たくさん寝たのに眠い・・・、どれくらい寝るのが最適なのか困っている方も多いのではないでしょうか。
さらに、調べてみても6時間が良い、7時間が良い、3時間でも十分!など、様々な説があふれています。
この記事では、最新の知見から得られた「最適な睡眠時間」をズバリ発表します。予防医学者として有名な石川善樹先生におうかがいした結論です。さらに皆さんの生活に取り入れられるような対策方法をご提案します。気になる方はぜひご参照ください。
目次
1.最も適切な睡眠時間は7時間半!
1-1.睡眠はまず量! 7時間半が適切な理由
睡眠には質と量との要素がありますが、大切なのはまず量です。そして、ズバリ7時間半が最適な睡眠時間です。
6時間でも良いとの説もありますが、睡眠時間が6時間と7時間では、6時間の方が脳の老化が2倍早いとのデータもイギリスの研究で言われています。7時間でなく7時間半としているのは、睡眠のサイクルが一般的に90分のためですが、ここは個人差があります。7~8時間の間で、アラームを使わずに自然に目覚められるくらいが最も適切です。
睡眠は、客観的な評価と主観的な感覚とのギャップがたいへん大きいものです。自分ではぐっすり眠れたつもりでも、カラダの疲労が取れていなかったり、脳が疲れたままという事が多々あるのです。
1-2.睡眠には3つの回復段階がある
睡眠には3つの回復段階があります。
入眠から3時間で深い眠りに入り、まず脳の疲労が回復します。続いての3時間、やや浅い眠りでカラダの疲れを回復させます。その後のレム睡眠(浅い睡眠)で、ストレスの緩和や記憶の定着が起こります。
つまり、6時間で起床してしまうと、ちょうどレム睡眠なのでパッと起きることができるのですが、ストレスの緩和ができていないため毎日続けていくとストレスが蓄積されていきます。
1-3.ロングスリーパーとショートスリーパー
とは言っても9~10時間くらい寝ないと活動ができないロングスリーパーや、3時間ほどの睡眠でも十分活動できるショートスリーパーがおり、かなり個人差があるのも事実です。ただし、これらの人は、人口の数パーセントほどと言われています。
自分でできる判断基準としては、朝カラダの疲労が多すぎないこと、日中眠くならないことがひとつの基準となります。昼食後に眠くなったり、カフェインを取らないと集中できないような事がある場合は、間違いなく睡眠時間が足りていないことになります。
また、睡眠計や睡眠アプリも多数出ています。これを利用すると自分の主観だけでなく、きちんと睡眠がとれているかを客観的に判断できます。
2.今日からできるスッキリ起きるための対策
7時間半寝ろと言われても、なかなか寝付けなかったり、途中で目が覚めてしまったりということもあるのではないでしょうか。ここでは睡眠の質を高め、適切な時間で寝られるための対策を紹介します。
2-1.準備は寝る3時間前から行う
睡眠の質を高めるために、寝る前に行った方が良いことがあります。
行った方が良いこと:ストレッチ、入浴など
ただし、このストレッチや入浴は「寝る1時間前まで」に済ませていただきたいのです。つまり、2時間ほど前から入浴や軽いストレッチなどを行い、睡眠に備えていただくことになります。
もちろん食事もその前に取る必要があるので、寝る3時間前からのスケジュールを計画しておくことが大切になります。寝る前に行うことについてはスッキリ目覚めるために!寝る1時間前に行うストレッチ4選を参考にしてください。
2-2.朝眠いのは当たり前?大事な起床後の行動
また、朝の行動が1日元気に活動できるかどうかも翌日の睡眠へも影響を与えます。朝起きた時に、なんだかあまり寝られていない気がしたり、疲れが取れていない気がするときはありませんか? 私たちは朝、ストレスホルモンが溜まった状態で目覚めます。そのため、朝にこのようなイライラやだるさを感じるのは当然のことなのです。特に、女性はストレスホルモンを取り除きにくく、起きがけの不快感を感じやすいと言われています。
朝起きてから、日光を浴びる、軽いストレッチなどカラダを動かす、朝食を取るといった行動を取ることで、ストレスホルモンを取り除き、カラダを目覚めさせることができます。
朝起きてからのストレッチに関しては、朝の快適習慣で最高な1日を!簡単にできる朝ストレッチ3選をご覧ください。
3.急に生活習慣を変えられない方のために、簡単なことから始める睡眠対策
これまで、適切な睡眠時間やそのための対策をご紹介してきました。しかし、理想はわかっていても子育て、残業、夜勤などで現代人にとって全てきちんとやるのは非常に大変です。この章では、そんな方でも少しずつ取り入れられる対策をご紹介します。
3-1.休日と平日の起床時間を揃える
土日昼までぐっすり寝たのに、月曜日の朝起きられないしだるいし、会社に行きたくない・・・という方も多いのではないでしょうか。
この時、カラダの中では時差ボケのような状態になっています。実は、休日と平日の起床時間でズレがあることで脳が時差ボケを起こすケースは非常に多いです。
なるべく、休日はプラスマイナス1時間くらいの差におさえましょう。足りない分は昼寝をするなどして調整しましょう。それだけでかなり変わってきます。
3-2.NG項目は早めに済ませておく
寝る前に行ってはいけないNG項目がいくつかあります。
・スマホ、PCを見る
・コンビニなどの強い明かりを浴びる
・寝酒、深酒をする
・激しい運動やショッキングな映画など、精神やカラダが興奮するようなこと
全てを排除は難しいかもしれませんが、なるべく早めにこれらを済ませ、寝る前の1時間を大切にしましょう。照明を落とすなど、できることから少しずつ取り組んでみましょう。
3-3.仮眠を活用する
日中の集中力をあげる特効薬として、仮眠は効果的です。30分未満の仮眠を取ることで、午後の仮眠はこの日中の眠気を除去し, パフォーマンスを維持・改善する効果をもつことも研究で発表されています。(Dinges, 1989)
詳しくは仮眠で集中力アップ!今日からできる効果的な仮眠の取り方をご覧ください。
まとめ
いかがでしたか?
理想的な睡眠時間を取るためには、生活のリズムや習慣すべてを見直さなくてはいけなくなります。一度に変えるのはとても大変です。少しずつできることから変えてみましょう。睡眠の質が上がり、理想的な睡眠時間に近づいてくると、仕事の質や集中力、日常のスッキリ感の変化が徐々に感じられるようになってきます。
この記事は、石川善樹先生にお話をお伺いして執筆しました。石川先生いわく、睡眠を考えることは人生・生きざまを考えるという事。睡眠を軸に、趣味や仕事の時間を逆算して計画することが非常に大切です。
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