アイシング・10部位の効果的な方法を写真で紹介!実施時間の目安も

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Icing down the knee after playing

アイシングは、運動やスポーツをしている最中によく起こる筋肉や骨、靭帯などへのケガをしたときの応急処置としてまず最初にするべき対処法の一つです。

腫れを引かせ、痛みの感覚を和らげさせる効果があります。スポーツや作業時、もしくはその後に痛みを感じたらぜひ行っていただきたい処置です。

でもやり方がよくわからない方が多いかと思います。なかには手っ取り早く保冷剤を患部に直に当てているケースもあるかもしれません。しかしその方法ではデメリットも少なくないのです。

ではどうすればいいか。この記事では効果的な方法を米国公認アスレティックトレーナーが分かりやすくお伝えします。

この記事は山口淳士が執筆しました。
EXOS Performance Specialist/米国公認アスレティックトレーナー(BOC-ATC)/NASM-PES, CES

中京大学体育学部体育科学科卒業後、Bloomsburg University大学院でアスレティックトレーニングを学び、米国公認アスレティックトレーナーの資格を取得。2016年4月に6年間のアメリカ生活を終えて日本に帰国。現在はEXOS Performance Specialistとして、某大手企業内フィットネスセンターで運動指導などを行っている。また、アスレティックトレーニング系ブログ「CHAINON」と、熱中症ブログ「熱中症.com」を運営している。


1.アイシングの準備

アイシングの準備は、氷と水を防水性のある袋に入れて密封するだけです。すでに準備が終わっている方は2章以降に読み進めてください。

1−1.氷のうや厚手のポリ袋でOK

もっともアイシングに適したツールが氷のう(アイスバッグ)です。防水&密閉性が高く、セルフでも使いやすい形になっています。アイスバッグは発熱時にも使えるなど活用範囲が広いので、一家に一つはあるといいでしょう。容量1リットルのものがおすすめです。チームで購入する際はできれば選手の数ぶんとサイズ違いを取り揃えてください。

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アイスバッグの代表例 ZAMST アイスバッグ 。リンク先に各種サイズあり。 Amazon販売ページ

アイスバッグがない場合はジップロックなどでもOKです。漏れなければポリ袋(ナイロン袋)でも良いです。痛みや腫れがある時はもちろん、肩等を酷使したあとはやらないよりもやった方がいいので、袋を見つけて行うようにしてください。

1−2.氷だけはNG!

氷は溶けやすいことが大事です。このことで水と混じり、アイスバッグ内で空気が少なくなり、より広い範囲を均一に冷やすことができるからです。

家庭用冷凍庫の氷は表面温度が-18度くらいあります。この低温が肌に触れると凍傷を起こす可能性があります。水と混ぜることで平均温度がアップし、比較的マイルドな冷たさになります。また肌にフィットしやすくなります。保冷剤も同様の極低温ですので注意してください。

業務用製氷機は、0度になるべく近い温度で製氷しています。こちらのほうがアイシングに最も適しています。スーパーで生鮮食品を求める際に分けてもらうことができます。

1−3.氷がない時は流水でも!

とにかく少しでもケガをした部位の温度を下げることができれば、腫れや痛みを多少なりとも鎮めることが可能です。冷やしたタオルを当てたり、冷たい流水を患部に流し続けることでも、何もしないよりは良いでしょう。水温が15℃くらいであればアイシングの効果が期待できます。もちろん温度が0℃に近い方が良いですが、氷がないからといってあきらめずに、その場でできる限りの対策をとってください。

1−4.固定はバンテージや専用ラップが便利

アイシングバッグの固定は、バンテージが便利です。ただ、プロトレーナーの現場では、洗濯したり丸め直したりが面倒なので使い捨ての専用ラップやアイシング用ポリ袋を使用することが多いです。

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伸縮バンテージ。安価で伸縮性があり何度も使えるのでテーピングよりも便利。リンク先にサイズ各種。Amazon販売ページ

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アシックス・アイシングラップ。幅10cm×150m Amazon販売ページ

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クレーマージャパン社製アイスバッグディスポ(専用ポリ袋)。1,500枚が1ロールに。Amazon販売ページ


2.効果的なアイシングの方法【部位ごと実践編】

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今回の撮影では、1Lのアイスバッグ、3種類のバンテージ(10cm×4.5m、10cm×9m、15cm×9m)、氷、水を使用

アイスバッグができたらいよいよアイシングをしていきます。ポイントは「多少圧迫をかける」こと。アイシングをしたい部位に氷のうやアイスバッグをただポンッと置くだけではなく、バンテージや包帯、調理用ラップなどでアイスバッグを巻いて固定することで、より密着し、効果的なアイシングを行うことができます。

バンテージ(ない場合はキッチン用ラップやタオル、包帯でも可)の巻き方ですが、まずはアイスバッグ全体を広く覆い、下(先端)から上(根幹)方向に巻いていくことを繰り返します。このことで動きによってズレてしまうことを防ぐ効果があります。

2−1. 足首の捻挫

スポーツにおける足首捻挫のほとんどは、内反捻挫といって足首を内側にひねって起こる捻挫です。外側の靭帯が伸びていますので、アイスバッグを外くるぶしに置きます。

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10cm×9mのバンテージ使用

捻挫の際に「氷水をはったバケツに足を漬ける」という方法を勧められることもありますが、受傷直後はおすすめできません。これは、応急処置4原則のうちの「挙上」ができないからです。挙上することで血液の流れを抑制し腫れを抑えることができます。ご紹介したアイシングを行いながら足を心臓より高く挙げていることで、「冷却」「挙上」「圧迫」「安静」が同時に可能になります。

・時間の目安:15分

2−2. 肉離れ(前ももの場合)

後ろもも(ハムストリングス)の場合はうつ伏せになって患部にアイスバッグを置き、同様に行ってください。

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15cm×9mのバンテージ使用

・時間の目安:皮下脂肪の少ない人やアスリート=25分, 皮下脂肪の多い人=40分

2−3. 膝(内側の場合)

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15cm×9mのバンテージ使用。足をつくのも痛いことが多いので、カカトの下にモノを置いてサポートします。写真では途中省略していますが、フルに使って下から上に巻ききります

・時間の目安:25分

2−4. 肩

野球やバレーボール等のオーバーヘッドスポーツ(手が頭より上にあがるスポーツ)などでは肩を痛めやすいです。競泳でも「水泳肩」といって肩に炎症を起こすことがあります。

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15cm×9mのバンテージ使用。斜めに2回巻いたら脇の下から縦に1回を二度繰り返して完成です

・時間の目安:25分

2−5. ヒジ

ヒジの内側はテニス肘や野球肘の際に痛めやすいです。ゴルフ肘の場合は外側を痛めやすいので、アイスバッグを外にして巻きます。

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15cm×9mのバンテージ使用

・時間の目安:15分

2−6. 手首

ラケットスポーツでの酷使や、腱鞘炎などの際に使える方法です。

10cm×4.5mのバンテージ使用

・時間の目安:15分

2−7.突き指

指をアイシングする場合はアイスバッグを使用するよりもカップの中に氷水を入れてそこに指をつける、というやり方が手軽で効率的です。

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・時間の目安:7分

※検索サービスにてキーワード「アイシング 指」で検索をすると、指をアイシングするために作られたジェルタイプの保冷剤がたくさん出てきますが、上記したように、保冷剤は肌が冷えすぎてしまうため、凍傷にならないよう注意が必要です。

2−8. ふくらはぎ

患部に巻きやすいように、写真では椅子の座面にヒザを置き、トレーナーの足で足首をサポートして空間を作っています。

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15cm×9mのバンテージ使用

・時間の目安:痩せ型=15分, 体格の良い人=25分

2−9. 股関節

股関節のツマリで痛みを感じる際に有効な方法です。

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15cm×9mのバンテージ使用。肩関節同様に横と斜めに2回覆います

・時間の目安:15分

2−10. 腰

急性腰痛症(ぎっくり腰など)の際にも使える方法です。

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15cm×9mのバンテージ使用。痛みの部位が広範囲の場合は2Lのアイスバッグがおすすめ

・時間の目安:痩せ型=25分, 体格の良い人=40分

※今回ご紹介した巻き方を動画でもお伝えいたします。写真では伝わりにくいテンションの掛け方などがお分かり頂けますので、マスターしたい方はこちらも参考になさってください。


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3.アイシングを止める“感覚”とは

アイシングを始めると、以下のような順番で感覚が変わっていきます。この感覚の程度で継続と中断を判断します。

  • 冷たい
  • 痛い
  • 暖かい or 熱い
  • チクチクする
  • マヒ

よって、感覚での目安としては、アイシングをしている部位の感覚がマヒしたらアイシングを終えましょう。マヒしてもやり続け、痛みが出てきたら、それはやりすぎです。すぐにアイシングを中止してください。

4.効果的なアイシングのインターバルタイムとは

アイシングを終えた後、どれくらいたったら再びアイシングを始めていいのでしょうか。つまりインターバルの時間をどれだけとればいいのかについては、これは上記の「感覚が戻ったとき」です。きっちり何分後とは断言できませんが、1時間以上あければ問題ないでしょう。

アイシングを行う日数ついては、ケガをした直後から「2〜3日」は、一日に数回はやりましょう。ケガの程度によってはもっと長い期間アイシングをする必要があることもあるので、整形外科を受診してドクターのアドバイスを受けてください。

5.就寝中は避けるべき理由

いくらケガを早く治したいからといって、寝てる間ずっとアイシングをするのもやめましょう。長時間のアイシングも凍傷になる危険性があります。一日に数回アイシングをすることは良いことで、寝る前にアイシングをすることも良いですが、寝るときはアイシングはやめましょう。

6.まとめ

アイシングの具体的な方法をお伝えしました。体の部位を酷使したあとや痛みがある場合はぜひ積極的におこなってください。整形外科医にかかるまでの応急処置としても効果的な方法です。

またアイシングの効果や、知っておきたい知識については、別記事「アイシングとは・痛みに効果的な方法と原理をプロトレーナーが解説!」にてお伝えしています。より詳しくお知りになりたい方はそちらも参考になさってください。

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