新年、今年こそカラダを変える!と決心した方も多いのではないでしょうか。あれから一か月、気が付くと何も続いていない…なんてことになっていませんか?何度もチャレンジしてもなかなか続かない筋トレ。それどころか、また続かないんだろうな…とチャレンジすらしなくなってしまう事もあります。
人間の脳には新たなことを拒む性質があるため、新しい物事を継続するにはかなり根性が必要です。アスリートでもない限り、日常生活を送りながらストイックにトレーニングを続けることは難しいのが普通なのです。
この記事では、筋トレをいかに継続させるかというコツ、目指す身体になるためのヒントをお伝えします。
この記事は石塚利光が監修しました。 日本コアコンディショニング協会コアコンディショニングリサーチディレクター/東京大学女子バレーボール部トレーナー/米国公認アスレティックトレーナー (BOC-ATC) /日本トレーニング指導者協会・認定上級トレーニング指導者(JATI-AATI)/ペンシルベニア州立カルフォルニア大学卒業/前・福岡大学助教/訳書「アスレティックボディ・イン・バランス」(Gray Cook著) |
目次
1.目標を見える化し、逃げ道をふさぐ
一発目からネガティブに聞こえてしまうかもしれませんが、私は多くのトレーニング挑戦者、失敗者、成功者を見て、取材してきました。自分自身の経験を踏まえても、継続できるかどうかは最初の3ヶ月にかかっています。
3日坊主とよく言いますが、最初の1週間、頑張れば1ヶ月くらいは続く人は多いです。しかし、その段階で、仕事が忙しくなる、悪天候が続く、体調を崩すなどの問題が起きて継続が止まった際、習慣を再度取り戻せずにそのままやらなくなってしまうという事がよくあります。
逆に3ヶ月継続できると、習慣化することが楽になりますし、何より体に変化が出てくるので楽しくなってきます。楽しくなって来たらこっちのもの。「ワクワク」という気持ちは行動するのに最も有効なホルモンを出し、やらないことが逆に物足りなくなってきます。
この状態に持って行くために重要なのが目標を目に見えるようにすることです。
1-1.なりたい姿をイメージする
目指す姿は人によって様々です。服をオシャレに着たいとか、目指すスタイルのスポーツ選手や芸能人がいるとか、具体的にイメージしましょう。目指す身体の写真を目に見える場所に貼るのも効果的です。
1-2.数値目標を立てる
痩せるにせよ、身体を大きくするにせよ、数値目標が出てきます。体重、体脂肪率、ウエストなど目標を数値化すると、目指すところが明確になります。できれば「いつまでに」という期限もあるとなお良いです。
目標を立てるためには、現状を知らないといけません。現状としっかり向き合い、無理のない目標を立てましょう。あまりにもズレた目標であった場合、途中で修正すればいいのです。特に男性に多いですが、「一度立てた目標を変えてはいけない」と思っている方もいますが、そんなことはありません。とにかく目指すところを決めましょう。
身長175cm 体重80kg 体脂肪率25%
元々運動部だったのでガッチリしているが、体脂肪が増えたので落としたい。体重も75kgにはしたいが、筋肉は落としたくない。
【目標】体重―5kg 体脂肪 -5%
月に―1kg、-1%ペースで、5ヶ月後までに達成する
1-3.行動目標を立てる
数値目標だけでは、なかなか日々のモチベーションが続きません。なぜなら、最初はなかなか変化がなかったり、途中スランプ期に陥る場合があるからです。特に最初の3ヶ月を乗り切るためには、行動目標が大切です。
週2回やる、階段を使う、など何でも良いので継続する目標を立てます。数値目標と違って、週2回やると「達成!」となるので、モチベーションが上がりやすいです。チェック表やカレンダーに記録など、好きな方法で記録してください。人には枠を埋めたくなる習性があります。子どもの頃に縄跳びなどでやった記憶があるかと思います。是非試してみてください。
筋肉を維持しつつ脂肪を落とすので、週3回筋トレをする
歩く意識を持って、駅では階段を使う
飲み会で〆の炭水化物を月1回までにする
1-4.周りの人と共有する
実は、ここが一番の肝です。周りの人に「やります!」と宣言したり、SNSで発信することで、逃げそうなときのストッパーになります。もっと良いのは、誰かと一緒に始めることです。3人以上だとなお良く、苦しい時の支えになったり、頑張った時にたたえ合うと、継続の大きな励みになります。
同僚3人と一緒に始め、毎月目標達成度を共有する
達成できなかった人はできた人にご飯を奢るルールを採用
2.サボった自分を責めない
トレーニングをついついサボってしまったり、はたまた逆行するような暴飲暴食をしてしまうこともあるでしょう。そんな時に自分を責めないことです。1週間何もしなかったり、1日食べ過ぎたくらいで大きく身体が変わる事はありません。短期的な身体の変化は水分によるむくみがほとんどです。あまり一喜一憂せず、「よし、明日取り返すか!」くらいの気持ちでいきましょう。
最も怖いのは自己嫌悪に陥ったり、どうせできないなと諦めてしまう事。自分に甘すぎるのも問題ですが、ダメな自分に寛大な人の方が結果的に継続できていることが多いです。短期間で劇的変化はなかなか望めません。焦らず目標に向かっていきましょう。
3.自分に合ったスケジュール管理法を見つける
時間管理の方法やスケジュール管理のアプリなど、決めたことをやり続けるための手段はたくさん溢れています。何を活用してもいいと思いますが、最も大切なのは自分に合った方法を探ることです。人それぞれやりやすい方法は違いますし、やり方にこだわりすぎてトレーニングが続かないのは本末転倒です。
ありがちなのは、最初にルールをガチガチにしすぎてしまうこと。意識高くスケジュールを組んでトレーニングすることはとてもいいことですが、トレーニングする前に膨大なメニューを組んでしまうと、いざというときに足取りが重くなってしまいます。そうならないためにも、下手に形にこだわらずまず始めてみましょう。
トレーニングの曜日を決めたり、夕食前にやるなどのマイルールを作ると良いですよ。また、継続していく中でだんだん自分なりのルールができていきます。
4.モチベーションを上げる工夫をする
自宅で行う場合、フィットネスクラブ等と違い周りの目もないですし、モチベーションの維持が難しい場合があります。そのような時は、モチベーションの上がる工夫をしましょう。
4-1.BGMや動画を活用する
テンションの上がるようなアップテンポなものや、内から力がみなぎってくるような重厚なものなど、これも自分に合うものを探してみましょう。トレーニングをしている映像などもオススメです。
4-2.呼吸法を活用する
生活のリズムを司っているのが自律神経です。1日の生活の中で、「交感神経」と「副交感神経」の2つのどちらかが交互に優位になって人間の活動を支えています。行動的な状態の時には「交感神経」が優位になります。反対にリラックスモードの時には「副交感神経」が優位になっています。
トレーニングをする際は、交感神経が活発な方が良いです。動物でいえば狩りをするときの集中した状態です。呼吸でこの状態に持って行くには、呼吸を速くすることが効果的です。「ハッハッハッ…!」と、意図的にダッシュをした後のような呼吸をしてみましょう。身体が活発に動くモードに切り替わります。
まとめ
筋トレを継続するには、習慣化することが最も重要です。さぼりたくなったり、やる気が出なくなるのは自然なことですので、今回ご紹介したコツを上手く取り入れて継続していきましょう。
初めから追い込みすぎず、しっかりと計画を立てたうえで負荷にならないようにすることが筋トレを継続していくための近道です。自分の性格も考えて続けやすいように組み、効果を出すためのメニューへと移行していきましょう。変化が出ると楽しくなり、意欲が湧いてきます。筋トレで自分のなりたい身体を目指しましょう!