日本人は肩こりを感じやすく、3人に1人が肩こりを感じていると言われています。特に作業に集中していて長時間同じ姿勢をした後に感じる場合が多いそうです。そして、ほとんどの方が具体的な解決法がわからずに肩こりを感じたまま放置してしまっていると思います。
肩こりは、医学的にはっきりと定義付けされていません。また、原因や解決策もまだ明確になっていません。レントゲンやMRIで写るものではなく、本人が重い・ダルいと感じることが肩こりなので、個人差がとても多いのです。
そこでこの記事では、肩こりに悩む方のために、当ブログの関係記事よりそのエッセンスをお伝えします。考えられうるほぼすべての対処方法と再発防止方法です。また、再発防止法を行なった結果肩こりが改善する場合もあります。
今すぐ肩こりを解消したい方と、無理なく根本解決をはかりたい方はぜひ参考になさってください。
1.今すぐ肩こりを解消する4つの方法
肩こりが長時間続くと、頭痛や目の疲れ、腰痛など様々な部位に痛みが出る可能性が高まります。ここでは肩こり時にぜひ行っていただきたい今すぐ改善する方法についてお伝えします。ストレッチ、マッサージ、薬、グッズに分けてご紹介します。ぜひ、自分に合ったものを探してみてください。
1−1.肩こりストレッチ3選
ストレッチで緊張した筋肉を伸ばしましょう。ここでは肩こりの症状に効果的なストレッチを厳選して3種目お伝えします。
どのエクササイズもすぐにできるものばかりなので、見ながらぜひ実践してください。
⑴首ストレッチ
腕や肩に力が入らないように意識して姿勢をとります。片方の手を背中に回し、もう片方の手を頭に置きます。
背中側の手に力が入らないように注意し、頭を押さえている手の方に傾けましょう。このとき首から肩にかけてストレッチを感じます。自然な呼吸を意識して左右30秒ずつ行いましょう。
⑵首と背中のストレッチ
両手を頭の後ろで組み、姿勢が猫背にならないように注意して首を前に傾けていきましょう。
首周辺の筋肉をストレッチしたら、少し背中を丸めると背中も伸びてきます。伸びている位置を意識して行いましょう。
息を止めないよう自然な呼吸を意識して30秒を目安に行いましょう。
⑶肩ストレッチ
右腕を伸ばし、写真のように左腕で挟みましょう。左のほうに方に引っ張り、ストレッチをかけていきます。
肩や腕に力が入らないように気をつけるのがポイントです。
自然な呼吸で左右30秒ずつ伸ばしましょう。
肩こりから生じる頭痛などにお悩みを持たれている方は「肩こりからくる頭痛を今すぐ解消!集中力UPストレッチ5選」を併せてご覧ください。
1−2.肩こりマッサージ7選
肩こりを緩和する効果的な方法の一つがマッサージです。こりの周辺に圧を加えることで筋肉に刺激を与え、また緩めることで肩こり緩和を狙います。
ここでは肩こりに効果のあるマッサージを7種類ご紹介します。
⑴首の付け根を両手でもみほぐす
首の後ろに両手で多い、包み込むように優しくもみます。肩の付け根ももみほぐしてください。親指と人差し指ではさむようにしてもんでも効果的です。繰り返します。
⑵付け根から外にもみほぐす
両手のひらを首に当て、指で圧を加えます。1〜2cmくぼむ程度の圧をかけながら滑らせ、5回繰り返します。
⑶指を上下に滑らしもみほぐす
三本指で耳たぶの下あたりから、圧をかけて下に滑らせていきます。首の一番下で圧をかけながら、10回を目安にゆっくり回します。そのまま上に戻りこの動作を10回繰り返しましょう。
反対側も同様に行います。
⑷首の付け根をつまむ
首の上部を軽くつまみます。もう片方の手でその下も同じようにつまみます。両手で10回を目安につまむようにしていきましょう。
⑸首の付け根を両手でマッサージ
首の後ろの生え際分を三本指(人差し指、中指、薬指)で軽く押します。そのまま外側に少し引っ張ります。そこからグルグルと回しもみます。各10回を目安に行いましょう。
⑹押したままゆっくり首を後ろに倒す
首の付け根に両手を当てて圧を加えます。その状態で目線を天井に持っていくようにして首を後ろに倒します。10〜20秒間を目安にリラックスして行いましょう。
⑺肩こりのポイントを三本指で回し押す
左手で右肩のこりのある部分を押してまわします。1〜2cmくぼむ程度に圧をかけて10秒程度。
マッサージをすることで、肩のこわばりもなくなり、リラックスすることができます。より詳細にマッサージについて知りたい方は「肩こりマッサージは首から!こわばり肩の解消5分運動11選」を併せてご覧ください。
1−3.肩こり緩和薬
どうしてもつらい肩こりを今すぐ治したいという方には、肩こり薬の活用も有効です。
しかし、一時的には緩和しますが、根本的な解決には至りません。連続的に使用することで、効果が薄れる場合もあることを理解した上でお使い下さい。
ここでは様々な緩和薬の中から肩こり解消に効果的な商品をタイプ別にご紹介します。
⑴筋弛緩・筋肉の緊張をゆるめる系
こり固まっている筋肉をゆるめる薬で、比較的新しいタイプの薬です。
■コリホグス(小林製薬)
筋肉を内側からゆるめることで、つらい肩こりを改善する効果があります。主成分は筋肉弛緩成分「クロルゾキサゾン」。さらに痛み止め成分「エテンザミド」が肩や首すじのつらい痛みを和らげます。
つらく痛みを伴う肩こりタイプの方向けです。初めての方は1回1錠からお試しください。
口コミサイト“アットコスメ”の口コミでは、眠気を催しやすくなるそうで、寝る前に飲むことを勧められている方が多かったです。Amazon紹介ページ
⑵血行促進&ビタミンB系
長時間同じ姿勢でいたり、冷えを感じる場合は血行不良を起こしている可能性があります。肩こりと同時に目の疲れを感じる方はこのタイプの薬を選択してみてはどうでしょうか。
また筋肉の硬直は、筋肉のエネルギー代謝低下や、末梢神経の圧迫・損傷を引き起こします。このタイプの薬にはそれらを改善する「ビタミンB系」、「葉酸」、「ガンマ-オリザノール」が含まれているものが主流です。
■キューピーコーワ iプラス(コーワ)
長時間のパソコン作業等で目の疲れから肩こりを感じる方向けの医薬品です。新配合のヘプロニカートが末梢血管を拡張し血流量を増加させます。
またビタミンEも血行促進作用があります。ビタミンB1は市販医薬品基準で最大量を配合。
あわせてB12、L-アスパラギン酸、カリウムが疲労促進や筋肉と神経の回復効果をもたらします。Amazon紹介ページ
⑶痛み止め・鎮痛剤系
肩こりがひどく痛みを感じる程度になると、まずは痛みを止めることで通常の生活を送れるようになります。効果や副作用のレベルによって分類が分かれます。
いずれも根本解決には至らないので、痛みが治まったら原因からの解消法を行いましょう。
■ロキソニンS錠(第一三共ヘルスケア)
痛み止めの効果が高くて有名なロキソニンS錠は、第一類指定医薬品に分類され、医師や薬剤師の指導のもとに服用します。
ドラッグストアでも買うことができますが、薬剤師が在席するタイミングでしか求めることができません。
病院だと保険診療で費用を抑えることができ、ジェネリック(後発)医薬品を処方してもらうこともできます。
痛み止めの効き目が高い薬ですが、2016年に重大な副作用の可能性としてまれに「小腸・大腸の狭窄・閉塞がおきること」が追記されました。
これまでも約3%の確率で何らかの副作用を感じることがあったそうで、比較的副作用が起きやすい医薬品といえます。
⑷漢方処方系
漢方薬は、日本と中国の伝統的な生薬処方で、安全性や体質改善まで求める方に幅広く愛用されています。肩こりに即効性があるとされるものもあります。
体質や体の現況にあわせて様々な選択肢がありますので、思い当たる方は使用してみてはどうでしょうか。
■葛根湯(かっこんとう・ツムラ)
葛根湯は、もっとも親しまれている漢方薬です。カゼをはじめ、頭痛や肩こり、じん麻疹などに広く使用されています。
販売元のツムラでは首から肩にかけて強くこり、頭の重さや頭痛を伴う人に葛根湯をすすめています。
また、自然発汗のない状態での肩こりに効果があると説明しています。カラダが冷えている時、筋肉が冷えで硬直し肩こりを起こしている際に効果があるようです。Amazon紹介ページ
⑸湿布などの貼り薬系
湿布には冷湿布(貼った時に冷たく感じるもの)と温湿布(温かく感じるもの)があります。打撲や寝違え、または熱をもって腫れ上がったり、急に痛みだした時は冷湿布を使用してください。
慢性的な肩こりで、血行不足や筋肉の緊張を感じる場合は、温湿布で血行促進をするといいでしょう。
湿布薬は、コリのあるところにダイレクトに薬効成分を皮膚吸収させられる点で有効です。内服薬にありがちな眠くなったり、胃の荒れを起こす可能性がありません(人によっては肌荒れを起こす可能性はあります)。
■ロイヒつぼ膏(ニチバン)
通販で人気が高い温感湿布です。直径2.8cmの小さい円形パッチを肩こりのある部分に貼ります。
トウガラシ成分に似たノニル酸ワニリルアミドによる温感の刺激が患部の血行を促進します。サリチル酸メチル、ℓ-メントールなどの鎮痛消炎作用とあわせて、コリに効きます。
156枚入っていますので、たっぷり使えるのも嬉しいポイントです。Amazon紹介ページ
⑹塗り薬系
肩こりを感じた時に手軽に塗れるのが塗り薬のいいところです。ここでは、肩こりに効果的な成分を配合した塗り薬をご紹介します。
■ニューアンメルツヨコヨコA(小林製薬)
肩こりの塗り薬として歴史がある「アンメルツシリーズ」その新しい製品です。消炎鎮痛成分サリチル酸グリコールが患部に浸透し・肩こり・筋肉痛を治療します。
また、血行促進成分ノナン酸バニリルアミドがじんじんという温かな実感とともに滞った患部の血流を改善し、肩こりや筋肉痛を和らげます。Amazon紹介ページ
肩こりに効く薬については当ブログ「あなたの肩こりに抜群に効く!肩こり薬の全知識と根本解消法」にて詳細をまとめておりますので、薬についてもっと詳しく知りたい方は併せてご覧ください。
1−4.解消グッズの利用
肩こりを解消するためのグッズも多く発売されています。1日の終わりや休息の時間に活用することで筋肉の緊張を緩め、肩こりを緩和させてくれます。そのため、緩和対策のひとつとして活用するメリットはあります。
ここでは、肩こり解消に有効なグッズをご紹介します。
⑴入浴剤
生活習慣の中で肩こりを解消するために、毎日のお風呂の時間を活用すると、簡単に肩こり対策ができます。温かいお風呂に長く浸かることで、血行が促進され筋肉が温まり、またリフレクソロジー効果もあります。
入浴剤も数えきれない製品が出ていますが、肩こり解消のためには、ハーブや炭酸泉が特に効果があるとのことです。ここではその代表的な商品を紹介します。
■ツムラ バスハーブ
別名「くすり湯」をうたった、有効成分には100%生薬エキス配合した高級入浴剤です。生薬の香りと自然な緑色のお風呂でゆっくり気持ちよく入浴することができます。
配合された生薬は、トウキ、センキュウなど6種類。愛用者の声では「すごく良く温まる」「布団に入ってもポカポカ」という感想があがっています。
写真は2ヶ月分ですが、2週間分で2000円前後の210ml版もありますので、初めての方はそちらを試してみてはいかがでしょうか?(参照:ツムラ 商品紹介ページ)/Amazonでの購入ページ
■LPN ストレッチポール® EX
仰向けで横になり、エクササイズを行うだけで、筋肉の緊張を緩めるストレッチポール®。アスリートのケアのみならず肩こり解消のエクササイズにも非常に効果を発揮します。発売以来13年、すでに100万本以上出荷されています。
ストレッチポール®の上に縦に乗ると、胸まわりが自然に伸び、肩甲骨が動きやすい状態になります。
その状態でやさしく動かしたり振動を加えることで筋肉がゆるみ、関節や骨の配列が人間本来の状態に近くなります。多くの方が、使用後の肩の動きの良さを喜ばれています。
肩こり解消以外にも姿勢を整えたり、疲労回復に使えたり、睡眠導入のためのリラクゼーションなど幅広く使えますので、コストパフォーマンスが高いツールと思います。(ストレッチポール®EXの紹介はこちら)
この他にも肩こり解消グッズには様々な種類の商品があります。肩こり解消グッズについて当ブログ「爽快!肩こり解消グッズ・本当に効く&おしゃれな15の逸品」でご紹介しております。
グッズに興味がある方はこちらも合わせてご覧ください。
一時期爆発的に流行した、肩こり解消ネックレス。現在でも多くのメーカーより商品として発売されています。血行促進などの効果があるとして商品紹介されているものが多いです。しかし、効果効能について調べて見ると、個人差がありますが、効果があったという声と緩和されなかったという声が分かれ、その中で効果を実感できなかったという声が半数を超えていたそうです。根本的な原因解決をしなければ肩こりの緩和は難しいということでしょう。
2.根本解決で肩こりを引き起こさない!今日からできる再発防止策
肩こりを繰り返さないようにするためには、原因を未然に防ぐことが重要です。
この未然対策は決して難しいことではありません。どの方法も日々の生活でちょっと意識するだけで改善できるものばかりです。はじめのうちは常に行動することは難しいかもしれませんが、忘れないように意識して行うことから始めることで、自然と習得につながります。
まずはできることから毎日意識的に取り組むようにしましょう。
2−1.姿勢改善への取り組み
姿勢が悪いとカラダの一部分に負担がかかります。特に猫背や円背は肩に負担をかけやすく、肩こりの症状を起こしやすくなります。
肩こりを引き起こさないようにするためには、日々の生活での姿勢を整えることが重要です。良い姿勢を私たちは以下のように定義しています。
前面
側面
すべてが一直線になるように意識することが重要です。化粧室などにある鏡の前で自分の姿勢をチェックしてみましょう。
2−2.質・量ともに十分な睡眠
2−3.栄養価のある食生活
カラダを修復するためには、栄養価の高い食事を摂ることが重要です。その中でも特に肩こりを解消するために積極的に摂りたい栄養素は以下の種類です。
・ビタミンB群
・ビタミンC
・ビタミンE
・カルシウム
これらの栄養素を摂取することで、血行促進や疲労回復、ダメージを受けたカラダの修復するなどの効果が期待できます。豚肉や豆、玄米、チーズ、牛乳、緑黄色野菜、アーモンドなどのナッツ類を積極的に摂るようにするとカラダを回復させることが期待できます。
また、慢性疲労を感じている方は上記の栄養素のほかにクエン酸を摂取することで疲労回復を目指すとより効果的です。レモンやスポーツドリンクなどからも摂ることができるので、疲れを感じた時には意識的に摂るようにしましょう。
各栄養素を含む主な食材
ビタミンB群 | 豚肉、魚類、貝類、肉類、卵、牛乳、豆、玄米、チーズ、牛乳、緑黄色野菜 |
ビタミンC | 果物、赤ピーマン、ブロッコリーなど |
ビタミンE | ナッツ類、アボガド、植物油など |
カルシウム | 乳製品、魚介類、大豆製品、ナッツ類 |
2−4.1日の疲労はその日のうちに取る
1日の終わりにカラダのケアを行うことで翌日のカラダの状態は変化します。夜遅くまで仕事をして帰宅したらそのまま寝室へダイブ。翌朝目覚めて後悔した経験ありませんか?
疲労を翌日に残さないことが肩こりを未然に防ぐことにつながります。つまりカラダの疲れを取るためには、寝る前の準備が大事です。
・温めのお風呂にゆっくり入る
・就寝1時間前までにストレッチを行う
・アロマを炊く
・ゆっくり深呼吸をする
・ホットドリンクを飲む
上記のような時間を意識的に取り、カラダの緊張を寝る前に取るように心がけましょう。リラックスできる方法を見つけてみてください。
カラダの緊張を取ることで肩こりを未然に予防しましょう。
2−5.運動習慣を身につける
肩こりの症状が起きないようにするためには、肩こりをしないだけの筋力をつけることが重要です。筋量が少ないことそのものが肩こりを引き起こす原因にもなります。
そうならないようにするために、運動習慣を身につけましょう。1日10分からでも大丈夫です。
ジョギングやウォーキング、トレーニングなどご自身にあった運動方法を選択してそれを習慣づけていきましょう。
3.まとめ
ここまで、肩こりの解消方法と根本的な再発防止方法についてお伝えしました。どの方法も簡単に行えるものばかりで再現性の高いものです。
今回ご紹介したものからご自身に合ったものを選択して継続的に行い、厄介な肩こりを緩和、解消させましょう。
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