睡眠薬の正しい全知識 | 状況別選び方からQ&A33選

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睡眠薬

睡眠薬の種類、利き方や作用をお調べ中ですか? 「CMで見た薬を使ってみたけれど、あまり効果がなかった…」という方もいらっしゃるかもしれません。他にはどのような薬があるのでしょうか。病院で処方される薬はどのようなものでしょうか。そして自分にあっている薬はどれでしょうか。

そのような方のために、睡眠薬についての知識をまとめました。「睡眠薬の適正な使用と休薬のガイドライン」(厚生労働科学研究班・⽇本睡眠学会ワーキンググループ作成)から、皆さんの知りたい部分に特化してお伝えします。実際に医療の現場で、お医者さんが拠り所としているものの一部ですので、ぜひ安心してお読み頂き、参考になさってください。

 

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目次

1.状況別・睡眠薬の選び方

現在国内で処方・市販される睡眠薬やそれに類する医薬品・サプリメントをまとめた表が下記のものです。

気軽に入手できる睡眠薬として思い浮かぶのは、薬局(ドラッグストア)で手に入る市販の睡眠改善薬ではないでしょうか。また、病院で処方された薬の詳細に付いても知りたい方がいらっしゃると思います。

睡眠薬の選び方

大まかには下記のようになります。

サプリメント→日々の睡眠の質を良くしたいという方の体質改善のために。即効性は弱く、効果も個人差がある。

漢方薬→西洋医学の薬に抵抗がある方。ハーブを主原料としているために効き目が穏やか。心身の調子を整える目的があるが、これも効果は個人差がある。

市販の睡眠導入薬や鎮静剤→旅行やイベント前に気持ちが高ぶって寝られなさそうだ、という状況で一時的に使用する。

●病院で処方してくれる睡眠薬→診察の結果、不眠症と診断された方へ眠りを時間と質を供給する目的で処方する。寝付きが悪い方へは超短時間型。夜中何度も目覚めたり、明け方に目覚めてしまい二度寝できなくなる方、かつ日中の不調を訴える方へは中時間〜長時間型をチョイスする。

それぞれについて次項から詳細に解説していきます。


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2.薬局で買える「睡眠改善薬」は一時的な睡眠不足に使う

drugstore市販睡眠改善薬は「一時的な不眠に使用すること」「不眠症の診断を受けた⼈は使⽤しないこと」が大原則です。

一時的な不眠とは旅⾏や⼼配事などで数日程度眠れないことをさします。また、不眠症とは眠れないことのために日中の眠気や倦怠感など⼼身の不調がでた病気です。眠れないことが継続して辛い場合は、専門医を受診してください。

不眠が長引く場合には市販の睡眠薬で対処することはおすすめめできません。不眠の原因は⼈によってさまざまです。不眠症状が続く場合には、主治医や産業医、睡眠専⾨医に相談しましょう。  

2−1.抗ヒスタミン剤〜ドリエルなど

ドリエル12錠パッケージ(出典:エスエス製薬)

ドリエル12錠パッケージ(出典:エスエス製薬)

睡眠改善薬の代表例として有名なドリエルは2003年に初めて市販が認可された薬です。

アレルギー症状の原因となる脳内物質ヒスタミン。それがヒスタミン受容体に結合することを防ぐ「塩酸ジフェンヒドラミン」という成分は、摂取すると眠気を催すことがわかっていました。鼻炎を抑えるために風邪薬に含まれることもある成分です。この眠気を催す効果を、一時的な睡眠導入不良の改善に応用した薬です。Amazonでの紹介ページ※医薬品の使用上のご相談については、Amazon.co.jpが販売する商品をご購入される場合はAmazon.co.jpの薬剤師または登録販売者にご連絡ください。

抗ヒスタミン剤には、多くの種類があり、眠気を催すものは限られています。自己判断でやみくもにいろいろな薬を摂取しないようにしましょう。

同様の市販薬にリポスミンネオデイなどがあります。

2−2.漢方による鎮静剤〜レスティなど

レスティ錠

レスティ錠(出典:大正製薬)

鎮静作用(たかぶった気持ちを鎮める)のある漢方薬をメインに処方したのがこのタイプの市販薬です。レスティの場合は「抑肝散」という漢方薬に、さらに睡眠改善や気分を良くする効果を狙って、2種類の生薬を配合しています。

 「抑肝散」は、近年の研究から、進行した「アルツハイマー型認知症」で起こる妄想や、徘徊(はいかい)、暴力などの抑制にも効能があることが知られています。 また、ADHDやうつ病にも効能があり、漢方外来にても処方されることがあります。  

3.病院で処方される「睡眠薬」は、種類によって作用時間が異なる

Hospital現在日本の医療療機関で主に⽤いられる睡眠薬には、メラトニン受容体作動系非ベンゾジアゼピン系ベンゾジアゼピン系の各睡眠薬があります。

不眠症の改善効果は各薬剤間で大きな差はありません。ただし作用時間の長さ(効果の持続時間)は薬剤ごとに異なり、①超短時間作用型②短時間作用型③中間作用型④⻑時間作用型に分類されます。

不眠症のタイプ(寝付きが悪い、夜中に⽬が覚めて再び眠りにくい、朝早く⽬が覚めるなど)に応じて適切な睡眠薬を使い分けるのが⼀般的です。

・ 寝付く事ができない入眠障害など→ 超短時間や短時間型 

・途中で起きてしまうと再び眠る事ができない→ 中時間型など

また、副作用の種類や頻度にも薬剤間で差があります。どのようなタイプの睡眠薬がご自分に合っているのか主治医とよくご相談ください。

睡眠薬表

薬の半減期とは、「薬の全体量が体内で半分になるまでの時間」を指します。半減期が短い薬は、体内から素早く代謝・排泄されることを意味します。つまり、薬が効いている時間は短いということになります。

3−1.メラトニン受容体作動系〜ロゼレムなど

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ロゼレム錠8mg瓶(出典:武田薬品工業)

近年開発された、もっとも安全性が高いといわれる睡眠薬です。高齢者や基礎疾患がある患者さんなど副作用のリスクにさらに敏感な方にも⽤いやすいとして広がっています。

自然な状態では、夜になると、脳内のメラトニン受容体が刺激されて眠気が起きます。これを化学物質の力を借りて刺激することで眠気を催すようにすることで、入眠しやすくします。

この薬の効果的な例が、睡眠時間帯(自然な眠気が訪れる時間帯、睡眠相)が社会的に望ましい時間帯よりもずれている(多くの場合遅れている)ケースの場合です。

このような患者さんには強い夜型のケースや、軽度の概日リズム(体内時計)睡眠障害が含まれます。

また、睡眠時無呼吸症候群の患者さんの不眠治療でも、この薬の安全性が優れているとされています。

効き目が穏やかなために、 効果がでるまでに一ヶ月程度かかる場合がありますが、耐性が形成されにくいのも特徴です。軽度な入眠障害や不眠症の治療が初めての方に効果があるとされ、すでに他の薬を使用した方には、あまり効果が高くないことがわかっています。

※快眠のためのサプリメントとして国外で流通している「メラトニン」は、この薬とは異なります。

3−2.非ベンゾジアゼピン系〜マイスリーなど

マイスリー錠10mg瓶(出典:QLife Pro)

マイスリー錠10mg瓶(出典:QLife Pro)

下記、ベンゾジアゼピン系の副作用を抑え、効能もより「不眠」に特化し安全性を高めた種類です。

最近では、不眠症の投薬療法において「マイスリー」がまず選択されることが多くなってきました。

副作用が少ない分、効いている時間も短めで、「睡眠導入」に関わる障害が多い時にチョイスされます。そのため、未明や明け方まで作用が必要なタイプの不眠症にはあまり効果的ではありません

「抗不安」の効果も薄いために、心配ごとやストレスが原因になっている場合は、それを和らげることもあまり期待できません。

 副作用のリスクもまったくないわけではなく、起床後の、もうろう状態、記憶障害、睡眠時の異常行動などが起こることもあるとされています。

3−3.ベンゾジアゼピン系〜ハルシオンなど

ハルシオン0.25mg

ハルシオン0.25mg錠(出典:wikipedia)

最も種類が多く、一般的な睡眠薬の系統です。眠れないことに付随する、不安や筋肉の緊張を取り除く効果もあります。

開発されてから50年の歴史があり、多くのエビデンスが集積されています。近年まで、不眠症の治療において、投薬の必要があると診断されると、「ハルシオン」などが処方されることが一般的でした。

このベンゾジアゼピン系が開発される前、睡眠薬と言えば「バルビツール系」でした。それは睡眠薬としての効果が高かったのですが、副作用も強く、また大量服用で死亡につながるケースがあり、そのデメリットを解消すべく開発されたのが、この系統です。

安全性は高く、超短時間〜長時間作用型までバリエーションもあるのですが、以下の副作用等がでることがあるので注意します。

・服用後から入眠までの記憶がなくなる一過性前向性健忘が起こる可能性

・筋弛緩作用などによる、ふらつき(服用後から起床後まで)

・半減期が長いタイプを使用した後のもうろう感

・長期使用によって起こる耐性 

4.サプリメントや漢方薬の効果は限定的

4−1.サプリメントの有効性や安全性の評価は少ない

サプリメント

サプリメントの中には不眠に有効だとして販売されているものが多数ありますが、医薬品のようにしっかりとした臨床試験で有効性や⻑期服用時の安全性の評価が行われたものは非常に少ないのが実情です。輸入サプリメントは特に注意が必要です。

従って、不眠症に対してサプリメントを服用する場合には、治療効果は限定的であること、安全性についても十分な検討がなされていないことを知ったうえで服用する必要があります。

逆に「安全・安心」を強調する国産品サプリメントは、栄養補助食品の一種であり作用がかなり穏やかです。目安として半年以上の使用によって、体質改善の効果が期待できるくらいの程度と考えられます。効果が得られない場合には漫然と服用するのは避けましょう。 

4−2.  漢⽅薬は鎮静や更年期障害の改善などに効果がある

不眠症に対する効果がしっかりと確認された漢⽅薬はありません。不眠症に対して漢方薬を服用する場合には、治療効果は限定的であることを知ったうえで服用する必要があるでしょう。

しかしながら、漢⽅薬によってレスティ錠のような鎮静効果を得られたり、ホルモンバランスを整えることで、更年期障害などの病気が治るケースがあります。このことで不眠症状もいっしょに改善することがあるかもしれません。しかし、慢性不眠症がある場合には専⾨医に相談することをおすすめします。漢方薬は効果の個人差がよくありますので、誰にでも一律に効果的ということはありません。 

5.睡眠薬の注意点

5−1.以前処方された睡眠薬は原則使用禁止

先述したバルビツール酸系という睡眠薬がありました。効き目が大きいという特徴がありましたが、非常に依存性が強く、やめられなくなります。また徐々に効かなくなっていきより大量の薬が必要となります。この時に、眠くなる量と致死量が比較的近いので、誤って使用すると死に至る場合がありました。

このバルビツール酸系の危険性を取り除こうとして開発されたのが、⾮バルビツール酸系です。しかしこちらも、依存や乱用、催奇性(胎児へ奇形を発生させてしまう作用)などの副作用が問題となり、発売中止となった薬が何種類もあります。

現在でも、薬物療法を長期継続されている方で「今の薬が効きにくいので、もっと効果のある物を」ということで、医師に古い薬を願うケースがありますが、医師の方では処方しませんので、他の健康的な治療法を検討しましょう。

5−2.個人輸入は行わない

個人輸入は危険医薬品やサプリメントの個人輸入は、厚生省が下記のような保健衛生上のリスクがあるとして警鐘を鳴らしています。(参照:医薬品等を海外から購入しようとされる方へ

  • 個人輸入される医薬品等の品質、有効性及び安全性(以下「品質等」という)については、我が国の医薬品医療機器等法に基づく確認がなされていません
  • 品質等の確認が行われていない医薬品等は、期待する効果が得られなかったり、人体に有害な物質が含まれている場合があります
  • 不衛生な場所や方法で製造されたものかもしれません。
  • 虚偽又は誇大な効能・効果、安全性などを標ぼうして販売等されている場合があります
  • 正規のメーカー品を偽った、偽造製品かもしれません
  • 海外の規制当局により品質等が確認された医薬品等を、用法・用量等の記載内容を守って使用した場合でも、副作用等を生じることがあります
  • 医薬品については、その安全な使用を図るため、医師による診察、処方及び経過観察が必要とされているものがあります。そのような医薬品を、医療機関を受診せずに安易に個人輸入して使用した場合、安全性が著しく損なわれます
  • 日本国内で医薬品医療機器等法を遵守して販売等されている医薬品については、それを適正に使用したにもかかわらず重大な健康被害が生じた場合に、その救済を図る公的制度(医薬品副作用被害救済制度)があります。しかし、個人輸入された医薬品による健康被害については救済対象となりません

睡眠薬は医師により、患者さんの体質や症状に合っているかどうかを総合的に判断され、適切に処方されたものがもっとも効果が高いのです。これをお読みの方は、「病院に行くのが面倒だから」とか「他の薬を試してみたい」などの理由で、個人輸入をなさらないようにしてください。

6.睡眠薬を使用した治療プロセス

不眠症治療の流れは下記のチャートの通りになります。不眠症で病院を受診しようとお考えの方は参考にしてください。ここでは、それぞれ細かく解説していきます。

不眠症治療プロセス

CBTIとは認知行動療法のことで、CBTI併用法とは薬物療法と併せて行う治療法です。 出典:厚⽣労働科学研究班・日本睡眠学会ワーキンググループ作成「睡眠薬の適正な使用と休薬のガイドライン」

 

6−1.まずは睡眠衛生指導から

medical_title_top症状把握のカウンセリングを行い、睡眠障害のタイプを判断し、治療の必要があるかどうかが判断されます。この可否に関わらず睡眠衛生指導が行われます。

睡眠衛生指導とは、睡眠環境を整えることをアドバイスすることです。それは、

・定期的な運動(就寝数時間前の有酸素運動など)

・寝室環境(遮音、快適な室温など)

・規則正しい食生活(夕食は就寝の数時間前までに。ただし、空腹では寝られないので就寝前の軽食はOKなど)

・就寝前の水分補給の考え方(就寝前に水分をとりすぎると、夜中トイレに起きやすくなる。ただし既往症との関係もあるので相談する)

・アルコールやニコチン、カフェインの摂取を行わない

・就寝前に考えことを行わない ことなどです。

もし、このようなことを試していないのであれば、薬物療法の前に「これらを行ってみてください」とアドバイスだけされて帰されることもあります。睡眠の質改善のために自分でできることとして、別記事「脳科学者が教える速やかな睡眠導入のための全改善策」「睡眠の質改善で目覚めスッキリ!最も効果的な5つの方法」でもご紹介していますので、参考になさってください。

6−2.薬物療法はリスク評価を行ってから

睡眠衛生指導の結果、不眠症が改善しないとなれば、薬物療法が一般的には選択されます。しかし、誰にでも安易に睡眠薬が処方されるのではなく、「本当に睡眠薬を使うべきかどうか」「睡眠薬を使うメリットとデメリットを検討して、メリットのほうが圧倒的に大きいか」「長期服用に陥りやすい傾向はないか」を検討してから処方されます。

そのために行うのがリスク評価です。主に、以下のポイントについて検討されます。

・不眠が重度であるかどうか

・抗不安薬の服用、服用歴がないかどうか

・その他、年齢・合併症の有無・ストレスの有無・薬物依存の履歴・アルコールとの併用・性格特性などを考慮します。その結果、睡眠薬を選択しても構わないとなれば、睡眠障害のタイプに応じた薬が処方されます。

6−3.薬物療法の効果を判断する二つのポイント

薬物治療の効果が上がっているか判断するポイントには二つあり、

・夜間の不眠症状が改善していること

・(良眠できたおかげで)⽇中の心身の調子が良いこと

が明らかになっているかどうかです。狙った症状に効果があるかどうかを、使用の期間などを判断して検討します。その結果、薬を続けるか、減らすか、別の薬に変えるか、違う療法を行うかを判断します。

6−4.休薬トライアルを行う

砂時計

基本的に、睡眠薬は無期限に長く服⽤する薬ではありません。不眠症の治療において、薬が有効であり睡眠の質改善が備わってきていることが判断されしだい、徐々に薬を減らす方向とへとシフトします。

 しかしながら、不眠症が十分に治らないうちに睡眠薬をやめてしまうと、不眠が再発したり、悪化したりすることがあるので自己判断で薬を減らしてはいけません。

不眠症患者さんの中には、さまざまな理由により睡眠薬を長期間にわたり服⽤する必要がある⽅がいます。その場合には、副作用に注意しながら睡眠薬を長期服用する治療法もあるので、主治医に相談しながら治療⽅方針を決めてください。 

6−5.他の療法を組み合わせることで効果が上がる

睡眠薬の減量、休薬法に関する多数の研究・調査結果が明らかになっています。それによると、睡眠薬の減量・休薬法として有効なのは

・漸減法(少しずつ薬を減らす)

・認知行動療法(生活習慣と⾝体反応をカウンセリングで改善する)

・補助薬物療法(気分安定薬や抗不安薬など睡眠薬以外の薬物を投与する)

・⼼理的サポート(医療スタッフや家族、周囲による心理的ケアなど)

です。これらの治療法を併用することで減薬達成率、減薬量、再発防止の効果がより確実になっているようです。特に、精神的気質やアルコールなどで減量が失敗するケースもあるため、⼼理的援助が不可欠であると言えます。

6−6.生活習慣等を変える「認知行動療法」について

この治療法は、不眠症を長引かせてしまう生活習慣(行動パターンや睡眠に関する考え方)と⾝体反応(過覚醒:⽬覚めすぎてしまう傾向)に焦点を当てて、それらをカウンセリングなどで修正することで不眠を改善させることを⽬的とします。

また、睡眠薬を長期服⽤している場合にも、認知行動療法を行うことで不眠症状の軽減とともに睡眠薬を減量することも可能です。

相乗効果として、不眠症状を軽減することによって、これらの身体疾患の症状(抑うつ気分、疲労感など)が緩和される効果も期待されています。ただし、現在(2015年10月)のところ不眠症に対する認知行動療法は保険適応外となっていますのでご注意ください。認知⾏動療法が実施できる施設については日本睡眠学会のホームページをご参照ください。  

7.睡眠薬に関する「よくある質問と答え」

「睡眠薬の適正な使用と休薬のための診療ガイドライン」には、よくあるQ&Aが設けられています。ここでは、その内容を要約してご紹介しますので、睡眠薬について気になる方は参考になさってください。詳細・本文については、出典PDF:「睡眠薬の適正な使用と休薬のガイドライン」(厚生労働科学研究班・⽇本睡眠学会ワーキンググループ作成)をご覧ください。

【Q1】  睡眠薬は服用してからどのくらいで効果が出ますか?

⼤部分は初⽇~1 週間以内で改善効果が実感できる速効性のお薬です。1~ 2 週間以上継続服用することで効果がより安定します。また、新しいタイプの睡眠薬であるラメルテオンの場合は、3 ヶ月程度連続して服用することで効果が最も⼤きくなります。服用してから効果が出るまでの時間については、多くの場合服用してから10 分~30 分後に眠気が生じてきます。そのため、就床直前に服用するようにしましょう。 

【Q2】  睡眠薬、睡眠導⼊剤、安定剤の違いは何でしょうか?  

睡眠導⼊剤と睡眠薬の間に本質的な違いはありません。睡眠導入剤は睡眠薬のなかでも作⽤時間が短いタイプで、睡眠導入時に作用するように開発されています。(精神)安定剤は抗不安薬とも呼ばれ、不安症状の緩和を目的として⽤いられます。 

【Q3】  睡眠薬はいつ服用すればよいでしょうか?

就寝直前に服用し、服用したら就床することをおすすめします。睡眠薬を服用後に就床しないでいると、寝付くまでの間の出来事(⾏動や会話)の記憶がなくなることがあるからです。また、⼣食からある程度時間をおいて、就床直前に服用するようにしましょう。  

【Q4】  眠れない時だけ睡眠薬を服⽤してもよいでしょうか?  

断続的に使用での効果については、少量使用の場合の⼀部の睡眠薬(ゾルピデムなど)に確認されているだけで、すべての睡眠薬について通用するか確かめられていません。また、不眠が重症な時や多剤服用時には、休薬した夜に不眠が悪化する可能性があるためやはり定期的に飲み続けることがすすめられます。自己判断せずに医師と相談して睡眠薬の種類や服⽤方法を決めるようにしましょう。  

【Q5】寝つけないときや、夜間に目を覚ましたときは何時頃まで追加で飲んでもいいですか?

睡眠薬には寝付きを良くする作⽤もありますが、翌日に眠気が残ったり、頭の働きを悪くしたり、ふらついたりなどの副作⽤(持ち越し効果)もあります。遅い時刻に再度内服すると翌日に持ち越し効果を生じる危険性が高くなります。

翌朝に睡眠薬が残らないようにするためには、起床時刻より 6~7 時間前(午前 8 時起床なら午前 1~~2 時、7時起床なら午前 0~1時)までとし、もう少し遅くなる場合には錠剤を半分にして使うなどをおすすめめします。 

【Q6】  睡眠薬より寝酒の⽅が安⼼のような気がします。 

アルコールには、一時的には寝付きが良くなり睡眠が取りやすくなったように感じる効果があります。しかし、逆に眠りが浅くな って頻繁に目が覚めるなど睡眠の質が悪化します。また、睡眠をとるためにアルコールを毎日飲んでいると、徐々に体が慣れてしまって効かなくなり、アルコール性の不眠の原因になります。また、アルコール依存症に陥ってしまう危険性もあります。 

【Q7】  睡眠薬は、晩酌後何時間くらい空けてから服⽤したらよいでしょうか? 

飲酒禁止お酒を飲んだ時には睡眠薬は服⽤しないことが原則です。その理由は、アルコールと睡眠薬を⼀緒に飲むと、ふらつき、物忘れ、おかしな行動をしてしまうなどの副作用を生じやすくなるからです。晩酌後には睡眠薬を服用しないことが無難でしょう。 

【Q8】  睡眠薬を服⽤した翌朝に運転しても⼤大丈夫ですか?  

運転禁止

翌日に運転を行う場合は、医師の指導を受けてください。

睡眠薬の影響は翌朝以後に及び、眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、⾃動車の運転など危険を伴う機械の操作をしません

また、不眠症の治療を受けないままでいることも事故の危険を増⼤させる可能性があります。不眠症がある方は、睡眠薬の服用の要否、運転の可否について主治医や専門医によく御相談ください。

【Q9】  ストレスや精神疾患が原因の不眠にも睡眠薬は効果がありますか?

うつ病の不眠に対して睡眠薬は効果的です。しかし、強いストレスが原因で起こる心的外傷後ストレス障害(PTSD)に伴う不眠には睡眠薬はあまり効果がないと⾔われています。ただし、不眠が著しい場合には不安や苦痛を緩和するため睡眠薬を使用する場合もあります。

アルコール依存症に伴う不眠での睡眠薬の使用は、副作⽤が生じやすく、また睡眠薬に対する依存がおこってしまう可能性が高いためお薦めできません

【Q10】  脳神経の持病があります。睡眠薬を服用しても⼤丈夫でしょうか? 

脳神経疾患の患者さんでは睡眠薬の効果が得られにくいことや、副作用が出やすいことがあります。そのため、メリット(不眠を治したときの⼼身への好影響)とデメリット(薬物療法のリスク)を⽐較した上で、治療を行うか判断します。

【Q11】  認知症の不眠や昼夜逆転に睡眠薬は効果があるでしょうか?  

認知症の不眠や異常行動に対して十分に有効かつ安全な薬物療法はありません。睡眠薬や抗精神病薬などの催眠鎮静系向精神薬の効果は限定的で、長期間服用すると、むしろ過鎮静のため午睡が増加することがあります。また、転倒や⾻折、健忘などの副作用の危険性が⾼まるため⾼用量・多剤併用や⻑期服用は避けるべきです。不眠治療イコール睡眠薬処⽅と安直に考えず、正しい診断を受けることが大事です。 

【Q12】  かゆみで眠れません。眠気のでる抗ヒスタミン薬を服⽤すれば⼀⽯⼆鳥では? 

かゆみによる不眠に対して⼀挙両得のように眠気の強い抗ヒスタミン薬が用いられることがありますが、そのような治療法が本当に有効かつ安全なのか十分解明されていません。なぜなら、眠気の強い抗ヒスタミン薬を服用しても痒みが十分に消えず、むしろ翌日に眠気が残り仕事や学業に支障をきたすなどの副作用が⽬立つことがあるからです。

眠気を⾃覚しなくても、集中力、判断力、作業能率が低下することもあります。抗ヒスタミン薬を服用した時には、かゆみが⼗分に和らいでよく眠れているか、また服薬日の日中の活動に影響が出ていないか、主治医に伝えて下さい。  

【Q13】かゆみで眠れません。睡眠薬を服用すべきでしょうか?  

アトピー性⽪膚炎や慢性じんましんなどのかゆみで寝られない方がいます。しかし、このようなかゆみによる不眠に対して治療効果がはっきりと確認された睡眠薬はありません。まずはじめに痒みを抑える治療を⼗分に行うことです。それでも不眠が続く場合、医師は有効と思われる睡眠薬を処⽅しますので、主治医とよく相談しましょう。 

【Q14】  痛みで眠れません。睡眠薬を服用すべきでしょうか?  

痛みで眠れない場合もその痛みの原因となる疾患の治療を行うことが最も⼤切です。

しかし、元の疾患の治療を進める経過中に痛みのコントロールが不十分なことにより不眠がある場合は、睡眠薬やその類薬を医師が処方する場合があります。痛みによる不眠症状が続く場合には、まずは痛みの治療を行っている主治医、精神科医、睡眠専⾨医に相談しましょう。 

【Q15】  トイレが近く、眠れません。睡眠薬を服用すべきでしょうか?

頻尿で眠れない場合もその原因となる疾患の治療を行うことが最も⼤切です。

しかし、原因疾患により精神的な問題点をきたし、不安や尿意切迫感から頻尿となった場合、さらに睡眠障害が原因ですぐに目が覚めてそのためにトイレが気になってしまうような場合などで、睡眠薬やその類薬を医師が処方することがあります。

【Q16】  睡眠時無呼吸症候群の治療中です。睡眠薬を服用しても⼤丈夫でしょうか?  

いびき睡眠時無呼吸症候群の患者さんの約 40~50%で不眠がみられます。これまで睡眠時無呼吸症候群患者さんを対象にして睡眠薬の効果や副作用を調査した研究が数多くあります。その結果、軽度~中等度度の睡眠時無呼吸症候群の場合には、睡眠薬は睡眠中の呼吸状態に悪影響を及ぼさないことが分かりました。もちろん、不眠症状も改善します。

ただし、重症例ではベンゾジアゼピン系睡眠薬によって睡眠中の呼吸状態が悪化する危険性が示唆されていますので、⼗分にコントロールした上で睡眠薬を服用することをお薦めします。

【Q17】  ⾼齢者の不眠症にも睡眠薬は効果があるでしょうか?  

高齢者の不眠症に対する睡眠薬の治療効果を調べた臨床試験が多数あり、睡眠薬には確かに治療効果があることが明らかになっています。

⼀方で、ご心配の通り、高齢者が睡眠薬を服用した時には幾つかの副作用がでやすいことが知られています。高齢者の場合は、副作用の中でも特に転倒や骨折が増加するという報告があるので注意が必要です。ただし、不眠があると逆に夜間のトイレ歩行時などに転倒する危険が高まることも明らかになっています。このようにメリットとデメリットがあるので、主治医とよくご相談ください。

【Q18】  ⾼齢なので睡眠薬の副作用が⼼配です。 

 年齢とともに薬を分解または排出する体のはたらきが弱まります。そのため、薬が効きすぎたり副作⽤が出やすくなる場合があります。睡眠薬を服用していて、翌⽇に眠気が残ったりふらついたりするときには、種類や⽤量を⼯夫する必要があるかもしれません。そのような時には担当医へご相談ください。  

【Q19】  睡眠薬を服⽤中に妊娠に気づきました。胎児に影響はないでしょうか?

睡眠薬を服用中に妊娠に気づき不安な場合や、妊娠中もやむをえず睡眠薬を飲む必要がある場合には、服⽤中の睡眠薬の種類と量、不眠の重症度やその原因疾患、妊娠週数などを総合的に判断して胎児への影響を推測して服用継続の是非を判断することになります。最新の情報については主治医にご相談ください。また、「妊娠と薬情報センター」という厚⽣労働省管轄事業の相談窓口がありますので必要に応じて利用されてはいかがでしょうか。 

妊娠と薬情報センター  TEL:03-5494-7845 (受付時間:平日10:00〜12:00, 13:00〜16:00) 

ホームページ:http://www.ncchd.go.jp/kusuri/index.html 

【Q20】  更年期障害で眠れません。睡眠薬を服用すべきでしょうか? 

更年期障害では、夜間のほてりや発汗などで眠りが妨げられることが多く、約半数の⽅が不眠を持っているとされています。⾮ベンゾジアゼピン系睡眠薬であるエスゾピクロンやゾルピデムが更年期障害に伴う不眠に治療効果があることが臨床試験で確認されています。

更年期障害は年単位で持続することもありますが、睡眠薬の長期的な治療効果や安全性はまだ⼗分に確認されていないため、症状に応じて可能であれば減薬や休薬も心がけましょう。また、更年期障害ではうつ病による不眠、睡眠時無呼吸症候群、レストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群)など、不眠症と鑑別の必要な睡眠障害も起きやすいため、治療前に正しく診断してもらいましょう。

【Q21】  夜勤明けに眠りたいのですが、睡眠薬を服用してもよいでしょうか? 

夜勤夜勤明けでは、普段は目覚めている時間帯(中)に眠らなければなりませんが、⽣体リズム(概⽇リズム)の影響で脳を覚醒させる力が働いているうえに、勤務時間中の精神的な興奮(緊張)が持続していることなどのため、いくら疲れていても全く眠れない人も存在します。

個人差がありますが、夜勤明けに通常量の睡眠薬を服用し、有効な場合は続けてよさそうです。しかし、効果が乏しい場合にも無理に増量を行わず、睡眠薬以外の対応法も検討した⽅がよいでしょう。 

【Q22】  睡眠薬を服用しても眠れません。増量すれば効果が出ますか?  

通常⽤いられる量の範囲内であれば、睡眠薬の服⽤量を増やすことで治療効果が強くなることがあります

ただし、服⽤量が増えると翌⽇の眠気やふらつきなどの副作⽤の頻度も高まるため、通常量を超えて安易に増量すべきではありません。本当に睡眠薬が有効な不眠症であるのか主治医と⼀緒によく検討した上で処方してもらいましょう。

【Q23】  睡眠薬を服⽤しても眠れません。何種類か組み合わせれば効果がでますか?

 睡眠前半と後半の両方に不眠症状のある方では作用時間の長い睡眠薬を併⽤する場合もあります。ただし、睡眠薬の種類や服⽤量が増えると治療効果も強くなると考えがちですが、必ずしも正しくありません。増量した割には効果が出ず、副作⽤ばかりが⽬立つ場合もあります。

副作用を防止するためにも、どうしても睡眠薬を何種類か組み合わせて服用する必要があるときには、同じ系統の睡眠薬を多種類併用するのではなく、作⽤が異なる睡眠薬を併用するとか、うつ症状のある⽅であれば睡眠促進効果を持った抗うつ薬を⽤いるなどの⼯夫も行います。

【Q24】  抗うつ薬も不眠症に効果がありますか?  

うつ病患者の⼤多数で不眠が認められます。うつ病の治療薬である抗うつ薬は気分の落ち込みだけでなく、不眠症状にも効果を発揮することがあります。ただし、一般の不眠症(原発性不眠症)に対する抗うつ薬の効果はしっかりと確認されていません。したがって抑うつ症状のない不眠症の方が抗うつ薬を睡眠薬代わりに服用することはお薦めできません。   

【Q25】  睡眠薬の漸減法とはなんですか?

睡眠薬治療のプロセスとして、効果が確認されれば、徐々に使用量を減らしていきます。主治医の判断や処方によって行われます。減量の一例としては、1 種類の睡眠薬を4 分の1 錠ずつ減らし、1~2 週間経過をみて問題がなければさらに 4 分の 1 錠減量するなどして、時間をかけて行っていきます。

しかし、睡眠薬を⻑期間服用した後に、⼀気に中断すると不眠症状が⼀時的に悪化することがあります。また、減量中は、⽇中にも不安感やイライラ感、知覚過敏などを感じることがあります。これらの症状の多くは一過性で徐々に軽減しますが、それを避けるために薬の減量は必ず医師によって適正にプログラムされた処方に従います

【Q26】  睡眠薬を何種類か服用しているので副作⽤が心配です。

現在広く⽤いられているベンゾジアゼピン系および⾮ベンゾジアゼピン系睡眠薬には、眠気、ふらつき、転倒、精神運動機能の低下、前行性健忘(睡眠薬服用後の出来事を覚えていない)、頭痛、消化器症状などの副作用がみられます。

これらの症状は睡眠薬が体内に残っている時だけ出現し、後遺症となる副作用ではありませんが、事故の原因などにもなるため注意が必要です。異なるタイプの睡眠薬であるメラトニン受容体作動薬では、ふらつきや前行性健忘が少ないことが知られています。⼀般的に、睡眠薬の多剤併用時には副作用のリスクも⾼くなります。睡眠薬は単剤使⽤が原則であり、やむを得ず2 種類以上の睡眠薬を併用する時には副作用に注意する必要があります。

【Q27】  睡眠薬服用後の記憶がありません。 

睡眠薬を服用してから寝つくまでの間や夜中に目覚めた時の行動を、翌朝目覚めた時に記憶していないという現象が起こることがごくまれにあります。

このような現象は睡眠薬によって一時的に記憶障害が⽣じたり、不完全に目覚めたためにもうろう状態になることが原因と考えられています。思い当たる経験がある場合には主治医に相談しましょう。原因となった睡眠薬を中⽌するとこのような症状は消失します。最近ではこのような副作用が⽣じにくい睡眠薬も登場しています。 

【Q28】  徐々に睡眠薬の効果が弱くなり、量が増えるのが心配です。

主治医はあなたの不眠の状態を考慮して、最も適切と考えられる睡眠薬を処方しており、また効果が減ってきた場合には効果が減りにくい薬に変更するなどして、睡眠が十分とれるようにしています。したがって、効果が減ったからといって、⾃分の判断で睡眠薬を飲む量を増やすことはしないでください。睡眠薬の安易な増量によって、眠気、だるさ、ふらつき、めまいなどの副作⽤が出現しやすくなるからです。

【Q29】  睡眠薬を⽌められなくなるのではないか心配です。 

睡眠薬を服用していると、依存症になってやめられなくなるのではという⼼配を伺うことは少なくありません。しかし、あなたが睡眠薬の服用を始めたばかりなら、まず医師の指⽰通りに服用して症状を改善させることを最優先にすべきでしょう。

現在用いられている⼤部分の睡眠薬には強い依存性はありませんご⾃分の判断で急に中止すると、不眠が悪化することがあるので、必ず主治医とご相談ください。 

【Q30】  睡眠薬を服用していると認知症になると聞いて⼼配です。

睡眠薬の⻑期服用によって一時的に認知機能(記憶力や判断力など)の低下が⽣じることがあります。休薬することで多くの機能は回復しますが、回復までに時間がかかる機能もあります。

ただし、不眠症⾃体も認知機能の低下をきたすリスクを⾼めるため、症状が強いときには治療を受ける必要があります。不眠の原因疾患(ストレス、うつ病、痒み、痛みなど)に対処し、睡眠習慣の改善や認知行動療法などの薬物以外の治療法も行いながら、睡眠薬の服⽤期間と服用量を増やさないように心がけながら治療を進めることが望ましいといえます。 

【Q31】  睡眠薬の飲み過ぎで死亡した⼈がいると聞いて不安です。 

50年以上前の時代において、バルビツール酸系睡眠薬が広く用いられており、⾎圧や呼吸の維持を司っている脳(脳幹)に対する強い抑制作用を持つため、⼤量服⽤で死亡に至るケースがみられました。

しかし、現在広く使用されている薬にはこのような抑制作⽤はなく、安全性が高いと言えます。従って常用量を服⽤している限りにおいては、⻑期間服用しても死亡率が⾼まるということはありません。しかし、例えばベンゾジアゼピン系睡眠薬を不眠治療以外の目的で一度に⼤量に服⽤したり、アルコールと併用したりすると、呼吸抑制を含めた重篤な副作用が出現する可能性があります。特に、慢性閉塞性肺疾患や睡眠時無呼吸症候群などの基礎疾患がある場合には、呼吸器症状が⽣じやすいやすいため注意が必要です。 

【Q32】  他の治療薬との飲み合わせが心配です。  

複数の薬の飲み合わせによってお互いに効果や副作用を強めたり弱めたりすることがあり、これを薬物相互作用と呼びます。

睡眠薬については抗うつ薬や⽣活習慣病治療薬などとの相互作用があることが知られています。添付文書は独立行政法⼈医薬品医療療機器総合機構のホームページにてご自身で情報を検索することも可能ですが、その解釈には専門的な知識が必要なことがありますので、主治医またはかかりつけ薬局の薬剤師へ相談されることをおすすめめいたします。

【Q33】  禁断症状がでるため睡眠薬が減らせません。

禁断症状とは、睡眠薬を長い期間飲み続けている方で、薬を減らしたり中止した時にあらわれる症状で、離脱症状とも呼びます。よくみられる症状は、不眠、動悸、吐き気、不安感などです。どのくらいの期間や量で離脱症状を生じるのかは、個人差が大きく⼀概には言えません。しかし、長期間に渡る多量の、数種類の併用は離脱症状を生じやすくなります

指⽰された⽤法⽤量を守ることが大切です。睡眠薬を中止するときには、離脱症状に注意し、時間をかけてゆっくりと中止することが原則です。主治医と相談の上、適切なプログラムで減薬してください。

まとめ.根本的な解決を得るために

睡眠薬を使用した薬物療法の目的は、

・睡眠時間を確保している

・睡眠のための就寝環境や生活習慣を整えている

にも関わらず、うまく寝られずにトラブルになっている方に、まず眠っていただくこと。そこから適切な睡眠習慣を身につけていただき、体調を改善していくことです。

実は、不眠症を軽度から重度まで総合すると、薬物療法だけの寛解(完治)効果は約5割にとどまる、と言われています。睡眠薬で効果が上がらなかったり、長期的な服用をせざるを得ない方は、認知行動療法などとの併用療法を行っていきます。

認知行動療法の効果は薬物療法に匹敵すると言われており、特に精神的な気質が原因となっている方は、これを併用することで完治の期待が大きく高まります。この療法は、カウンセリングや宿題によってご自身の考え方や行動パターンを変えるようにしていくものです。効果を上げるには、ご自身の完治にかける意気込みが何よりも大事で、周囲のサポートも必要ですが、試してみる甲斐は少なからず大きいものと思われます。

自分のカラダはできるだけ自分で守る」。このようなセルフコンディショニングの考え方を、当ブログでは今後もお伝えしていこうと考えています。

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