突然ですが、アナタは前屈ができますか? いつかできるようになりたい、と思っていてもなかなか難しいですよね。カラダが硬いことで下半身太りや腰痛を感じたりしていないでしょうか。カラダが柔らかければ、若々しく見られるようになると思いませんか?
実は前屈ができるためには、カラダのいろいろな部位の柔らかさが必要です。カラダが柔らかいことは、健康的な生活のための第一歩です。
そこで、安全かつ最も効果的に「前屈」を行う方法をお伝えします。どれも一カ所30秒程度でできるものです。早い人は3日でできるようになることもありますので、まずは3日続けてみてください。
目次
1.前屈ができるようになるための3カ所チェック
まずは前屈ができない原因がどこにあるかをチェックします。ほとんどの方が、次の三カ所のいずれか(またはすべて)が硬いことが原因です。前屈をしながら、強い痛みを感じない程度にチェックしてみてください。
・もも裏・ヒザ裏・ふくらはぎが硬い
前屈をする時に、もも裏やヒザ裏、ふくらはぎが突っ張って、前に倒れたいのにピリピリとした痛みを感じるケースです。
そのような方は2−1.脚裏の柔軟性向上ストレッチを行ってください。
・股関節の動きが硬い
前屈をする時には、股間のV字ラインから折れ曲がる必要があります。これができないで腰から曲がっているような人は、股関節が硬いといえます。
このような方には、2−2.股関節の柔軟性向上ストレッチをおすすめします。
・背骨と肩甲骨の動きが硬い
上記2つに当てはまらないのに前屈ができない人は、上半身の硬さを疑ってみます。床に手を付くには、背骨から肩甲骨のラインも綺麗なカーブを描いて丸くなる必要があります。このラインがフラットになっていませんか?
背中がフラットになる方は、2−3.背骨と肩甲骨の柔軟性向上ストレッチを行います。
・その他
前屈をしようとすると、腰が痛くなる方がいます。腰の椎間板が飛び出して神経を刺激している可能性があります。このような方は、無理に前屈をしないでください。
2.前屈のための正しいエクササイズ
なぜできないかチェックできたら、その部位を柔らかくするストレッチをします。ご紹介するストレッチは、なるべく安全で確実なものですので、健康に不安のない方はぜひ試してみてください。また、アレンジメニューも加えてありますので、可能な方はそちらも行ってみてください。
2−1.脚裏の柔軟性向上ストレッチ(ドアの枠を使う方法)
ドアの枠を使うことで、骨盤が正しい位置のまま脚裏がストレッチされます。このことで腰を守りながら効果の高いストレッチができます。Gray Cookという著名な理学療法士が紹介した方法です。脚裏が伸びることを感じながら、片脚ずつ30秒間行ってください。
アレンジメニュー・タオルを使う方法
この方法は、脚裏の内外の筋肉もストレッチすることができます。まずはまっすぐ上に30秒あげます。そのまま、内外に15秒ずつ倒してください。
適当なドアもタオルもない場合
両脚を90度に曲げた卍字状態から、脚を伸ばします。これも30秒までです。
2−2.股関節の柔軟性向上ストレッチ
まず股関節の動きを良くしてから、ストレッチをしていきます。写真の体勢で、膝を内外に回します。それぞ10回ずつ行ってください。
四つ這いから、お尻を後ろに引いていきます。お尻とかかとが付くぐらいを目指します。これも30秒。
アレンジメニュー
同じく四つん這いから、片脚ずつ伸ばして後ろに引いていきます。まっすぐ伸ばした状態をキープします。
2−3.背骨と肩甲骨の柔軟性向上ストレッチ
背骨のラインが綺麗に丸まるようにイメージしましょう。写真のように、腕を前に出しながら、背中を丸めていきます。
息を細く吹きながら、おへそへ顔を近づけます。これも30秒を目安にしてください。
アレンジメニュー・座って行う方法
3.効果的に行うポイント
・運動や入浴後がベストタイミング
筋肉が温まり、血行も良くなっているので、伸びやすくなっています。日頃の習慣としてぜひ取り入れてください。
・呼吸は止めない
自然な呼吸を繰り返しながら行ってください。
・反動をつけたり、パートナーの力で無理な負荷をかけない
短期間で効果をあげようとして、無理な力で行ってはいけません。筋肉や腱を痛める可能性もあります。強く伸ばした筋肉は、縮んで戻ろうとする作用も出て、イメージするほど効果的ではありません。
・1日1回、できれば3週間は続ける
早い人は短期間で効果が上がりますが、難しい人も3週間続ければ前屈ができるようになりますので、頑張ってください。また、継続的なカラダの柔らかさを身につけるには日頃の習慣として取り組みましょう。
・事前にセルフマッサージを行う
お伝えしたストレッチは大変有効な方法ですが、その効果を高めるために、事前にセルフマッサージを行うことをお勧めします。
これは専門用語では「筋膜リリース」というものです。筋膜とは筋肉を覆っている膜で、ほうっておくと筋肉と癒着しがちです。これをマッサージでほぐすことで癒着を解消し、筋肉の動きを良くします。具体的には、手やテニスボールなどを使って、もも裏やふくらはぎなどの硬い部分を揉みほぐすのです。
もしストレッチポールがご用意いただけるのでしたら、下記のような方法をおすすめします。
アメリカの研究では、ストレッチポールを使ったセルフマッサージとストレッチを組み合わせることで、もも裏の動きを良くすることに相乗効果があると発表しているものがあります。
Effect of Foam Rolling and Static Stretching on Passive Hip-Flexion Range of Motion – Journal of Sports Rehabilitaition , Volume 23, Issue 4, November
ストレッチポールを活用した運動を行うことで、股関節の動きが良くなるなどの様々な効果があります。
股関節の動きを引き出したい方は「ストレッチポールで簡単骨盤調整!2つのポイントとその方法」「ストレッチポールの効果と誰にでも効果が得られる使い方」をご参照ください。
ストレッチポール®は㈱LPNの登録商標(第4666450号)です。正規品は公式LPNショップにて、またAmazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでも正規品をお買い求め頂けます。
4.カラダが硬いことのデメリット
・下半身太りなどの原因になる
筋肉が硬いということは、その筋肉があまり使われていないということです。脂肪がつきやすくなり、下半身太りなどの原因になると考えられます。
・腰痛や肩こり、悪い姿勢につながる
一部の筋肉が緊張していることは、体のアンバランスに繋がります。そのことで腰痛や肩こりが引き起こされているケースが少なくありません。
例えば腰を曲げる際に、もも裏の筋肉が硬いと腰を使って前屈みになろうとします。このことが腰に負担をかけているのです。こういう人は普段から、腰も後ろに偏って引っ張られているので、姿勢を悪くする原因にもなっています。
・ケガをしやすい
柔軟性が少ない人は、そもそも動きが悪いか、動かそうとしないか、別の筋肉や関節を使って動こうとします。そのことで体の一部に負担が偏ってしまい、ケガの起こるリスクが大きくなると考えられます。また、筋肉を柔らかくしておくことは、肉離れなどのリスク減少に繋がります。
・動きが悪くて、スポーツパフォーマンスもダウン
カラダが硬いこと=関節の動きが悪いことです。歩いたり走ったり投げたり飛んだりというスポーツ動作にはデメリットとなります。日常生活のあらゆる動きもスムーズさに欠けます。
・手足の冷え、高血圧や、動脈硬化につながる。
筋肉が硬いことは、血の巡りを悪くしている可能性があります。ストレッチを行い柔軟性を引き出すことで、血流が良くなり手足の冷えの解消に繋がります。血流が滞って起きる高血圧の対策にもなります。
また、体が硬い人ほど動脈硬化が進みやすい、という研究発表があります。
参考資料:体が硬いほど動脈硬化は進みやすい(一社)日本生活習慣病予防協会
・実際より老けて見える
筋肉に柔らかさがないと、ツヤやハリが損なわれます。
ヨガやピラティスの先生に、実際より若く見える方が多いのは、カラダに柔軟性があり、日頃からストレッチや運動を行っていることが最大の理由と考えられます。
5.まとめ
今回ご紹介したストレッチを、ぜひ日頃の生活習慣に取り入れて柔軟性を獲得し、若々しい人生をお過ごしください。
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