健康志向の方にプロテインが注目されています。脂質、糖質を控えめにして高純度なたんぱく質が摂れるからです。
しかし「よし、飲んでみよう!」と思って通販で買ったはいいが、「どうやって飲むの?」とお考えの方は少なくないでしょう。
パッケージには簡単な説明しか書いてないことがほとんどだからです。いつ、どのように飲めば最も効果的なのかを知りたいのに、誰かのアドバイスを待たねばなりません。
そこでこの記事では、プロテインの飲み方について最適な方法をお伝えします。実際に毎日トレーニングを行い、さまざまなプロテインを愛飲している愛好家やトレーナーに取材してまとめたものです。
これからプロテインを活用したいとお考えの方はぜひ参考になさってください。
目次
1.プロテインの飲み方
まずは、プロテインを飲むべき人、タイミング、追加する水分について説明します。
1−1.プロテインを飲むべき人
プロテインは腎臓病などたんぱく質を控えなければならない方以外は、原則としてどのような方も飲んでいただける栄養補助食品です。特に下記の方におすすめです。
・部活など運動をがんばる選手
・健康的なダイエットをしたい方(カラダを引き締めたい方)
・バランスの良い食生活を希望する方
・美肌&髪の毛&爪の質を良くしたい方(コラーゲンが欲しい方)
・トレーニング愛好家
・肉体労働の方
・お酒を飲まれる方
一般の方の一日のたんぱく摂取量の目安は体重÷1000gです。体重70kgの方で70gのたんぱく質が必要ということになります。一食あたりのたんぱく質量は下記のようになります。
たんぱく質 | 脂質 | 炭水化物 | エネルギー | |
鶏卵1個 | 7g | 6.1g | 0.2g | 90kcal |
豆腐100g | 6.6g | 4.1g | 1.6g | 71kcal |
納豆40g | 2.6g | 1.4g | 2.3g | 33kcal |
豚もも肉100g | 20.6g | 10.3g | 0.2g | 185kcal |
サケ100g | 22.2g | 4.3g | 0.1g | 133kcal |
卵4個+豚もも肉100g+サケ100gでたんぱく質量がほぼ70gとなります(運動を積極的にされる方は、この量の1.5〜2倍必要です)。また、この場合の脂質は39gになります。
通常の食事をしていると、たんぱく質摂取量は不足しがちになります。同時に脂質は多く摂ってしまっていることがお分かり頂けると思います。
そこで、プロテイン粉末を使うと脂質と炭水化物を抑えながら良質なたんぱく質を摂ることができます。市販のプロテイン粉末20gで15g前後のたんぱく質を摂取することになります。
- タフなアスリートは胃腸もタフです。まずは食事から必要な栄養素を摂るようにしてください。通常のスポーツ活動程度でしたらそれで十分です。安易にサプリメントに頼ると、胃腸の機能がサプリメントを優先するようになると言われています。水泳クラブで日に何kmも泳ぐなどハードな運動をしていて食べる量も並外れて多いという選手にはプロテインは効果的です。
1−2.プロテイン摂取の最適タイミング
「いつ飲んだ方がいいのか」ということを経験者に聞くと「いつでもいい」という答えが返ってきます。実際にその通りなのですが、初心者の方にすれば悩むところです。以下に具体例を提案致します。一般の方でしたら下記のうち1〜2回の摂取で大丈夫です。
・朝食または昼食時に
・間食として
・運動前に
・運動後30分以内に
・就寝1時間前を目安に
特に運動直後は効果が高いです。度を超えた飲み過ぎは腎臓&肝臓の負担を増やし、内臓疾患に繋がりますので注意してください。
- プロテインにもカロリーはあります。一般的な製品で1杯あたり80kcal前後あり、これは同量のコーラに匹敵します。糖質メインのコーラと違って吸収がおだやかで太りにくいのですが、一日のトータルカロリーか運動量で調整をしないとそのまま脂肪に置き換わる原因となります。
1−3.どのように飲むか
プロテイン20g程度を水や牛乳、豆乳で割って飲みます。詳しくは次章でご紹介しますが、プロテインシェイカーを使うと手軽にシェイクを作れます。通常のコップですとかきまぜにくいです。
ココア味などフレイバーのついたものがほとんどですが、中にはフレイバーのないものがあります。「プレーン」「無添加」などと記載されているものはたんぱく質本来の味がします。これは慣れないと飲みにくい味かもしれません。
オレンジジュースやアップルジュースと混ぜることでお好きな味で飲むことができますし、後から味をつけるための専用フレイバーも売られています。料理に使うこともできます(3章で詳しくご紹介します)。
各飲料200ccと代表的なプロテイン20gを混ぜた時の栄養成分表は下記の通りです。
たんぱく質 | 脂質 | 炭水化物 | エネルギー | |
プロテイン+水 | 15g | 1.3g | 2.7g | 83kcal |
プロテイン+低脂肪乳 | 22.9g | 3.38g | 14.14g | 179kcal |
プロテイン+牛乳 | 21.8g | 9.13g | 12.6g | 221kcal |
プロテイン+無調整豆乳 | 24.1g | 8.6g | 5.9g | 198kcal |
プロテイン+100%オレンジジュース | 17.6g | 1.5g | 24.83g | 169kcal |
低脂肪乳で作ると、たんぱく質量が多いシェイクができます。炭水化物も多くなりますが、例えばトレーニング後は炭水化物も一緒に摂ることで疲労回復効果と筋肉増量効果が得られます。
- 牛乳や大豆を由来とするプロテインは、それらに合う味が一般的です。ココアやチョコレート、バナナなどが伝統的で人気があります。最近はフレイバーの種類が増えてきました。ピーチ、ストロベリー、ヨーグルトなど。中にはスッキリ系のグレープフルーツ味などもあります。種類の多さをウリにするメーカーもあって、抹茶、あずき、黒糖きなこ味なども登場しています。飽きがこないように味で選んでみるのもひとつの方法です。
2.失敗しないプロテインシェイクの作り方
たんぱく質が主成分のプロテイン。本来たんぱく質は水と混ざりにくい性質があります。各社製法に工夫を凝らして以前よりも溶けやすくなっていますが、どうしても溶けにくさを感じる製品も存在します(溶けにくい製品が質が悪いというわけではありません)。
一度ダマになってしまうと、シェイクではなかなか溶けません。スプーンを使ってすくって食べるようになります。また小さいダマは口当たりを悪く感じさせます。
そこでこの章では、プロテインシェイクを上手に作る方法をご紹介します。
2−1.水が先。粉末が後。適正量で溶かす
水をシェイカーに入れた後にプロテイン粉末を上から入れてください。そうすることで満遍なく水分が行き届くようになります。
水分は商品記載の適正量で溶かすようにしてください。一般的には20gのプロテイン粉末に対し、200〜250cc程度の水分を使うものが多いです。
またシェイカー内に空間も必要です。実験なさると分かるのですが、シェイカー内に満杯の水分ですとほとんど混ざりません。多めの空気と混ざることで綺麗に撹拌されます。
シェイカーがない方は、空のペットボトル(500ml)で作ることができます。その場合は飲み口が細いので、プロテインを入れるのに漏斗を使うなどの工夫を行ってください。
- どのようなプロテインでも水に比べて牛乳や豆乳はまざりにくいので工夫が必要です。100cc程度の水の上にプロテイン粉末を入れ混ぜてから、牛乳や豆乳を100〜200cc程度足して再度シェイクするとよく撹拌できます。蜂蜜などを加える場合も同様です。
2−2.氷を使う
2cm以下の小さい氷を数個、シェイカー内に入れて降ることで混ざりやすくなります。プロテイン粉末のグループを細分化して水と空気に触れやすくするからです。
ちなみにブレンダーボトルという製品には、撹拌のためのミキサーボールが付属しています。
手軽に撹拌されたい方はこのような製品を選ばれても良いかもしれません。Amazon紹介ページ
2−3.時間をおく
水を入れプロテイン粉末を入れたら、上下や左右に20回程度振ります。途中で振り方を変えてみるのも良いでしょう。これでだいたいは溶けますが、このあとに時間を15分以上おきます。お飲みになる前に再度シェイクすることでより綺麗に溶けます。時間をおくと下へ沈殿してくることもありますので、ぜひ再度のシェイクを行ってください。
2−4.それでもダマになる場合
電動のハンドブレンダーを使用すると、たいていのプロテインは10秒以下で完全に撹拌することができます。できてしまったダマをつぶすこともできます。泡もできにくいというメリットもあります。
添付のカップで作りシェイカーに移して持ち運びます。写真は飛び散りにくいことで口コミ評価の高い商品です。Amazon紹介ページ
しかし、プロテインそのものが溶けにくい可能性もあります。あまり気になるようでしたら変えてみるのも良いかもしれません。しかし多くのアスリートはあまり気にしないでダマごと飲んだり、スプーンですくったり、水を追加して流し込んでいるようです。
2−5.持ち運びの方法
たいていのシェイカーはがっちり密閉されますので、そのままバッグに入れて持ち運びできます。製品によってはちょっとした水分が出ることがあります。タオルでくるんだり、ポリ袋に入れると安心できます。
よくある失敗例は次のようなものです。
・パッキンを洗ったあとに付け忘れた
・シェイカーが古くなって飲み口が緩くなっていた
・リュックの中で逆さまになっていた
蓋全体がねじ込み式のシェイカーですと漏れる心配が少ないです。
2−6.シェイカーの洗い方
通常の食器洗い洗剤とスポンジで洗うことができます。スポンジの硬い面を多用すると印刷してある目盛りが消えやすいので注意します。
ダマはこびり付きやすく細部に入ると洗いにくいです。爪楊枝等を使って丁寧に掃除します。パッキンも毎回外して洗浄してください。月に一度は漂白剤などを使って塩素消毒します。
食器洗い機は内部が高温になります。食器洗い機対応のシェイカーかどうかをチェックしてください。
3.料理に使う方法も
プロテイン1kgを通販で買ってビックリ! こんなに多かったの? これを全部飲みきれるの?と思うかもしれません。20gで50回分ですので、毎日飲めば2ヶ月かからずに飲みきれる計算ですし、消費期限が長いものですので安心してください。しかし、同じ飲み方ばかりでも飽きそうだし、他の消費方法はないのかな、と思われるのも当然です。
この章では他の使い方をご紹介します。
3−1.スムージーとして
豆乳や牛乳と同じようにお使い頂けます。シンプルなのはプレーンのプロテインにバナナを混ぜるものです。同様にフルーツ&野菜を混ぜてミキサーにかけることでスムージーができあがります。フレイバーによっては合わない場合もありますのでテストしてみてください。
3−2.スイーツとして
市販のホットケーキミックスと混ぜることで、たんぱく質多めのカップケーキやホットケーキを作ることができます。プロテインマニアというホームページで紹介されていましたので、参考になさってください。
【原材料】ホットケーキミックス:150g/牛乳:100ml/卵:1個/プロテイン:35g
【レシピ】プロテインマニア「プロテインカップケーキの作り方」ホットケーキもサイドメニューから。
また、素揚げしてドーナツにする方法もあります。こちらはCookpadにて紹介されていました。糖質制限のレシピだそうで糖分ゼロ甘味料を使用していますが、気にされる方は普通に砂糖で大丈夫です。
3−3.プロテインバーを自作する方法
プロテイン粉末を利用してプロテインバーを自作することで、糖質や脂質のコントロールができます。オーブンが必要なのですが、材料を混ぜて焼くだけという手軽さがあります。詳しくは当ブログの別記事「プロテインバーのお勧めはコレ!シーン別活用法&自作レシピ」をご参照ください。
3−4.ベジタリアンも納得!キーマカレー風を作る方法
高野豆腐を戻してみじん切りにすることでひき肉に近い食感を得ることができます。これとソイプロテイン(プレーン)を材料に使用することでキーマカレー風ができあがります。動物原料を使わないのでベジタリアンの方もお召し上がり頂けます。
【原材料】高野豆腐:3枚/にんにく:1かけ/しょうが:1かけ/玉ねぎ:1個/しめじ:1/2束/味噌:大1/カットトマト:1/2缶/塩、コショウ:適量/プロテイン:大2/カレー粉、ガラムマサラ等香辛料:大2~3/エサンテ:大1
3−5.豆乳鍋風にして
普通の寄せ鍋に豆乳を加えることで、味にまろやかさが加わり深みが出ます。これをソイプロテイン(プレーン)で代用することができます。作り方は、普通にお鍋のスープを作った後で、シェイカーやボウルで撹拌したプロテインシェイクを加えるだけです。
またシチューに加えることで、こちらも味に深みが出てたんぱく質が多くなります。
4.まとめ
プロテインの飲み方について、その方法をご紹介しました。プロテインはたんぱく質含有量が極めて多く、また脂質糖質が少ないという特徴があります。この特徴をご理解頂いたうえで、毎日の食生活に活用されることで、健康的な生活の一助となります。
ぜひ運動と組み合わせて快適な毎日をお過ごしください。