クールダウン・最も効果的なストレッチ等の種目別方法と5つの知識

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Exhausted Woman Training on Gymnastic Rings

クールダウンを適切に行えていますか?

目的を理解して行わないと、まったく効果が得られなかったり逆効果になる場合があります。

では適切なクールダウンとはどのようなものでしょうか。

そのメリットは数多くあり、実際にトップレベルになれば皆さんが思っている以上に多くの時間をこれに充てています。激しい競技生活で、疲労を迅速に回復し、選手生命を延ばすには絶対に必要なものなのです。

おそらくこのページに来られた方は、「もっとも正しく効果的な方法を知りたい」と思って来られたはずです。そこでこの記事ではトレーニングや各競技の専門家に聞いた方法をお伝えします。競技レベルを向上させたい方や疲労回復を効果的に行いたい方はぜひ参考になさってください。


1.クールダウンとは

運動状態から平常状態へ戻る際に行う、「ゆるやかな冷却」行動です。以下のものを含めます。

(1)ピーク状態から徐々に負荷を落としていく運動(有酸素運動)

(2)整理体操

(3)静的ストレッチ

(4)交代浴、冷水浴

(5)正常姿勢の獲得

(6)水分と栄養の補給

運動の負荷、種類や目的によっては行わないものもあります。しかし軽負荷な運動でも(1)〜(3)までは少しでも行うようにしましょう。具体的な方法は後述します。

また、痛みや腫れ等の炎症がある場合は心拍数低下後にまずアイシングを行います。痛みや腫れが引いたらストレッチなどで筋肉の拘縮を防ぎます。


2.あまり知られていないクールダウンを行うべき理由

運動中と直後の身体変化

運動中と直後の身体変化

運動後にクールダウンは必要です。その最も重要な理由の一つは、「めまい」「貧血」「失神」を防ぐことになります。

激しい運動は交感神経を刺激し、心拍数と血圧を上昇させ、全身に血を巡らせるようになります。ここで突然運動をやめると、副交感神経が優位になり、心拍数が急激に低下し、血液がカラダの末端(特に下半身)に溜まり、脳に血液を送ることが難しくなるのです。これが「めまい」「貧血」「失神」の原因となります。

特に、日頃から激しい運動を行っている方は、心拍数が上昇下降しやすく、また血管が多くの血液を保持できるようになっています。ここで血流が滞るとこのトラブルが起きやすくなるのです。運動直後に脳への酸素供給が足りなくなると感じる方や、クラクラする方はぜひクールダウンを行ってください。

また、全身の血流維持により、疲労物質や老廃物の排出促進に効果があると考えられています。

tired woman runner taking a rest after running hard

ランニング後に急激に走りを止めてしまうことは危険です


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3.クールダウンを行うメリット7選

クールダウンを行うことで、カラダは運動から休息状態への移行がスムーズに行えます。以下のようなメリットがあります。

・心拍と血圧、呼吸、体温のゆるやかな低下

・脳への十分な血液と酸素の供給

・下半身(特にヒザから下)の血液滞留防止

・疲労物質の排除

・筋緊張の緩やかな最適化(筋肉柔軟性の向上・ケガの予防)

・次のエクササイズに対する順応性向上

・炎症の防止

このようにメリットは大きいので、ぜひおろそかにせず行うようにしてください。

“クールダウンは筋肉痛予防にはならない”

  • 「筋肉痛にならないために、クールダウンをちゃんとしておくように」と言われることがあります。しかし、これを証明した研究発表はありません。かつては、筋肉痛は乳酸の蓄積に起因すると考えられていましたが、現在はこれを否定する意見が多くなっています。乳酸は時間の経過とともに消失するからです。そもそも筋肉痛の原因がよくわかっておらず、高負荷の運動後はクールダウンでも軽減させることは難しいと思われます。詳しくは別記事「筋肉痛の治し方7選…人によっては効果的かもしれない方法とその理由」をご一読ください。

4.クールダウンの方法

ここではシーンごとのクールダウンのやり方について解説します。

4−1.球技や武道、ダンス等における一般的なクールダウンの方法

・水分補給

・軽いジョグを5〜10分(試合中の高負荷や持久力向上目的ではなく、クールダウン目的で徐々にペースダウンしていく)

・全身の静的ストレッチ

・糖分とたんぱく質の補給

・入浴(冷たいシャワーとホットバスによる交替浴もおすすめ)

・就寝1時間前までに再度静的ストレッチ

・就寝直前までにストレッチポール®によるベーシックセブン(リラクゼーションと姿勢の正常化)

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静的ストレッチの方法。全身をまんべんなくストレッチしましょう

ストレッチは、10〜20秒間ピークの状態でキープします。呼吸は止めないでください。痛みを感じるほどはやり過ぎですが、目的とする部位に緊張を感じられるようにします。

ストレッチポール®によるベーシックセブンの方法は、以下の記事を参考になさってください。

ストレッチポールの基本的な使い方

“野球のクールダウンについて”

  • 投手で、試合後にキャッチボールを行ってクールダウンをしているケースがよくありますが、この効果について明確な研究発表はありませんでした。投球の振り返りや精神的リラクゼーションの効果はあると思いますが、試合で多く投げた場合は疲労を助長する可能性があります。

    特定動作のみではなく、全身のストレッチを行うようにしてください。

    別記事にて、野球肘予防のためのストレッチを解説しています。クールダウン時にも使える方法ですので、参考になさってください。

    野球肘ストレッチ|専門家が教えるチェックと効果的な対処法

4−2.ウォーキングやジムでのランニングマシン(トレッドミル)、エアロバイクの場合

基本的な考え方は上記と一緒です。

息が上がる程度をピークにトレーニングしたら、30分走であれば10分、60分走なら20分程度をかけて徐々に負荷を落とし、平常時に近い心拍数や呼吸数に戻していきます。

プールが併設されている場合は、ゆっくり水中ウォーキングをすることもおすすめです。

ストレッチやリラクゼーションには、ジムに置いてあるストレッチポール®も活用なさってください。

4−3.定期的にマラソン大会(ハーフ以上)に出場しているランナーの場合

当ブログでランニング関係の記事を監修頂いている小島成久先生(100kmマラソン元日本記録保持者)にお伺いした方法です。

【120分練習の構成】

・ウォーミングアップ30〜40分(ジョグも含める)

・メイン練習約1時間

・クールダウン走20〜30分

クールダウン走は、時間をかけて平常時の心拍数に近いところまで落としていきます。90~80回/分くらいまでが目安でしょう。帰宅後に入浴して全身のストレッチを行います。

イメージとしては「カラダはウォームダウンで、神経はクールダウン」です。カラダは冷却させずに、温かい状態をキープし続けます。血流を低下させないためです。神経は練習によって興奮状態にあるので、リラックスを心がけて副交感神経優位の状態を作り出します。

ストレッチポール®によるベーシックセブンはリラックス感覚を得るのにおすすめできます。

4−4.ジムでの筋トレ後の場合

高負荷をかけたら、ジムの場合はそのまま座り込まないことです。ゆるやかに心拍数を90~80回/分くらいまで下げるようにしましょう。

ウォーキングランジなどの動的ストレッチをゆっくり軽く行い、ご紹介した静的ストレッチも行います。

ロッカールームまでゆっくり歩いていくことだけでも、血流の停滞やめまいを予防することができます。

プールでのウォーキング、ストレッチポール®のベーシックセブンもおすすめです。

運動後15〜30分以内に、糖質とたんぱく質を摂取することで、疲労回復と筋肉生産が促進されます。おすすめはプロテインとバナナです。

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手足ブラブラ運動を行うことで、末端の血流を胴体に戻すことができます

5.アイシングはいつ行うか

練習後にアイシングを行う小中学生や高校生もいますが、アイシングは痛みや腫れ、赤みなど炎症がある場合に効果があります。氷水をアイスバッグ(氷のう)に入れて、患部が「心地よい」と感じる程度に冷やします。

しかし、突き指や打撲などではなく、競技動作を繰り返した結果の炎症は以下のケースで起きやすいです。

・本人の限界を超えて酷使したとき

・普段の姿勢が悪いとき

・運動フォームが不自然だったり無理があるとき

・関節の可動域に制限があるとき

・筋バランスに偏りがあるとき

・体幹が弱化しているとき

長く活躍するためには、その場しのぎの方法ではなく、根本から見直すことをおすすめします。

プロ野球では先発投手が投球直後に肩とヒジのアイシングを行うケースが多いです。これは投球数も多く大変な負荷がかかっているからです。次回先発まで日にちがあるため、一度完全に冷却して回復を進めます。

対して、中継ぎや抑えの投手はアイシングをする選手が少ないです。「ウォームダウン」の考え方で血流の滞りを作らないようにするためです。連日登板するために、カラダを温かい状態でキープしておくのです。

先発投手でも石川雅規投手や引退した山本昌投手はアイシングを積極的には行いませんでした。何を行うにしても目的と自分に合っているかの確認が重要です。

別記事にて、アイシングの効果や方法について詳しく解説していますので興味のある方は参考になさってください。

アイシングとは・痛みに効果的な方法と原理をプロトレーナーが解説!

6.まとめ

クールダウンはどのような競技やトレーニングでも必ず行うべき「練習のシメ」です。行うことで、血行低下や脳への酸素不足が解消でき、疲労回復が促進されます。

練習や試合の最後には15〜30分程度の時間をとって、この記事でお伝えしたような方法を行うようにしてください。

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