「足が重い」と感じられる方は大勢いらっしゃいます。
その感じ方やだるさ、むくみの程度は人によって様々ですが、原因の多くは生活習慣や足の使い方などにあります。
なかには専門医への受診が必要な症状もありますが、ほとんどがストレッチやセルフマッサージ、トレーニングなど、この記事でご紹介する対処方法で改善することが可能です。
ここでは、運動指導者の視点から原因についての解説と、自信を持っておすすめできる対処方法をお伝えします。日頃から足が重いことを感じる方はぜひ行ってみてください。
目次
1.生活習慣が原因!足が重くなる5つの原因
足が重くなる主な原因は大きく分けて以下の5つあります。
・むくみ
・血行不良
・疲労
・筋肉痛
・けがや病気
これらの原因に対する予防や改善をおこなうことで、足の重みを改善することができるのです。ここではそれぞれの原因についてお伝えします。
1−1.ずっと同じ姿勢でいることで生じるむくみ
家事やデスクワークなど、同じ姿勢を長時間続けることで体内の水分がカラダの一部(特に足が多い)に偏ることでむくみが生じます。足がむくみ、膨らんでしまうと、圧迫感を感じます。
これが、 足のだるさを引き起こしているのです。
足のむくみは、仕事や家事の中でできるちょっとした工夫で改善することが期待できます。
・トイレや小休憩にデスクを離れカラダを動かす
・一度作業を止めて立ち上がったり、歩く
・暖かいものを取りカラダを温めること
これらの対策を取ることが、有効です。小休憩は気分転換になり集中力を回復するひとつの要因にもなるので、こまめにおこないましょう。
1−2.不良姿勢や運動不足などによる血行不良
足のだるさを引き起こす原因のひとつに血行不良があります。特に日常から姿勢が悪い方や運動不足の方に多く出ます。
姿勢が悪いと、カラダは血流が悪くなり、だるさが出ます。特に末端部分にかけて症状が出ることが多く、足のだるさの原因になります。
また、運動不足により筋力が弱いことで、足にだるさが出る場合もあります。筋肉は血液を送り出すポンプの役割を果たしています。運動不足により筋力が不足しているとこのポンプ機能が低下し、それにより血行不良が引き起こされることで、足がだるくなるのです。
正しい姿勢の作り方についてより詳しく知りたい方は当ブログ姿勢が悪いとデメリットばかり! 今すぐできる姿勢に良いコトを併せてご覧ください。
1−3.休息不足や過労による疲労
もっとも多くの方が足の重みを感じる原因として、疲労があります。カラダに十分な休息がとれていなかったり、過度な活動が足の重みを引き起こすのです。
カラダに疲れがたまると、筋肉がダメージを受けて緊張します。これにより、血流を正しくコントロールすることができなくなり、その結果として足にだるさが生じるのです。
疲労を実感するだけでも筋肉は緊張し、発症につながるので、できるだけ休息を取りコンディションを整えることが重要です。
1−4.ハードな運動や多忙な生活による筋肉痛
筋肉痛が、原因で足が重くなることがあります。久しぶりに運動をしたり、いつも以上に張り切ってカラダを動かした次の日は特に注意が必要です。
運動をすることで筋肉に刺激が入り、筋肉は損傷します。この損傷は筋肉に炎症を引き起こし、足が重くなるのです。
運動をした翌日に筋肉が熱を持っているときは、無理にストレッチやトレーニングはおこなわず、患部をアイシングして炎症を取り除くことで症状の悪化を予防しましょう。
その後、痛みがきえてきたら第3章でご紹介するストレッチをおこない、筋肉の緊張を取り除くのが回復を早めるために必要です。
1−5.けがや病気などの疾患
上記で紹介したこと以外にも、打撲や打ち身などのけがや血行障害などの病気になることで、足が重く感じることがあります。この場合は、「重み」というよりも、「痛み」や「違和感」を感じることが多いため、ほとんどの方はカラダに異常を感じ、専門医の診断を受ける判断をします。
実際にストレッチやトレーニングをおこなう前に専門医の受診を受けることは、症状悪化の防止にもつながるため、違和感があるときは診察を受けることをおすすめします。特に第2章の症状がある方は3章以降の対策をする前に病院へ行きましょう。
2.この症状の時は病院へ!対策前に専門家の診断が必要な症状3選
足の重みのほとんどは、ストレッチやセルフマッサージ、トレーニングをすることで改善されます。しかし、安易にストレッチをおこなうことは危険です。
足の状態によっては、専門家の判断を仰ぎ、改善することが必要になります。
ここでは、足の重み改善をするための対策法をおこなう前に、専門家の受診がが必要な3つの症状についてお伝えします。
※専門医の受診は主に整形外科、血管外科をおすすめします。(血管外科とは、手術を含めて、血管の病気に対する各種治療を行う全身血管の専門科です。)
2−1.腫れや鬱血がある
足が重くなる原因として、血管中の弁が機能障害を起こし、血液循環が悪くなる場合があります。
血管がむくみ上がったり、腫れたりしていると、下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)という病気の可能性もあります。
急にふくらはぎや足首が腫れ上がったり、鬱血をするようになったら病院で検査をするようにしましょう。検査の結果、問題がなくストレッチなどの許可を医師からもらうことができれば、3章以降のストレッチやトレーニングをおこなうといいでしょう。
2−2.ボコッとしたヘコミがある
運動や、一箇所に極端な負荷がかかった時に、筋肉が切れてしまい、肉離れを起こします。肉離れの症状として、筋肉にヘコミが生じることがあります。
肉離れの症状には程度がありますが、ヘコミがある場合は重度な症状であることが多いため、整形外科医の診断を受ける必要があります。
2−3.激しい痛みがある
痛みの感じ方には個人差がありますが、足を床に着くことで痛みが走る場合は、筋肉の損傷がはげしいです。ストレッチなどをおこなうと逆効果になる可能性が高くなります。
その場合は、足首を極力動かないように固定し、整形外科を受診しましょう。医師の診断結果、ストレッチなど運動の許可が出たら、次の章以降にご紹介する改善方法をおこない、完治を目指します。
3.血行を促進して重みを改善するストレッチ5選
足の重さを改善するためには、血行が悪くなっている下半身を中心にストレッチすることが効果的です。各エクササイズを自然な呼吸で行うことで、筋肉の緊張を取り緩めることができます。
ここでは、血行を促進して足の重みを改善するためのストレッチを5種目お伝えします。
3−1.お尻のストレッチ
写真のように片足をもう片方の膝の上におきます。お尻周りが伸びるように意識して前に上半身を倒していきます。倒した状態で、自然な呼吸を繰り返しおこないます。左右20秒ずつを目安にストレッチしましょう。
3−2.もも表のストレッチ
右足を外側に曲げて座ります。
対角の肘をカラダの後ろで床につき左手の方に体重をかけてください。
右のももが伸びるのを感じましょう。
ポイントは痛くないところで自然な呼吸をすることです。左右20秒を目安に行いましょう。
3−3.内ももストレッチ
膝立ちの状態から前に手をつき、片足を真横に出します。肘を床につけ、曲げている足のかかとにおしりがつくようなイメージで後方に引きます。
内ももが伸びているのを感じたところで動きを止め、自然な呼吸で左右20秒を目安におこないましょう。
またこれでストレッチ感が物足りない方は
上の写真のように両足を開き、同時にストレッチをかけていきましょう。内転筋が伸びているのを感じたところで動きを止め、自然な呼吸で左右20秒を目安におこないましょう。
3−4.ハムストリングストレッチ
仰向けで横になり、片脚を上に伸ばして折り曲げます。ももの裏を両手で押さえながら、膝の曲げ伸ばしを20秒おこないます。これを左右の足でおこなうようにしましょう。
自然な呼吸でおこなう事がポイントです。
3−5.ももの外側ストレッチ
仰向け寝になり、片足を反対の太ももの上に乗せ、上に乗せている足と反対側の手で膝頭を押さえ、引きながらカラダが捻るように倒していきます。
この時、カラダが一緒に倒れていかないように倒すのはほんの少しで大丈夫です。腰が浮かないようにももの外側がストレッチされる感覚を意識しましょう。左右20秒を目安におこないます。
3−6.ふくらはぎのストレッチ
片方の膝を立て座ります。胸をももに付けて、膝を抱え込むようにして前へゆっくりと体重をかけ、倒していきます。このとき、かかとが床から離れないように意識してください。20秒を目安に左右おこないましょう。
ポイントは体重をかけて上体をゆっくりと倒していくことです。
3−7.すねのストレッチ
足の指が床につくように膝を曲げておきます。足の甲からすねにかけてストレッチがかかるようにして伸ばしていきましょう。左右を同様に20秒ずつおこないましょう。
4.足の重みの原因は足底!足の裏におこなうセルフマッサージ
足が重く感じる原因のひとつとして、足の裏(足底)が緊張していることがあります。毎日立ったり、歩くと足の裏に体重がかかり、筋肉が緊張してしまうのです。
そこで、足の裏をセルフマッサージをして刺激を入れることで、緊張を緩めることが期待できます。足底には勇泉(ゆうせん)というツボがあり、ここを刺激することで疲労回復効果があるとされています。
しかし、足底筋膜が緊張して痛みを持っている時は、圧をかけることで痛みが増す場合があります。痛んでいる時は控えるようになさってください。
圧をかけるときは、指で押すか以下のようなツールを活用して刺激を入れるといいでしょう。
・ゴルフボール
・テニスボール
・野球ボール
・青竹踏み
・ストレッチポールひめトレ など。
どれも足の下に置き、軽く体重をかけるようにして踏むことで、足底に圧がかかり、筋肉をほぐすことができるのです。左右20秒を目安に体重をかけて踏みましょう。
5.最後は筋力が大事!疲れ知らずのカラダを目指すトレーニング3選
ストレッチやマッサージをおこない、一時的に痛みやだるさが改善されても、すぐに重くなってしまう。
このような方は足の筋力が弱いために、疲れが溜まりやすいことが原因かもしれません。カラダを鍛えることで、疲れにくいカラダになり、足の重みを感じにくくなります。
ここでは、疲れ知らずのカラダになるためにおこないたい足のトレーニング方法をお伝えします。
5−1.カーフレイズ
足を腰幅に開き、綺麗な姿勢で立ちます。姿勢を安定させながら、つま先立ちになります。この時かかとがまっすぐ正面を向くように意識しましょう。
バランスを崩さないように注意をしながら15回行いましょう。また段差などかかとが常につかない状態で行うことで強度が高まります。
5−2.スクワット
足を腰幅から肩幅まで開きます。つま先と膝を前に向けてももが床と平行になるまで曲げていきます。
ももが床と平行になるまで曲げたらその場で動きを一度止め、ゆっくりと元の姿勢に戻りましょう。
背中が丸まらないように注意をして姿勢が崩れずに行える回数を目標にまずは、15回行いましょう。
5−3.ヒップリフト
膝を軽く曲げた状態で仰向けになります。膝の頭から鎖骨まで一直線になるように姿勢を意識してお尻を持ち上げましょう。お尻に負荷がかかっているのを感じながら、息を止めないように注意して姿勢を保ちましょう。
6.まとめ
足が重いと感じるときに知っておきたい原因と具体的な症状の改善対策法をお伝えしました。
足が重い症状は第一章でお伝えしたようにさまざまな原因があります。まずは、ご自身の足の重さを引き起こす原因を把握して、改善方法をおこなうことが可能かを判断しなければなりません。
その結果問題がなければ、継続的に改善方法を実践してください。
継続して、重たく感じない健康的なカラダ作りをしましょう。
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