骨盤の歪みに「太もも」が関係していることをご存知でしたか? 日常のクセや出産による衝撃がカラダに影響を及ぼし、太ももの緊張を引き起こし骨盤をアンバランスに引っ張っているのです。
ここではそのメカニズムを解説し、今すぐできるオススメ骨盤矯正ストレッチの方法をご紹介します。太もものどこに緊張があり、左右のバランスの違いが生まれているかもおわかり頂ける方法です。ぜひこのストレッチを実践して、あなた本来の綺麗な姿を取り戻してください。
【お知らせ】産後の骨盤矯正については別記事 産後8週間で大変身!産前よりもキレイなママになる骨盤矯正法 妊娠中については、妊娠中の骨盤矯正・母子ともに元気に出産を迎える最善の方法 を掲載しています。マタニティの方はそちらもぜひご覧ください。
目次
1.そもそも骨盤矯正とは?
骨盤が歪んでいる状態を修正して本来の位置に正すことです。出産時のダメージや生活習慣のクセで起きていると考えられますが、骨盤そのものの歪みは実際はわずかと考えられています。
また、骨盤そのもののがカラダのバランスからズレているということもあります。
産後は、骨盤がゆるんでガタガタしている状態になりがちで、不安定で歩くのも怖い、という方もいます。
「脚の長さが違う」「腰の高さが左右で違う」「年を取るごとに下半身がぽっちゃりしていく」ことを気にして、調べるうちに「骨盤の矯正が必要だ」と考える方も多いようです。
エステや整体、治療院での施術の効果を上げるために、自分でできる骨盤矯正のためのストレッチを探している方も少なくありません。
2.骨盤矯正を行うメリット
骨盤矯正を行うことで以下のようなメリットがあげられます。
・姿勢が整って若く見られる
・歩き方が良くなる
・腰痛や肩こり、ヒザの痛みが軽減される
・ぽっこりお腹が解消される
・お通じが改善する
つまりどのような方も骨盤矯正は定期的に行った方がいいのです。
3.太ももの緊張が骨盤の歪みに関係している
骨盤の歪みに寄与している大きな原因の一つが「太もも」です。太ももの筋肉が緊張しているために骨盤に作用を及ぼしているのです。
筋肉は一部が緊張すると、反対側に位置する筋肉はゆるんでいます。この状態が続くことで、太ももの一部の筋肉は緊張し、反対側はゆるみっぱなしになります。例えば太ももの前が発達している人は、後ろ側はたるんでいることが多いのです。
骨盤などにもアンバランス(左右不均衡)が形成されます。これはなぜかというと、姿勢による重心の位置が関係します。
例えば、身体が後ろに反っていると、腰が前に出て、重心が後ろよりになり、身体が後ろに倒れないように前の太ももで腰を引っ張ってバランスをとるようになります。年月とともにこの傾向は進み、腰がどんどん後ろに傾斜し、太ももは発達していくのです。
また姿勢が悪いことでも、太ももが発達します。猫背や反り腰は、太ももが前に発達しやすい姿勢なのです。このように骨盤の傾きや歪みと太ももは相関関係があるといえます。
その解消のために、まずは太ももの緊張をストレッチでゆるめることで、骨盤を正常な位置に戻しやすくしましょう。
今回ご紹介するストレッチの方法は、太ももの「前」「後ろ」「外側」「内側」の緊張や左右差がわかりながら、筋肉の緊張をゆるめるものです。ご自宅でセルフでできますのでぜひ行ってみてください。お風呂上がりなど体が温まっている時に行うとより効果的です。
4.ストレッチをする上で大事なポイント
4−1.自分の左右差を感じる
自分の骨盤がどのように歪んでいるか、または、身体の左右のアンバランス具合はどうか、意識することが大切です。ここで紹介するストレッチなどをして、自分の左右差を感じることで、日頃の意識や取り組みが変わってきます。
「左のストレッチがやりにくい。右の靴底ばかり減る。ひょっとしたら、カバンの片がけが原因かもしれない」と気づくことで、生活習慣や姿勢を改善するきっかけになります。
4−2.正しい姿勢で行う
筋肉を伸ばすことだけを考えると、おろそかになりがちなのが”姿勢”です。姿勢が悪いと効果が上がらないだけではなく別の部位を痛める場合があります。
例えば、次項4−1.太腿の「前」にアプローチするストレッチを立って行おうとする場合にありがちなのが、腰が反ってしまうケースです。反り腰姿勢は腰を痛めてしまいます。
この記事でご紹介する方法はなるべく正しい姿勢で行えるようにご案内しています。それ以外のストレッチを行う際も、正しい姿勢を意識してください。
4−3.継続する
短期間では結果は出ません。産後の場合は「出産」という一大事のせいで、それ以外では主に長年の生活習慣によって引き起こされていますから、相応のトレーニングが必要です。
治療院の施術を受けている時やストレッチの時だけではなく、日頃からの改善のための努力が必要です。まずは二、三ヶ月取り組んでみましょう。そのことで、必ずや結果が現れ、パートナーや知り合いから「姿勢が良くなった」などと言われるようになるでしょう。
5.基本の骨盤矯正ストレッチ
ここからいよいよ、骨盤矯正のためのストレッチを5種類ご紹介します。自分の左右差もわかるエクササイズです。最初に一通りやってみて、左右差やカラダに負担なくできるのであれば、そのストレッチは行わなくても大丈夫です。
5−1.太ももの「前」にアプローチするストレッチ・1
【方法】横向きに寝て片方の膝を手で押さえます。そこから卍字状になるように、両脚を90度に曲げます。上の方の足を同じ側の手でつかみまず。下側のヒザも同側の手で押さえストレッチしていきます。(これにより骨盤が適正な位置でストレッチされます)15〜30秒を目安に。片足ずつ交互に2〜3セット行ってください。
【ポイント】お腹とお尻に力を入れて、伸ばします。呼吸は止めないでください。
5−2.太ももの「前」にアプローチするストレッチ・2
【方法】仰向けに寝て、片脚を両手で抱えます。もう片方の脚を伸ばします。前の太ももが伸びていことを感じてください。これも15〜30秒を目安に。片足ずつ交互に2〜3セット行います。
【ポイント】膝の裏が床から離れないようにします。
5−3.太ももの「後ろ」を攻略するストレッチ
【方法】ステップや台を用意して、片脚を伸ばしたまま前屈を行います。左右でやりやすさに違いはありますか? 右の写真のように、腰から折れ曲がるようにしてください。
【ポイント】まっすぐ伸ばした脚のももの後ろが伸びていることを意識しましょう。左右で何度か繰り返してください。
5−4.太ももの「外側」に効果的なストレッチ
【方法】仰向けに寝ます。写真のように足を組んで、下のほうの足をできるだけ内側にストレッチしてください。
【ポイント】ももの外側が伸びていることを感じてください。
5−5.産後にも効果的な「内もも」を鍛える骨盤矯正ストレッチ
次の方法は、ももの内側を鍛えるストレッチです。内転筋という筋肉を鍛えますが、産後で恥骨の痛みや不安がある方にも無理のない範囲で試していただきたい方法です。
特に出産後1ヶ月は過ごし方が非常に大切ですので、焦らずにあくまでも自分ができる範囲で行ってみてください。
【方法】仰向け寝でヒザをあげます。ヒザの少し上を手で外側から押さえながら、脚は内側から外に抵抗をかけます。反対に、内側を押さえて、外側から力をかけるやり方も行います。パートナーに手伝ってもらうとより効果的です。ボールを使って外から中に圧をかける方法もいいでしょう。10秒間、できる限り力を入れて堪えます。
【ポイント】力を入れたあとの脱力も大事です。この時に骨盤が正しい位置に戻ろうとします。
6.タオルを使って行う骨盤矯正の方法
ストレッチで筋肉をゆるめると、骨盤の位置が適正な状態に戻りやすくなっています。体力に余裕のある方は、以下にお伝えする方法で骨盤を内側から整えましょう。
ここではタオル(バスタオル)で骨盤を引締めて骨盤矯正の状態をキープするエクササイズをお伝えします。骨盤を安定させた上で、呼吸と軽度な腹筋運動を行うことで、しっかりとした骨盤を作る方法です。
【方法】ヒザを曲げて仰向けで横になります。大転子をタオルが覆うように巻きお腹の前でクロスさせます。
この後、外側にタオルを引くので、クロスさせたときに反対側を持ちましょう。
タオルを外側に引っ張り、骨盤の底をカラダの中に引き込むようにしてお股を締め、おへそをのぞき込むようなイメージで上半身を床面から持ち上げていきます。この時、肩甲骨が床から離れるくらいの程度でOKです。
首が疲れたり、腹筋に十分な力が入らない場合は頭の下に枕やクッションを置いてください。自然な呼吸で10回を目標に始めましょう。(目安反復回数10~20回)
この方法は、産後の骨盤矯正についての別記事 産後8週間で大変身!産前よりもキレイなママになる骨盤矯正法 内でご紹介している方法です。骨盤矯正の方法をもっと知りたい方はそちらもぜひ参考になさってください。
7.ストレッチポールの運動による骨盤矯正の方法
ツールを適正に使うと、意識しなくとも骨盤などが正しい状態で、楽に効果的なストレッチが行えます。例えば、ストレッチポールの股関節まわりのエクササイズを行うと、次のようなメリットがあります。
・腰の骨の左右差がわかる。(腰の後ろの骨の出っ張り部分の、左右での当たり加減が違ったりします)
・小刻みに揺らすことで、徐々に正しい状態に近づいていく。(筋肉がゆるんだ状態で小刻みな振動を加えることで、骨盤や股関節が適正な位置に戻ろうとします)
・その状態をキープするための運動も行える。
ストレッチポールを使った縦乗りエクササイズが骨盤や股関節に好影響をもたらし、骨盤調整ができる理由については、別記事「ストレッチポールで簡単骨盤調整!2つのポイントとその方法」に詳しくまとめました。併せてご覧ください。
また、ももの前後内外の部位に当てながら転がすことで、筋肉をマッサージする使い方もできます。
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8.骨盤矯正の効果を知る
骨盤矯正の効果はスグにはわかりにくいものです。しかし、このストレッチを適切に行えば、早い人なら1回で効果を知ることができます。
ストレッチの前後で次のことを比較してみてください。
○仰向けに寝て、足をまっすぐに。内くるぶしの位置が左右で異なるかどうか
○立っている感触はどうか。どちらか片足に体重がかかっていないか
○足を片方ずつ交互にあげる。股関節の感触はどうか
○片足立ちの安定感はどうか
○身体を左右にひねる。ひねりやすさで左右に違いはあるか
9.日頃から行える骨盤矯正の取り組み
今回、ご紹介した方法は、緊張しているももの筋肉をゆるめるものです。これにより骨盤が整いやすくなったのです。このストレッチに加えて日頃からの取り組みを行うことで骨盤矯正の効果が最大限に高まります。ぜひ併せて行ってください。
日頃から行う骨盤矯正の方法
・どちらかに力をかけて立たない
・カバンの片がけをやめる
・ジーンズのお尻のポケットにどちらかだけモノをいれるのをやめる
・ウエストポーチがいつも決まった位置にあるのをやめる
・椅子に座っている時に片足で組むのをやめる
・床に座っている時に偏って座ること(女の子座り)をやめる
・ハイヒールをなるべく履かない
・なるべくまっすぐ立ったり歩くよう意識する
・就寝時の横向き寝に注意する。
良い姿勢づくりを日頃から意識して行い、美しい本来の姿を取り戻しましょう。
10.骨盤矯正Q&A
Q1.骨盤矯正で本当にやせる?ダイエット効果は?
A1.やせるということが「体重と贅肉を落とす」ということであれば、骨盤矯正だけで短期間でやせることは難しいです。
しかし骨盤矯正の結果、姿勢が良くなり、お腹や脚、お尻の筋肉が正しく使えるようになると、体が引き締まりスラリとしてきます。太ももやせや脚やせの効果を感じられるかもしれません。
また、内臓の位置も整い、消化やお通じの機能も向上しますのでぽっこりお腹が解消されることが考えられます。
短期的に効果をあげるにはウォーキングやサイクリング、スイミングなどの有酸素運動と組み合わせると良いです。ぜひ骨盤矯正と合わせて行ってください。
Q2.男性もやったほうがいいの?
A2.もちろん男性もぜひ行ってください。姿勢の悪さが腰痛などを引き起こしていることがよくあります。O脚(ガニまた)が癖になっている方は4−5.「内もも」を鍛える骨盤矯正ストレッチをおすすめします。
Q3.高校生だけどやったほうがいいの?
A3.歩き方や立ち姿勢があまり良くない若い方を見受けることがあります。勉強時の姿勢やスマートフォンを見る姿勢、さらに立っている時の体重のかけかたなどで全身の姿勢にアンバランスが生じやすくなっています。一生を健康に過ごすためにもぜひ行っていただきたいと考えます。
Q4.骨盤矯正はどれくらいの期間やるの?
A4.立ち姿なら、早い方なら1回で変化を感じることが可能です。ビフォー&アフターで正面からと横からの写真を撮ってみてください。腰の反り具合や体の傾きに違いを感じられるでしょう。
しかしながら、実際に動きとして身につけるには、プロトレーナーの指導のもとでも40日程度かかります。これは脳の中にある体の動きのイメージを修正するのにそれくらいの期間がかかるからです。
自力で行うとなると、姿勢や歩き方などを常に気にしても3ヶ月程度はかかるとお考えください。しかしながらその期間のわずかな努力で一生のプラスになるのですから、ぜひ取り組んで頂ければと思います。
Q5.骨盤矯正チェアやデスク、ベルトの効果は?
A5.実際に正しいポジションをキープできるので、即効性やサポート性のあるツールだと思います。矯正された状態を知り、意識付けできるという点は優れていると思います。
それらのツールで骨盤矯正が失敗してしまうケースは、ツールがない時に正しい骨盤の状態がキープできなかった時だと思います。
効果をあげるためには、この記事でご紹介した使用者の方の内面から解決する方法も併せて行うことをおすすめします。
Q6.整体院やエステではどうやって骨盤を矯正するの?
A6.施術内容は各お店によって異なります。人によるストレッチやマッサージ、または手技や機械によって筋肉をゆるめ、骨盤を適正な位置に整えます。お店によっては自宅でできるトレーニングなどの改善方法をお伝えしてくれるかもしれません。
エステや整体院に通っている方も、この記事でお伝えした方法を併せて家でセルフで行うことで骨盤矯正の効果が上がると思いますので、ぜひ取り組んでください。
11.まとめ
太ももをストレッチして骨盤矯正を導く方法をご紹介しました。骨盤の傾きやゆがみと太ももの緊張は密接な関係にあります。
骨盤のゆがみや傾きは、腰の状態を悪くし、ひいては背中や肩、首、股関節や脚、足首の状態にまで影響をもたらします。その逆として、体のどこかのアンバランスが骨盤のゆがみをもたらしているケースがあります。
ぜひお体の緊張状態や、姿勢にお気をつけていただき健康的な生活を手に入れていただければと思います。
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