ストレッチポール®上に仰向けに縦乗りしリラックス。
その後で得られる背中が床に沈み込むような、ベッタリとした感覚が好評です。
「ストレッチポール®に乗った直後はいいんだけど……」
「確かに効果を実感するんだけど……」
でも………
「次の日になるとまた戻ってしまうんだよねぇ」という声を聞くことがあります。
これはなぜなのでしょうか。改善策は………?
そこでこの記事では、ストレッチポール®を活用した運動法を普及する日本コアコンディショニング協会のマスタートレーナーが、その原因と改善法をご紹介します。
日々少しでも改善したいとお考えの方はぜひ参考になさってください。
目次
1.運動効果が元に戻ってしまうのはなぜか
なぜ改善したと思った効果が、スグに元に戻るのでしょうか。まずはその理由を説明します。
1−1.日常生活で使いすぎている筋肉がある
私たちのカラダには600もの筋肉があります。もちろんムダな筋肉はひとつもありません。
それらが協力し合うことで、様々な動きを可能にしています。
そのなかでも、「姿勢維持の筋肉は持久力系」で、「力を発揮するための筋肉は瞬発力系」といえます。
姿勢の維持に関わる筋肉は深層にあるものが多いのですが、少しの力で長い時間機能できるいわば“持久力”系の筋肉です。
反対に、動作に関わる筋肉はサイズも大きく、大きな力を発揮するのに適していますが、持久力はあまりありません。
本来は、これらがうまく役割分担しながら日常生活を送っています。しかしカラダは、姿勢を保持する筋肉がうまく使えていないと、体を動かすための筋肉で姿勢を保持しようとします。
そうすると、すぐに力を発揮できなくなり、疲れてしまいます。これがそのままコリや張りになることもあれば、疲れてしまい姿勢が崩れ、また別のところに疲労や痛みを発生させることもあるのです。
良い姿勢をキープしようとして疲労する方は、姿勢の維持のために大きな筋肉を使ってしまっていることが多いです。
1−2.脳の認識も修正しなければならないから
私たちは、自分のカラダがどこにあるのかを脳が認識しています。しかし、この認識が実際の位置とずれていることが多くあります。試しに、両手を横に水平に挙げてみてください。鏡で見ると、左右で高さが違ったり、水平でなかったりします。
このズレは、姿勢にも現れます。自分がまっすぐだと思っている姿勢が実はズレている場合、ストレッチポール®︎で一度整ったとしてもまた元に戻ってしまうことがあります。長年その姿勢で過ごしているため、急には脳の認識が変わらないのです。
脳も現状の姿勢や正中感覚が正しいと認識していますので、これを改めるには相応の時間が必要です。
2.再発させないための3ステップ
ここからは運動の効果を持続させるための方法をご紹介します。
2−1.まずは継続が大事
ストレッチポール®の運動を毎日行うことをおすすめします。ストレッチポール®の上に仰向けで縦乗りし簡単な運動をおこなうと、深層の筋肉がゆるめられ、姿勢がリセットされます。
この時の骨盤や背中、頭部の位置関係が人間本来の状態です。これを継続して行うことで無意識に正しい姿勢が体現できていきます。脳の姿勢認識に改善も生じます。
一日中いつでもエクササイズをおこなって頂けますがお勧めのタイミングは以下の通りです。一回の運動は10分以内を目安にしてください。
・おやすみ前
・起床時
・始業前
・休憩中
・終業後
2−2.姿勢保持筋を活性化させる呼吸エクササイズを行う
ヒトは姿勢保持筋を働かせることで重力に対して真っ直ぐ立つことができています。
そのために重要な筋肉はいくつもありますが、胴体の深層部にあるインナーユニットの働きが大きく寄与しています。
インナーユニットは、
・腹横筋
・多裂筋
・横隔膜
・骨盤底筋群 の4つの筋肉から構成されています。
これら4つの筋肉は連動しており、呼吸によって活性化されますので、正しい姿勢からの呼吸を元にした活性化エクササイズを行うことで姿勢にも良い影響があります。
逆に、呼吸エクササイズなしでは、姿勢保持筋を活性化させることは不可能ともいえます。この章ではその具体的な方法をお伝えします。
シンプルな呼吸エクササイズ「ドローイン」の方法
ドローインは呼吸によってお腹の中の圧力(腹圧)を高めるエクササイズです。これ自体もトレーニングですが他の体幹トレーニングを行う際にこの呼吸を意識してセットで行うと効果が高いです。ぜひマスターしてください。
現状の「吸って吐いて」を確かめる準備運動から行いましょう。
■まずは逆腹式呼吸をやってみよう
仰向け寝になり足を90度に曲げます。まずは息を吸う時にお腹の周囲が縮む呼吸です。スーーーッとゆっくり吸いながらお腹を凹ませていきます。難しいと感じる方は、自然呼吸からハッとかホッと息を吐きます。そこから息を吸うとともにお腹を凹ませていくとうまくいきやすいです。
■腹式呼吸に挑戦
一度ラクにしたら、今度は息をゆっくり深く吸いながらお腹を膨らませていきます。膨らみきったら息を吐きながらお腹を凹ませていきます。
※腹式呼吸が難しい方 脱力と深い呼吸が足りない場合が多いです。よくリラックスして深い呼吸を行ってください。カラダを左右に揺すったりしてもかまいません。
※それでも難しい方 一度ベッタリとうつ伏せになってみましょう。再度脱力します。息を吸いながらおへそで床を押し、お腹を膨らませてください。これが腹式呼吸の感覚です。仰向けでも行えるように少し練習しましょう。
腹式呼吸を繰り返したのちにそのままドローインを行います。
■いよいよドローイン!
腹式呼吸の流れのまま、息を細く長く吐きながら、お腹を凹ませていきます。
お腹から空気が出きった!というところでお腹をキープします。息は浅い胸呼吸で繰り返します。最初は10秒キープから。徐々に時間を延ばし30秒を目指してください。
※日に数回でOKです。一日中やってクセになるとかえってデメリットを引き起こす可能性もあります。
2−3.体幹トレーニングで姿勢維持力を鍛える!
ドローインに慣れてきたら、次はインナーユニットを引締めながら、腰や手足を支えるエクササイズを行いましょう。これにより、日常のどんなシーンでも適切な姿勢を維持しながら動けるようになります。
■プランク
代表的な体幹トレーニングです。ドローインの呼吸でお腹をしっかり固めて行いましょう。
腕立て伏せの姿勢から、肩の下にヒジが来るようにして床にヒジをつきます。頭からおしりまでが一直線になるようにしてお腹が落ちないように姿勢をキープ。呼吸はドローインのまま浅く吸って吐いてを繰り返してください。30~60秒を目安に行いましょう。
アレンジメニュー・ラクにできるようになったら、片足を床から20cm程度浮かしてみましょう。さらにお腹を鍛えられる運動になります。
■サイドプランク
ヒザを90度に曲げ、肩の下にヒジが来るように床につけ横向けに寝ます。このとき、ヒジの角度は90度にしましょう。おなかが落ちないように頭からおしりまで一直線を維持して30~60秒を目安に姿勢を保ちましょう。
アレンジメニュー1・上になっているほうヒザからつま先までを15cm持ち上げます。
アレンジメニュー2・脚をカラダと一直線にし、上になっているヒザを床から上げます。
■ダイアゴナル
キャットバックの体勢から、お腹に力を入れて片腕をあげます。そのまま反対の脚をあげます(右腕をあげたら、左脚をあげる)。この時、手の親指が天井方向に、足のつま先は90度を意識しましょう。カラダが左右にフラフラしないように、お腹にしっかり圧をいれてがんばってください。
10秒キープして、脚と腕をおろし、反対側も行います。左右交互に10回を目安に行いましょう。
■ヒップリフトwithワンレッグエクステンション
脚の重さを活用して多裂筋を活性化し、おしりと脊柱起立筋を鍛えるエクササイズです。
膝を90度に曲げた状態で横になります。膝から鎖骨までがまっすぐになるようにおしりを床から持ち上げます。片脚の膝を伸ばし、まっすぐを意識します。おしりを持ち上げたまま、足を左右入れ替えます。
左右10回ずつ3~5セットを目安にまずは左右10回ずつ3セットを目標に行いましょう。
3.姿勢維持に有効なツールエクササイズ
ツールを使うことでより効果的なエクササイズができるようになります。特に整った姿勢を維持するための運動(スタビライゼーションエクササイズ)に効果的です。
3−1.ストレッチポール®を使用したスタビライゼーションエクササイズ
■ドローインonストレッチポール®
まずは、お手もちのストレッチポール®に乗りながら同様にドローインを行います。床で行うよりも効果が得られます。
これはなぜかというと、ドローインの大事なポイントとして「呼吸時に骨盤や腰椎が動かないようにする」ということがあります。
腰が丸まったり、頑張ってしまい無駄な力が入ってしまうとインナーユニットが働きづらくなってしまうのです。
ストレッチポール®の上で行うことで、骨盤や腰椎が理想的なポジションとなりますし、動きにくくなります。肩や股関節の可動性の向上も期待できます。
ストレッチポール®は㈱LPNの登録商標(第4666450号)です。正規品は公式LPNショップにて、またAmazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでも正規品をお買い求め頂けます。
■胸のストレッチ
ここからのエクササイズもドローインの呼吸で、お腹を軽く引締めながら行います。
体幹を意識しながら凝り固まっている胸のストレッチを行います。
ヒジを90度に曲げてゆっくり床に向けて開いていきましょう。30秒程度かけて下に落としゆっくり戻します。
息を止めないようにしてください。みぞおちの裏側、背中のポイントがツールから浮かないようにすることが大切です。
■肩の運動1
続いて肩の動きを引き出す運動を行います。
上記のポジションから指を床につけるようなイメージで頭上方向にあげていきます。ヒジは水平線から90度をキープ。10秒以上かけてゆっくりあげて戻していきます。
■肩の運動
ワキを締め、お腹の前で前ならえをします。
赤ちゃんを「高いたかい」するようなイメージで頭の上にまであげ、おろします。
体幹トレーニングや、ストレッチポール®を使用したエクササイズの例は、以下の記事もぜひ参考になさってください。
【非公式】ストレッチポールマニアが教える極上エクササイズ30選
3−2.ひめトレなら椅子に座ったままで可能!
ひめトレは骨盤底筋群や腹横筋にアプローチするトレーニングのために開発された専用ツールです。椅子に縦に置きそのうえに座っていくつかのトレーニングを行うことで、意識しづらい骨盤底筋群の感覚を簡単に引き出すことができます。
ドローインが難しい方にもインナーユニットの感覚を感じてもらいやすく、さらに、骨盤の理想的な姿勢を作りやすくなります。
これまでお使い頂いた体験者の方からは「尿漏れが改善した!」「ウエストサイズが縮まった」というお声をいただいています。
なお、第17回日本女性骨盤底医学会では、
座位による骨盤底筋収縮時には,ひめトレ前,ひめトレ中,ひめトレ後全ての条件において骨盤底は有意に挙上すること(明らかに筋肉の活動があったこと)が示された。参考リンク:ひめトレ公式サイト
などの研究発表が行われました。
またズームインサタデーというテレビ番組で紹介された時は、リポーターの女性のウエストが3cmも引き締まり、姿勢も良くなるなどの効果が現れました。
ここでは骨盤底筋トレーニングの一例をご紹介します。
■ひめトレ呼吸トレーニング
骨盤底筋を意識して呼吸をしていきます。
ひめトレの上に座り、触れている部分を引き上げながら、大きく呼吸をします。
息を吸いながら骨盤底筋を引き上げ、その位置をキープした状態で息をしっかり吐ききりましょう。5回ゆっくりと行いましょう。初めはシンプルに骨盤底筋を感じましょう。
エクササイズを動画にてご紹介します。
■ひめトレバードウイング
骨盤底筋を引き締め、呼吸でお腹を動かしたら、次は肩甲骨を動かしましょう。
ひめトレに座り両手を引き上げます。
手のひらを外側に向けて肘を曲げながら肩甲骨を寄せます。
この時、骨盤底筋を引き上げてキープしておくことがポイントです。ゆっくりと自分のペースで5回行いましょう。両手を動かしても骨盤底筋から力が抜けないように引き上げましょう。
エクササイズを動画にてご紹介します。
4.まとめ
ストレッチポール®を使った運動で効果を感じても、すぐに戻ってしまう方のための改善策は、
・継続して使用する
・呼吸エクササイズを行う
・体幹トレーニングで姿勢維持能力を高める
です。ツールを使えば簡単かつ効果的に行えるものもあります。この記事が参考になれば幸いです。
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