シンスプリントの全原因・常にベストな状態で走るために

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シンスプリントになってしまった女性

シンスプリントかもしれない…。監督から今日は休め、と言われたけど明日は痛みが引いているだろうか。このまま練習に戻れずに病院で治療をすることになったら………。

走った後のスネの痛み。シンスプリント(過労性骨膜炎)という言葉を聞いて、ランニングそのものが競技の中心である「中・長距離走」選手の方は不安をおぼえるかと思います。

痛みがあるのに練習を継続した場合、パフォーマンスが発揮できないばかりか、痛みが長引きます。また痛みが引いたとしても、根本原因が解消されないまま練習に復帰すると、再度シンスプリントを引き起こしたり疲労骨折に陥るケースもあります。

まずは、対処の前に原因を知ることが大事です。なぜならば、この記事の中であなたに思い当たるところがあるならば、改善できる可能性が大いにあるからです。早期に競技復帰するためにも冷静に振り返ってみてください。

小島成久先生

この記事は、小島成久先生の監修を頂きました。
ランフィット代表・パーソナルトレーナー/日本コアコンディショニング協会 マスタートレーナー・A級講師/ニューバランスジャパン 技術顧問 シューズ開発アドバイザー 他
自己ベスト記録 フルマラソン 2時間22分34秒
100kmマラソン 6時間36分34秒(日本記録2回更新)
体に無理なく楽しく走るために、最適なランニングフォームやコンディショニングを提案。教え子に箱根駅伝選手も。Facebookページ https://www.facebook.com/narihisa.kojima

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1.痛みを引き起こしているもの

ランニングなどの走る運動によって引き起こされるシンスプリントは最も一般的です。脛骨(けいこつ)と前脛骨筋や後脛骨筋(スネまわりの筋肉)の筋膜との間に起きた摩擦や、ヒラメ筋(ふくらはぎの深層筋肉)が擦れる事による炎症で、いわゆる「骨膜炎」というものが発生している状態です。脛骨内側に痛みが発生します。

痛みが起こる場所

上図にある前方型のシンスプリントは、土踏まず前方の筋肉に負担がかかることによって引き起こされます。例えば足先を上げる動作が過剰な走り方をしていると起こりやすいと考えられています。

後方型のシンスプリントは、スネまわりの筋肉が土踏まずのアーチの崩れやカカトの負担により下に引っ張られて起きるケースが多いです。また、脚下部にて疲労骨折が起きていて、これがシンスプリントの痛みになっているケースがあります。

ランナーはもちろん、バスケットボール、バレーボール、野球、サッカーなどあらゆる競技で起こる可能性があります。


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2.練習の変化でシンスプリントが起こりやすい

シンスプリントは、さまざまな環境の変化が引き起こしていることが多いです。「初心者病」とも言われますが、ベテラン選手でも起こります。

2−1.練習環境の変化

アスファルトを走る練習環境が変わって一段落した頃、5〜6月にシンスプリントを訴える方が大勢います。以下のような環境の変化が考えられます。

・走路面の変化 今まで土のグラウンドで練習していたのに、新環境ではアスファルトの校外走が多くなった場合。逆に硬いところから柔らかい環境になった場合でも起こることがあります。最新の陸上競技場設備で練習できることになったのに、これまでの感触との違いで発症することもあります。

・天候の変化 梅雨時や秋口、急に寒い天候となった時の練習で発症することがあります。

・シューズの変化 メーカーを変えたとたんシンスプリントが起こってしまうケースがあります。単に気分で変えてみた場合は、戻すことで解消できる可能性がありますが、新しい環境で指定メーカーの靴を使用せねばならなかった時は注意です。

2−2.練習質量の変化(オーバーユース)

新環境になって部活の練習量が急に増えることで起こりやすくなります。中学校に入っていきなり上級生同様の練習環境になったときや、中学校から高校、高校から大学に入ったときなどです。

また、「地区1位でスポーツ推薦をもらい、全国クラスの選手が集まる環境になった」、「故障から復帰し、これまでの遅れを取り戻そうとした」時などがんばりたい気持ちで自分を追い込んで練習をしてしまう時などに注意です。

今までは一定のペースをキープする走りかたをしていたのに、スパートを組み合わせるインターバル走を行ってしまった時に発生するケースもあります。練習の質や量の変化は少しずつ行うべきで、新環境に徐々に体を順応させていくことが大事です。

3.シンスプリントを起こす人の特徴

この項では、選手個人の特徴によってシンスプリントの原因を作っているケースについて解説します。練習の変化に特に思い当たることがなければ以下の可能性があります。(練習の変化と選手の特徴によってシンスプリントが起こるケースも多々あります)

3−1.走るフォームが悪い人

走姿勢(ランニングフォーム)が悪い人は、シンスプリントを起こしやすくなります。以下にその説明をします。

膝の回内回外がある

膝の回内回外

脚全体がまっすぐのラインを作っていないことで、スネの筋肉に負担をかけています。膝が回内(X脚)・回外(O脚)することで、土踏まずにも影響を与えます。ビデオを撮ってもらうなどして自分の走姿勢をチェックしてみましょう。

足首の回内回外がある

足首の回内回外

冒頭で説明した通り、スネの筋肉は土踏まずまでつながっています。足首が回内回外することでスネの筋肉が過剰に引っ張られます。これがシンスプリントの大きな原因になります。シューズの底の減り方が左右どちらかに偏ってないか見てみましょう。内が減っていれば回内、外が減っていれば回外です。O脚やX脚気味で扁平足や外反母趾がある人も注意してください。

脚全体を使って走ることができず、足首の動きだけで走ろうとする

股関節の動きが悪い

足が浮くことなくしゃがむことができますか?

体に負担なく走るためには、脚全体を使った綺麗な走り方が不可欠です。しなやかな動きができず足首の動きだけで走ろうとする選手は、下記のいずれかの可能性があります。

・股関節の動きが悪い 股関節にツマリ感がありませんか

・お尻・ハムストリングなどがうまく使えていない 他の人より筋肉がついていないと感じませんか

・姿勢安定化のための体幹の筋肉がうまく使えていない 反り腰で走っていると言われませんか

・足首が硬い

足の底背屈足を引き寄せる動き(背屈・はいくつ)ができにくいことです。足首で蹴る動きが強すぎる選手に足首が硬い選手が多いです。必要以上に足首を使ってしまうので、ふくらはぎが他の人より発達しているように見えます。例えば、足を地面につけたまましゃがめない人は、足首が硬いと言えます。

これらの原因は連繫して関係することがあります。ランニングに詳しいトレーナーに見てもらうことができるなら、チェックしてもらいましょう。

3−2.扁平足(へんぺいそく)の人

扁平足

扁平足

足裏のアーチは、衝撃吸収のために大事です。扁平足の人は衝撃をうまく逃すことができず脚に伝えてしまうので、シンスプリントを発症させる可能性があります。

また最初は健全なアーチを保っていたのにも関わらず、長年練習をしているうちに、悪い姿勢のせいでアーチが崩れ、それが原因で痛みを発症するケースがあります。このような人は足底の筋肉が弱まっている可能性もあります。

※解消法の参考記事「トレーナー直伝扁平足の治し方!美しい土踏まずの運動7選

3−3.浮き指の人

浮き指

浮き指の足

立ったときや走る時に、足の指が地面と接しないで浮いている人です。立った時の足の裏の感触はどうですか? 五本の指からカカトまで全体を使ってしっかり立っていますか?

3−4.スネ周辺・ふくらはぎの筋肉が硬い人

筋肉が硬いと、さまざまなトラブルの原因になります。動きが悪くなったり、衝撃を吸収しにくくなったりします。特にふだんからスネやふくらはぎのウォーミングアップやストレッチをおろそかにしていたり、前屈ができない人、骨盤が後傾している人は、裏腿やすね周辺、ふくらはぎの筋肉が硬い場合が多いです。

3−5.ウォーミングアップやストレッチをおろそかにする人

スネの筋肉が温まっていないのに、いきなり激しく走り出すとシンスプリントを引き起こしやすくなります。原則として、筋肉の多い部分は温まりやすく、少ない部分は温まりにくいのです。ふくらはぎは筋肉が多くて温まりやすいのですが、スネは筋肉がほとんどなくなかなか温まりません。走り出す前にじゅうぶんなウォーミングアップ、ストレッチを行いましょう。また、走り出しの当初はスローペースで血液循環を促すようにしてください。

3−6.急激な体形の変化があった人

10代は、短期間で大きく体形が変化しやすい時期です。中学校に入学した時は子どもの感じがしていても、3年生になるとグッと大人の体つきになります。高校に入った時は華奢でも、卒業時は大人より大きいケースも少なくありません。

この時期に、今までと同じような練習を行っていても体格が大きくなることで、負担も思ったよりも大きくなってしまいます。特に女子の場合は、3kg体重が変わってしまったら、シンスプリントや疲労骨折など何かしらの傷害が起きると言われています。

4.シンスプリント 対処の方法

シンスプリント発症後、競技復帰を速やかにすすめるためにベストな対処方法をお伝えします。

・痛みが治まるまで練習を休む 痛みを我慢しながら練習を行わないようにしてください。慢性化や重篤化の可能性が高まります。

・痛みを取り除く 痛み止めの薬を使用したり、重度の場合はアイシングを行います。アイシングで痛みが引いたらそのままにせず温めて血行循環を良くします。特に就寝前は温めることが重要です。

・血行促進をする スネまわりを保温するネオプレーンスリーブを着用して、常に温めるようにしてください。締め付け効果があるものはかえってよくありません。

ネオプレーンスリーブ

ネオプレーンスリーブの例。締め付けより保温性のものを (C)montbell

・セルフマッサージを行う 自分の手で揉んだりして筋肉を柔らかくします。ストレッチポールを使ってスネ周辺に圧をかけると効果的にマッサージすることができます。

・キネシオテーピングをする キネシオテープは、皮膚を持ち上げて血行を良くする効果があるとされています。

キネシオテープ

キネシオテープ (C) ZAMST

・ストレッチを十分に行う 筋肉を温め柔らかくする効果があります。スネだけではなく足先からお尻まで下半身を(できれば上半身も)じっくりストレッチしてください。

・足底に負担のかからないトレーニングを行う 水泳、自転車、クロストレーナー、タオルやチューブを使用したトレーニングを行います。

クロストレーナー

クロストレーナー

ストレッチやトレーニングの方法については、別記事「プロ直伝シンスプリントの全治し方 | ストレッチ&テーピング等」にて詳細をお伝えしています。また、予防方法についても別記事「シンスプリントの再発が怖い!走りの専門家が教える予防方法」をご用意しました。興味がある方はぜひご覧ください。

まとめ

シンスプリントを引き起こす原因について述べました。走り方等に関わる部分は、なるべく自分やチームメイトでもわかるようにしています。 痛みのある時期は、まずは休んで痛みを引かせること。そして、そこからできるトレーニングとフォーム改善から行っていきましょう。

 

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