仙骨ストレッチという言葉を聞いたことがありますか? 一般的にはストレッチは筋肉に対して行うものです。骨をストレッチすることはできないのですが、「仙骨ストレッチ」で調べられている方が多いようです。
これは、仙骨周辺の筋肉をストレッチするということを表す言葉ということで良いでしょう。
実際に仙骨は骨盤の中心部にあり、腰や背中、お尻、脚の機能に大きく関わっています。「骨盤のゆがみ」にも関係しますし、坐骨神経痛や腰痛もこの周辺の機能不全で起きていることがあります。
ですから姿勢を良くしたり、痛みをなくしたい方はぜひ行うべきものです。
ではどうすれば? そこでこの記事では仙骨周辺にアプローチするストレッチでオススメのものをご紹介します。効果的な方法をお探しの方はぜひ行ってみてください。
目次
1.仙骨の位置
仙骨は骨盤を構成する骨の一つで、お尻のちょうど中心部にある骨です。
骨盤にはそのほかに腸骨や坐骨、恥骨という骨でできています。
仙骨と腸骨の間にある関節を「仙腸関節」といい、ごくわずかに動きます。
仙腸関節の動きが悪くなったり、傾きがおかしくなると骨盤やお尻、鼠蹊部、足の痛み、腰痛、坐骨神経痛などを引き起こしやすくなります。仙骨ストレッチでは、この仙腸関節周辺の筋肉をほぐし、骨格を整えることを行います。
2.仙骨ストレッチの方法
仙骨や腸骨にくっつく筋肉やその周辺の筋肉をストレッチする方法をご紹介します。
2−1.梨状筋ストレッチ
仙骨に付着する筋肉で代表的な筋肉が梨状筋(りじょうきん)です。ここが拘縮していると仙腸関節障害のほか、梨状筋症候群となって坐骨神経痛を引き起こします。
梨状筋はお尻の最上部かつ奥深くにある筋肉です。実際に触ってストレッチすることは難しいのですが、写真ではブルーの丸で示しました。この位置の奥深くにストレッチがかかるようにイメージして行います。
①仰向けで床に横になります。右膝を右手で持ち、左手は右足首を待ちましょう。ヒザを右肩の方へ引き上げていきましょう。
この時左のおしりが床から浮かないこと・肩に力を入れないことがポイントです。20~40秒を目安に左右とも行いましょう。
②仰向けで横になり、右足のかかとを左ヒザの上へ置きます。
左手で右ももの外側を持ち、左肩の方へ引きます。この時右のおしりが床から離れないように気を付けてください。20~40秒を目安に左右行いましょう。
右足を組むようにして左足にかけ、左ヒザの裏で手を組みます。背中が浮いたり、カラダに力が入らないように注意しながら軽く手を引きましょう。気持ちよく自然な呼吸で20~40秒を目安に左右行います。
2−2.大臀筋のストレッチ
お尻の筋肉=臀筋筋も仙骨をはじめとする骨盤に関わっている筋肉です。硬くなっていたり、うまく使えていないと仙骨周辺を原因とするトラブルを引き起こしやすくなります。
左ヒザを外側90度に曲げて倒し、右足を後ろに下げ座ります。
両ヒジをカラダの前で床につき上半身を前へ倒します。この時に右足に力が入らないように注意して左のおしりを伸ばしていきましょう。
左右20~40秒を目安に行います。
※この時に右に捻って行うと、中臀筋のストレッチになりますから、併せて行います。
臀筋群のストレッチは椅子に座ったままでも行えます。オフィスなどではこちらもお試しください。
写真のように片足をもう片方の膝の上におきます。お尻周りが伸びるように意識して前に上半身を倒していきます。倒した状態で、自然な呼吸を繰り返しおこないます。左右20秒ずつを目安にストレッチしましょう。
2−3.多裂筋の活性化エクササイズ
仙骨に付着する筋肉の大きなものは上記の2種類となります。しかし実際には様々な筋肉が関係しており、その中でも「縁の下の力持ち」的存在の2種類の筋肉をご紹介します。
多裂筋は、仙骨から腰、背骨まで細かく付着する深層筋肉(インナーユニット)で、骨格を適正な位置にし姿勢を整えるための大事な筋肉です。
■うつ伏せストレッチ(コブラのポーズ)
お腹の縦方向の筋肉のストレッチになります。腹式呼吸が行いやすくなります。
背中が弓なりになるようにし、お腹のストレッチ感を感じながら30秒間キープします。
■腹式呼吸のトレーニング
「息を吸った時にお腹をふくらませる」。これが腹式呼吸ですが、やり方がよくわからなかったり、できているつもりでもできていないことがあります。コツをつかむ方法をご紹介します。
柔らかいゴムボールを用意します。お腹が膨らむ感覚がわかれば何でも良く、枕やクッションでもいいです。
仰向け寝になり、ヒザを立てて写真の態勢をとります。ボールをお腹に当てて両手でしっかりホールドします。
息を吸う時にこのボールをお腹でつぶす感覚を得るようにします。同時に腰にある背骨が床に当たるようにします。腰の下に別の枕やクッションを敷いてもいいです。その際は腰があまり反らないようにしてください。
10回繰り返します。「息を吸う時に横隔膜がおへその方に引き込まれてお腹が膨らむ」イメージで行います。
2−4.骨盤底筋群エクササイズ
骨盤の最下部にあり、ハンモックのように骨盤内部を下から支えているのが骨盤底筋群です。細かい筋肉の総称ですが、この一部が仙骨下部に付着しています。呼吸や姿勢、内臓の位置、排泄や生殖など人間の機能に大きく関わっている筋肉です。
■仰向けトレーニング
仰向けで骨盤底筋を意識するトレーニングです。
エクササイズ方法:
仰向けになり、足の裏を床につけ、肩幅に開いて膝を曲げます。
カラダ全体の力を抜きつつ、肛門と膣(睾丸)を締めるように意識しましょう。
これを締めたままゆっくり5カウントキープし、その後リラックスします。これを5回行います。
ポイントは骨盤底筋を箱からティッシュを抜き取るようなイメージで引き上げることです。
■四つ這いトレーニング
続いては四つ這いで骨盤底筋を動かしていきます。
エクササイズ方法:
肩の真下に手をつき、ももの付け根から膝が床と垂直になるように付けます。
背中はなるべくまっすぐ、床と平行になるように。
この運動でも、カラダ全体の力を抜きつつ、肛門と膣(睾丸)を締めるように意識しましょう。
これを締めたままゆっくり5カウントキープし、その後リラックスします。これを5回行います。
ポイントは体の力を抜いて、手足の4点に均等に体重を預けることです。
■ひめトレを使用した骨盤底筋トレーニング
上記の方法では骨盤底筋の位置や感覚がわかりにくかったのではないでしょうか。
私たちが提供する「ストレッチポール®ひめトレ」を使ったエクササイズは、骨盤底筋の位置と動きが非常にわかりやすいので、自信をもっておすすめできるものです。また、アレコレやる必要がなく、シンプルないくつかのエクササイズを行うだけで、カラダに無理なくすぐに効果を実感していただけます。
ひめトレは、股下にはさみエクササイズを行うことで、骨盤底筋を簡単に意識して引き上げるサポートをしてくれるツールなのです。
なお、第17回日本女性骨盤底医学会では、
座位による骨盤底筋収縮時には,ひめトレ前,ひめトレ中,ひめトレ後全ての条件において骨盤底は有意に挙上すること(明らかに筋肉の活動があったこと)が示された。参考リンク:ひめトレ公式サイト
などの研究発表が行われました。
またズームインサタデーというテレビ番組で紹介された時は、リポーターの女性のウエストが3cmも引き締まり、姿勢も良くなるなどの効果が現れました。
次項より、さっそくひめトレを用いた骨盤底筋トレーニングの一例をご紹介します。
■ひめトレ呼吸トレーニング
骨盤底筋を意識して呼吸をしていきます。
エクササイズ方法:
ひめトレの上に座り、触れている部分を引き上げながら、大きく呼吸をします。
息を吸いながら骨盤底筋を引き上げ、その位置をキープした状態で息をしっかり吐ききりましょう。5回ゆっくりと行いましょう。初めはシンプルに骨盤底筋を感じましょう。
■ひめトレバードウイング
骨盤底筋を引き締め、呼吸でお腹を動かしたら、次は肩甲骨を動かしましょう。
エクササイズ方法:
ひめトレに座り両手を引き上げます。
手のひらを外側に向けて肘を曲げながら肩甲骨を寄せます。
この時、骨盤底筋を引き上げてキープしておくことがポイントです。ゆっくりと自分のペースで5回行いましょう。両手を動かしても骨盤底筋から力が抜けないように引き上げましょう。
■ひめトレシェイプブレス
最後はお腹を引締める効果のある運動、シェイプブレスエクササイズです。
下腹を意識して行うことでウエスト周りを刺激します。
エクササイズ方法:
ひめトレに座り、肋骨の横に手を当てて息を吸います。この時に骨盤底筋を引き上げましょう。息を吐きながら手をクロスさせて前へ出して5回行いましょう。ポイントは下腹を意識することです。息を吐きながら肋骨が締まっていくのを感じていきましょう。
3つのエクササイズで骨盤底筋を意識して引き上げる感覚を得てみてください。使用前の感覚もぜひ覚えておいて使用後と比較してみましょう。
2−5.ツールを使って筋肉のコリ部分を発見しほぐすストレッチ
仙骨周辺が硬くなっている場合は、ストレッチポール®を使用して簡単にほぐすことができます。自分の体重をかけてゆっくり動かすだけですので、お持ちの方はぜひ試してみてください。
上記の運動を行う際には、反り腰にならないようにご注意ください。
ストレッチポール®は㈱LPNの登録商標(第4666450号)です。正規品は公式LPNショップにて、またAmazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでも正規品をお買い求め頂けます。
まとめ
仙骨周辺にアプローチするストレッチ方法をご紹介しました。仙骨周辺が硬くなったり動きが悪くなることの原因は、普段あまり使っていないかストレッチを行なっていないことだと考えられます。
簡単な筋トレを日常的に行うことで、再発を防ぐことができますので、ストレッチに併せて下記の方法も行なうことをお勧めします。皆さんの参考になれば幸いです。
お尻筋トレ8選|鍛えてメリハリヒップを実現する最も効果的な方法
初心者必見スクワットの正しいやり方!簡単で効果的なポイント5選
コンテンツの全部または一部の無断転載を禁止します。(C)Imaginear co.,ltd. co.,ltd. All rights reserved.