猫背だなあ、と思いながら毎日改善のためにストレッチやトレーニングをしている方は意外と少ないのではないでしょうか。
痛みなどの緊急性がない限り、習慣がない方にとって毎日のようにストレッチやトレーニングをするのは正直めんどくさいものです。
しかし、カラダに痛みや歪みが出る前に毎日たった10分間だけでも正しい方法でストレッチするだけで、猫背やカラダの痛みの防止ができます。
それだけストレッチは必ずやった方がいいことなのです。
このことで日常生活の中で固まりがちな筋肉を解し、疲れにくいカラダへと変化させてくれるので、猫背だけでなく疲れが溜まりやすいと感じている方にも効果的です。
今回は姿勢だけでなく、肩こりや腰痛の改善にもつながる猫背改善のストレッチを5つお伝えします。
どのエクササイズも簡単で、トータル10分程度で終えることができます。ぜひ今日から実践してみてくださいね。
この記事は石塚利光が監修しました。 日本コアコンディショニング協会コアコンディショニングリサーチディレクター/東京大学女子バレーボール部トレーナー/米国公認アスレティックトレーナー (BOC-ATC) /日本トレーニング指導者協会・認定上級トレーニング指導者(JATI-AATI)/ペンシルベニア州立カルフォルニア大学卒業/前・福岡大学助教/訳書「アスレティックボディ・イン・バランス」(Gray Cook著) |
目次
1.猫背ストレッチの前に気を付けたい悪い姿勢
日頃の疲れからか、なんだかカラダの調子が良くない。
日常生活の中で出来上がってしまった悪い姿勢が原因で猫背に困っている方が増えてきています。
猫背で特に注意したいのが、肩が前に出てしまって背中が丸くなり、首が前に出ること。
また、骨盤が後ろに倒れて腰が丸くなってしまうことです。
日常生活の中でふとした時に姿勢を治すことが出来るように意識してみましょう。
1-1.日常生活で意外と多い肩が前に出てしまう姿勢
デスクワークや家事の時の腕を前に出す姿勢をずっと取り続けていると、背中が丸くなりやすく肩が前に出やすくなります。
この原因は画面をのぞき込んだり、深いシンク内で洗浄するときに背中を丸めた姿勢を長時間続けることで、その姿勢をカラダが認識して胸の筋肉や背中の筋肉が固まってしまいます。
仕事や家事の合間に前項で紹介した胸のストレッチや肩甲骨のストレッチを少しやるだけでとても効果的です。悪い姿勢に気づいたらぜひお試しください。
1-2.猫背を引き起こす原因は骨盤にもあった
座り方ひとつにしても猫背になりやすい座り方とそうではない座り方があります。
私たちのおしりには座骨という、座面をとらえて骨盤を正しい姿勢の状態で座る骨があります。
しかし、この座骨で座れずに背もたれに寄り掛かり背中を丸める形で座ってしまう方が増えてきています。
この背中の丸まったままの状態でいると、お腹やももの裏・おしりの筋肉が縮こまって固まってしまい、腰痛などの痛みを引き起こす原因になります。
長時間座らなければならないときは、こまめに立つか、これからご紹介するお腹のストレッチ、ももの裏・おしりのストレッチをしてカラダをリセットしましょう。
2.1日10分でできる簡単猫背改善ストレッチ5選
猫背を解消するには5つのポイントがあります。
それは
・胸の筋肉をほぐすこと
・首の筋肉をほぐすこと
・肩甲骨周りの筋肉をほぐすこと
・お腹の筋肉をほぐすこと
・ももの裏やおしりの筋肉をほぐすこと です。
この5つのポイントをストレッチしていくことで、猫背の症状や筋肉のこわばりをとることができます。
ここでは、各部位ごとに特にオススメのストレッチを1つずつお伝えします。ポイントは気持ちのいい程度にストレッチをかけて伸ばしていくことです。
※痛みが出たときは無理に続けず、必要に応じて専門家の助言を仰いでください。
2-1.胸のストレッチ
胸の筋肉の緊張をストレッチして肩が前に出るのを未然に防ぎます。
このストレッチにより、胸を開くことで呼吸もしやすくなり、猫背改善に繋がります。
エクササイズ方法:
背中で両手を組みます。組んだ両手を遠くへ伸ばし、胸を軽く張りましょう。
肩の緊張感を抜いて肩甲骨を意識的に動かしましょう。
手を組んで引っ張るとどうしても肩に力が入ってしまう場合、手を内側に捻り、手のひらを外側に向けて伸ばすと胸が伸びます。
ゆっくりとした自然な呼吸で20〜30秒かけてストレッチを2セットして行きましょう。
2-2.首ストレッチ
猫背で前に出てしまった頭が原因で、長時間負荷のかかった首の筋肉を解していくことで痛みを未然に防ぎましょう。
※首は様々な筋や神経が通っているデリケートな部分です。伸ばす時は慎重に行うようにしてください。
エクササイズ方法:
首を右(左)に倒します。
右手(左手)を左頭(右頭)のこめかみあたりにおき、軽く頭を倒すのを補助するように引っ張りましょう。
首筋が気持ちよい程度の強さで20~30秒かけてのストレッチを左右1セットずつ行いましょう。
各エクササイズ20~30秒ほど伸ばしましょう。
2-3.肩甲骨ストレッチ
同じ姿勢を長時間していて固まってしまった筋肉に対して肩甲骨を動かして張りをほぐしましょう。
※肩甲骨は日常生活の中であまり意識して動かしてる部位ではないので、初めての方はストレッチを行いながら肩甲骨の動きを感じるところから始めましょう。
エクササイズ方法:
両手を上へあげます。
手のひらを外側に向け、肘を曲げながら手を下していきます。
この時軽く胸を張りながら肘は軽くカラダの後ろの方へ引いてストレッチをします。
呼吸を整えながら15回~20回行いましょう。
※肩甲骨が内側によると左図のように服にしわが寄ります。
背中全体があつくなってくるのを感じ取りましょう。
2-4.お腹のストレッチ
長時間スマホやPCを使用して丸くなってしまった背中の筋肉をほぐすストレッチです。
お腹を伸ばすことで上半身を起こしやすくすることができます。
エクササイズ方法:
うつ伏せで床に横になります。
胸の横に手をつき上半身を起こします。
この時、おへその下あたりまで床から離してみましょう。
おなか周りがストレッチされている感覚を感じながら20~30秒のストレッチを2セットしましょう。
ポイントは肩の力を抜いて目線は天井を向くことです。
2-5.ももの裏・おしりのストレッチ
最後は長時間座り続けて固まってしまったももの後ろとおしりの筋肉を解すストレッチです。
なかなか筋肉の張りや疲れを感じにくい場所ですが、定期的に伸ばしてあげることで猫背予防につながります。
エクササイズ方法:
仰向けで横になります。
右足(左足)の裏(難しければ膝)を抱えて左右の足を20~30秒引っ張ります。
ももの裏が伸ばされているのを感じましょう。
また、かかとが内側にくるように膝を外側に曲げて膝・かかとを持ちましょう。
かかとを持つ手を胸の方に引き上げるようにしてもも裏の付け根からおしりにかけてストレッチして行きます。
左右20~30秒かけてストレッチしましょう。
3.カラダの不調は猫背が原因│猫背放置はとってもこわ〜い
慢性的に疲労感がある方はもしかしたら疲れが溜まりやすい猫背姿勢のせいかもしれません。
デスクワークをしてパソコンの画面をのぞき込みながら指先だけを動かしたり、スマートフォンばかり見ていたりすると頭が前方に出やすくなり猫背姿勢になりやすくなります。
実はこの猫背姿勢、カラダのいたるところに負担がかかる放っておくととっても怖い姿勢なのです。頭が前に出て背中が丸まることで、常に首と背中・腰に負担がかかり続けるため、頭痛や肩こり、腰痛などの慢性的な痛みを伴う原因になってしまいます。
すでに猫背の方でも、前項のストレッチをすることで、痛みの緩和や改善が見込まれます。ぜひ実践して健康なカラダを手に入れてください。
4.まとめ
猫背の原因はひとつではありません。日常生活の中で崩れてしまった姿勢、または崩れる恐れのある部分をストレッチで改善して行くことが大切です。
今回お伝えしたストレッチは、短時間で原因となる筋肉を緩めることができます。
ストレッチで獲得した正しい姿勢を維持するように、ふとした瞬間に自分の姿勢を確認する癖をつけるようにしましょう。
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