ビジョントレーニングのやり方7選|集中力と運動能力向上の最善方法

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”ビジョントレーニング”をご存知でしょうか。

村田諒太選手がボクシングで世界チャンピオンになるために、このトレーニングをおこなっていた模様がNHKスペシャルで紹介されていました。

このビジョントレーニング、皆さんはどのようなトレーニングだと思いますか?

視力を鍛えるトレーニングでしょうか?
動いているものを見定めるためのトレーニングでしょうか?

実はビジョントレーニングは目だけではなく、脳やカラダの働きまでをも向上させる素晴らしいトレーニング方法です。具体的には集中力アップや運動パフォーマンス向上などの効果を得ることができます。

では具体的にはどのように行うのでしょうか? 最も効果的な方法は?

この記事では一般社団法人日本視覚能力トレーニング協会代表理事の飯田覚士さんに監修いただき、このビジョントレーニングの効果と具体的なエクササイズ方法についてお聞きしました。

今日から実践できるものばかりなので、ビジョントレーニングに興味がある方や、習慣化したい方、また少しだけでもやってみたいはぜひ最後までお読みください。

この記事は飯田覚士さんに監修いただきました。

JCCAスーパーバイザー/一般社団法人日本視覚能力トレーニング協会代表理事/飯田覚士ボクシング塾ボックスファイ代表
バラエティー番組への出演をきっかけに、プロボクサーデビューをする。1997年にはWBA世界スーパーフライ級王者になる。引退後、子どもの健全発達プログラムを開発し(ビジョントレーニング)、指導にあたっている。

 


1.続けることでイイコトがたくさん!ビジョントレーニングで得られる効果

ビジョントレーニングをおこなうことで以下の効果を得ることができます。

・空間認識能力が高くなる

・周辺視野が広くなる

・速いボールを見極めることができる

・集中力が向上する

記憶力が定着しやすくなる

・文字や絵が上手になる

・トータルとして生活の質が向上する

特にジュニア期にビジョントレーニングをおこなうことは、スポーツ以外にも効果が大きいです。黒板の書き写しがスムーズになり、何が書いてあるかを理解しやすくなることで漢字などを覚えやすくなる効果があります。子供の字が上手になったという例も多くあります。

これは文字を目で正しく認識し、的確な形として頭の中に記憶し格納され、必要な時に出力される作用が起こるからでしょう。しかし、クセの強い字を書いている人は、見る力に問題を抱えている可能性が考えられます。

視覚能力はスポーツでも活躍します。素早い動きの中で物を捉えることができるようになると、適切に対処することができ、パフォーマンス向上に繋がります。

例えばボクシングのパンチを避けられるようになったり、バスケットボールやサッカーなどのフィールドスポーツでは、選手のいない空いたスペースにパスを出せるようになったり、対戦相手がどこにいるのかを正確に見られるようになるでしょう。

逆に目をうまく使えないと、活発に動くことができなくなります。正しく見えないことで不安になり、”怖い”という気持ちから、全速力で走ることができず、カラダにブレーキをかけてしまうこともあります。

その結果、パフォーマンス低下に繋がり、選手のポテンシャルを最大限に引き出すことができなくなります。正しい目の使い方がわかるだけでパフォーマンスに大きな変化が現れるのです。


2.まずは両目で正しく見ることから!今すぐできるビジョントレーニング7選

この章では、今すぐ簡単にできるビジョントレーニングの方法を7種目お伝えします。

最初の5種目は基礎トレーニングです。その目的は、以下の二点です。

・遠近の調節力を鍛える
・正しく両眼視ができるようになる

眼も筋肉で動くので、眼の筋肉と眼の周りの筋肉の両方を活用し、両目で目標物を捉え、瞬時に焦点を合わせられる状態を目指します。まずは目を動かし、普段あまり使わない目と目の周りの筋肉を動かすことから始めます。

後半の2種目は、動きや傾きに対して自分の姿勢や向きをつかむトレーニングです。

※この章でご紹介する実施回数はトレーニング初心者の方に効果を体感いただける程度の回数設定をしています。実施していて簡単に感じたら回数を増やし、難しく感じたら回数を少なくし、気分が悪くなったら中止しましょう。

2−0.準備運動・目のストレッチ

ビジョントレーニングのスタートは大きく眼球を動かすことから始まります。このあとご紹介するトレーニング効果を高めるためにウォーミングアップをしましょう。

正面を向きます。顔の向きが変わらないように両目で、上・下・右・左・右上・右下・左上・左下の8箇所へ目を最大限に動かしましょう。10秒を目安に見続け、目の周りの筋肉をストレッチします。

普段ここまで目を動かしていない方は、これだけでも目の奥の筋肉を使った感じが得られるでしょう。

2−1.ピント合わせ

両眼視を意識したトレーニング種目です。

片手を胸の前に伸ばし、親ゆびを立てます。続いて、両目をあけて親指の爪先を見続けます。

ピントがずれないように注意をしながら15〜20秒を目安に見続けましょう。ピントを合わせることができたら、ペンなどの細いものに対象物を変更し、ペン先を見るようにしましょう。

2−2.ピント合わせ(眼の手品)

腕を伸ばして顔の前に出し、親指を立てます。親指の爪を両目で見ます。

その指と目との中間点に、もう片方の親指を立てて入れます。

これによりピントを合わせている奥の指の左右に手前の指がぼやけて見え、指が3本になっていると正しい状態です。 もし、3本に見えなかったら片目ずつ交互に目をつぶって見ましょう。

どちらかの目で見た時に、手前の指と奥の指が重なっているはずです。その場合、重なっている手前の指を、開けている目と反対(閉じている)側にずらし、奥の指が見えるように調整しましょう。

このように奥の指にピントが合い、手前の指がふたつに見えれば正解です。

5秒ほど見たら今度は手前の指にピントを合わせましょう。

この時奥に指が2本現れ、合計で3本指が見えれば正しい位置にあります。こちらも5秒を目安にピントを合わせ、奥と手前を交互に5回程度繰り返します。

このように手前の指にピントが合い、奥の手の指がふたつに見えれば正解です。

※どちらかの目をつぶった時に奥の指と手前の指が重なってしまうと、その時開いている目で対象物を見る癖がある証拠です。つまりその目が利き目ということです。

2−3.ピント合わせ(眼の手品・遠近)

次は、先ほどと同じポーズで指が3本に見える状態をつくった後、指を動かしていきます。奥の指に焦点を合わせたまま、手前の指を前後に動かします。

この時、手を顔に近づければ2本の指が横に広がりながら迫ってくるように見え、奥の親指に近づけて行くと、指がだんだんと1本になるように内側に寄っていくでしょう。

今度はピントを手前の指に合わせます。

この場合は、手前の指を顔に近づけるほど、奥の指は左右に広がっていき、奥の指に近づけるほど1本になるように左右から寄っていきます。5往復ずつを目安に実施しましょう。

2−4.眼球運動(跳躍性(ちょうやくせい))

両腕を肩幅よりやや広い位置で前に出します。親指を立てて顔を動かさないように注意をしながら、左右の爪を交互に見ましょう。 初めは2秒ずつ、慣れてきたら1秒ずつ交互に見ます。

爪にしっかりピントを合わせることが大事です。合わせながらもスピードを上げられるようなら、更に素早く切り替えるようにしていきましょう。

はじめは左右、次は斜めなどに両手の位置を変えてみましょう。「5〜10往復を目安におこないましょう。首や頭は動かさないことがポイントです。」(飯田さん)

2−5.眼球運動(追従性:ついじゅうせい) 

動く対象物を見るトレーニングです。

片方の腕を前に出し、親指を立てます。左右上下に指を動かし、顔が動かないように注意をしながら両目で指先を追いましょう。移動の速度は始めはゆっくりでだんだんと速度をあげていきましょう。

「これも顔を動かしたり、首を傾けないよう目だけで追います。」(飯田さん)

2−6.だるま

だるまのように座った状態から後ろへ転がり、起き上がる動きをします。

足の裏同士を合わせて座ります。その状態から後ろに転がり、止まらないように反動を利用して元の姿勢に戻ります。
「背中を丸め、滑らかな動きを意識しましょう。起き上がるタイミングさえつかめれば上手くできます。」(飯田さん)

10回を目安におこないましょう。

2−7.大仏

斜めの傾きや回転をおこなうことで自分がどの位置にいるのか、どっちの方向に向いているのかを把握することができ、三半規管や前庭器官のトレーニングになります。

足の裏同士を合わせて座ります。斜め後ろへ転がるようにして倒れ、背中を起点にして反転させます。同様にもう一度繰り返し、もとの位置に戻りましょう。

この動作を繰り返しおこないます。左右5回ずつを目安にしましょう。

3.ビジョントレーニング効果を無駄にしないために日常生活で意識したい3つのポイント

ビジョントレーニングを継続して実施しても、悪い習慣も改善しなければ、トレーニングの効果は薄れてしまいます。ビジョントレーニグの効果を最大限に高めるために日常生活で意識したいポイントは以下の3点です。

・正しい姿勢を意識する

・目を動かす習慣を意識する(ストレッチをおこなう)

・遠くを見る習慣を意識する

すべてのポイントが今日から実践できるものになります。

2−0のようなストレッチをするだけでも、これまでの習慣を改善することができるのです。

※正しい姿勢について詳しく知りたい方は当ブログ 姿勢が悪いとデメリットばかり! 今すぐできる姿勢に良いコトを併せてご覧ください。

4.まとめ

「ビジョントレーニングとは」から具体的なエクササイズ方法までご紹介しました。

今回ご紹介した基本的なエクササイズ以外にもビジョントレーニングには様々な種類のエクササイズがあります。まずは上記のエクササイズを実施し、視覚能力を高めましょう。

今回ご紹介した方法以外のエクササイズや実際にビジョントレーニングを体験されたい方は、飯田覚士ボクシング塾ボックスファイへお問い合わせください。

ビジョントレーニングについてより多くのエクササイズを知りたい方は飯田覚士さん著書おうちで簡単ビジョントレーニングをご覧ください。

飯田覚士さん著書おうちで簡単ビジョントレーニング(ベースボール・マガジン社)

飯田覚士ボクシング塾ボックスファイ

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