腹筋を効果的に鍛える方法をお探しの方は少なくありません。
シックスパックを作りたかったり、スポーツパフォーマンスアップの下地作りをしたかったり、腰痛を予防したい方など様々です。
近年、伝統的な腹筋運動(シットアップといいます)を、やみくもに(個人差を考えずに)回数を多く行うことの危険性が広められてきました。
何回行ってもケガをしない方がいる一方で、椎間板に不安がある方などは腰痛を発症するリスクが高まるという説があります。
トレーニング効果から見れば、シットアップは腹筋以外の筋肉を働かせて上体を持ち上げている可能性が高く(特に股関節屈曲筋)、腹部周辺を集中的に鍛えるには他の方法でも可能なのです。
その一つが「クランチ」です。今回はこのクランチの方法を5種類、ご紹介します。腹筋を効果的に鍛えたい方はぜひ参考になさってください。
この記事は石塚利光が監修しました。 日本コアコンディショニング協会コアコンディショニングリサーチディレクター/東京大学女子バレーボール部トレーナー/米国公認アスレティックトレーナー (BOC-ATC) /日本トレーニング指導者協会・認定上級トレーニング指導者(JATI-AATI)/ペンシルベニア州立カルフォルニア大学卒業/前・福岡大学助教/訳書「アスレティックボディ・イン・バランス」(Gray Cook著) |
1.クランチのポイント
クランチとシットアップの最大の違いは腰を大きく折りまげるかどうかという点にあります。クランチの場合は背中下部や腰部は床に押し付けたままであることが最大の特徴です。
通常のクランチは、床に仰向け寝になりヒザを曲げて足底を床につけることから開始します。肩を骨盤に向かって近づけていき、腰が浮かないところで元の体制に戻ります。 手は首の後ろまたは横にあってもよいし、胸の上でクロスしていてもかまいません。
手を頭や首の後ろに置いた時は、腕の力で首を折り曲げないようにしてください。ケガのリスクが高まる可能性があります。
2.ぜひ行いたい「呼吸の準備運動」
クランチを行う前に呼吸のトレーニングを行なってください。このことで体幹の筋肉が活性化し、腹圧を高めやすくなり、トレーニングの効果をアップさせます。
まずは息を吸ったときにお腹を膨らませます。
しっかり膨らませてください。5回繰り返します。
続いて逆の呼吸を行います。息を吸った時にお腹をへこませます。一度通常の呼吸をしておいてから、軽く息を吐くと同時にお腹を膨らませ、そこから息を吸いながらお腹をへこませるようにするとうまくいきます。
これも5回繰り返します。
そこからお腹の内側に圧を高めて、お腹が平らな状態をキープします。浅い呼吸を繰り返し、その状態を保持し続けます。30秒〜1分を目標にしてください。
呼吸のトレーニングは万能な準備運動ともいえるもので、例えばストレッチの前に行うと柔軟性が向上することが体感できると思います。できるだけ毎日行うようにしてください。
3.クランチの方法5選
いよいよクランチの方法です。
呼吸のトレーニングで体感した「お腹の内圧を高めてキープする」イメージで行なっていきます。
フロント・クランチ
主に腹直筋(シックスパック部分)の上部を刺激していきます。使っている筋肉を意識しながら、ゆっくり起き上がることがポイントです。
クランチの基本姿勢をとります。息を吐きながら、お腹を起点に上体を起こしていきます。肩甲骨の下あたりが床から浮くまで上半身を起こすことで腹直筋の上部が鍛えられます。もとに戻す時は、起こしたときの2倍の時間をかけてゆっくりおろしていきます。
肩や腕に力が入ってしまうとお腹をうまく使えないので注意しましょう。5〜10回。
ツイスト・クランチ
お腹の斜めの筋肉「腹斜筋」を鍛えるエクササイズです。腹斜筋は体を捻ることで筋肉を最大限に縮めることができ、大きな刺激が加わります。
片手を反対側の胸(下部)にあて、もう片方の手を伸ばし、その手を対側の膝の横に伸ばしてきます。伸ばした手をさらに遠くへするように、体を捻りながら上体を起こします。
テーブルトップ・クランチ
初心者の方は上記2つのエクササイズで十分効果が得られます。ここからは負荷の高いバリエーションをご紹介します。
足を床から離して90度の体制を作ります。これをテーブルトップと言います。胸の前でクロスしたヒジをヒザの上に当たるように近づけていきます。
足の角度を常にキープするようにしてください。
バイシクル・クランチ
フロントクランチのように上体をやや浮かせた状態をキープします。ヒジを開き手は肋骨下部に当てます。そこから左足を手前に引きつけ右足は伸ばします。伸ばしきったら引き戻し、左足を伸ばします。メリハリをつけて交互に繰り返してください。
ストレッチポール®クランチ
ストレッチポール®を利用すると、クランチトレーニングの効果が一層高まります。安定度が低くなり、姿勢をキープするためにより体幹の筋肉が使われるからです。お持ちの方は、ぜひクランチの際にあわせて使うようになさってください。
フロントクランチを行います。同様にこれまで行なったクランチのバリエーションをストレッチポール®上で行います。
バイシクルの状態から両足を伸ばすこのクランチは難易度が高いです。ヒジを床につけ、全身がブレないようにキープしながら行なってください。
4.まとめ
クランチの方法をご紹介しました。このトレーニングは上体や下半身の重さを利用して、腹筋を鍛えることができるトレーニングです。呼吸法とあわせて行うことで体幹の深層筋の活性化と連係を生み出すことができます。ご紹介した方法をぜひ日々のトレーニングに活用なさってください。
コンテンツの全部または一部の無断転載を禁止します。(C)Imaginear co.,ltd. co.,ltd. All rights reserved.