デスクワークで、肩や首がよく痛くなるあなた。
もしかしたら首猫背が原因かもしれません。
首猫背とは頭が前に出た不良姿勢のことを言います。
この状態を継続していると、体調への悪影響だけでなく外見の印象も悪くなり、あなたにとって良いことは一つもありません。
できるだけ早く、首猫背を解消することが大切なのです。そのために必要なことは、メカニズムを知った上で、
・ストレッチ
・トレーニング
・日常生活での意識
の3点に取り組み、姿勢を矯正することが重要です。
ここでは、首猫背の矯正方法と再発を防止するために日常生活で気をつけるべき点についてお伝えしますので、今日から実践して首猫背を解消してください。
目次
1.首猫背とは?解消するために知っておきたいメカニズム
首猫背の始まりは首の骨の配列がまっすぐに変化することにあります。私たちの首の骨は、正常であれば自然なカーブを作っています。
それが様々な原因によって崩れてしまい、まっすぐな配列になってしまっています。このような配列になることで、頭部が前に出てしまい、首猫背になるのです。専門的には「頭部前方偏位」や「ストレートネック」と呼ばれています。
頭の重さは成人でおおよそ6kgあり、頭が前に出たり、うつむくだけでその負担は増大します。研究では、首の角度を30度曲げただけで18kg、60度では27kgもの負荷になるとしています。
この姿勢を長時間続けることでカラダに痛みが出るのです。
しかし、首猫背は不良姿勢の一つであり、病的疾患ではありません。病院へ行っても、「日頃の姿勢に注意しましょう」とアドバイスされることが一般的で、治療されることは少ないです。
「病気ではないから」と放置をすると、以下のようなトラブルを引き起こします。
・印象が悪い
・肩や首がこる
・頭痛、眼精疲労、目のかすみ
・首が痛い、肩が上がらない
・腰痛 など
症状がひどくなる前に改善することが重要なのです。次の章からは、首猫背を改善する矯正方法についてお伝えします。
2.ポイントは首と胸!首猫背改善へ効果的な4つのストレッチ
首猫背は首や胸の筋肉が縮こまったことが原因でおこります。それを改善するためには、縮こまった筋肉をストレッチで緩めることが重要です。ここでは首猫背を矯正するためのストレッチを4種目ご紹介します。
それぞれのエクササイズに首猫背の原因を改善するための役割があり、自信を持ってお勧めできるものです。すべてのエクササイズを行っても10分もかからず簡単に行えるので、隙間時間にご活用下さい。
2−1.胸のストレッチ
両手を組み後ろへ伸ばします。
肩に力を入れない、背中が丸まらないように注意して行うのがポイントです。手を遠くへ伸ばすことで胸が外側へ引っ張られてストレッチされます。30秒を目安に行いましょう。
2−2.チンインエクササイズ
後頭部を押し付ける運動です。写真のように寝てタオルを活用するのが基本的ですが、背もたれの大きい椅子や、クルマの座席など後頭部を安定させる場所があれば座った状態で行うことも可能です。
タオルを丸めて後頭部のあたりに起きます。肩に力が入ったり、食いしばらないように注意しながら後頭部を押し付けます。視線は変えずに床と並行を保ったまま、後頭部をじんわり押し付けます。ゆっくり5カウントくらいで元に戻るのを5回繰り返してください。
2−3.首の横伸ばし
両手を後ろに回し、写真左上のように、片手で反対側の手首を掴みます。掴んだまま下に伸ばし、掴んでいる手の方向に首を倒します。5秒経ったら脱力し最初の姿勢に戻ります。3回繰り返してください。反対側の腕も同様に行います。
続いて、片手を腰の後ろにおくります。反対の腕を頭に回し、耳を押さえて横に倒します。5秒立ったら脱力して戻ります。これも3回繰り返し、左右に倒しましょう。
最後に右の写真のように、椅子に座ってほほに手を当てて左右を向きます。片側10秒ずつ行ってください。
2−4.鎖骨まわりほぐし
頭が前に出ていると、鎖骨下・胸上の部分が緊張しています。この部分をほぐすことで緊張を解きます。
自分の手のひらや指先を使って揉みほぐします。コリやハリがあるのを感じてみましょう。30秒程度時間をかけて片方ずつほぐします。2〜3セット行ってください。
3.僧帽筋を鍛えて首猫背を矯正
ストレッチを行いカラダの緊張を取ることで、一時的に不良姿勢は改善できるでしょう。しかし、綺麗な姿勢を維持するためには、それ相応の筋力が必要です。特に首猫背を改善するためには、前に出てしまった頭部を戻すために、僧帽筋の中部・下部を鍛えることが重要です。
ここでは、僧帽筋を鍛えるエクササイズをご紹介します。
3−1.シュラッグ
僧帽筋を鍛えるトレーニングです。首猫背による肩こり予防にも効果的です。
足を腰幅くらいに開き、綺麗な姿勢を意識して立ちます。肩をすくめるようなイメージで引き上げ、肩甲骨を下げるようにして肩を元に戻します。このとき肩甲骨を最初の姿勢よりもさらに下げるとストレッチをさらに感じます。息を止めずに自然な呼吸で15回を目安に行いましょう。
写真ではダンベルを持って行っていますが、負荷になるものであればペットボトルやバケツなどで代用しても大丈夫です。
3−2.フロアTW
僧帽筋の中部と下部を強化するエクササイズです。
うつぶせの状態で横になります。肩に力が入らないように注意しながら、みぞおちのあたりまでが床から離れるようなイメージで上半身を起こします。胸を張りながらアルファベットのT字を作るようにして真横に両手を広げましょう。
動きは焦らずゆっくり滑らかに動かし、一度手を下ろしたら、今度は両手はまっすぐ前に出し、肘を外側に引きながら曲げていきカラダで「Wの字」を描くように持ち上げましょう。反動をつけず動きをコントロールしながら交互に各10回ずつ合計20回を目安に行います。
4.再発防止は日常生活から!気をつけたいポイント
どんなにストレッチやトレーニングを行っていても、日常生活で姿勢に気をつけなければすぐに首猫背になってしまいます。再発防止をするためには、以下の3点に気をつけることが重要です。
・長時間のスマホ操作
・背もたれに寄りかかった状態での仕事
・片方の足のみを組み続ける
それぞれ気をつけるべきポイントをここでは解説します。
4−1.スマホ操作中は画面をのぞき込まない
スマートフォンの操作をするとき、無意識に画面をのぞき込んでいませんか?スマートフォンの操作は首猫背が最も引き起こされやすい原因です。
首猫背にならないためには、スマートフォンを正しい姿勢で操作することが重要です。予防するための正しいスマートフォンの操作方法は、操作する方と反対側の手を操作する方の脇の下に入れることです。
こうすることで画面が顔の前にきてのぞき込むことがなくなります。操作するときに活用してください。
4−2.座骨で座って背中は丸めない
椅子に長時間座っていると、背もたれにカラダを預けてリラックスしたくなりますよね。でもこの姿勢を長時間続けると首猫背になります。背もたれに寄りかかることで、背中は後ろ方向に曲がり、カラダのバランスは後ろになってしまいます。そのときに頭を前にすることで全体のバランスを取ろうとするため、無意識に頭部が前に出て首猫背になるのです。
ずっと良い姿勢でいるのは難しいと思いますが、できるだけ座骨で座り、背もたれに体重を預けないような座り方をするようにしましょう。
4−3.我慢できない場合は足を組みかえる
椅子に座ると無意識に足を組む人は少なくありません。しかし、足を組むことでカラダの左右のバランスは崩れてしまい、背中が丸まりやすくなります。足を組むと正しい姿勢が取りずらくなるので、組むのをやめることがベストです。
しかし、無意識に組んでしまう人にとって足を組むのをやめるのは容易ではありません。もし足を組んでしまう場合は、左右の差をなくすために、反対側の足と組みかえるようにしましょう。
5.ツールを使えば簡単かつ効果的に首の緊張をゆるめられる
ストレッチを行うことで、伸ばしている部分の筋緊張は取れます。しかし、その姿勢をすることで他の筋肉が緊張してしまうことが少なくありません。特にカラダが硬い方は、ストレッチをしている時にカラダ全体に力が入りやすいためこの傾向が多いのです。
ツールを活用することで、この点が大きく改善されます。この記事では首猫背による悩みを解消するために、ストレッチポール®とストレッチポール®ひめトレをご紹介します。
ストレッチポールは、カラダ全体を脱力した状態でエクササイズを行うことができ、ストレッチの効果を高めるツールとして、自信を持ってお勧めします。
ここでは、ストレッチポールの活用方法をご紹介します。
5-1.ベーシックセブン 胸ひらき運動
はじめに胸をストレッチして胸をひらいていきます。胸が広がると同時に、背中、肩甲骨まわり、首の下の筋肉がゆるめられます。
ストレッチポールに仰向けに横になります。
肘と手の甲を床につけ、胸の高さまで床をすべらせながら上げます。
この時、突っ張る感覚があるとストレッチがかかり過ぎているので、無理に胸の高さまで上げず、気持ちよく感じる場所までにしましょう。
ポイントはあまり伸ばし過ぎず胸が適度なストレッチ感を感じる程度に広げることです。カラダの動かせる範囲は個人差があります。胸の高さはひとつの目安。気持よく伸びていない、またはそこまで上げることができない。という場合は無理せずにできる範囲で腕を広げていきましょう。
胸をひらいた状態で自然に呼吸を行い、20~40秒を目安に行いましょう。
5-2.ベーシックセブン 床磨き運動
床磨き運動は、肩甲骨に振動を与え周囲の筋肉をほぐす効果があります。
ストレッチポールに仰向けで横になります。肘と手の甲を床に着けた状態で手の甲で床に小さな円を描きます。
時計回りや反対回りに回しながら、自分の回しやすい方や回しにくい方を感じてみましょう。
ポイントはあまり大きな円を描くことではなく、肩甲骨周りへの小刻みな振動を加えることです。手で描く円は500円玉位をイメージすると良いでしょう。
自然な呼吸で自分のリズムで10~20回ほどを目安に行いましょう。
5-3.ベーシックセブン 肩甲骨の運動
肩甲骨の運動では、肩甲骨全体の筋肉をほぐすことができます。同じ姿勢を長時間し続けていたことで固まってしまった肩甲骨を動かすことが出来るようになります。肩が重い時などにも効果的です。
ストレッチポールに仰向けに横になります。両手を天井に向かって引き上げて、肩の付け根から降ろします。
手を下すとき、一気に落としてしまうと筋肉が緊張したり、場合によっては痛みの原因になることもあるので、下す時は脱力した状態で出来る一定の速度で行うと効果的です。肘が曲がらないようにしてください。
引き上げと降ろすことの繰り返しを、ゆっくりなペースで10~15回行いましょう。あげる向きを真上だけではなく、みぞおちの方へもあげて行ってみてください。
ベーシックセブンの運動は全部で10あります。いずれもカラダに無理なく心地よく行っていただけるものです。別記事「ストレッチポールの効果と誰にでも効果が得られる使い方」の中で方法を詳細に解説してありますので、そちらもご参照ください。
5−4.首まわりの運動
以下の方法は、首や背中まわりをさらにゆるめたい方にオススメする方法です。
首まわりの運動1 ”ツイスター”
カラダをねじる運動です。基本姿勢から、両手を天井方向に伸ばし片側の手でもうひとつの手首を握ります。
握った方の手を床に付けます。両足は、腕とは逆の方向に倒します。自然な呼吸のまま、ゆっくり10カウント数えてください。
体勢をもどし、反対側も同様に行います。1セットだけでも効果がありますが、2〜3セットおこなっていただいて構いません。
首まわりの運動2 ”クレッセント”
カラダをクレッセント(三日月)の体勢にする運動です。基本姿勢から右手を頭の方に伸ばします。右足も伸ばします。そのまま左に少し倒れます。
カラダの右側がストレッチされることを感じてください。通常はここまでですが、今回はストレートネック用にさらにダイナミックに行います。右肘で右手を折り曲げ、頭部にタッチするようにします。
ゆっくり10カウント数えて反対側も行ってください。2〜3回繰り返してもかまいません。(痛みを感じる場合は行わないでください)
5−5.ストレッチポール スキャプラディプレッション
さらに、前項でお伝えした僧帽筋のトレーニングも効果的に行えます。
肩甲骨をさげる働きをする僧帽筋下部を鍛えるトレーニングです。
うつ伏せで両手を前にのばし、手をストレッチポールの上にのせます。肩に力が入らないようにリラックスした状態を維持したまま、ストレッチポールを手前と奥へ引き・押ししましょう。このとき肩甲骨が動いているのを感じながら行うとより効果的です。
力を入れず滑らかに20回ストレッチポールを動かしましょう。
ストレッチポール®は㈱LPNの登録商標(第4666450号)です。正規品は公式LPNショップにて、またAmazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでも正規品をお買い求め頂けます。
6.骨盤底筋から姿勢を矯正!座るだけで首猫背に効果的なツールエクササイズ
正しい姿勢のほとんどが骨盤の状態によって決まります。ストレッチポールひめトレを活用することで、骨盤の下にある骨盤底筋(こつばんていきん)という姿勢を安定させる筋肉を活性化させます。
これにより、ストレッチポールを活用して改善した正しい姿勢を維持することができます。ここでは、ストレッチポールひめトレの活用方法をご紹介します。
6−1.ひめトレ呼吸トレーニング
ここからはひめトレを活用したエクササイズ方法についてご紹介します。
骨盤底筋を意識して呼吸をしていきましょう。
ひめトレの上に座り、触れている部分を引き上げながら、大きく呼吸をします。
息を吸いながら骨盤底筋を引き上げ、その位置をキープした状態で息をしっかり吐ききりましょう。5回ゆっくりと行いましょう。初めはシンプルに骨盤底筋を感じましょう。
動画でもご覧いただけます。
6−2.ひめトレバードウイング
骨盤底筋を引き締め、呼吸でお腹を動かしたら、次は肩甲骨を動かしましょう。
ひめトレに座り両手を引き上げます。
手のひらを外側に向けて肘を曲げながら肩甲骨を寄せます。
この時、骨盤底筋を引き上げてキープしておくことがポイントです。ゆっくりと自分のペースで5回行いましょう。両手を動かしても骨盤底筋から力が抜けないように引き上げましょう。
動画でもご覧いただけます。
6−3.ひめトレシェイプブレス
最後はお腹を引締める効果のある運動、シェイプブレスエクササイズです。
下腹を意識して行うことでウエスト周りを刺激します。
ひめトレに座り、肋骨の横に手を当てて息を吸います。この時に骨盤底筋を引き上げましょう。息を吐きながら手をクロスさせて前へ出して5回行いましょう。ポイントは下腹を意識することです。息を吐きながら肋骨が締まっていくのを感じていきましょう。
動画でもご覧いただけます。
これが代表的なひめトレエクササイズです。使用前の感覚も覚えておいて使用後と比較してみてください。骨盤底筋部が引き上げられた感覚があり、椅子に座骨が立った状態で座ることができていれば大成功です。
7.まとめ
首猫背の解決方法と再発防止方法についてお伝えしてきました。姿勢が崩れることで、カラダには日々負担がかかり続けることになります。
今回ご紹介した方法を実践して、首猫背を改善し、痛みが出ないカラダ作りを目指しましょう。
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