腸腰筋は股関節をまたぐ筋肉の総称です。解剖学を学習する上で、最初につまずきやすい筋肉です。
理由としては、自分でイメージしにくい筋肉であること。立体的にイメージしないと、平面では分かりにくいことがあげられます。この記事では、腸腰筋の解剖学を分かりやすくお伝えするとともに、機能を元にストレッチ、トレーニングを解説します。
この記事は石塚利光が監修しました。 日本コアコンディショニング協会コアコンディショニングリサーチディレクター/東京大学女子バレーボール部トレーナー/米国公認アスレティックトレーナー (BOC-ATC) /日本トレーニング指導者協会・認定上級トレーニング指導者(JATI-AATI)/ペンシルベニア州立カルフォルニア大学卒業/前・福岡大学助教/訳書「アスレティックボディ・イン・バランス」(Gray Cook著) |
1.腸腰筋の起始停止
腸腰筋と呼ばれていますが、大腰筋と腸骨筋、小腰筋との総称が腸腰筋です。小腰筋は50%の人は欠如しています。
●大腰筋
【起始】T12(椎体)、L1~5(椎体、横突起)
【停止】大腿骨(小転子)
●腸骨筋
【起始】腸骨(腸骨窩)
【停止】大腿骨(小転子)
●小腰筋
【起始】T12、L1
【停止】腸恥隆起
横から見るとこのようになっています。正面とはまた違ったイメージではないでしょうか。
2.腸腰筋の機能、機能不全で起こる問題
股関節屈曲、外旋、体幹の屈曲(大腿骨が固定されている場合)、腰椎の安定
腿の付け根を曲げる屈曲という動作、腿を外にひねる外旋という作用のときに使われる筋肉です。腰椎(腰付近の背骨)を安定させる機能もあります。
スポーツの場面では脚を上げる作用に大きく関与します。短距離層走のトップ選手のMRIを見ると、腸腰筋がとても発達していることがあります。
腸腰筋が上手く働かないと、姿勢不良や反り腰など腰のトラブルの原因になります。
また、股関節屈曲時に股関節外転や内旋の代償動作が出ることがあります。それは股関節屈曲時に大腿筋膜張筋が働いてしまうことが要因です。そのような時に適切に腸腰筋のトレーニングを行うには、大腿筋膜張筋のストレッチやマッサージなどを先に行うと良いです。
3.腸腰筋のストレッチ
片膝立ちになります。腸腰筋は股関節を曲げるときに使うので、ストレッチをする際は股関節を伸ばします。腿の前のほうが少し伸ばされれた感じになりなります。姿勢はまっすぐ正すこと。
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4.腸腰筋のトレーニング
椅子に座り、腿を上げます。その腿を両手で上から押さえます。このときのポイントは腿を真っ直ぐに挙げることです。もう一つのポイントは背中を真っ直ぐにして行うことです。
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まとめ
腸腰筋は、姿勢維持、スポーツパフォーマンス向上など、あらゆる場面で重要な役割を果たす筋肉です。しっかりと指導、評価ができるためには、腸腰筋がどのように付着し、どのように働くのかをイメージすることが大切です。
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