実は、ストレッチポール®には指導資格があります。これは一般財団法人日本コアコンディショニング協会(JCCA)が発行する民間資格です。
では何のためにこの資格があるのでしょうか。
ストレッチポール®の良さを誰かに伝えたい方、スポーツトレーナーや運動指導に関わる方ならぜひ知っておいていただきたいこの資格について、この記事ではご紹介します。「どんなことをやるのか」等資格の内容を知りたい方はぜひ参考になさってください。
※講座の内容や費用はいずれも2017年11月現在のものです。
目次
1.ストレッチポール®、三つの指導資格とは
JCCAが認定するストレッチポール®の指導資格は、段階順に「ベーシックインストラクター」「アドバンストトレーナー」「マスタートレーナー&マスターインストラクター」の三種類があります。この記事ではそれぞれの資格の内容について解説します。
2.累計5万人以上が受講!ベーシックインストラクター
ここではストレッチポールの基本資格「ベーシックインストラクター」についてお伝えします。
2−1.ベーシックインストラクターとは
ストレッチポール®の最も基本的な運動パッケージである「ベーシックセブン」を他の方にお伝えできるようになる資格です。
ベーシックセブンの方法自体は当ブログでも公開しています。(ストレッチポールの基本的な使い方)
このようなサイトや動画を見て見よう見まねで指導しているトレーナーの方も少なくないと思います。しかし一度しっかりした講義を受けることで、より安全に効果的にお伝えすることができます。よくあるQ&Aにも自信を持って答えることができます。
JCCAではこれまで5万人以上が受講しています。講義の内容は以下の通りです。
・ベーシックセブン(予備運動3+基本運動7)体験
・講座:体幹とは、各運動の意味と目的、声がけ例、禁忌等
・指導ロールプレイ(実際にパートナーへの指導で経験を積む)
ベーシックセブンは、リフレッシュやリラックスしたいときに最適な運動です。一人の指導者がいれば、大勢の方に、同時に、かつほとんどの方に運動効果を感じていただける方法です。
2−2.資格取得をするためには
ベーシックインストラクターセミナーは、費用7,000円(税別)で3時間の受講となります。マジメに講義を受け、最後の実技まで行えば無試験でどなたにでも資格が発行されます。JCCAへの入会も不要です。
ベーシックセブンセミナーについては、以下のページで詳しく紹介していますので、興味のある方はぜひ参考になさってください。
2−3.どのような方が参加しているか
ベーシックインストラクターにおいては、「ストレッチポール®の良さを誰かにお伝えしたい」と思われた方は、ぜひ受講され取得されると良いです。
これまで受講された方は、治療家(鍼灸柔道整復師等)、理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、整体師、学校の先生、ヨガ・ピラティスインストラクター、ダンス講師、運動施設勤務の方など様々なバックボーンを持つ方が多いです。
この基礎講座においては、一般の方の比率も大変多いそうです。
3.カラダの面白さに気付き始める・アドバンストトレーナー
ベーシックインストラクターになり、その講座を受講したなかで、またはその後の指導経験で、「もっと詳しくカラダと運動のことを知りたい」「運動指導の質を高めたい」「ストレッチポール®の指導を深めたい」と考えられる方は少なくありません。
アドバンストトレーナー資格では、トレーナーに必要な知識とさらに効果的な方法を学ぶことができます。
「ベーシックセブン」は、一度に多くの方へ実施することができるメリットがありますが、アドバンストトレーナー資格では、個々の方に対してより細かくアプローチする方法を学ぶことができます。
講座を修了し、認定試験に合格すると、トレーナーとして一つのセッションを最初から最後まで完成させる技術を学ぶことができます。以下の二つの講座があります。
■リアライメントスリー講座
クライアントの意識付けや姿勢評価方法、体幹部へのアプローチ方法を学びます。いずれもジャンルを問わずトレーナーであればぜひ覚えておきたい知識とスキルです。主な講座内容は以下の通りです。
・お客様のモチベーションをアップさせるヒアリングテクニック
・JCCA独自の「簡易ブロック姿勢評価」テクニック
・肩甲骨まわり、骨盤・股関節、脊柱へのより深い「緩めるアプローチ」の方法(ベーシックセブンでは得られないコアリラクゼーション)。
・セッションに今日から使える!JCCAオリジナルの「セッションシート」活用法
■リセットスリー講座
トレーナーであればぜひ知っておきたい「発育発達理論」や「インナーユニット機能」について学びます。理学療法士の専門課程や他団体でも必須項目の講義をJCCAならではの視点で分かりやすく、活用しやすいようにお伝えします。
他団体や学校で教わってきた方が「目からウロコが落ちた」「やっと意味が理解できた」と言われることが多い講座です。主な内容は以下の通りです。
・乳児の発達過程運動を成人の機能運動に応用!「発育発達理論」の重要性についての学習
・「インナーユニット」の機能解剖
・緩めたあとは良い状態をキープ!三つの「体幹安定エクササイズ」の方法
■費用と認定試験について
リアライメントスリー、リセットスリーともに6時間講座になり、二日間に分けられています。受講費用は各16,000円。資格取得には、認定試験(筆記30分+実技25分)に合格する必要があり15,000円です。
二日間の講座は正直盛りだくさんな内容です。どちらか一つを受講すると、脳疲労を感じるでしょう。そこから試験へ向けて復習したり、限られた時間でセッションができるように経験を積んでいただきます。
合格率アップのためには講師による理論の復習と実技のポイント解説、直前演習を受講しておいたほうがいいでしょう。試験前日にアドバンスト認定試験対策セミナー(6時間・費用別途15,000円)があり、一回で合格されたい方はこちらの受講を強くおすすめします。
取得までにかかる時間は、12時間(2講座)+6時間(試験対策セミナー)+試験で約20時間ですが、さらに自習時間が10〜20時間程度必要とお考えください。
アドバンストトレーナーにおいては、前述したように、ベーシックインストラクター講座でJCCAのプログラムに魅力を感じてステップアップした方が多く受講しています。
トレーナーとして一通り完結できるプログラムをお伝えしますので、治療家やPT、OT、トレーナー、インストラクターの方が多く取得されています。
- 試験は受講者の方の義務ではありません。アドバンスト&マスター各講座の内容は大変濃いものです。ここで学んだ内容をよく復習され、実践経験を重ねて活用している方が大勢います。試験はいわば、理解度・成熟度のお墨付きのようなものですから、全てのカリキュラムを修了しても、試験を受けられない方もなかにはいます。
4.体幹と姿勢の専門家・マスタートレーナー&マスターインストラクター
JCCAの一般指導者資格としては最高峰ランクになります。主に個人指導を行う方向けの資格が「マスタートレーナー」、グループ指導を行う方向けが「マスターインストラクター」になります。
知識、指導スキルはもちろん、「お客様のことを最優先に考えられる」などマスターにふさわしい人物像であることも重要です。講座は6講座で36時間。3ヶ月以上のセッションレポートやそれを踏まえたプレゼンテーション作成も必要で、試験までに70時間程度かかると思われます。認定試験は、東京と大阪で年一回ずつあります。
講座(各6時間)は以下のようになります。
・発育発達からひも解くコア
・コアスタビライゼーション
・コアコーディネーション
・モチベーションテクニック
・コアから見る姿勢の評価(マスタートレーナー用)
・コアから見る動きの評価(マスタートレーナー用)
・グループ指導で活用する姿勢と動きの評価(マスターインストラクター用)
・コアコングループプログラム(マスターインストラクター用)
合格すると、年に一度のコアコンシンポジウムでマスター認定証授与式が行われます。
全国のマスタートレーナーについては、コアコンファン.comにて紹介されています。どのような指導者がいるか調べたい方や指導を依頼したい方は参考になさってください。
5.資格を得るメリット
「ベーシックインストラクター」になると、自信を持ってストレッチポール®の良さを多くの方に伝えることができるようになります。ベーシックセブンを任意の料金で指導することもできるのです。
「アドバンストトレーナー」になると、さらに効果的な指導ができるようになります。ストレッチポール®関連製品を割引価格で仕入れて、指導とセットで販売できる「テクニカルアドバイザー」の登録も可能になります。「ベーシックインストラクター」養成講座を開くことができる「B級講師養成課程」の受講資格も得られます。
「マスタートレーナー」まで到達すると、コアコンディショニングの専門家として自信を持ってPRすることができます。前述のコアコンファン.comにてプロフィールが掲出されるようになります。協会からの指導者派遣依頼の優先順位もアップします。「アドバンストトレーナー」養成講座を開くことができる「A級講師養成課程」の受講資格も得られます。
6.ストレッチポール®の指導資格がある理由とは
まずは安全性の確保、ということです。資格がある方は安全にご利用いただくための講義を受けています。実はストレッチポール®が発売された当初、これを使用した運動による効果を感じる方が、自己流で多くの人にお伝えしたということがありました。
人によっては、腰痛のある方に無理に勧めてさらに悪化させてしまった事例もあります。このようなことがないように、株式会社LPNでは、最も大事にしている「安全性」にのっとって、正しい乗り方が広まるように願っていました。
その時に著名な運動指導者(トレーナー)である岩崎由純氏(JCCA会長)がこの趣旨に賛同し、使用方法や指導方法を普及するJCCAを設立することになったのです。
JCCAでは、安全性を確保しつつ、誰にでも手軽にできて、最も効果の高い方法について、テストを繰り返し経験を蓄積しました。その結果が、最も基本的な乗り方としてお伝えしている現在の「ベーシックセブン」です。
またこの効果がなぜ起きるかについて、解剖学や運動生理学などの研究を進める過程で、多くの発見やあらたな知識と技術を得ました。また多くの運動指導者の方から素晴らしい知見が集まりました。これを運動指導に活用することで、トレーナーのスキルアップがはかられることになります。
ストレッチポール®の使用法を研究したJCCAは、「体幹や姿勢、運動の専門家」領域という独自の認定資格を作りあげることができたのです。
7.発行団体JCCAとは
2003年に設立された運動指導者団体です。コアコンディショニング、すなわち二足の立位をマスターした人類にとって永遠のテーマである体幹部の安定性を獲得するエクササイズを提唱しています。
会員数は2015年に3,500人を突破。全国で会員トレーナーが皆さんの健康づくりのために活躍しています。
JCCA会員になると、ストレッチポール®関連製品が割引価格で購入できたり、指導会開催に際してツールが必要にな場合にレンタルすることが可能になるなど特典があります。詳しくはJCCAにお問い合わせなさってください。
またコアコンディショニングの概要については、以下のページを参考になさってください。
コアコンディショニング情報サイト コアコンファン.com(マスタートレーナーの指導風景やインタビュー動画あり)
8.JCCAが発行するその他の資格
ストレッチポール®をはじめてとしたコアコンディショニングに最適なツールの使用指導法講座の他、ツールを使用しないものもあります。
8−1.ストレッチポール®関連講座
・ベーシックセブンプラス(ベーシックセブンの応用)
・ペルコン(骨盤コンディショニング)
・ソラコン(胸郭コンディショニング)
8−2.ひめトレ®&スイングストレッチ®関連講座
・ひめトレベーシック(認定証あり)
・ひめトレアドバンスト(上記上級資格・認定証あり)
・スイングストレッチベーシック(認定証あり)
8−3.スペシャリストコンテンツ
・コアキッズ体操(キッズ指導向け・認定証あり)
・キッズコアコンディショニング(上記上級資格・認定証あり)
・コアフォーストレーニング(スポーツ選手指導向け)
・スポーツコアコンディショニング(上記上級資格・認定証あり)
・いろは体操(シニア指導向け・ひめトレ®使用・認定証あり)
・シニアコアコンディショニング(上記上級資格・認定証あり)
8−4.その他
・骨盤アプローチの基礎知識
・胸郭アプローチの基礎知識
・コアリコンディショニングベーシック(医療系国家資格保持者向け・ストレッチポール®MX使用)
・B級講師養成課程(ベーシックセブンセミナーを開催できる資格を得ます)
・A級講師養成課程(上記上級資格・アドバンストトレーナーセミナーを開催できる資格を得ます)
9.まとめ
指導を受けながら乗るのと、そうでない場合は効果の感じ方が大きく違います。
私たちもそうですが、何回ストレッチポール®に乗っても、他の方に指導してもらいながら乗ったほうが効果を感じます。指導者の存在意義を大きく感じる瞬間です。
このようにストレッチポール®の良さは、認定指導者の方に導いてもらったときに最大限感じることができます。
この記事を読んで、興味を持たれた方はぜひJCCAに問い合わせるか、さっそくセミナーに申し込んでみてください。
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