。現状のカラダのレベルは人それぞれ違うので、自身のカラダの調子に合わせてまずは1週間実際に行い効果を体感してください。
物足りなかったり、余裕がある方は次のトレーニングメニューへぜひ挑戦してみてください。(メニュー名をクリックもしくはタップするとそのメニューの説明にリンクします。)
2−1.初心者向けトレーニングメニュー
まずは普段運動習慣がない初心者向けのトレーニングメニューです。主に強度レベル1のものを中心に無理なくできるように。さらに週の後半に行くに進むにつれて強度が少しずつ上がっていくようにメニューを作りました。まずは腹横筋を意識していくところから始めていきましょう。
2−2.中級者向けトレーニングメニュー
初心者向けトレーニングメニューを余裕を持ってできる方や、日常的にトレーニング習慣がある方にオススメのメニューです。主に強度レベル2のものを中心に無理なくできるようにしています。さらに週の後半に進むにつれて負荷が上がっていくようなメニューを作りました。適度な筋肉痛を感じたい方はぜひチャレンジしましょう。
2−3.上級者向けトレーニングメニュー
中級者向けのトレーニングメニューでは物足りなく感じた方はぜひ、上級者向けのトレーニングメニューにチャレンジしてみてください。主に強度レベル3のものを中心に。さらに週の後半に行くに進むにつれて強度が少しずつ上がっていくようにトレーニングのやりがいがあるメニューを作りました。しっかり鍛えたい方はぜひチャレンジしましょう。
3.正しい腹筋エクササイズのやりかた
ここでは第1章でお伝えした以下の筋肉にアプローチするエクササイズをご紹介します。
・腹横筋
・腹直筋
・腹斜筋(内腹斜筋・外腹斜筋)
主に筋肉別に鍛えられるように、初心者から上級者の方までできる3つのレベルを設定しました。上記のメニューを参考にぜひ挑戦してみてください。
3−1.腹横筋の筋トレエクササイズ
腹横筋は体幹部を安定させる筋肉で、内臓の位置などを整えるなどとても重要な働きをしています。ここでは、初心者・中級者・上級者用に3つのエクササイズをご紹介します。始めに紹介するエクササイズからだんだんと強度を上げていきますので、まずは順番に行い自身のレベルに合わせてエクササイズを選択してみてください。
レベル1:仰向け腹式呼吸
まず始めに腹横筋を触ってみましょう。腹横筋はベルトをかける腰骨(正式には上前腸骨棘「じょうぜんちょうこつきょく」と言います)から指二本分中心へさらに二本分床側にとった部分で触ることができます。(下の図の★マーク)息を吐きながら★マークの部分を触っていくと息を吐き切るときに筋肉が縮こまるのがわかるので、しまっている感覚を感じましょう。エクササイズ方法:
仰向けで横になり、膝を軽く曲げて床につけます。手を腹横筋にあてて息をゆっくり吸いながらお腹を膨らまし、遠くに長くゆっくりと息を吐き出しましょう。息を吐ききったときに腹横筋が引き締まる感覚をつかみましょう。ゆっくりリラックスしながら5~10回を目安に行いましょう。
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レベル2:テーブルトップ腹式呼吸
足を床から持ち上げて行う中級者用のエクササイズです。腹横筋の力が抜けないように意識して行いましょう。
エクササイズ方法:
仰向けで横になり、膝を90度に曲げて膝から足首までが床と平行になるように姿勢を整えます(テーブルトップポジション)。手を腹横筋にあてて息をゆっくり吸いながらお腹を膨らまし、遠くに長くゆっくりと息を吐き出しましょう。息を吐ききったときに腹横筋が引き締まる感覚をつかみましょう。ゆっくりリラックスしながら5〜10回を目安に行いましょう。
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レベル3:両手両足挙上
最後は手足を負荷にしてトレーニングしていきます。動かす中で腹横筋の力が抜けないように行うため、上級者向けのトレーニングです。
エクササイズ方法:
仰向けで横になり、膝を90度に曲げて膝から足首までが床と平行になるように姿勢を整えます。両手を天井にあげ、息をゆっくり吸いながらお腹を膨らまし、遠くに長くゆっくりと息を吐き出しましょう。息を吐ききったときに腹横筋が引き締まる感覚をつかみます。腹横筋を引き締めたままの状態で片足を床面ギリギリまでおろします。足を交互に入れ替えながらゆっくりリラックスし左右5〜10回を目安に行いましょう。
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3−2.腹直筋の筋トレエクササイズ
シックスパックといえば腹直筋です。主に前屈するときに使う筋肉なので上半身を前に倒すと力が入っているのを感じることができます。ここでは3つのエクササイズをご紹介します。※もし、エクササイズ中などに腰が痛くなった場合は運動を中止してください。
レベル1:ロールダウン
腹直筋の下部にアプローチする初心者向けトレーニングで、ゆっくり行うことでより強度が増していきます。
エクササイズ方法:
膝を90度にした状態で座ります。手は膝の上に乗せます。息をゆっくり吐きながら目線はおへそに向け、肩甲骨の下が床につくギリギリのところまでカラダを倒していきます。倒しきったら上体を起こして繰り返していきます。
5秒かけて下すのを目安に10回行いましょう。
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レベル2:V字クランチ
ダイナミックな動きの中で腹直筋を全体的に鍛えていくエクササイズです。動作のはじめと終わりはしっかり止めてメリハリを付けることで体幹部が安定するので動きを自在に操ってください。
エクササイズ方法:
両手両足が一直線になるようにして仰向けで横になります。上体と足を均等に持ち上げてVの字を作ります。手足を上げたときよりもゆっくりと動きをコントロールして下しましょう。10回を3セットを行いましょう。
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レベル3:ヒップアップアブドミナル
腹直筋トレーニングの上級者トレーニングです。脚の重みを支えバランスを保つために筋力が必要なのでトレーニング効果が高いエクササイズです。
エクササイズ方法:
仰向けの状態で両足を天井に向かってまっすぐ引き上げます。膝は少し余りがあるくらいに軽く曲げておくといいでしょう。腰が床から離れるところまで引き上げます。腰を床面に戻しこの動作を繰り返します。10回3セットを目安に行いましょう。
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3−3.腹斜筋の筋トレエクササイズ
腹斜筋には内腹斜筋と外腹斜筋の二つがありますが、腹筋運動の際に外腹斜筋は反対側の内腹斜筋と連動して働くために、ひとつのトレーニングで両方の腹斜筋を鍛えることができます。
レベル1:ツイストクランチ
初心者向けのトレーニングです。くびれ作りなどを目指す女性でも簡単にできるエクササイズです。
エクササイズ方法:
仰向けで横になり、膝を90度に曲げ足を床面につけます。反動を付けないようにして、対角の膝の外側をタッチするように上半身を捻りながら持ち上げましょう。一度おろして反対側も行い、この動作を繰り返し行います。首や腕に力が入らないように注意して動きの速さをコントロールしましょう。
左右10回3セットを行いましょう。
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レベル2:レッグツイスト
脚の重みを利用した腹斜筋トレーニング中級編です。
エクササイズ方法:
仰向けで横になり両手をひらきます。両足をまっすぐ天井に向け持ち上げ、左右におろしていきます。この時肩に力が入ったり、カラダが捻じれて背中が浮かないようにカラダをコントロールすることがポイントです。
左右15回3セットを目安に行いましょう。
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レベル3:ツイストブリッジ
体幹部を空中に浮かせた状態で崩れないように動きをコントロールするエクササイズです。腹斜筋や腹横筋などウエスト周りの筋肉を鍛えることができます。
エクササイズ方法:
腕立て伏せの姿勢から片脚を浮かせて安定させます。カラダが安定してきたら膝を曲げ足首を内側に入れ反対側の手と足の間に滑り込ませます。この時極力脚が床につかないように意識し、体幹部を安定させましょう。脚を入れ替え反対側も繰り返し行います。左右10回3セットを目安に行いましょう。
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4.種目間のインターバルは呼吸が整うくらいがベスト
腹筋に限らず、筋トレする上で気になるのが、「セットや種目間の休息をどれくらいとったらいいのか」ということです。つまりインターバルの適正な時間をお知りになりたいかと思います。もちろん運動の目的や強度によってセット間のインターバルなどが変化しますが、目安としてセット間は60~90秒。種目間は5分以内と言われています。今回ご紹介したメニューでのインターバルはセット間で60秒、種目間では3分以内というのを目安にしてください。例えば呼吸が整い、次のセットや種目がいけるなと感じた方は、目安時間よりも短い休憩時間(例えば20秒のインターバル)でトレーニングを行っても問題ありません。
5.筋トレは1日のなかでいつ行うのがベストか
1日のなかでいつやるのがいいのか悩む方も多いかもしれません。これに対する答えとしては、「いつ行っても良い」ということになります。アメリカの運動生理学博士によると、トレーニングをする時間帯は基本的に個人の好みの問題であり、自分の最もトレーニングしやすい時間帯で、毎日規則的にトレーニングに割り当てるのが良いとしています。
当ブログとしては、あなたがもしダイエットのために腹筋を筋トレしようと考えているのであれば、朝食前の時間にトレーニングすることをオススメします。これは起床時がエネルギーが枯渇状態にあるからです。そのタイミングで運動すると、カラダは脂肪と筋肉を分解してエネルギーに切り替えていると言われています。
この理論を利用して朝食前にトレーニングをすることでダイエット効果を高めることができると言えるでしょう。しかし、エネルギー生成のために筋肉も分解されるため、朝食でタンパク質を摂取し、筋肉を再合成させましょう。
反対に就寝前少なくても1時間は、トレーニングを控えるようにしましょう。これはカラダがトレーニングによって覚醒してしまい、良質な睡眠の獲得を妨げるためです。夜トレーニングを行う際には注意しましょう。
6.まとめ
レベル別に腹筋の筋トレ方法についてお伝えしました。まずは自身のレベルに合わせて運動強度を選択し、1週間継続して効果を体感してみてください。気になるお腹周りを腹筋トレーニングで解消しましょう。
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