ウォーミングアップは必ずやろう!その理由と効果的な7つの方法+α

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ウォーミングアップの方法をお探しですか?

やったほうがいいと思っているけれども何をやればいいのか分からない方もいると思います。

または、チーム内にぜひやったほうがいいと思ってお伝えしたくても、どうすればいいか困っている方もいるでしょう。

実際、限られた練習時間で早く上達しようとスキルや競技に特化した練習をすぐに始めてしまっている方は多いです。

その気持ちはとてもよくわかりますが、練習前にウォーミングアップをしないと、ケガやパフォーマンス低下など、悪影響を及ぼすことも多いのです。

ウォーミングアップは実践練習とは別個に切り離して、十分におこなうことが望ましいです。この記事ではそれをやるべき理由とやらなかった場合のリスクについて、また具体的な方法について詳しくお伝えします。


1.ウォーミングアップの目的と効果とは

「ウォーミングアップ」をなんとなくおこなっていませんか? ただ単純に走ったりカラダを動かしているだけでは、ウォーミングアップの効果はあまり良いものにはなりません。目的や効果を理解しておこなうことが大切なのです。

ウォーミングアップの目的と効果は以下のようになります。

目的:

・正しい動きを獲得するための準備
・(可動性向上による)スキル、技術獲得などのパフォーマンス向上
・その日の体調の確認

効果:

・心拍数を上げる
・体温を上昇させる
・筋肉の可動範囲を広げる
・ケガの予防をする
・交感神経を優位にする
・血行を促進する

以上の目的と効果を知っていることで、自然とウォーミングアップの強度も変化してきます。


2.軽視できない!ウォーミングアップ不足によるリスクとは

ウォーミングアップを怠ったことでケガをすることは少なくありません。

「カラダを温める方法なら他にもあるし」と実際の競技の動きそのものをウォーミングアップに取り入れているチームも多いのではないでしょうか。

例えば、サッカーのパス回しや、野球のキャッチボール、バレーボールのトス回しなど、実際の競技で必要なスキルを低強度でおこなう練習を「ウォーミングアップ」としているところも多いです。

しかし、ウォーミングアップをおこなわず(カラダの準備ができていない状態で)、これらの練習をおこなうことはリスクをともないます。

ウォーミングアップを実施しないことにより考えられる主なリスクは以下の3点です。

・ケガや痛みの発症
・心疾患や持病の再発
・パフォーマンス(技術)の低下

ここではそれぞれのリスクについてお伝えします。

2−1.過負荷によるケガ

ウォーミングアップの目的は先ほどお伝えした通り、カラダを温めることです。そうすることで、筋肉や腱などの柔軟性を引き出し、関節がもつ可動域を大きくします。

しかし、ウォーミングアップをおこなわず、いきなりメインパートの運動を始めてしまうと、十分にカラダが温まっていないため、イメージ通りにカラダを動かせなかったり、関節や靭帯などに負荷をかけてしまいます。

その状態で運動強度を高めていき、複雑な動きや、とっさの動作に対応する時に大きな負荷が一部の筋肉や靭帯などにかかり、ケガをしてしまうこと可能性も高くなります。

アキレス腱断裂や肉離れなどがこの例として多く、ウォーミングアップをおこなっていれば防げる可能性も高くなるのです。

2−2.心疾患や持病の再発

上記のようなケガを避けることはもちろんですが、より気をつけたいことは狭心症や心筋梗塞などの心疾患です。

特に運動不足の方や生活習慣病を抱えている方は注意が必要で、激しい運動になればなるほど、運動中の心疾患リスクは高くなる傾向があります。

久しぶりにカラダを動かす方は、より入念なウォーミングアップが必要なのです。また、持病があったり、治療の一環として運動が処方された場合には、医師の診察を受け、必ず運動強度などを確認した上で運動を行ってください。

2−3.パフォーマンスの低下

ウォーミングアップを実施せず、競技の練習をはじめからおこなうと、カラダは十分に動く準備ができていないため(筋温が十分温まっていない)、イメージ通りに動かすことができず、良いパフォーマスの状態で練習ができません。

これにより、フォームが崩れたりミスが多くなるなどして練習の質が低下するため、必ずウォーミングアップの時間を確保することが大切なのです。

3.まずはダイナミック(動的)ストレッチから・厳選種目7選

それでは具体的なウォーミングアップ方法を実践していきましょう。まずはじめにおこなうのは、カラダの柔軟性と動かす準備をするためのストレッチです。

中でも、勢いをつけながらおこなうダイナミックストレッチは、筋肉の可動性をあげながらカラダを温める効果があり、ウォーミングアップ前に実施するストレッチとして効果的です。

この章ではカラダ全体の可動性を上げるダイナミックストレッチを7種目お伝えします。

3−1.肩甲骨の動的ストレッチ1

球技や武道など肩甲骨を使わない競技はほとんどありません。そんな運動に大切な肩甲骨をまずはほぐしていきましょう。

足を腰幅から肩幅くらいまで開き、両手を肩に当てます。肘を大きく回すようにして腕を回していきましょう。この時に肩甲骨の動きを感じながら行うことがポイントです。左右10〜15回を目安に行いましょう。

3−2.肩甲骨の動的ストレッチ2

肩甲骨の動的ストレッチ1よりも強度が高いエクササイズです。プロ野球(MLB)の前田健太投手が準備体操として行い、注目されましたね。肩甲骨の動きがパフォーマンスに大きく影響する方はこちらのエクササイズをおすすめします。

上半身を伸ばした状態でカラダを前に倒します。腕は全体的に脱力し、肘を前に回すイメージで素早く回していきましょう。肩甲骨の動きを感じながら左右20回を目安に行いましょう。

3−3.胸の動的ストレッチ

胸の動きを引き出すストレッチです。投球動作やオーバーヘッドスポーツをする時にウォーミングアップでストレッチしておくと動きが良くなります。

腰幅から肩幅くらいまで足を開き、胸の高さまで腕を持ち上げましょう。反動をつけながら胸が広がるように素早く両手を広げていきましょう。伸ばしきった反動で今度は反動をつけて抱え込むような姿勢に戻りこれを繰り返します。10〜15回を目安に行いましょう。

さらに広げる角度を変化させることで、伸ばし方が変わっていきます。特にオーバーヘッドスポーツではこのような様々な角度に素早く伸ばしていくことで動きが引き出されます。

3−4.ハムストリングスの動的ストレッチ

ダッシュやジャンプなど瞬発力が必要な競技では、ハムストリングスがしっかり使えるかがパフォーマンスに大きく影響してきます。また、ハムストリングスは激しい運動の中でダメージを受けやすくケガにもつながるので、準備とケガ予防の両面から大切な運動になります。

歩きながら、タイミングをとり勢いよく片足を振り上げます。振り上げた足のつま先を足と反対側の手で掴みましょう。左右リズムよく行うことがポイントです。ハムストリングスのストレッチを感じながら左右10回を目安に行いましょう。

つま先を手で掴むことを意識しすぎると上の写真のように上半身が丸まってしまいます。これでは十分にストレッチすることができないので、エクササイズを行うときには注意をしましょう。

3−5.大腿四頭筋の動的ストレッチ

ハムストリングスが肉離れが多いのに対して大腿四頭筋は打撲や挫傷などが多い部位です。ストレッチをすることでパフォーマンス向上やケガの予防をすることができます。

このエクササイズはランニングなどをしながら行います。お尻に手を置いて、軽く走りながらかかとがお尻に着くように足をあげましょう。膝を曲げているときに大腿四頭筋が伸びていき、ストレッチをかけていきます。ゆっくりなペースで走りながら行い10〜15m間を目安に走りながらおこないましょう。

3−6.股関節の動的ストレッチ

走ったりジャンプをしたりとスポーツをする上で股関節の動きを引き出すことで、下半身の動きがよくなります。

綺麗な姿勢で立った状態から片足を持ち上げます。膝の頭を中心に後方から回すようにして股関節を回していきましょう。上半身が正面を向いた状態で行うことがポイントです。左右10回を目安に行いましょう。

3−7.体側ともも前の動的ストレッチ

スポーツでは動きの中でカラダをひねることも多くあります。体側のストレッチを行うことで、ひねりを動きやすくしましょう。

ランジのように片足を大きく前に出します。後ろに残る足と反対側の手でかかとを触れるように上半身をねじりましょう。歩きながら左右交互に行うと動きの中でリズミカルにストレッチすることができます。カラダへ力を入れないように脱力を意識し10回を目安に左右行うようにしましょう。

4.心拍を高める動きでメイン練習の準備をする

ストレッチでカラダの可動域を最大限に引き出したら、メインの運動に入る前に心拍数を上げるランニングやサーキットトレーニングをおこないます。カラダが温まってきていればこのあたりで競技スキルのパターン練習(キャッチボールやパス回しなど)をおこなうのも良いしょう。

ただし、間違った認識にならないよう念を押すと、あくまでもウォーミングアップの一環でおこなうということです。

はじめは会話をしながらおこなえる程度の強度で実施することがポイントです。強度は徐々にあげていき、軽く息が上がる程度の強度を目指しましょう。

筆者がこのパートでもっともオススメするエクササイズは、高這い(タカバイ)エクササイズです。

手足が同側でおこなうパターン

手足が対角で歩行するパターン

両手両足を床につき歩くだけのシンプルな動作ですが、肩や股関節に荷重がかかり可動域を高め、さらに心拍数を高める効果が期待できます。

それ以外にも高這いには、
・理想的な静的&動的姿勢の獲得
・体幹のトレーニング
・手足のコーディネーション
などの効果があります。

また、特に「こうしなくてはならない」と細かいことを気にしなくても、ただ高這いでコートやダイヤモンドを一周するだけで、理想的な動きの準備ができます。(手のひら全体がしっかり地面を捉えるようにしてください)

参照:https://stretchpole-blog.com/winter-weight-loss-tips-21224#i-6

試しに5〜10m程度写真の姿勢で歩いてみてください。心拍が上がっていき、カラダが暖かくなる感じがすぐにわかるでしょう。歩き方は手足同じ方を前に出す動きと、対角の手足を前に出す動きがあり、それぞれカラダの動かし方が違うので5〜10mを各一本ずつおこなうといいでしょう。

これを実施した後に競技の基礎練習に入るとカラダの変化に気づくでしょう。

今までただダラダラ走るだけを行っていたチームは、ぜひそれに代えて高這いをやってみてください。慣れてきたら、競走やリレーなどもお勧めです。

5.まとめ

ウォーミングアップの重要性と効果的な実践方法をお伝えしました。

当記事を通し、ウォーミングアップの重要性を再確認していただくことができたかと思います。ご紹介したエクササイズを運動前に取り入れ、メイン練習の質を向上させましょう。

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