猫背を治したいのはなぜですか?
・姿勢が悪いことを気にしている
・老けて見える
・肩こりがひどくて、整体に行ったら「猫背気味の姿勢が原因ですね」と言われた
などさまざまかと思います。
でもなかなか治りませんよね?
それは、
「ストレッチをしてもすぐ戻ってしまう」「良い姿勢を意識しても10分も長続きしない」「座り姿勢を矯正してくれる椅子を買ったけども、疲れてしまって長時間使えない」からです。
これはなぜかというと、猫背を治すためには「ゆるめる」と「キープする」の両方が重要なのに、片方しか行っていないからです。
「ゆるめる方法」も、「キープする方法」も世の中にはいっぱいあふれているかもしれません。どれが効果的かわからない方のために、この記事ではプロトレーナーたちに聞いた最も効果的と思われる方法をご紹介します。
今までいろいろな方法を試しても効果が感じられなかった方は、ぜひ行ってみてください。
目次
1.猫背の代表的な3パターンとは
よくある猫背姿勢のタイプを以下にお伝えします。当てはまるものはありますか?
A:理想的な姿勢です。背骨のラインは自然なS字カーブを描いており、骨盤はごくわずか前に傾いています。
B:反り腰姿勢です。一見、胸が張って、ウエストのくびれもあるように見えるかもしれませんが、S字カーブの傾斜がキツくなっています。背中の中心部が後ろに出っ張る猫背姿勢。腰にも負担がかかります。骨盤は前傾しています。
C:パソコン作業などが続くとなりやすい巻き肩姿勢です。椅子に浅く腰掛け、背もたれを大きく後ろに倒すような姿勢が続くと、この姿勢になります。背中は丸まり、頭部も前に出ています。背骨は、S字カーブというよりもCカーブに近い形です。骨盤は後傾。
D:これも骨盤後傾姿勢ですが、カラダ全体が後ろに倒れているような姿勢です。スウェイバックともいいます。後ろ加重のバランスをとるために頭部が前に出がちです。横から見ればこれも猫背に。ヒザは曲がり男性型がに股にもなりやすい姿勢です。
B、C、Dのいずれかに当てはまる方が多いです。
2.猫背で生まれる筋肉のアンバランスとは
全身に張り巡らされた筋肉は、時にはゆるみ、時には力が入ることでバランスが保たれています。使わないままでいると衰えていきますし、緊張しっぱなしだと疲労してしまいます。
縮こまっていても緊張しますし、伸びきっていても緊張しています。
猫背はこれが胸側と背中側で起きている状態なのです。
具体的には、内側に丸まった胸側の筋肉は縮こまっていますし、その裏側である背中の筋肉は背筋が湾曲することで、伸びています。
胸側の主な筋肉は大胸筋(だいきょうきん)、小胸筋(しょうきょうきん)であり、背中側の筋肉は僧帽筋(そうぼうきん)や脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)です。
猫背を治すには、まずこれらの筋肉をゆるめることと、正しい状態でキープできるようにトレーニングしていくことの両方が重要です。
ゆるめただけで姿勢に改善がなければ、またすぐに戻ってしまいますし、正しい姿勢をキープだけしようとしても、筋肉が猫背姿勢で固まっていますので、これもまた戻ってしまいます。
次の章からは、ゆるめる方法と、キープする方法を順を追ってお伝えします。
3.猫背を治す方法1「ゆるめるストレッチ」7選
まずはセルフマッサージとストレッチで緊張した筋肉をゆるめていきます。
3−1.胸前のセルフマッサージ
縮こまった胸の筋肉をセルフマッサージでほぐします。写真ではスーパーボールを使用していますが、ゴルフボールなどでも結構です。またボールがなくても、指先を写真のようにあわせて、力をかけて小さな円を描くようによくほぐしてください。15〜30秒が目安。
3−2.椅子の背もたれで大胸筋ストレッチ
胸をストレッチしながら、ねじりの動きで脊柱起立筋などもストレッチできる方法です。
片手でヒザをホールドします。もう片方の手を後ろにひねりながら、背もたれをつかみます。視線はその手の方向に。腰や足は正面を向いたままにします。自然な呼吸のまま10〜20秒
3−3.手を前に組んでからの背中ストレッチ
背骨を反らすストレッチですが、効果をアップするために、一度前方に思いっきり湾曲させてから行います。単に反らすよりも効果を感じることができるでしょう。
両手を前ならえの要領で伸ばし、手を組みます。そのまま両手を前に伸ばしていきます。顔はおへそをのぞき込むようにしてください。
ゆっくり手を離しながら、ヒジを後ろに引いていきます。胸を張りながら頭部も後ろに引くようにしてください。ゆっくり3〜5回を目安に。
3−4.カラダ横倒しストレッチ
横への動きで、大胸筋のストレッチをしながら、肋骨の柔軟性を引き出し次章のエクササイズを行いやすくします。
片手を反対足のモモの外側に置きます。反対の腕を上げ、横に倒します。腰から上で倒れるようにしてください。ゆっくり10カウントを2〜3セット。
3−5.腰まるめ胸反らしエクササイズ
縮こまった胸の筋肉をストレッチし、丸まった背骨を伸ばす効果のあるエクササイズです。
四つんばいになり、ヒザを付きます。足の甲は床を向けておいてください。
お尻をカカトに近づけながら背筋を伸ばしていきます。この時に胸は軽く反り、手のひらで床をしっかり押すようにしてください。
お尻がカカトに限界まで近づいたらゆっくり戻していきます。3〜5回繰り返します。
3−6.タオルを使用した肩甲骨エクササイズ
固まった広背筋をゆるめ、肩甲骨の動きを良くするストレッチです。
写真のようにタオルを両手で持ち、ヒジから先(前腕部)をくっつけます。このときに小指どうしは離すようにしてください。
そのままヒジから上の部分を真っすぐ上に持ち上げます。掴んだ両手を徐々に外側に開くようにテンションをかけてください。
ゆっくり3〜5回繰り返します。
3−7.アゴ引きエクササイズ
これも椅子を使用しますが、背もたれに背中が当たらないよう浅く座ります。後頭部の下のくぼみに両手をあてヒジを開きます。
そのままヒジを後ろに動かしながら、アゴを引きます。反対に胸はよく反るようにしてください。呼吸は止めずに5カウントほどキープしたら、元に戻ります。3〜5セット繰り返してください。
4.猫背を治す方法2「キープする運動」5選
姿勢の保持には、胴体の深層部にある「インナーユニット」の筋肉が大きく関わっています。
インナーユニットは呼吸機能にも関わっていますので、呼吸の運動で活性化してあげます。その後簡単な体幹トレーニングを行い、良い状態をキープするようにしましょう。
4−1.逆腹式呼吸
お腹を使った深い呼吸でインナーユニットの活性化がはかられますのでぜひ行っていただきたいです。
息を吸う時にお腹の周囲が縮む呼吸です。スーーーッとゆっくり吸いながらお腹を凹ませていきます。難しいと感じる方は、自然呼吸からハッとかホッと息を吐きます。そこから息を吸うとともにお腹を凹ませていくとうまくいきやすいです。3〜5回、繰り返しましょう。
4−2.腹式呼吸
逆のお腹の動きを行います。
今度は息をゆっくり深く吸いながらお腹を膨らませていきます。膨らみきったら息を吐きながらお腹を凹ませていきます。
※腹式呼吸が難しい方 脱力と深い呼吸が足りない場合が多いです。よくリラックスして深い呼吸を行ってください。カラダを左右に揺すったりしてもかまいません。
※それでも難しい方 一度ベッタリとうつ伏せになってみましょう。再度脱力します。息を吸いながらおへそで床を押し、お腹を膨らませてください。これが腹式呼吸の感覚です。仰向けでも行えるように少し練習しましょう。
息を細く長く吐きながらお腹を凹ませきるのを実感したら、再度繰り返します。3〜5回。
4−3.四つんばいで片手浮かし
息を吐きながらお腹を凹ませる呼吸で、簡単な体幹エクササイズをおこないましょう。
四つんばいで片手を浮かしてみましょう。この時に「息を吐きながらお腹を凹ませる呼吸」で、お腹をしっかりキープするようにします。慣れていない方はこれだけでもフラフラしますが、がんばってみてください。10秒キープ。できる方は上げた手を前に伸ばすようにしてみましょう。
4−4.四つんばいで片足浮かし
同様に片足を床から浮かします。これもできるようになったら後ろに真っすぐ伸ばしてみましょう。
さらにできる方は、反対側の手も浮かす運動に挑戦してください。フラフラしないようにしっかりキープです。ともに前後ろに伸ばすのもOKです。
4−5.壁を使った直立脚上げ
仰向け寝と四つんばいでのエクササイズを行いましたので、立った状態でも姿勢保持筋を活性化させましょう。
壁を背にして、壁から5cmほど離れて直立します。そのまま片足を真っすぐ上に引き上げましょう。お腹にしっかり力をいれ、股関節で引き上げます。フラフラしないことが理想的で5〜10秒キープしたら、足を入れ替えます。
猫背の方は写真のように、背中や腰が壁に当たりやすいので注意してください。
5.猫背を治す方法3「ボディイメージも修正しよう!」
ボディイメージとは、「自分のカラダの認知状況」のことです。皆さんは無意識に、ご自身の今の状態が自然なものだと捉えています。これが猫背を治す取り組みを始めると、何となくの不自然さを感じることになります。
例えば、視点は高くなります。背が伸びたからです。頭は正常より後ろにある感じがします。これも今までは前にあったからです。
ですので、この不自然な感じが実は理想的であることを意識しなくてはなりません。四六時中意識するのは難しいと思います。思い立った時に正しい状態を再現し、慣れるようになさってください。
6.ツールを使えば簡単&効果的! ストレッチポール®で猫背改善する方法
ここまでの章では、セルフで緩めたり、キープしたり、正しい姿勢のイメージを意識して暮らすことの方法をお伝えしました。
お伝えした方法は効果的で自信を持ってお勧めできるものですが、全てを行うのは大変だと感じられたのではないでしょうか?
しかし、ストレッチポール®を使えば、リラックスしながらこれらの運動を行うことができます。ストレッチポール®は当ブログを運営する㈱LPNが製造販売する運動サポートツールです。
ストレッチポールの上に仰向けで縦に乗っただけで、胸、首、肩、背中、腰の筋肉が自分の体重で優しくストレッチされます。
そのままで自然呼吸したり、手足で小刻みな振動を加えることで、深層部の筋肉までゆるまり、骨の配列が本来の状態に戻る効果が生まれます。
ストレッチポールの上に仰向けで縦に乗ると、後頭部、背中、腰の各1点のみツールと接することになります。これにより正しい軸の意識が作られます。
これもご自身のボディイメージを修正することに繋がります。継続してお使い頂くうちに、背筋本来の状態であるほうが自然で心地よく感じられるようになるからです。
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ストレッチポールのエクササイズが姿勢改善の可能性があることは、複数の研究論文で明らかになっています。 参考:ストレッチポールエクササイズが立位アライメント、動的姿勢制御に及ぼす影響 /松島ら 24回日本保健科学学会学術集会 その他の「ストレッチポール 姿勢」に関する論文もCiNiiに収録されています。
ここでは、誰にでも効果を実感していただける猫背改善のためのエクササイズをご紹介します。
6−1.ベーシックセブン
ベーシックセブンは、ストレッチポールのもっとも基本となる、誰にでも効果を感じていただけるエクササイズです。
予備運動3種で身体の大きな筋肉をゆるめ、本運動の効果を引きだす準備ができます。本運動7種は、主に肩甲骨や肋骨まわりをゆるめる運動や股関節まわりをリセットする運動で構成され、さらに全身をゆるめ整える運動や、呼吸のエクササイズも加味されています。
全身にとって様々な良い要素が加味された運動で、猫背改善のためにもこのベーシックセブンだけを継続的に行っていただけば効果が現れるはずです。
別記事「ストレッチポールの効果と誰にでも効果が得られる使い方」の中で、方法を詳細に解説してありますので、そちらをご参照ください。
6−2.時間がある方は「肩甲骨の運動」もオススメ
ストレッチポールを使った首まわりの運動1 ”ツイスター”
カラダをねじる運動です。基本姿勢から、両手を天井方向に伸ばし片側の手でもうひとつの手首を握ります。握った方の手を床に付けます。両足は、腕とは逆の方向に倒します。自然な呼吸のまま、ゆっくり10カウント数えてください。体勢をもどし、反対側も同様に行います。1セットだけでも効果がありますが、気に入られたら2〜3セットおこなっていただいて構いません。
ストレッチポールを使った首まわりの運動2 ”クレッセント”
カラダをクレッセント(三日月)の体勢にする運動です。基本姿勢から右手を頭の方に伸ばします。右足も伸ばします。そのまま左に少し倒れます。
カラダの右側がストレッチされることを感じてください。通常はここまでですが、今回は首こり用にさらにダイナミックに行います。右ヒジで右手を折り曲げ、頭部にタッチするようにします。ゆっくり10カウント数えて反対側も行ってください。2〜3回繰り返してもかまいません。
ストレッチポールを使用した「肩甲骨の運動」は他にもあります。気になる方は、Youtube再生リストにまとめてありますのでそちらをご覧ください。
Youtube再生リスト【ストレッチポール】肩甲骨の運動 ソラコン
7.まとめ
猫背の治し方についてお伝えしました。猫背の改善には、「ゆるめる」と「キープする」の両方が不可欠です。
特にキープするためには、姿勢保持筋であるインナーユニットを、呼吸によって活性化してあげることが重要です。お伝えした方法は、比較的簡単でどなたにでも行いやすいものですが、呼吸の活性化には大変効果的な運動です。
ぜひ毎日定期的に、思い出したら行うようになさってください。
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