脳科学者が教える速やかな睡眠導入のための全改善策

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助けて!非常口は?

なんとか眠りにつきたいですよね。しかし毎晩、眠ろうと思ってベッドに入ってもなかなか寝付けず…。

自然に眠気が来るのを待ってスマホを見たりするけれども、気になるのは、仕事のこと、パートナーのこと、人間関係のこと、親のことなどさまざま…。

寝付きが悪いので、仕事中も睡魔が襲ってきたりして、なんとか週末に寝だめすることで自分を保っている感じではありませんか?

いろいろな方法を試したのにダメ…。睡眠導入剤でも使ってみようかな…、という方のために、当ブログでは、精神科や脳神経外科に長くお勤めしていた脳科学者の先生にお話しをうかがってきました。先生はメンタルケアやリハビリテーション作業に従事していたので、速やかに眠りにつくための方法の専門家です。

今日からさっそく行うことができる方法ですので、ぜひ試してみてください。


1.睡眠時間を「気にしない」こと

サボリ寝る

眠るためにさまざまな取り組みをしている人がいます

厚労省の調査では、寝付きが悪いと感じる人は、成人女性で20%、男性では13%もいます。(平成25年 国民健康・栄養調査結果の概要) 

多くの方がうまく寝付けないと考えているわけですが、寝付きが悪い人に多いのは、いろいろなことを気にしすぎたり、夜になるとアイデアがひらめいてきて絶好調になり、眠れなくなるという方です。

そのような方は、「何時間眠れなかったから、質の悪い睡眠だった!」「最低6時間寝ないと早死にする!」などと思わないで大丈夫です。

浅い眠りでもカラダは休めています。入眠して最初の2〜3時間で、脳の休息もかなり得られます。本人は睡眠時間が足りないと思っていても、睡眠計で測ると実は結構眠れていた、というケースも多々あります。

睡眠時間にとらわれない、という考え方をするだけでだいぶ気がラクになります。

質の高い睡眠のためには、一定の睡眠時間は必要ですが、寝付きの悪さに悩んでいる方は、まず普通に寝付くことができるように準備をはじめましょう。次項からその方法をご紹介します。


2.速やかな睡眠導入のために今日からできる取り組み

2−1.リラックス環境を作る

体の機能を司る自律神経のうち、リラックス時や睡眠中に優位に働くのが副交感神経です。副交感神経を優位にすることで、入眠することができます。ですので、速やかな入眠のためにはリラックス状態を意図的に作ることが必要です。

交感神経と副交感神経

交感神経と副交感神経が反比例して交互に優位になります

バナー原稿_bimp

室内環境を整える

暗い室内

不安のために、室内灯をつけたまま寝るという方がいます。しかし明るい環境で眠っていると、脳は光の信号を感じて情報処理を行ってしまいます。質の良い睡眠のためにも、なるべく暗くして眠ることです。

遮光カーテンは室内を暗くするのに効果があります。外部からの音も軽減してくれるのでおすすめです。よく眠れるカーテンの色は青系。濃色系もgoodですが、明るいスカイブルーも気を安らかにしてくれる効果があります。

雑音が入ってこないようにすることも大事です。部屋の中でもっとも静かな状態と、ピーク時の音の大きさの差を少なくすることが入眠に効果的です。ドアの軋む音などがたまに鳴ってしまうことを防ぎましょう。

室温や湿度にも配慮しましょう。お部屋が暑すぎたり寒すぎたりしないように。乾燥は夜中に目覚めてしまう一因になり、ノドを痛め風邪をひきやすくなり、スキンケアの大敵にもなります。

眠りのための音楽とは

入眠前にその人にあった音楽を聴くと、睡眠導入作用があるという研究結果があります。また目覚めも快適になるという効果もあるようです。

睡眠中は、脳波に対して音楽のリズムがフィットしないので深い眠りを妨げるだろう、という考え方が一般的です。眠りと音楽の関係、睡眠時の音楽の聞き方や、選び方については、コチラの記事「安眠に音楽は効果的?睡眠と音楽についてのウソホント 」にて詳しく取り上げていますので、ぜひご参照ください。

アロマを活用する

睡眠導入のために、アロマ(香り)を活用される方もいます。睡眠に効果的なハーブとして、ラベンダーやカモミール、スイートマジョラムなどが有名です。これらの香りをお風呂やキャンドルや肌につけることでリラックス効果が得られると考えられ使われているようです。

ハーブではないですが、タマネギのスライスやみじん切りも入眠に活用されている方がいます。硫化アリルという成分に気を鎮める作用があるのではないか、とのことです。枕元に置く場合は、少量(スライスなら2〜3枚)をネットに入れて。また夕食時に意識して摂られている方もいるようです。

2−2.入眠を妨げる要素を排除する

強い光

光の強い刺激が、入眠を妨げる大きな要素です。ベッドに入ってからのスマホやタブレット使用は控えましょう。「眠気が自然に来るまでのヒマツブシに…」と思って眺めていると、かえって眠気を催さなくなります。

LEDや明るすぎる蛍光灯も寝室ではおすすめめできません。特にLED光は明るさ抑えめのタイプでも刺激が強い傾向があります。「眠れないから気晴らしに…」と思ってコンビニへ出かけるのも、控えたほうがよさそうです。寝室では暖色系の白熱灯や間接照明を活用してください。

日没後のカフェイン摂取は控えましょう。コーヒーのみならず、緑茶、紅茶、さらにココアにもカフェインは含まれています。備考:一杯あたりのカフェイン含有量 レギュラーコーヒー=135mg/ココア=45mg/紅茶&緑茶=30mg

飲酒は、睡眠の質悪化につながります。最初はナイトキャップ程度でも、どんどん量が増える傾向となります。入眠には効果があるかもしれませんが、アルコールの覚めとともに睡眠からも覚めてしまいます。長時間寝ても眠りが浅いことが多く、疲れが抜けません。

2−3.眠りにつくための運動プログラムがあった

入眠には、適度な運動が効果的です。副交感神経を優位にする前に、じゃっかんアクティブな運動を取り入れて、一度交感神経を優位にします。そこからリラックス系の運動にシフトすることで、より副交感神経が大きく作用することになります。

交感神経を優位にするためには、有酸素運動を行うことです。寝る前2時間くらいまでに、30分前後のウォーキングやジョギング、可能ならばプールでの運動もオススメです。

そこから副交感神経を優位にするためにストレッチを行います。寝る1時間くらい前に行いたいストレッチを別記事「スッキリ目覚めるために!寝る1時間前に行うストレッチ4選」でご紹介していますので参考にしてください。

入眠のためには、さらに瞑想をオススメします。暗い部屋であぐらなど楽な姿勢で座り、目を閉じて深呼吸をします。そこから「無の境地」を目指して精神統一を行います。無の境地とは、何も考えない思わない状態を目指します。実際には難しいので、思いついたことを客観的に見つめるようにする感じでもOKです。

例えば「今、息づかいを感じているな」とか「一生懸命、無の境地を作ろうとしているな」「暗闇という単語をゆっくり脳内で書いてみようとしている」などです。心配ごとや考えごとは絶対にNG。時間は最初は3〜5分でOK、馴れてきたら10分以上できるように目指しましょう。ベッドの上で行ってそのまま寝てしまっても大丈夫です。

3.眠るための準備は朝から始まっている

規則的な生活を送ることは、睡眠の導入と質改善に効果的です。まず起きる時間と眠る時間を決めて、それに従って食事や入浴、運動、余暇の時間を設定しましょう。

3−1.朝早く起きる

さっそく明日の朝から早起きしてみてはどうでしょうか。目的は適切な体内時計を作ることと、日中の活動時間を長くして、適度にカラダを疲れさせることです。朝起きたら日光を浴びることが一般的にはオススメされますが、当ブログではそれほど重要視しません。

朝は、他人にジャマされにくいので、あらゆることがはかどります。1日の計画を練ったり、朝の支度にあてるなど有効活用しましょう。

3−2.昼間の過ごし方にもコツがある

日中はなるべく活動的に。デスクワークの方もお昼休みにカラダを動かしたり、帰りに一駅手前で降りて歩くなどはどうでしょうか。カラダを適切に疲れさせることで、自然に眠りに入りやすくなります。

昼食後に眠くなることは、自然です。この時間帯に一度副交感神経が優位になるからです。統計でも40%の人が日中に眠気を感じると回答しています。

抗いがたい眠気の場合、もし可能なら仮眠をオススメします。仮眠は30分までが目安。それ以上だと深い眠りに陥ってしまい、快適に起きることが難しくなります。午後の能率を上げる仮眠の取り方については、別記事「仮眠で集中力アップ!今日からできる効果的な仮眠の取り方」で詳しく解説していますのでご参照ください。

3−3.夕方から夜のタイムスケジュールはコレ

夕方からの過ごし方は、布団に入る時間から逆算して設定してみます。

一例として、夕食はオヤスミの3時間前までに。2時間前までに軽い運動と入浴。1時間前を目安にストレッチ。最後の時間は寝る環境を作ることや瞑想、そして布団に入って目を閉じることとなります。

眠りのためのプログラム

3−4.週末も平日と同じ時間に寝起きする

週末に寝だめして平日の睡眠不足を解消しようとすることも、できれば避けたいです。体内時計が時差ボケを起こし、夜眠れなくなり、月曜日をスッキリ迎えられなくなる可能性があります。

前項までのスケジュールで平日を過ごすことができたならば、週末も自然にそのスケジュールで目覚め起きられるようになります。この生活リズムが習慣として身に付くには1ヶ月程度が目安とお考えください。

4.睡眠導入に効果の高い健康グッズ

ストレッチポールの揺らぎ運動

 

乳児期における抱っこやおんぶによる安眠効果を参考に作られた「ゆりかご」。細やかな振動が入眠を引き起こすのです。バスや電車に乗ると眠くなることがあるのも「ゆりかご効果」です。

同様の効果が期待できるのが、ストレッチポールです。

まず、ストレッチポールに縦に乗ると、それだけで背筋が伸び呼吸が深くなります。自分の手足の重さで自然にカラダがストレッチされます。

その状態で、写真のように自由にユラユラ動いてみてください。目は閉じた状態です。このときに、ゆりかごのように揺れて深いリラックス状態を促します。

ストレッチポールが睡眠に効果的な理由」では、さらにて詳しく紹介しておりますので、睡眠の導入に最適なグッズをお探しの方はぜひ参考になさってください。

ストレッチポールストレッチポール®をお求めの方へ
ストレッチポール®は㈱LPNの登録商標(第4666450号)です。正規品は公式LPNショップにて、またAmazon楽天市場Yahoo!ショッピングでも正規品をお買い求め頂けます。

5.まとめ

すみやかな寝付きをお考えの方に、そのための方法を紹介しました。生活習慣や就寝環境に関わるものが多く、大変そうなものもあるかと思いますが、「ここまでやったから大丈夫だ」という自信や安心感も、入眠には大事な要素となるでしょう。あなたの生活の質を劇的に改善するために、ご参考になれば幸いです。

※ご紹介した方法で改善が見られない方は、睡眠中の呼吸や、自律神経の働きがうまく機能していないなどの可能性が考えられますので、睡眠障害改善を専門とする脳神経科や心療内科等の受診をおすすめします。また、そもそも「夜型の生活リズムが向いている方」もいますので、そのような方も睡眠リズムに適した就労環境の確保などをご検討ください。

この原稿は、中鶴真人先生の取材をもとに執筆しました。

中鶴真人先生

中鶴真人先生(脳科学者・作業療法士・JCCAコアセラピーベーシック コンテンツァー)

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