冷え性・よくある原因と慢性時に可能性のある代表的な5つの疾患

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Chilled woman

お風呂に入って、速やかにベッドに入っても眠りにつく前に、手足の冷え…。これで眠れなくなってしまう方がいます。

靴下を二枚重ねにしたり、手袋をしたり。腰が冷たくなる方もいます。

冬はもちろん、暖かくなった春でも、夏の室内でも冷えを感じるのです。

この記事では、冷え性の原因について解説します。よくあるものの改善策と、慢性的な場合にあり得る他の疾患についてもご説明します。手足、指先の冷えを解消したい方や、慢性的な冷えで不安がある方はぜひ参考になさってください。


1.よくある原因とは

末端を含む全身各部位への血行障害です。血液は体内で温められ体中を巡りますが、ここに滞りがあると冷えてしまうのです。筋肉が少ない場合も熱生産と保温ができずに冷え性となりやすいです。良くカラダを動かしている人やトレーニングしている人には冷え性が少ないと言われるのもこれが理由です。

また脳科学が影響している場合もあります。人間は寒さを感じると体内の熱を外に放出しないように毛細血管や末端の血管を収縮させ一時的に血流を滞らせます。これが本来より続いてしまうことで、冷え性となるものです。

お風呂上がり後でも急速に冷えを感じる方は、この防御システムが過剰に働いている可能性があります。日頃から末端への血流促進や、睡眠の質向上に努め、またストレスなどを溜め込まないようにしましょう。


2.血行不良の改善策

この章では全身の血流を改善するエクササイズをご紹介します。「第二の心臓」と呼ばれるふくらはぎをストレッチで伸ばし、その後に活性化する方法です。

2−1.床に座ってのストレッチ

床ストレッチ

写真のように床に座ります。左のヒザを立てて、左腕で抱えます。その状態でまっすぐ伸ばした右足先を右手で触るようにします。できれば足先を手前に向けるようにテンションをかけてください。呼吸を止めないで10秒引き続けます。ふくらはぎにストレッチ感を感じることが大事です。反対側も同様に行ってください。

2−2.壁を使ってのストレッチ

壁ストレッチ

アキレス腱伸ばしの運動に近い形です。壁に手をついてください。手は肩幅より広くとりましょう。片足を前、反対足を後ろに出して、出した方の足にテンションをかけます。アキレス腱だけではなく、ふくらはぎ全体にテンションがかかる位置と力を見つけて行ってください。10〜20秒ストレッチします。小刻みに動かなくて大丈夫です。

2−3.高這い(たかばい)エクササイズ

少々キツいですが、簡単に全身を温めるのが高這い(タカバイ)エクササイズです。

手足が同側でおこなうパターン

手足が対角で歩行するパターン

両手両足を床につき歩くだけのシンプルな動作ですが、肩や股関節に荷重がかかり可動域を高め、さらに心拍数を高める効果が期待できます。

それ以外にも高這いには、
・理想的な静的&動的姿勢の獲得
・体幹のトレーニング
・手足のコーディネーション(効率的な連係)
などの効果があります。

動き回るスペースが取れない場合は、上記の態勢から前に手を送っていき(足は送らずに)、限界まで前に行ったら元の態勢に戻るという方法でも可能です。畳一枚ほどの広さでできるでしょう。

血行を促進改善する方法は以下の記事にてより詳細に解説していますので、お知りになりたい方は参考になさってください。

末端冷え性必見!5つの特選ストレッチ&血行改善の食事や運動方法

冷えだけが訴えで死ぬことはありません。就寝前の入浴、保温対策、禁酒、禁煙など、気長に対策しましょう。また、一部の精神薬や睡眠薬(ベンゾジアゼピン受容体作動薬)を飲んでいると、こんな訴えをすることがあります。その場合は医師と相談の上、薬剤の減量を検討されると良いでしょう。

3.まれに病気サインの可能性も

冷え性が血行の滞りだけによるものであればお伝えしたような方法で改善の可能性があります。

しかし慢性的(数ヶ月〜数年以上)に、季節関係なく冷え性に悩まされている場合、そのうちのごくわずかなケースにおいては他の病気が引き起こしていることも考えられます。

ここでは慢性冷え性の原因となりうる疾患をいくつかご紹介します。心当たりがある場合は、主に内科を受診なさってください。

3−1.重篤な血行障害

冷え程度の血行不良ならまだしも、重症になると「血行障害」となり、健康に対して大きな影響を及ぼします。程度の段階は以下のようなものです。上から初期です。

・歩くとふくらはぎが痛かったりしびれたりする。麻痺を感じる

・末端や腰部の冷えやしびれを常に感じる、指先が青黒くなる

・指先をケガしたときに血の止まりが悪い。潰瘍が発生する

・指先が壊死する

・その他、脳梗塞、心筋梗塞、狭心症など

血行障害を引き起こす疾患は以下のようなものです。

・閉塞制動脈硬化症

・パージャー病

・レイノー病

3−2.貧血症

鉄欠乏性貧血や悪性貧血が代表的です。貧血は、全身に酸素を運ぶのに十分かつ正常な赤血球を作ることができない疾患です。  冷え性は、さまざまある貧血症に共通する症状です。

貧血の他の症状は以下のようなものです。

・疲労蓄積、回復が遅い

・顔色が悪い、まぶたやツメが白い

・動悸、いきぎれを起こしやすい

・めまい、立ちくらみを起こしやすい

・不規則な心拍(不整脈)

特にめまいや動悸があれば、貧血を疑います。採血で簡単に診断できますので、心当たりがあれば内科を受診しましょう。

3−3.甲状腺機能低下症

甲状腺は、首の下部にある蝶の形をした腺です。 代謝を制御する役割を担っています。 この甲状腺が十分な甲状腺ホルモンを作れないときや、体がそのホルモンを効果的に処理できない場合に、甲状腺機能低下症になる可能性があります。

慢性冷え性の他には以下のような症状が現れることが多いです。

・抜け毛、薄毛

・乾燥肌、肌荒れ

・疲労が抜けない

・生理不順

・便秘

・肥満、体重の増加

むくみやだるさが先行して起こりますので、こちらも心当たりがあれば内科を受診しましょう。採血で甲状腺刺激ホルモンの数値を見て判断できます。

3−4.糖尿病

糖尿病に起因する腎障害は、糖尿病性腎症といいます。この症状の一つで慢性的な冷え性を感じる場合があります。

糖尿病性腎症の他の症状には、

・吐き気、嘔吐

・かゆみ

・食欲減退

・動悸、息切れ

・めまい、意識混濁

・顔、手足の腫れ、むくみ

3−5.摂食障害

ダイエットが度を超えたり、過食症の反動だったり、スポーツにおける体重制限で摂食障害(拒食症)になったときに慢性冷え性を起こすことが多々あります。

摂食障害およびそれに伴うさまざまな症状が起こりうる状況は以下のようなケースです。

・標準的な体重より15%を下回っている

・常に体重のことを考えている

・3ヶ月以上、生理が来ていない

4.まとめ 慢性冷え性の場合、何をすべきか

季節性によるものや、新陳代謝の悪化、運動不足による冷え性は、記事前半でお伝えした対策を行うようにしてください。

慢性冷え性の場合は、より深刻な病気を引き起こしたり、疾患の症状として起きている可能性もあります。3ヶ月以上続く場合、軽視しすぎないことが重要です。

他の方が上着を脱ぐ部屋や、春になっても改善せず、もしくは徐々にひどくなっていく場合は、各種検査や、内科や婦人科の診療を受けたほうがいいでしょう。

原因疾患がはっきりする冷え性の場合は、根本的な治療により改善する可能性があります。

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