ご自分の姿勢が悪いと思うときはありますか?コンプレックスを抱え、姿勢矯正を考える方も多いのではないでしょうか。特に背中が丸まって猫背になると、カラダのあちこちに痛みが出たりと悩みますよね。
日々の生活の中で変化していく姿勢。その矯正とひとことで言っても方法は様々です。そこでここでは、以下の3点についてひも解いて行きます。
・姿勢が悪くなる原因
・日常生活の中で解決できる方法
・改善した方が良い姿勢のパターン
姿勢矯正をお考えの方はぜひお読み下さい。
この記事は石塚利光が監修しました。 日本コアコンディショニング協会コアコンディショニングリサーチディレクター/東京大学女子バレーボール部トレーナー/米国公認アスレティックトレーナー (BOC-ATC) /日本トレーニング指導者協会・認定上級トレーニング指導者(JATI-AATI)/ペンシルベニア州立カルフォルニア大学卒業/前・福岡大学助教/訳書「アスレティックボディ・イン・バランス」(Gray Cook著) |
目次
1.姿勢が悪くなるメカニズム
姿勢が悪い状態で日常生活を過ごしていると、カラダに負担をかけて痛みや慢性的な疲労を抱えやすくなります。では、どのようにして姿勢が悪くなるのでしょうか。
私たちは日常生活の中で重力に抵抗しながら日常を送っています。その重力と共存するために、人間の進化の過程で背骨のS字カーブを獲得しました。それが日々の生活で
・片脚に体重をかけて長時間立つ癖がある
・座っている時に脚を組む
・ずっと携帯やパソコンの画面をのぞき込むように見る
などの不良姿勢をとり続けることで、このS字カーブが崩れてしまします。
猫背などの悪い姿勢はこのS字カーブの崩れによっておこるのです。
姿勢矯正を行い、不良姿勢を改善していきましょう。
2.日常生活の中で取り組む姿勢矯正法3選
「姿勢が崩れてしまったら病院に行かなければいけないの?」専門機関を受診するタイミングってなかなか難しいですよね。それに姿勢が崩れてしまっただけでは、なかなか病院も取り合ってくれない場合もあります。
姿勢が崩れてしまっていても痛みなどが出ていなければ、日常生活の中でちょっとしたことを行うでだけで姿勢が整う可能性があります。そこでここでは、日常生活の中で取り組むことができる3つの方法についてお伝えします。ぜひお試しください。
2-1.肩甲骨を意識的に動かす
日常生活の中で肩甲骨を意識して動かすことはほとんどないでしょう。円背(5−2)や猫背の姿勢に多いのが、肩甲骨の位置が「ハの字」のようにひらいたままの状態になってしまうことです。
このままの状態を放置していると、背中や肩周りに痛みが出たりします。その位置を本来あるべき正しい位置へと戻すために、日常生活の中で簡単にできるエクササイズをここではお伝えします。
エクササイズ方法:
おしりのポケットに両手を入れます。(ポケットがない場合は手の甲がおしりにつくように両手を付けます)
手の位置を動かさないようにして両側の肩甲骨を内側に寄せましょう。この時、肩が上にあがったり、腰が反らないように意識すると効果的です。
自然呼吸のまま20秒を目安に3~5セット行います。
2-2.胸のストレッチで胸をひらく
猫背などの不良姿勢を整えるために胸の筋肉をストレッチします。胸のストレッチは多くの種類がありますが、今回は肩甲骨を寄せながら行う方法をご紹介します。
エクササイズ方法:
肩の高さまで腕を上げて肘を90度に曲げます。この時手の位置は天井の方へと引き上げます。
手のひらが外側を向けながら肘を外側へスライドさせ胸をひらいていきます。
自然な呼吸で20秒を3~5セット行います。
2-3.首のトレーニングで本来あるべき姿勢へ
頭部前方偏位(5−1)は首のトレーニングで整えましょう。首を意識的に動かせない方は猫背などの不良姿勢になりやすいので、このトレーニングで動かせるようにします。
エクササイズ方法:
床に枕または丸めたタオルを敷き、その上に頭が来るように仰向けで横になりましょう。
顔を床と平行にして肩や背中に力が入らないように注意しながら枕、またはタオルを押しつぶしましょう。
この時歯を食いしばって行うと肩などに力が入りやすいので注意して行いましょう。
自然の呼吸で20秒を3~5セット行いましょう。
3.ツールを活用して効果的に姿勢を整える方法
ストレッチやトレーニングで姿勢を矯正するのはとても効果的です。しかし、自分だけでストレッチやトレーニングをすると、ターゲットになる筋肉以外の部分に力が入ってしまったり、力が逃げてしまったりと十分な効果を得られない場合があります。
自分一人で凝り固まってしまった筋肉をほぐすことができ、カラダを整えるのを助けるツールがストレッチポールです。円柱状のストレッチポールに乗り、手や足を動かすことで脱力した状態でカラダの重みを使ってカラダをストレッチすることができます。
この効果は、ストレッチにありがちな伸ばしている部分と別の筋肉が緊張してしまうという問題点を回避しながら行うことができます。
ストレッチポールのエクササイズを行うことでカラダの緊張が取れて、姿勢を整えることができます。
ストレッチポールの活用方法についてはこちらをご参考ください。
また、別記事にて「ストレッチポール®が猫背に効果的な理由と特選エクササイズ」をご紹介していますので、猫背矯正をお考えの方は、ぜひご一読ください。
4.姿勢を矯正してもすぐに戻ってしまう人の特徴と対策法
どんなにストレッチやストレッチポールを活用したエクササイズでカラダを整えていても、なかにはすぐに不良姿勢に戻ってしまう人がいます。姿勢矯正してもすぐに戻ってしまう人の特徴は、日常生活の不良姿勢にありました。
毎日のケアで姿勢を良くしても、毎日の生活の中で不良姿勢をとり続けていては、元の状態に戻ってしまいます。継続的に姿勢を整えていくためには、日常生活の中で正しい姿勢を意識することが大切です。キレイな姿勢を常に意識し続け、崩れた姿勢を正していくこの方法は、最も始めやすい対処法です。
正しい姿勢の取り方は当ブログ姿勢が悪いとデメリットばかり! 今すぐできる姿勢に良いコトをご覧ください。
また、セルフで矯正するために姿勢矯正バンドなどの器具を使う方法もあります。主に背中を引っ張るような構造か、胸を押し上げるようなタイプが多いです。
この器具を使うメリットは
・自分一人で出来る
・バンドを付けて生活しているだけなので、無意識に姿勢が崩れることがない などがありますが、
デメリットとして
・バンドのサイズなどが合わずに逆効果になる
・バンドなしでは姿勢が取れなくなるため根本的な解決に至らない
・自分の体型に合っていないと圧迫されて疲労につながる などが考えられます。
姿勢矯正という言葉を聞くと上記のようなバンドをイメージされる方が多いと思います。確かに姿勢矯正バンドは自分にあったものを選べば効果的かもしれませんが、ツールなしでは正しい姿勢が取れないなど、依存的な姿勢矯正しかできず、根本的な解決にはいたらない可能性があります。
カラダに正しい姿勢を意識づける意味で短期的に活用することはとても効果的ですが、長期的に使うことは逆効果になってしまう可能性がるため使用用途には注意が必要です。
正しい姿勢を意識してその姿勢を維持するようにしましょう。
自分ひとりではなかなか正しい姿勢が分かりにくいという方は、ツールを活用して正しい姿勢を体感することがベストです。ストレッチポール®ひめトレは、座りながら正しい姿勢を作り、体幹部のエクササイズを可能にします。
イスの上にひめトレを置き、カラダを前後左右に倒しながら、自分で中心を探すだけで、骨盤を立てて良い姿勢を作ることができます。
ひめトレを活用したエクササイズ方法はコチラ
5.特に注意が必要!すぐに姿勢矯正を行ってほしい6つのパターン
いくら姿勢矯正を行っても、普段の姿勢が崩れているとすぐに戻ってしまうということが上記からお分かりいただけたでしょうか。ここでは、日常生活で崩れやすい不良姿勢のタイプを6つご紹介します。横から写真を撮影してもらうなどして、ご自身の姿勢と照らし合わせてみてはいかがでしょうか。
5-1.頭部前方偏位
不良姿勢でもっとも多いのが、頭部前方偏位です。いわゆる頭部が前に出てくる症状になります。パソコンやスマートフォンなどの操作、車の運転など頭を前に突き出す機会が多いことから、現代のライフスタイルで起こりやすいとされています。横から見たときに頭部が肩よりも前に出ていることが特徴で、誰にでも見極めやすいので、ぜひチェックしてみてください。
5-2.円背
横から見たときに肩が内側に入って、背中が丸まってしまっている姿勢を円背といいます。いわゆる猫背姿勢のひとつで、デスクワークなどで腕を前に長時間置いておくことで、胸の筋肉が縮んでしまうことなどが原因と考えられています。特に女性に多い不良姿勢ですので、自覚症状がある方も多いです。
5-3.骨盤後傾位
長時間座ったままの状態で1日を終えることが多い方は、もしかしたら骨盤が後ろ側に傾いているかもしれません。横から見たときに腰が丸まって見えることが特徴です。最近では多くの方が坐骨というおしりにある骨で椅子の座面をとらえて座ることができず、骨盤が後傾しやすい傾向になっています。
5-4.頭部前方偏位+円背
ここからは上記の不良姿勢が併発してしまっているケースです。スマホなどを不良姿勢で操作している方、下を向いて作業することが多い方になりやすく、頭部が前に出て背中が丸まっていることが特徴です。
5-5.円背+骨盤後傾
不良姿勢との認識が浅く、隠れ猫背なのがこの姿勢。あまり極端にはなりませんが、背中からおしりにかけて丸まってしまっているのが特徴です。デスクワーカーなどに多く、ぽっこりお腹などで隠れてしまうので「少し太ったかな?」と気に留められないケースも少なくありません。少し背中が丸まっていて最近太ったかなという自覚症状がある方は要注意です。
5-6.頭部前方偏位+円背+骨盤後傾
もっとも要注意なのが、すべての不良姿勢が同時に起きているケースです。背中が全体的に丸まり、頭部が前に出ているのが特徴です。すでに不良姿勢を自覚していることが多く、人によっては病院の診察を受けている可能性もあります。この姿勢をしていると骨粗鬆症なども起きることが考えられるので、痛みなどが継続的に出てきたら要注意です。
以上6種類の不良姿勢についてお伝えしました。多くは併発していることが多いので、写真を参考にチェックしてみてください。はっきりした違いがあれば自分でもどのタイプか判断できるでしょう。
6.まとめ
姿勢の矯正は
・筋肉の張りをほぐすこと
・正しい姿勢を意識すること
・正しい姿勢かどうかを評価すること
以上の3点が重要です。そのうえでご自身にあった方法を選択して継続して行うことがとても大切です。今回ご紹介した上記の方法を試し、ぜひ正しい姿勢を獲得して下さい。
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